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おいおい、ぎっくり腰になっちゃったよ

Posted by 高見鈴虫 on 07.2007 チャーリーホースは真夜中に疾る


おいおい、ぎっくり腰になっちゃったよ。

信じられない、ほんと、まったく、全然信じられない。
だってさ、この俺がだよ。ほんと、青天の霹靂、そのもの。
運動不足?
まさか!!!
俺、最近、週に三日は朝6時に起きてテニスやってるんだよ。
天気の良い日は自転車に乗って通勤してるしさ。
そんな俺が運動不足?まさか!?
確かに、最近筋トレさぼってる。
前回の断食以来、密かに自慢だった腹筋の割れ目もこの所かなり曖昧になってきて(笑
うん、食後にかなりベルトがきつく感じていたのは確か。
あとね、最近ドラムが調子よくてさ。
こないだちょっと思い立ってシンコペのバスドラを一音抜いてみたらさ、
いきなりハイハットの裏音がシャキシャキと気持ち良く鳴り初めて、
スネアのシャドウが絡む絡む、と(笑
気づいた!ってその瞬間、でいきなり世界がぐるぐる廻り始めて、
リズムの神さまが降りて来た、はい、いらっしゃーい、という、あの瞬間(笑
そう、ドラムやってて一番の至福の瞬間。
で、ちょっと面白くなっちゃってさ。
仕事帰り立て続けにスタジオ寄っては3時間4時間、
知らない間に叩きこんでいて、
で、はっと気づいたら、やべっ! 足が動かない、と(笑
そう、確かにね、俺、イスが低い。
イスが低いのが俺のスタイル、という気さえしている。
だってさ、
バスドラ、思い切り踏み込まないとなんか叩いた気がしないっていうかさ。
まあ確かにね、
悪戯に力まかせに叩いてみたからってでかい音がでるって訳じゃないってのは事実。
それぐらいは判ってる(笑
でもさ、ほら、打感って言うかさ(笑
気持ちいいじゃない?バスドラでかいほうがさ。男だね!っていうかさ(笑
そう言えば遠い遠い昔、とある著名ななんとかさんに、
今のうちにイスを上げないとヘルニアで一生叩けなくなるぞ、
なんて言われた事はある。
でもほら、俺、あの頃は週に3回はジムで筋トレやってたからさ、
この俺がドラム叩き過ぎて腰を抜かす?
なにを惚けたこと言ってやがる、とは思っていたのは確か。
おやじ、てめえと一緒にするなよ、って(笑

と、考えてみると、
もしかして俺っていま、あのおやじ、と同じ年齢、ぐらいなの?
つまりあのおやじも、
若い頃は、イス下げてガツガツやってたところが、
いきなり腰やられて死ぬ思い、と。
つまりそういうことだったのか、と。
いやあ、年寄りの言うことは聞いておくべきだったんだね(笑

そう、確か最近、
とくにドラムを叩いてると、歳!を感じること、多い。
音楽の趣味が変わってきたのは勿論のこと、
プレイのスタイル、やっぱり昔と全然違うしね。
そう、それに加えて、
正直、うーんやっぱりまた腹が出てきてる。
テニスにかまけて筋トレサボってたからね。
それはある。
確かに自転車も腰に悪いという話は聞いたことがあるしさ、
そう考えると、俺、身体に良い事やってるつもりで
腰に悪いことばかりやってたのかな。

と言うわけで、
この、夢のように晴れ渡った週末に、
部屋のソファで寝たきり、という次第。
これはね、屈辱以外のなにものでもない、よね。
なんか、凄く不思議な感じのする朝。
おいおい、晴れた空をこうやって窓から眺めるのって、
一体どれくらいぶりなのかな、なんて考えていたら、
やべえ、おいおい、
今日もしかして、ヨサコイのユニオンスクエアじゃなかったっけか、
と思わず飛び起きて再びの大絶叫!

いやいやいや、しかしだ、
大好きなユカちゃんの晴れ姿だけは、
例え這ってでも見に行かなくちゃってんで、
かみさんの腕にしがみつきながら
ほんと、カタツムリが地を這うような速度でヨタヨタ。
ほんと、いっぱしのヨイヨイ気分。
で、気づいたこと。
道端のちょっとしたギャップが落とし穴。
転がった石ころひとつがまさに地雷そのもの。
それに加えて、この花粉の嵐、
くしゃみひとつ、咳ひとつがまさに運命の分かれ道。
そうこするとこの信号、
いつもは赤でも平気で渡ってる筈が、
点滅し始めただけで諦めちゃったりして。
で、最後に極めつけ、
この罰当たりな通行人ども、
肩の先がちょっと触れるだけで!!の激痛(爆
舌打ちしながら、てめえ気をつけろ、と怒鳴りそうになって、
やばいやばい、と(笑
俺、いま喧嘩やったら、よっぱらいの姉ちゃんどころか、
5歳のガキにさえ負けちまうっていうの(笑
おいおいおい、しかしながら、
人間、ぎっくり腰ごときでこれほど世の中の見方が変わるものなんだね。

