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アメリカの産業構造は奴隷制の上に成り立っている

Posted by 高見鈴虫 on 10.2006 アメリカ爺時事   0 comments   0 trackback
一月だと言うのに、
外はぽかぽかいい天気。で、なんか得した気分。
そう、こんなご機嫌な日にこそ、
アメリカの産業構造は奴隷制の上に成り立っている、
という事実を思い出そうではないか、と思うがどうだろう。

資本主義の構造上、
産業構造の最下部には奴隷が不可欠である、
という事実をどんなバカでも認識している以上、
産業資源として奴隷が生産される必要がある、
ということも公然として当然の事実。

という訳で、
んだこいつ、ちょっと想像を絶するとんでもないバカだな、
という、
そうそうこうしてアメリカで生活していると
ちょくちょくと遭遇することになる、
つまりは避けては通ることのできない想像を絶するバカな人々は、
実は産業構造上必要不可欠な資源として故意に生産された、
製品としての列記としたバカなのであって、
言ってみれば、由緒正しき完成品としての正式なバカ、
な訳なのである。

どうやって優秀な人間を生産するか、
というのも大変な課題ではあるのだろうが、
いかにして、想像を絶する徹底的なバカを生産するか、
というのも非常に難しい問題なのではないだろうか。

つまりそんなバカは、
言ってみれば完成品としてのバカ。
つまり、バカを作る工程において
素直にバカとしてバカに生産された、
立派なバカであるがゆえに、
彼らが正式なバカとしての己の権利を主張することは
至極当然のことなのである。

ちなみにアメリカの貧乏人は
もうとことんギリギリまで貧乏な訳なのだが、
それは何故かといえば、
やはり金持ちがとことんギリギリまで
勝手に美味い汁を吸ってしまっているからなのである。

一月の良く晴れた午後、なんてこんな日にこそ、
一人のセレブの後ろに3万人のバカが生産されていることを
思い出そうではないか。

2002年2月 アメリカの田舎ドライブ旅行 ~ 「二十四時間ハードロック天国 その一」

Posted by 高見鈴虫 on 20.2006 アメリカ爺時事   0 comments   0 trackback
やっほー!
ご想像のとおり、
またまた出張に行っていました。

今回も田舎(笑
ミシガンとかイリノイとか、テネシーとか、
まあ例によって、何もないところ(笑

デトロイトから走り始めてシカゴからその先。
インディアナからオハイオからケンタッキーから、
で、途中で唐突に折って返して、
で、そのままシンシナティもデトロイトもみんな通り越して
いきなりカナダに入国、そのままトロントまで。

本当、どうせならそのままニューヨークまで
帰って来ちゃっても良かったんだけどさ。
いや、下手するとそのまま、はっと気づけばキーウエスト、
なんて、そんなのがまるで冗談じゃないぐらい、
いやあ、走った走った。
まるまる十日間。
いまだに空飛んでる気分だよ。

という訳で、
出張中はほとんどが丸一日移動ばかり。
地図を片手にまさに現場から現場への渡り鳥。

一日中、カーステでハードロック、
頭くらくらするぐらいのボリュームで回し続けてさ。
目の前には空、フリーウエイ、枯れた木立。
見てる物と言えば、前を走る車のテールランプ。
マックの看板とか、あと、レストエリアのサイン、とか。
で、考えてることと言えば、
次のエグジットの番号のことだけ。
85-86-87、あれ、降りるのはどこだったけか、
とすべてがあいまいに思えてくる。

で、相変わらずぼーっとしてるうちにエグジット降りて、
おっと、久々に見る信号。
カーステの音を絞って、いきなり井戸に落ちたような静寂。
角のガソリンスタンド。ストップンゴー、ファストフードと、風に揺れる看板。
どこに行ってもどこで降りても、
相変わらずの閑散とした風景。似たような風景。つまりアメリカの風景。