そんなこんなで、ようやく辿りついたユニオンスクエア、
おお神様ありがとう、出演予定の1時ぎりぎりに辿りついたんだけどね、
で、あれ、いつまで待っても始まらない・・
なんてこった、実は予定時間が繰り上がって、着いた時には既に終わっていた(泣
でもね、
うん、ステージ観れなかったのは残念だけど、
ゆかちゃんに久しぶりに会えただけでも来た甲斐はあったな、と(笑
でもさ、ゆかちゃん、ちょっと見ない間にまたまたえらく綺麗になっちゃってさ。
そんな弾けた笑顔ですっかり機嫌直っちゃって(笑
と言うわけで、変に満ち足りた気分になって、
またヨタヨタとカタツムリの歩みで家まで帰りましたとさ。

と言うわけで、今回のぎっくり腰でつくづく感じたこと。
俺の強気ってほんと、身体が資本だったんだな、
つまり、それだけ、と(笑
で、
身体がきかないと、ほんと、人生って楽しめないんだな、と。
身体がきかないと、世の中が本当にまぶしく見えるものなんだな、って。

まあ確かに身体がきかないからと言って、
全ての楽しみから見放された訳じゃないし、
代替として他の楽しみを見つけるのは可能ではあるんだけど、
でもね、
うーん、俺的には、やっぱりね・・と。
今の人生で、テニスとドラムのない生活?
うーん、やっぱりちょっと想像がつかないなあ。

と言うわけで、
身体の弱い人たちの気持ち、今更ながら、痛い!ぐらいに身に沁みました。
今までバカにしてごめんなさいね。
でもさ、
この先、どんどん身体がきかなくなっていくんだな、
というのが身に沁みて判った以上、
身体の動くうちにやっておくべきことって、
実は凄く沢山あるんだなって、
ちょっと思い知った。


            ~遠方の友に宛てたメールより

朝に水を2杯

Posted by 高見鈴虫 on 12.2012 チャーリーホースは真夜中に疾る
朝に目を覚ましたら、まずはコップに2杯の水を飲むことで
お前の体調の悪さは一変する。
とりあえずそれを信じて初めてみろ。


腰痛退散!マットレスを買おう!

Posted by 高見鈴虫 on 12.2012 チャーリーホースは真夜中に疾る
ここ数年に渡って腰痛に悩まされていた。

それは慢性を通り越して既に持病と化してしまっていたわけなのだが、
ふと気づくとそう言えば出張中は腰の痛みを感じた事がなかった。

のが、家に帰り着いた途端にまた再発。

まあ出張中は気が張っていたからな、
とまたいつもの訳の分からない精神論でお茶を濁していた訳なのだが、
ひょんなことからかみさんと買い物に出たおり、
余りの腰痛に耐え切れなくなり、
ちょっといつもの腰伸ばし体操をする場所がないか、
と思いついたのがデパートのマットレス売り場。

で、フロア一面に並んだマットレスの上を、
半ばはしゃぎながら転がり回っていたわけなのだが、
ふと、そう言えばうちのマットレス、
ニューヨークに来てからだから通算20年以上も一度も替えた事がなかった訳だ。

いまとなってはその真ん中の辺りは、
まるで人一人がすっぽり入ってしまうぐらいに落ち窪んでしまい、
自然と人間様は両端のまだ硬さが残っているあたりに、
そして真ん中のくぼみは犬が占領していた訳なのだが、
果たしてこのデパートのベッド売り場のマットレス、
寝転がった途端に腰全体がツーっと引っ張られるぐらいに気持ちがいい。

で、やれメモリーフォーマットだ、硬いのだ柔らかいのだと試しているうちに、
つくづくこの腰痛という悪霊に取り憑かれた状態に嫌気が刺して、
悪霊退散!とばかりに、
えいやあ!まさにその場で、売り場にあった中でも最も硬い、
つまりは腰が一番気持ちの良かったマットレスを買ってしまった訳だ。

というわけで届いたマットレス。
寝たとたん、何やら腰の下に枕でも敷いているように、
腰から背中がキューっと伸びるよう。

つまそれまで穴の中にすっぽりと収まるような姿勢に慣れ切っていたということか。

で翌朝、いつものように目を覚ました途端にやばい 遅刻だと飛び起きて、
頭からシャワーをぶっかけ派を磨いてスーツに腕を通した途端に地下鉄に飛び乗って、
と辿りつlたオフィス。

で、ここにきてふと違和感に気づく
腰が痛くない。
いつもなら、オフィスについた途端にいてててと倒れこむの椅子に座った途端に
ジーンとしていた腰が全く痛くない
つまりこのまま椅子に座って、いやあ、着いた着いた、と一休みする必要もなく、
そのまま仕事にはいれしうだはいってしまってもなんの支障も感じないではないか。
なんだよそういうことか。
と今になって気がついた

なんだよ、長年の腰痛の原因は、実はなんてことはない、ただの古いマットレスだったのだ。

今更ながらお粗末な結末であった。



「また足が攣り始めた」

Posted by 高見鈴虫 on 21.2013 チャーリーホースは真夜中に疾る   0 comments   0 trackback
くそったれ、この週末くっちゃねしていたら、
また身体が重くなって腰が痛くなってとたんに足が攣り始めた。

腰が痛くなるから足が攣るのか、
だから身体が重くなるのか、
というと鶏と卵。

つまりは必要以上に食わないことなのだ。

お前の身体は太るようにはデザインされていない、という訳だ。

それがサダメなのだよ。思い知るべし。

腰痛騒動記

Posted by 高見鈴虫 on 02.2013 チャーリーホースは真夜中に疾る   0 comments   0 trackback
「鍼治療とはいったいなんだったのか」
鍼治療とはぶっちゃけ究極のマッサージであった。つまり身体を走る筋肉の筋道、それが硬質化、あるいは緊縛しているところのその中核に向けてぶすっと針をぶち込み、そこに電流を流して筋道の血行を促進して緊縛した筋肉を解きほぐす。皮膚の上から脂肪の層を通して行われる通常のマッサージよりはより直接的にまさに筋肉の核そのものを解きほぐそうという究極治療な訳である。

「鍼がなぜ怖いか」
しかしながら俺にとってこの鍼治療はかなり不愉快な経験であった。あの不気味な小部屋で身体の中に針を刺されて電流を流される、なんていう拷問もどきの目にあうぐらいならほとんど大抵のことは自主的に行おうという気にもなってくる。なにがそれほど不快であったかと言えばまさにその治療法である筋肉そのものに電流ビリビリというのはつまり、俺が普段あれほど恐れていた筋肉の緊縛、つまり攣る、という状況を故意に現出させている訳なのである。
「攣るという状態」
筋肉の攣りは突然訪れる。それもいつも不意打ちである。なんか妙なところがピクピクするぞ、と思っていたら、いきなりガチン、と鉄の轡を嵌められるように筋肉が石のように硬直してしまう。まさにLOCKUPという状態。おおお攣った攣ったという時にはまずはそれを忘れることである。動かすな、動かすな、とまずは横になる。変なところを動かすとまた別のところが攣る。その攣りの連鎖を避けるため、とりあえず身体の筋肉をなるべく弛緩させようとする訳だが、その方法はと言えば筋肉が攣っているという事実を忘れることなのだ。忘れろ忘れろと自分に言い聞かせながら、空を見たり誰かと話したりしながらなるべく注意を攣った筋肉から気を反らそうとする訳だ。そうこうするうちにいつのまにか筋肉の緊張が解けそしてふっと風が吹くような静寂が訪れる、おお悪魔が去った、となる訳なのだが

「鍼治療と緊縛」
今回のこの鍼治療中とはまさにその攣った状態を故意に現出させているものに近い。しかもそれが永遠と続く訳だ。当然のことながら身体中の筋肉はすべて繋がっている。そのつながりが思いもしらぬ繋がり方をしている訳でその分岐点と言うのがツボという奴なのだろう。鍼の治療中、この訳の判らない筋肉のつながりから、妙なところを動かすと治療中の鍼を打った場所を直撃する訳だ。右足の小指をちょっと動かすと左足のしりたぼに激痛が走るという具合。つまり下手に動けない。しかも小指一本動かすこともできない。こんな状態でくしゃみなどしたらいったいどうなるのか、と思わず戦々恐々な訳である。今回の治療でそれが三十分続いた。

「鍼を刺されたまま放置プレー」
という訳で今回の奇跡の名医である。忙しいのは判るのだが、そうやって身体に鍼をぶちこみ電流を流し始めた途端、はい、どうもとどこかに消えてしまった訳である。えええ、これはいったいなんなのか?と疑問に思ったままそのままどれだけ待っても誰もなんとも言ってこない。カーテンの中で尻に針をさされたまま完全に放置プレーな訳である。知りたがりの俺としては、この治療はなにを目的としているか。どういうことをどのくらいの時間どのように行うか、と聞いてみたいのは山々なのだが、そういう説明は一切なし。えいやあ、と針をぶっ刺してみるからにレガシー風な装置を繋ぎ、おっとなんか始まったと思ったとたんにもう誰もが掻き消えていたわけだ。いったいこれはなんなのか。。。と疑問に思ったままちょっとでも身体を動かそうとすると不気味な痛みが電流に乗る。それが三十分ほど続いたわけだが、まさにいやはやであった。

「鍼は効いたか?」
という訳で鍼が効いたか効かなかったか。回答を言えば効いたのである。痛みが夢のように全て掻き消えた、という訳ではないが、ふと気がつくとこれまでできなかったことができるようになっている。つまり靴の紐を結んだり立ったまま靴下を履いたり、或いはストレッチの色々なポーズができるようになっているのである。

「ストレッチ」
腰痛改善に一番必要なのはストレッチである、ということは判っている。判っていながらそれをしないのは、つまりは腰痛が原因でストレッチができない、あるいはとても苦痛な訳である。ストレッチができない、苦痛であるからストレッチをやらなくなり腰痛を加速させるというこの悪のスパイラル。そして身体の筋肉はますます硬質化し硬質化した筋肉が腰をしめつけそして歪めて行く訳なのだろう。とりあえず今回の鍼治療によってこのストレッチができるようになったというのは確かである。これを礎にしなくてはいけない、と胸に沁みるわけである。
という訳でまずはストレッチである。そもそもストレッチができないというのからしておかしかった訳である。とりあえず筋そのものに電流びりびりやって解きほぐしたところがまた固まらないうちに十分に伸ばし始めるべきだと思い知る。