なにも考えないうちに、
いつのまにか右に左にハンドルを切っていて、
そうそう、この道はいつか来た道、
そうか、1年前のサーバダウンの時か。
あの担当者、ジョンかポールかジョージか、
まあとりあえずそんな名前。つまり似たような名前。

そうこうするうちに到着。似たようなビル、というより、
平屋だよ。ガラス建ての。
つまり、ちょっと豪華なビニールハウスって感じ

で、吹きさらしの駐車場を横切って、
ガラス張りのロビーで担当者を待って、
で、10分20分、ことによると30分。
この時間感覚、アメリカなんだよな。
で、ようやく出てきた担当者。
相変わらずとってつけたような笑顔。
つまりは、TVスマイル。
アメリカ人特有の、凄みのあるガラスの笑顔。
で、おきまりの硬い握手。
田舎に行くほど握手が硬くなる。
つまり思い切り握る。握力測定みたく(笑
もちろん俺も負けない。
この負けない、というのがやっぱり俺のスタンス。
だってこう見えても男だから。
やられたらやり返す。
つまり、思い切り握り返す。
5秒10秒15秒。
そして苦笑い。一瞬の本当の笑顔。
アメリカ人がほんのちょっと好きになる瞬間。

が、心の交流も一瞬だけ。
そして再び、挨拶もそぞろにサーバー室に直行、と。

という訳で、
辿り着いたらサーバールーム。
似たような白い壁。似たような白い床。耳元までファンノイズ。もちろん無人。
で、やることはいつも同じ。
コンソール立ち上げ、LOGIN画面、パスワード、初期画面登場。
相変わらずの下らないバナー。俺が書いた奴だけど(笑
で、コマンド入力。LOG取ってパッチ当ててステイタス確認1・2・3。
お決まりのDIAGメニュー。
まるでガスの検針と変わらないよ。

という訳で小一時間。
じゃあね、また来年。
そして再び駐車場。
判で押したように吹さらし。判で押したように閑散。判で押したように無音。
広大というにはあまりに茫漠。
余裕の間取りというにはあまりに空虚。
吐き出した煙草の煙が、一瞬のうちに掻き消えて。
ああ、アメリカだなあ、と、苦笑い。

という訳で、また走り始める。
ファストフード、ポーンショップ、グローサリーと、風に揺れる信号。
ただそれだけ。つまり、アメリカの風景。

そして再びフリーウエイ。空と木立とセンターラインと。
時速60、70.80、で安定飛行。
ハードロック・ON。いきなりの轟音。歪む空間。弾む世界。
という訳でいきなりのご機嫌。
次のエグジットは、何番だっけ、
まあいいか、いずれにしろ3時間も先の話だ。

という訳で、そんな調子。
永遠と直線走行、
いつのまにか時間が溶け出して、
前の現場を出たのは、二時間前?三時間前?
とりあえず走ろう。まずはそれからだ。
という訳でエグジットの番号。
あああ、これこそが時間の単位。つまりは鼓動と。
大丈夫。俺の脳味噌もすっかりオートパイロット。
ほらほら、知らないうちにウィンカー出して、
知らないうちに右に左に。
そして駐車場。たどりついたらサーバールーム。

無人の密室で黙々と仕事して、
感謝の言葉も達成感もないままに、
再び出発、そしてフリーウエイ。
また走り始める、と。

基本的に予定を立てるのが嫌いな人なので、
実は仕事の予定も気分次第。
どうせ相手は機械だしね。

で、適当に走って走って、
モーテルの看板探しながら、
目に映るのは次から次へとファストフードの看板。
そう言えばちょっと腹が減ったけど、
そう言えばたまにはまともな飯が食いたいが、
とは思いながら、
結局すべてがおざなりになって、
飯も食わずトイレも行かず、
まあとりあえずは、今宵の宿を、
と思ううちに道に迷って迷って。
で、再びフリーウエイ。
まあいいか、といきなりアクセル踏み込みハードロックON。
またまたロケットモード。
とりあえずは次の町まで、
とりあえずは次のエグジットまで、
そんな感じでいつの間にか朝まで。
まさにハードロック24時間。
ガンズとSTP。繰り返し繰り返し。
ずっと一人。
一人で飯食って、一人で仕事して、一人で寝て。
んでまた一人で起きて、一人で走り初めて。
ってまったく気楽なもんでさ。

これぞアメリカってかんじ。

いやあ、10日間、まるまる車飛ばしながら、
アメリカの田舎町の、殺伐と哀愁とを満喫(爆
すっかりリフレッシュ、どころか、
思い切りうつ病になりました、と。

2002年2月 アメリカの田舎ドライブ旅行 ~ 「二十四時間ハードロック天国 その二」 ~前回の続き~  

Posted by 高見鈴虫 on 22.2006 アメリカ爺時事   0 comments   0 trackback
     ~前回の続き~


それにしてもさ、
アメリカの田舎って凄いよね。
2時間も3時間も走ってさ、
目に見えるものは、
枯れた木立と空と灰色のフリーウエイだけ。
取ってつけたようなファストフードの看板が、
見えては消えて、ってそれだけ!
本当にもう、ただそれだけなんだよね。

まったくさ、
アメリカ中どこを走っても、
アトランタにいようとテキサスにいようと、
デトロイトだろうがシカゴだろうが、
まったくおんなじ。まったくだぜ、
まるっきりおんなじ風景がずぅぅぅぅぅっと、
なんだもんね。
これほどつまらないもんはないよ、
って言いきってしまうのは簡単なんだけどさ。

前を走る車のテールランプ追いながら、
そしてふと抜いたり抜かれたり、
あの野郎、なにとろとろ走っていやがるのかな、
とか、
うるせえなあ、そんなに行きたいならさっさと抜かせよ、
とかさ、
そんなささやかな舌打ちの合間、
抜くか抜かれるかするその一瞬のちらっ!
ぐらいしか、人間を見る機会もなくて、
あとはもうずっと、
木立と空とフリーウエイ、だけ!

あとはもうどっぷり一人の世界にはまりこんで、
今まであったこと、とか、これからのこと、とか、
ずっとずっとなんかぼんやりと考えてて、
そのうち、
自分なんてものさえもだんだんどうでも良くなってきて、
もう心も身体もかさかさぱさぱさに乾ききってさ、
それでいて、そんなやたらとぼんやりとした状態でいながら、
実は速度120キロとか140キロとか、
ちょっと昔から考えれば、
ほとんどジェット機並のスピードでぶっ飛ばしている訳でしょ?
これは変だよね。まったく。

なんか目に見える風景と、頭で考えてることと
現実のスピード感ってのが、
とてつもなくアンバランスでさ。
いやあ、アメリカだよね。
このちぐはぐさってさ。
この国って本当に変だよってあらためて実感するよね。

それでさ、
たまに気分転換にFM聞いたりすると、
そこらへんを牛とか馬とかが居眠りしてたりする風景なのに、
やれ、
911からのPSDにお悩みのかた、
とか、
寝不足、寝過ぎによるディプレッションにお悩みの方に、適切な処方箋を、
とか、
わたしと主人、実はちょっとおかしいんです、
とか、
アルカイダも許せないが、北朝鮮もイラクもイランもみんな許せない、
とか、
不安神経症でお悩みの方。放っておくと大変です。まずはお電話トールフリー!
とかさ、
このアンバランス。
もう完全に気が狂ってる、としか思えない。

多分、目の前の世界があんまり単調で、
んで、暇で安いビール飲みながらテレビばっかり見てるから、
目の前の現実と自分自身とTVの中が
完全に訳が判らなくなっていて、
だから自分のしてることも、考えていることも、言ってることも、
目に映っているものさえ、
実はなにがなんだかさっぱり訳判らなくなってるんじゃないのかな、