「ラジオ体操」
つまりは一日一回でも良いからあの薄らみっともないラジオ体操を始めるべきなのである。そしてもうひとつ。何ゆえの腰痛かとその原因をつくづく考えた結果、月並みな言い方ではあるがそれは姿勢ではないのか、と思い当たった。

「足を組む姿勢」
どういう訳か俺は脚を組む癖がある。メールを打ちながら電話をしながらチップスを食いながら、ふと気がつくと必ず足を組んでいる。ふとすると立っている時以外のほとんどの時間をそうして足を組んで過ごしているようなのである。その足を組んだままの姿勢で長時間居ると、身体は自然とでろりと背もたれにもたれかかってしまうか、あるいは上半身そのもので机によりかかってしまう。この姿勢こそが腰に負担をかける、というよりは、腰をゆがめているのではないだろうか。ほら、いまこうしている時にも俺は脚を組んでいるではないか。つまりはそうか、実はそういう事なのか。という訳でまずは足を組まないことではないのだろうか。なんだそんなことだったのか、とは思うのだが、思っていながら、ふと気がつくと俺は足を組んでいる。おっとしまったしまった、と思いながら、ふと気がつくとやはり組んでいるのである。まさに、これこそが問題であったのか、と今更ながらに思い知るわけなのである。

「姿勢を変えることの難しさ」
という訳で姿勢を変えなくてはいけない。しかしながら姿勢とはすなわち生きる上での態度つまりは根本にも関係する訳でそう思ってみると俺は普段からいつも足を組んでだらっとそっくり返って腰骨がゆがむほどにしゃにかまえて生きていたということだろう。しかしながら、俺はもうそういうのはやめた。やめたいと思っていながら今更やめれない状況にあったからなのだが、今はもう辞めても良い状況にあるので率先してそういう斜構え的な態度を改めようとしているわけだ。つまり不良はもう飽きた、ということだろう。姿勢を変えるとはつまりはそういうことだ。あるいはそれは、そっくりかえって座ったり人前で足を組んだりガムをかんだりするような安いポーズなどではないということか。

「足が組みたい」
とういうわけで昨日から足を組むのを極力辞めているのだが、しかしながらそれはそれで無性に足が組みたくなる。足を組む理由とはなにか。第一に楽だから。なぜ足を組むと楽か。身体がゆがんでしまっているから、となる訳で、足を組めば組むほどに身体がゆがむという悪のスパイラル。なのでこの足を組みたいところを我慢するのはつまりは矯正になるわけでつまりは治療、よって苦痛を伴うのである。ああ早くよくなって思う存分足が組みたい、と思っている。

「姿勢の話 姿勢の良し悪しこそが品格の表れ」

Posted by 高見鈴虫 on 05.2013 チャーリーホースは真夜中に疾る   0 comments   0 trackback
例の腰痛騒ぎから、姿勢について考えざるを得なくなった。
自慢じゃないが俺は姿勢が悪かった。
猫背、になるほど背も高くないのだが、
折々につけてふと自身の姿を鏡に見るとこれはいかにも姿勢が悪い。

という訳で、ニューヨークについてからすぐに通い初めたジム。
そんなこんなでいつの間にかそれなりに身体はできたのだが、
そんな頃に日本に帰った時には、
親からおずおずと、お前、ニューヨークで金に困って、土方でもやっているのか、
と聞かれたものである。

その後10年以上はなんだかんだでジムに行き続けていたのだが、
そうこうするうちにトレーニング中に手足が攣るようになり、
ちょっと様子を見ようか、と休み始めた途端、
あっというまに身体中がデロデロになってしまった。

まあそんな身体でも、
こと日本人の中にいればまったく気にならなかったりもするのだが、
いざそんな日本人村を出て、米国人ビジネスマンの仲間入りをすれば、
ふと当たりを見回せば、白人も黒人も、得てしてスーツを着ている人々は
極端過ぎるぐらいに姿勢が良い。

あるいは姿勢の良い人間はそれだけで格が上がって見える。

会社の面接ではないが、
普段からぴしっと背筋を伸ばして座る習慣をつけないと見くびられるな、
と思い知らされる訳である。

とふと隣りを見れば、うちのかみさん。
そう言えば昔あれだけしゃんと伸びていた背筋が、
どうも最近その気張りが抜けてきたような。

え、ああ、ハイヒール履いてたからね、と一言。

ハイヒール?
そう、ハイヒール履くと背筋が伸びるんだけど、疲れるよ、足が。

という訳なのである。

そうか、と思わず膝を叩いてしまった。

日本の男はサンダル履きに慣れているからあの歩き方になる訳であった。

つまり、日本人の姿勢を矯正するのは、ハイヒールなのである。

という訳でうっし、
ジェームス・ブラウンやらボブ・マーレーやらのような、
あのたか~い靴を履いてみようかな、と思っている訳である。

チャーリー・ホースは真夜中に疾る そのいち チャーリーホースがやって来た

Posted by 高見鈴虫 on 02.2013 チャーリーホースは真夜中に疾る   0 comments   0 trackback
夜中の4時にいきなり激痛に目が覚めた。
いてててててて
左足の脹脛がガチガチに固まっている。
俗に言うこむら返りという奴。
こちら米国では「チャーリー・ホース」と言う。
んだこれ、まじいってえ、
あまりの激痛にのたうちながら、
石のように固まったふくらはぎの筋肉を握りしめて、
恐る恐るともみもみ。
そしてただひたすらに悪魔が去るのを待つばかり。

隣りで飛び起きたかみさん、
あれまた足が攣ったの?とまさに鬼のような迷惑顔。
あのなあ、人の非常事態にその顔はないだろう、
などと文句を言う余裕もなく、
頼むから日本から買ってきた芍薬甘草湯取ってきて、
と頼むが精一杯。
がしかし、
そう、なんかこの特効薬、
最近になってその効き目がどんどん薄くなっているような気がするのだが。

あまりの騒ぎにブー君、ふざけているのかと飛び掛って来たのだが、
事態に気付いてからは、今度は大丈夫?大丈夫?と盛んに顔を嘗めてくる。

判った判ったブー君ありがと、判ったからちょっとそこどいて、
と言っても身体にのしかかったまま動こうとしない。
ブーはブーで必死な訳である。
そのブー君のてんぱった表情に思わず笑ってしまうのだが、
笑った途端にまた足が攣ってとその繰り返し。

くそったれなんだよこのこれは、と思わず舌打ち。
俺の身体はいったいどうしちまったっていうんだ。
舌打ちした途端に再び襲う緊縛。
ようやくほぐれかけていた痛みが再びガツンと突っ張ってしまって、
またまた元の木阿弥。

と言う訳でチャーリー・ホースである。
本当の本当にこいつにはほとほと困りきってしまう。
いったい俺がこいつのためにどれだけ苦労をしてきたか。
そして俺が、いったいこいつのためにどれだけのものを諦めてきたのか。

チャーリー・ホースは真夜中に疾る そのに 元はといえばテニスのやり過ぎ

Posted by 高見鈴虫 on 02.2013 チャーリーホースは真夜中に疾る   0 comments   0 trackback
と言う訳でこのチャーリー・ホースである。

付き合いは長い。

この厄介な疫病神に取り付かれたのはかれこれ10年も前。

元はと言えばテニスのやりすぎであった訳だ。

テニス・・・
そもそも俺はテニスをやりたくて始めた訳ではない。
暇で死にそうであったため、死ぬぐらいならテニスでもやってみようか、
とまあそれぐらいの理由であった。

ニューヨークやLAやサンフランシスコ、つまりは観光地、
それ以外のアメリカをご存知の人は、
そこがいかに、清潔な砂漠であるか、
ご存知のことと思う。

青い空、緑の芝生、白い家。

一見まるで夢のような風景であるのだが、
果たしてそれ以外はなにもない訳である。

ほとんど大抵の人々のごく一般的なアメリカ人は、
ほとんど大抵の時間をテレビでフットボールを見ながらビールを飲んで過ごしている。
彼らがあれだけぶくぶくと太るのは実にそれが理由である訳で、
アメリカ人はそれを、幸せ、と呼ぶのである。

そんなアメリカのど田舎に居た時代、
そんなアメリカの幸せに飽きたらなかった俺は、

くそったれ、退屈で死にそうだ、と発破ばかりやっていたのだが、
ふと、アパートの片隅に、
誰も使っているのを見たこともない荒れ果てたテニスコート、
ねえ、らりってばかりいないで、たまにはテニスでもやろうよ、
と誘われるまま、近所の雑貨屋で10ドルもしないで買ったおもちゃのラケット、
と、そんな感じで始めたテニスではあったのだが。

なにより田舎である。徹底的にやることがない。
結果的に暇つぶしに毎日テニスをやることになり、
いつの間にかそれなりに打てるようにもなっていたのだ。

が、しかし、晴れてニューヨークへの転身を遂げた後は、
わざわざこんなところでテニスなどやることもない、
と夜遊びばかりしていたのだが、
ふとした拍子に週末だけの遊びのつもりでかみさん相手にちょっと打ち始めた途端、
あれよあれよと、あちこちから声がかかって、
誘われるままにダブルスだ、シングルだ、ラダーだ、トーナメントだ、と大忙し。

まあなにより友達も増えるし、なまった身体も元通り、
そしてやはりなにはなくとも面白い。

テニスラケットひとつ持ってコートに行けば、
見ず知らず、名前どころか、
どこから来たのか、何人なのか、
いったい何語で喋っているのか、
さえも判らない者同士が、
いきなりコートを挟んでボールを打ち合う。

としたところ、
一言の言葉を交わすこともなく、
まるっきりそのままにその人物の人となりと、
その性格から強さから弱さから、
良いところ悪いところ、
すべて手に取るように判ってしまうのである。