だってさ、
みんなこんな平原のまんなかに、ぼんやり浮かぶようにして暮らしていながら、
世の中のことなんて、全然関係無いはずなのに、
でも一日中つけているテレビでは、
もっと欲深くなりましょう、もっと物を買いましょう、
あなたは損をしています、もっと幸せになれるはずです、
もっときれいに、もっとすばらしく、もっともっと刺激的に、
騙されてはいけません、もっとリッチを気取りましょう、あなたにはその権利があって、
ってそればっかりでしょ?
いったいこんな平原の真ん中みたいなところにいて、
このうえ何を欲しがる必要があるんだろう、
或いは、
いったいこんなところに住んでいる人間に、
自我なんてものが必要なのかよ、
とか思ってきちゃってさ。
こりゃだめだ。
こんな国にいて人間が好きになれるはずが無い!
って確信しちゃうよね。

んでさ、
アメリカのフリーウエイを当て所も無くただぶっ飛ばして、
凄く疲れていて、肩も背中もガジガジなにのさ、
かと言ってどこ行く訳でもないし、
車止めてもやることなんてないし、
んでさ、
もう昼も夜もただただ走りつづけながらさ、
ああ、こんな奴らが多分ジョージブッシュに
旗振ったりしてるんだろうな、
って本当に実感しちゃった訳でさ。

よく判ってないんだよ。
多分どうでもいいんだよ。
なんにも判ってなくて、どこでなにが起ころうが、
絶対自分には関係がない、
という確信があるから、もう何でもありなんだよ。
それでいてさ、死ぬほど退屈していてさ。
目に移るこの恐ろしく殺風景で殺伐とした光景でしょ?
んで、テレビではニューヨークとハリウッドの
極端にデフォルメされたやたらと派手派手しい情報ばかり。
この焦燥感とこの疎外感ってさ、半端じゃないと思うよね。
それでいてさ、そこを離れないってさ。
もうね、なんでもいいんだよ。世界がどうなろうとさ。
ジョージブッシュは、
アメリカの地方の人々の、
そういう沈みきった狂気をよく知ってたんだよね。
自分がそうだったからさ。

んでね、WTCは、
そういうアメリカの地方の無邪気な暇人たちから、
テキサスのきちがいどもが、
いかにして金を騙し取るかっていう大ペテンの
ていのいいダシにされた、って訳だよね。

でもね、不思議なことにさ、
カナダに入ったとたんにすっと楽になったんだよね。
なんかまったく似たような風景で、
マイル表示がキロに変わって、
マクドナルドが、ティム・ハットンに変わっただけなのにさ。
なんかすっと気分が和らいで、
あれ、さっきまでなんであんなに憂鬱だったのかな、
ってなんだか、はっと目が覚めました、
って感じだった。

でもね、やっぱりそんな平和なカナダのド田舎の、
あの絵に描いたような平和な風景の中の純朴な人々に
やたらと親切にされたりしていてもさ、
滞在が1日2日と経つうちに
とたんに息苦しくなってきて、
ああ、アメリカの殺伐がなつかしいな、
なんて思えてきてさ。

2002年2月 アメリカの田舎ドライブ旅行 ~ 「二十四時間ハードロック天国 その三」 ~前回の続き~  

Posted by 高見鈴虫 on 24.2006 アメリカ爺時事   0 comments   0 trackback
 ~前回の続き~ 


旅の終わり、日暮れまえに空港について、
フライトまで待ち時間を潰すまで、
レンタカー返すのがなんか名残惜しくて、
で、空港の外れのドライブインでコーヒー飲んでいたら、
隣のテーブルでさ、
もうまるで絵に描いたような地方都市のとラッシュのガキが、
太ってブスで、の、これまた典型的な地方都市の、
どうしようもないやりまんのジャリをくどいていて。

その女、なんか、ほら、シドに刺された、ナンシーそっくり。
目の周り真っ黒。口紅真っ赤か。
安い人形みたいな髪の毛もバサバサを輪ゴムでとめて。
脂の浮かんだ首から肩から腕まで吹き出物だらけ。
その上に革ジャン。鋲入り。
その上から、錠剤を数珠繋ぎにしたネックレス(笑

つまりトラッシュ。
どこにでもいる、絵に描いたようなルーザー。
でも中学生、ぐらい。でもやたらと太ってる。
これだけ太ってる上に、まだミルクシェークみたいなの、
ジュルジュル飲んでる。

そんで、少年。多分、高校中退。それ判る。経験から(爆
頭は良いつもりだったんだけど、やる気と根気が続かなかったタイプ、
つまりそこらの馬鹿よりも性質の悪い馬鹿。

くたびれた野球帽。よれたTシャツにバギーのジーンズに鎖がじゃらじゃら。

あのなあ、にいちゃん、
そんな女のおまんこ開かせるのに、
なんでそんなにべちゃべちゃ喋る必要があるんだよ。
安いビール飲ませて草でも吸うかって
嘘ついてトイレにでも連れ込めば、それまでだろ、って。
もしかして49セントのビール代がもったいないから、
そんなところでおしゃべりしてやがるのか?
なんてこと思いながら、

窓の外の木立。風に揺れる枯れ木。その向こうの倉庫。
空港の外れ。茫漠たる倉庫地域。錆びたままのコンテナ。
掘り起こされたままの工事現場。空虚、荒涼。殺伐、
つまり、そのまんまのアメリカの風景。

と、ぼんやりしてたら、
おい、そこのおっさん、何見てんだよ、って、さっきのガキ、
声をかけてきた。

いつもみたく、うるせえ、って一言言って、
無視しちゃっても良かったんだけど、
こっちはほら、カナダ帰り、だから(笑
なんか変なところで訳もなくフレンドリーモード。

で、ふと、少年を見ると、なんかぜんぜん敵意がなくて、
まるでピアスした子犬みたいなぽやぽやした顔してやがるの。

で、なんでデトロイトの奴がヤンキーズの帽子被ってんだよ、
って、話返してやったら、
思ったとおり、やたらと嬉しそうな顔してさ。

して気づいたら、なんかその店にいる奴、
みんなヤンキーズのTシャツやら帽子やら、
まるでヤンキーズグッズ専門店、みたいな格好してるんだよね。
で、しっかりと、アメリカ・ユナイトとか、
GodBlessAmerica、アメリカ万歳、みたいに書いてあたりしてさ。

少年、やたらと照れながら、
いやあ、ダラーショップで安かったんだよ、
なんて笑ってるんだけどさ、
あああ、って。
ここにもいたかすっかり間違えてる愛国馬鹿。
つまりブッシュのペテンに引っ掛った白痴野郎。
つまり、善良なるアメリカ人。

普段なら、お前ら目障りだよ、消えうせろ、
なんてまた不機嫌になるところが、
その少年、にきび面のトラッシュのガキ、
はにかむ姿がなんか、妙にほほえましく思えてきてさ。

そのガキ、俺がNYCに帰るって知ったら、
やたらと馴れ馴れしくぐちゃぐちゃ話し掛けてきてさ。
すごいな、ワートレ崩れるみたの?飛行機突っ込むの見たの?とか。
で、
うるせえ、って言ってるのに、
ガン持ってるけど、見せてやろうか、とか。
あんた疲れてるなら、ちょっとだけどアイスあるけど、とか。
そうだ、近所のデリでこの子の従兄妹がいるんだけど、良かったら一緒にビールでもどうだ、とか。
挙句に、
じゃあ、そのコーヒー奢らせてよ。心配すんなよ。NYCのひとだろ?
なんてさ。