それはまさにこのニューヨークという人種のジャングルの中にあって、
そこに暮らす人々の知る上ではまさに最高の方法だったのだ。

という訳でニューヨークでテニスである。
何故にわざわざテニスなのか、と首を傾げながら、
しかしいつの間にか、誘われるまま、
まさにテニス以外なにもないニューヨークライフになっていた訳である。

という訳でテニスである。

土日は言うに及ばず、
平日でも、仕事の前の朝練から仕事後の夕暮れ前。
下手をすると仕事中にちょっと抜け出して1~2時間、
そのまま帰って仕事、なんてことをやり続けていた訳だが、
ほとんどの場合、ろくにウォーミングアップもやらないうちからコートに直行。
そのままがっついて打ち続けては誘われるままに時間が許す限りは一日中でもプレイ。
その日の疲れが抜けきらないままに朝起きてすぐにテニスコート、
とやっているうちに、そんなこんなで身体中が慢性疲労状態。

始終足がコチコチ状態で鉛のよう。
しまいにはコートにいる連中はみんなペンギンのような歩き方をしていて、
そんな俺たち中年テニサーにとっては、
生きるということはまさしく筋肉痛であった訳だ。

という訳でそう、テニス、ではない、チャーリー・ホース。

そんなテニサー暮らしが5年も続いた頃であろうか、

その暴れ馬はそしていきなりやってきた訳である。

チャーリー・ホースは真夜中に疾る そのさん パンゲアの呪い

Posted by 高見鈴虫 on 02.2013 チャーリーホースは真夜中に疾る   0 comments   0 trackback
元はといえば、
俺のもとにチャーリー・ホースを連れてきたのは
パンゲアと名乗る謎の爺さんであった。

それは真夏のまっさかり。
いつのもように朝6時に起きて、思い切り重い身体、
ミシミシと音がしそうなほどの筋肉痛に呻きながらなんとかベッドを出ると、
まだ目も冷め切らぬうちに自転車にのって近所の公園へ。

そこでストレッチがてら壁打ちを30分。
フォアで百回、バックで百回。
ボレボレーからオーバーヘッドを含めて今日の調子を確かめてから、
川沿いの自転車道をすっとばしてテニスコートへ。
まだ7時も前だと言うのに12面あるテニスコートはすでに一杯。

開いた時間にいまがチャンスとばかりにストレッチを始めるのだが、
すぐにおーい、と声がして向こうのコートからこっちのコートから、
ダブルスにはいらないか?と声がかかる。

うっしゃあ、肩慣らし代わりにとダブルス。
1セット、2セット、3セット、タイブレーカーの後は、
メンバーを交換してもう一試合。

そんな試合の途中から、
おーい、そこ終わったらこっちでやらないか?
と誘われて、うっしゃあ、待っとれ、すぐに終わらしちゃる、
と本気サーブ一発、15-30-40 マッチポイントでGOODBY!

既に真夏の太陽はツムジの上でギラギラと輝き、
ハードコートの上はまさにフライパンの上。
シャツを脱いだままの肌にはすでに叩けばパラパラと塩の結晶が落ちる。

さすがに暑いな、と頭から水をジャブジャブとやっていたら、
おいにいちゃん、と異様な黒人の爺さんから声がかかった。

娘にテニスを教えてやろうとしたんだがな、
この暑さで来たがらない。
金を払ってコートを借りてしまったんだが、
いっちょうお相手してもらえんか、と来た。

おう、いいよ、願ってもねえ、とは言いながら、
はてな、こんな爺さんがこの俺とシングルス?
しかも12時から1時。一番暑い時間帯だ。

俺はとりあえず、じいさん大丈夫か?
と思わず顔を伺うと、
そうか、こんなジジイは不足か。
なら金賭けよう、と来た。
金?いくら?
7ドル、でどうだ。ここのコート代。
7ドルでも70ドルでも俺は結構だが。
よし、なら7ドルで勝負だ。
おいおい、爺さん、そんなに気張って大丈夫かよ、である。

7月のニューヨークである。
気温はすでに35度を越え、コートの上は優に40度を超えているだろう。
さすがに素人のカップルなどはネットにラケットを立てかけたまま
木陰で水ばかり飲んでいる。

という訳で謎の老人である。

ウォーミングアップもなしにいきなりコイントス。ヘッズ オア テイルス、と来る。

おお、爺さん、やる気じゃねえか、さては、
もしかして元ランキング選手であったりするのか、
と思えば、実際にサーブを打たせてみれば、ヘロヘロである。
ファーストサーブからまるでハエの止まりそうな山なりの弾。
ここぞとばかりにステップインして思い切りサイドに引っぱたいてやろとしたら、
いきなり弾んだボールはラケットのスイートスポット、どころか顔に向かって飛んできたのである。