やたらと親切なのはいいし、
俺もまあ高校の時とかに地元のファミレスで似たようなことやってたら、
まあ気持ちは判るんだけどさ。
なんかね、やるせなかったよ。そのあどけない親切がさ。

んな訳でさ、

いきなりハードロックの話しなんだけどさ。
あのね、ハードロックはね、
アメリカの田舎の民族音楽じゃないか、って思ったのね。
あの間の抜けたフリーウエイをぶっ飛ばしてるときってさ、
もうハードロック以外にはないよ。
もうNYCで聞いてるような、ちょっとでも難しかったり、
ちょっといじってたり、ナイーブだったりってのはさ、
もう駄目だよね。鼻についちゃって。
カントリーとかもいいけど、眠くなるし。
ポップスは飽きてくるし、
ヒップホップは本当に背後から撃たれそうに思えてくる。

んな訳でね。
ロックだよ。これしか無いって感じ。
んでね、今回でまたまた思い知った
フリーウエイミュージックのベストスリーはね、
ガンズとSTPとSRV!
もうこれしか無いって感じ。
これもう、民族音楽以外の何物でもないよ。
日本に尺八があり、バリにガムランがあり、
クーバにサルサ、インドにシタール、
リオにサンバとボサノバがあるよに、
アメリカのフリーウエイにはハードロックがあるわけよ。

んでね、そんな数あるハードロックの中でも、
やっぱり究極はガンズの1枚目、だと思う。

あのあっけらかんとして、意味もなく元気で暴力的で、
やたらとのりが良くてさ。
んで、2枚目のB面のあのアコースティックの奴。
歌詞を丸暗記するぐらい何度も聞いたけどさ。
あのはちゃめちゃなドライブ感の嵐と、
いきなりはじまるスーパーセンチメンタルの組み合わせこそね、
アメリカのフリーウエイ音楽の究極のカップリングだと思う。

いつも出張には山ほどCD持っていくんだけど、
やっぱり色々聞いてみて、
結局最後に残るのはガンズだよね。
あとはみんな何かが気に障って聞かなくなってしまう。

んで、今回は、それにSTPが加わったんだよね。
昔MP3でダウンロードしたブートレッグなんだけどさ、
もう、たまらないぐらいのドライブ観で、
死ぬ気でやってるとしか思えないよね、あいつら。
んで、あのMTVのUNPLUGEDと組み合わせると、
もう究極だよね。

んな訳で、ついついアクセルを踏み込み過ぎて、
いきなりスピーディングでつかまって罰金を食らいました。
出張に行くたびにメシ代節約して、必要経費ちょろまかして
ってやってきた努力が、この一発ですべてパーです。
大ショックで、今回ばかりは本気で死にたくなりました。
ああアメリカが憎い!

という訳で、NYC帰ってきて、
おお、まだ生きている、夢のようだ、
と家でNY1見ながら納豆にお茶漬け食って、
寝坊して散歩に出て、昼に飲茶、夜にインドカレー食べて、
ってそこまで来たら、なんかまた出張が懐かしくなってきた。

つくづく、どうしようもないのは俺のほう、と。

2002年2月 アメリカの田舎ドライブ旅行 ~ 「二十四時間ハードロック天国 その四」 ~前回の続き~  

Posted by 高見鈴虫 on 26.2006 アメリカ爺時事   0 comments   0 trackback
 ~前回の続き~

ああ、という訳で、すっかり流れ者気分。

ご存知のように昔から腰の落ち着かないガキで、
中学の1年目ぐらいから、
ほとんどまともに一時間も授業なんて受けたことなかったのが、
まあことの年になってもそういうことだっていうのは、
もうこの落ち着きの無さこそは天性のものだね。

もともとミュージシャンになるよりもバンドマンになりたい、
と思っていたのも、バンドマンはライブをやりながら、
旅に出れるからで、
今はもうライブはなくなってしまったけど、
それなりに旅が続けられるってのは、割といいな、
とちょっと思っています。

ただね、夜中に誰一人として知らない、
もうこの世の果てみたいな田舎町のモーテル、
安い毛布のヤニの匂いが鼻について寝付けなくて、
んで、寝静まった墓場町から、
街道沿いの外れにある掘建て小屋みたいなトップレスバーに出かけてさ。
隅のテーブルに隠れるようにして座って、
で、ウェイトレスに1ドル渡して、
また性懲りもなくガンズとSTPとSRVをリクエストして、
なんてことやったりするんだけどさ。

俺のリクエスト、いきなり水を得た魚みたいに張り切って踊り始めたねえちゃんに、
ヒューヒューなんて気のない声援送りながら、
ああ、俺っていったいなにものなんだろうな、
なんてふと思ったりもしてさ。

もうミュージシャンでもゲージツカでもサラリーマンですらなくて。
ニホンジンでもアメリカンでもヌーヨーカーでもなくて。
おお、この見事な根無し草ぶりはいったいなんだんだ、ってさ。
確かに昔はあれほどヒッピーというかホーボーと言うか、
そんな根無し草みたいな人生に憧れていたりした時期もあったんだけど、
或いは反抗とか破壊とか暴力と反社会やら真実やらに
こだわってみたかった時期もあったんだけど、
それってさ、
なんか今になってすごく不思議な気がして。
なんでそんなことにこだわったのかな、なんてさ。
んでね、あれ、俺も歳なのかな、なんて思ってたんだけどさ。
ガンズをリクエストしたとたんに、
店の一番隅の、いかにももてなそうな剥げのおっさん達が
やたらとはしゃぎ始めたりするのを見るとさ、
ああ、ROCKはもう10年も前に死んでたんだな、
って事実をこれでもかってぐらいに思い知らされてさ。

んでね、
考えてみると俺がこれまでやってきた七転八倒の道草ってのは、
みんな、ROCKの美学から始まったことなだよね。
それで今になって
これだけROCKと言うものが、見事に茶番化してしまうとさ、
なんかROCKを聞いたり、
或いはROCKが好きって面するのも恥ずかしくなってきて、
んで、ROCKを恥じてしまっている俺っていったいなんなの?
ROCKがこの世になくなってしまったら、俺のやってきたことって、いったいなん
なの?
って心底思ってしまうのだよね。

最近会社に入ってきた20歳の女の子なんて、ビートルズ知らないし、
ちょっと気にいった子に聞いてみたりすると、
決まってロックなんて聴いたこともない、
って言うしさ。
まあね、この間のライブとかでも思ったけど、
やってる俺達も、来ている客も、
いかにもどうしようもない、誰からも相手にされない
ダサ男って感じの奴らばかりで、
ああこの音楽ではもう人を惹き付けることなんかできないのかな、
なんて、無茶苦茶に打ちのめされた気になったんだけどさ。

んな訳で、
誰をも気にせず思い切りROCKの聞けるのは、
じつは田舎のフリーウエーの上だけ。
つまり、次の出張が待ち遠しいばかりなんだけどさ。

そのうちクラッシック・ロックで、ガンズやらSTPやらがガンガンかかったりする
と、
なんかもう、世の中に完全に取り残されてしまったような気分になるだろうな、
なんてちょっと怖い気がする。

オンタリオの牧場の中をぶっとばしながら、
そう言えば、昔、
あの子がよく手紙の最後にKEEP YOUR ROCKIN' なんて書いてたな、
そう言えば、あいつは必ず、BOOGIE WOOGIE BABY! ってサインしてたな。
そうそう、俺はいつも、ROCK'N'ROLL SUICIDE!って書いてたんだ、
なんて、
思い出して、思わず笑い出してしまった。