ツイスト・サーブ、おいおい。いきなりかよ、と。

という訳でこの爺さん。

打ち方だけみればまるでなっていない。

とりあえず右も左もスライスである。

どんなにサイドを突いても、ヘロヘロと倒れこむようにスカッとスライスで返す。

その弾がシュルシュルと滑るようにコートに落ちて、
それが右のコーナー、左のコーナー。
コーナーからコーナーにようやくボールに追いついて返した、
というところで次にはお決まりのドロップショットである。
こな糞、もうその手は食わねえ、と頭から突っ込むと、
してやったり、とばかりのムーンボールが頭の上を越えてゆく。
と言うわけでこれが永遠と続くわけである。
いい加減に息が切れてきたところで、目の前にチャンスボール、
いただきとばかりにぶっ叩くと、アウト、と一言。
馬鹿野郎、どこ見てんだよ、ラインかすってるだろ、
と怒り狂う俺を、抜けた前歯を晒してカラカラと笑う爺さん。

それでもファーストセットを6-3で終えて、
はい、お疲れ様、とやったところ、
お前、何いってんだ、コートチェンジだ、と。

ええ、2セット?ちょっと暑過ぎないか?
という俺に爺さん。ははは、俺は黒人だからな、暑いのは平気なんだ。

という訳で2セット目。
今度はいきなりムーンボールばかり。
すべての弾をスコンスコンと天高く打ち上げては、
俺のバカ打ちを誘ってくる。
思わず自滅して2-6。

さすがにこのままでは終わるわけには行かない。

すでに1時を過ぎて夏まっさかり。
新しくやって来た人々も5分も立たない内から、
これはさすがに無理だ、とベンチに引き上げておしゃべりばかりしている。

誰もいなくなった陽炎の立ち上るテニスコート。

さすがにここまで来ればバカ打ちはしない。

この魔神のようなおっさん。がしかし、やることと言えば、
ちょん切りとむーんしょっとばかり。
つまりウィナーを必要がない限り、
俺もその手でポンポンとゆるく入れ弾ばかりを返しながら、
ここぞここぞにドロップショットを繰り返してやればいい訳である。

が、しかしである。ここで外野からチャチャが入る。

老人を相手にドロップショットとは何事か、と。

暑さにやられて引き上げたものの、
暇を持て余して見物している連中が、
つまらねえぞ、もっとバシバシ打て、と好きなことを言い始める。
挙句に、
俺のフラットのサーブが入る度に、そりゃないでしょ、とブーイング。
ボーレに出たところをロブで頭を抜かれる度にヤンヤヤンヤの喝采、

あのなあ、と、と思わずブチ切れそうになっていたら、
またまた悪いクセでバカ打ちを連発。
思わずラケットを叩き折りそうになりながら、
うるせえ、てめえら、黙って見てろ、と怒鳴り続け。

あのなあ、なんで俺がこんなジジイを相手にフルセット。
しかもこのオヤジ、まともな球を一発も打たない。
変える球はすべて強烈なクセ球。
一体全体どっちに跳ねるか判ったものじゃない。

おちょくってんのか、この野郎、とボレーに出る度にロブ。
追いついたところでうりゃ、とぶん回す度に、
まっすぐに伸びた球はしかしバチンとネットを叩く。

この野郎。。。

歯ぎしりしながら、やばいな、これはまたまた自滅モード、
落ち着け落ち着け、と言い聞かせながら、
ここまでボールが走らないラリーが続くとついつい苛立って来てしまう。

とそんなこんなでタイブレーカー。
さすがにジジイも疲れてきたのか得意のへなちょこツイストサーブもダブルフォルト連発。

もうここまで来たら手加減はなしだ、とばかりに、
Tを狙ってフラットサーブを連発。

もうここまで来たら一度もボールを触らせねえぞ、
と気張りまくってサーブを叩きこもうとしたところ、

あれっ!?と思った時に右足のふくらはぎがガチンと鳴った。

なんだなんだ、と固まった筋肉を抑えようと身を屈めた途端、
左の太ももがまたガチン。
やばい、と思った瞬間に右のふくらはぎがピキーンと張り切って、
ついに本格的なこむら返り。
あちっちっち、とやりながら、途端、いきなり身体中の筋肉が跳ね始めた。

という訳でいきなりのチャーリー・ホースである。
しまいには腹筋から二の腕から両手のひらにまで波及。
まさにこれは全身緊縛である。

その時にはとりあえず、ベンゲイのスポーツクリームを全身に塗りたくっては、
水だバナナだ、冷やしてみようか、いや暖めるべきだ、
まずはストレッチだ、いや、動かすな、と大騒ぎ。

そんな騒ぎをケラケラと笑って見ている爺さん。

マツオカ!と一言。

なんだって?

マツオカ・ルール。つまり棄権。
馬鹿野郎、5-0じゃねえか。
5-0もクソもあるか。立てないんだろ?もう終わりだ。さあ7ドルだせ。

チャーリー・ホースは真夜中に疾る そのよん 試合中は水を飲め

Posted by 高見鈴虫 on 02.2013 チャーリーホースは真夜中に疾る   0 comments   0 trackback
パンゲアのじいさんとの試合の後、

身体中にこれでもかとスポーツクリームを塗りたくった
泥人形状態でコートの隅のベンチに寝かされたまま、
ポカンと広がる青空を見ながら、やれやれ、とため息をついていたのだが、

果たしてこれはいったいなんなのか、とつくづく首をかしげた。

これまでどれだけ無茶をやっても、
まさか足が攣った経験など一度もない。

勝ちの見えてきたここぞ言うところでのいきなりの痙攣。
これはさすがに、ちょっとこたえた。

まさか俺があんなジジイに負けたなんて。
この痙攣さえなければ。くそったれ、7ドル返せ。
と舌打ちするたびに、いてててて、とどこかが攣る。

やれやれ、だな、と思わず溜息しか出なかった。

おまえ、水飲まなかっただろ?
あんな糞暑い中で水も飲まずにぶっ続けでやっていたら、
そのうち本当に死ぬぞ、と口々に言われ、
馬鹿野郎、テニスコートで死ねれば本望だぜ、
と憎まれ口を叩きながら、
痙攣の最中には実はまじで、
このまま心臓まで痙攣を起こしたらどうなるのだろう、
なんてことを考えていたのだ。

これで学んだろ?
試合中は水を飲む。飲みたくなくても飲む。
コートチェンジの時にはバナナを食う。これも食いたくなくても食う。
どうだ、プロみたいだろ。忘れるなよ。

が、しかし、だ。
憎きはあのパンゲアのジジイだ。
もしかしたら水を飲まない俺をみて、
走るだけ走らせて痙攣を起こさせるという作戦だったのかもしれない。
ろくでもねえ疫病神め。

くそったれ、次に会った時にはただじゃおかねえ、
とか、なんとか思いながら、
いつの間にかそのままベンチの上で寝てしまっていた。

とそれがきっかけ、というのではないのであろうが、
どういう訳か俺はそのチャーリー・ホースにすっかり気に入られてしまったようだ。

パンゲアのオヤジとの例の全身痙攣の名残りで、
いまだに身体中のそこかしこに疼痛が残ったまま、
しかし次の日も朝の7時を過ぎると電話が鳴り続け。

やろうぜ、と言われれば断るわけにも行かず、
という訳で再び来る日も来る日もテニステニス。

がしかし、どういう訳かあのパンゲア以来、
足の指やら脹脛やらが始終ピクピクと不穏な動きをするようになっていた。

まさかまさか、もしかしこんな時にまたチャーリー・ホース?
そう思うと無性に恐くなってきて、
試合を焦り初め、ダッシュに迷いが生まれ、
バカ打ちが減ったお陰で自滅は減ったがその分、
ゲームに精彩を欠くようになった。

プレイの後、まさに筋肉の中を馬が走り回っているような、
ピクピクという不気味な痙攣の予兆に耐えながら、
そんな状態で無理に整理体操を始めると、
いきなりガチン、と来る。

とりあえず、ゆっくりゆっくり、やさしくやさしく。
力を入れず、急がず、そうそう、ゆっくりゆっくり。

これまでにも筋肉疲労の蓄積でまるで石のようだった筋肉が、
ここに来てまるで罅が入りそして亀裂が入ってしまったような気がしていたものだ。

その後、何度かの痙攣を繰り返しながら
筋肉の硬直化がますます進み、
そしていざと言う時の突如の緊縛がすっかり癖になり、
ここに来てさすがにこのチャーリー・ホース、なかなか侮れないぞ、と悟った訳だ。

という訳で、言われるままに、思いつくかぎりの痙攣防止方法を試し始めた。

水分。
バナナ。
ストレッチ。

それでも足りずに、ビタミンショップに飛んでいき、

マグネシウム。
カルシウム。
ビタミンE
の錠剤を買い揃え。

朝な夕なにエプソムソルトを入れて長湯。

食事の量を減らし、肉食を断ち、
一日中暇さえあればストレッチばかり。

と思いつく限りのことを試したのだが、
果たしてどうにもこうにも目立った効果がない。

と言う訳で、薦められるままにジムに行くことにした訳だが、
そのうちにジムでも足が攣り始め、
一度などバーベルを上げたところで両足が攣ってそのまま動けなくなり、
と恥の上に恥を重ねる醜態の数々。

そうこうするうちに、会社へ向かう自転車で太ももが攣り、
挙句の果てにぎっくり腰にやられて敢え無くダウン。

ここに来て、心の底から辟易することになった。

ぎっくり腰の静養中、ふと妙なことを考えていた。

もしかしてこれは、
一生分の運動エネルギーを使い切ってしまったのか、
ということなのだろうか。

が、しかしだ、
なまじ筋肉があるから痙攣など起こすのだろうか。
もし、筋肉をそぎ落としてしまえば痙攣する筋肉もないではないか。

ギックリ腰から立ち直った後も、さすがに朝練夜練は控えるようになったのだが、
それでも休日は朝から晩までテニスコート。
そしてその度に、帰りの道筋で度々に足が攣って自転車を転げ落ち、
とやっているうちに、果たしてこれはもうテニスどころではないな、
と思い始めていた訳である。
  

プロフィール

Author:高見鈴虫
日本を出でること幾年月。
世界放浪の果てにいまは紐育在住。
人種の坩堝で鬩ぎ合う
紐育流民たちの日常を徒然なく綴る
戯言満載のキレギレ散文集

*お断り 
このブログ記事はフィクションであり実在の人物・団体とは一切関係ありません藁

©終末を疾うに過ぎて...
無断丸々転載・そのまま転写はご勘弁ちょんまげ

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