という訳で、冬のNYC。
まだまだ春は遠からじ。
今年の冬はなんか寒い訳でもなくかと言って雪も降らず、
ぼんやりとした日が続いています。

なんかうわさによると来週末からまたまた出張、
って言われたような気がするんだけど、
また例によってどこに行くのかなにをやるのかも聞いていない。

まあね自分から希望したコントラクター。
なるべくしてなった流れ者。

ここまで来るともう好きなようにしてくれよ、としか言えないよね。
またまたハードロック聞きながら一日中車乗ってるだけなら、
いくらでもやっててやるよって感じ。
40近くなってなってから、
仕事?ああ、ハードロック聞くこと、
ってのも割といいんじゃないかな、て気がする。

長くなってごめんね。
なんか鬱病旅日記みたくなってしまったね。


ではでは、春になったらまた書くね。
その頃にはどこに飛ばされているのやら。

アメリカのトイレでウンコをしていると

Posted by 高見鈴虫 on 04.2006 アメリカ爺時事   0 comments   0 trackback
アメリカのトイレでウンコをしていると
いきなり隣室からHEY!と話し掛けられて
どぎまぎしてしまったりしたものだが、
そのうちウンコをしながらでも平気で野球の話とかもできるようになって、
しかも一緒にフラッシュして一緒に出て、
で、一緒に手を洗ったりした時、
アメリカ人って楽だな、とつくづく思ったものだ。

そう言えば、
太平洋戦争時、
アメリカ軍の捕虜になった日本兵による
米兵による捕虜虐待の実例報告の中に、
厠で用を足す間にも話かけられ恥をかかされ、
とあって大笑いしてしまった。

2006-11-08 天文学的ババ抜きの時代到来か

Posted by 高見鈴虫 on 08.2006 アメリカ爺時事   0 comments   0 trackback
青なりが勝った。
米中間選挙のこと。
まあ当然と言えば当然。
でも最後の最後まで、信じちゃ駄目だよ。
だって、知ってるだろ、
ここのところの米米
まったく信じられないこと、ばかりだから。
またいきなり、悪い悪い、投票はぜーんぶ無効です、
端的に言って、赤首が勝つまではやり直しなんです。
なんて、ことになりかねない、なりかねない。

でもさ、でもさ、
それでも過半数近くにまで迫った赤首。
凄い、というか、
それでも、ここまできても、
こんなことになってしまってからも、
なおも赤首に投票する奴、
全国民の半数近く存在するって
これだけでももう、驚き桃の木。
それが赤首の赤首たる所以。
そうマジ怖いよ。本気で怖い。

でもね、俺、もう、怖いもの無いよ。
俺、ここ数年で、まじで、本気で、
この世には、
神も、仏も、幽霊も、怨霊も、祟りも、天罰も、
そんなもの無いって、確信した、もんね。

だってさ、見ろよ、
猿が、まだ、生きてるじゃねえか、って。
この世界一の罰当たりが、さ。

ラムが辞めそうだな。当然だ基地外。
ついでにあの黒河童女も道連れにしてやれよ。
ついでに、あのデブが心臓発作、
猿は酔っ払ってタラップから落ちて頭打って、
も、あんまり変わらないか。
でもさ、
下手するとそうなった方が‘
もしかして都合が良かったりする奴がいるのかな?

いずれにしろ、次の政権は完全なババ抜きだよね。
これだけの天文学的大失策のツケを一挙に背負わされるってのはさ。
つまりは天文学的な悪夢、と。
天文学的なんて、全然想像もつかないけど、
まあいずれにしろろくなもんじゃないってことだけは確か。
誰が?決まってるよ、アメリカ人。
誰よそれって、なんだよ、俺もかって(笑
ああつまり、この先、アメリカ全土でババ抜きが始まる訳だね。

とか言いながら、日本の景気だって、
北がくしゃみするだけで、右にぶっ飛び左にぶっ飛びだろ?
そんな茶番が世界中で起こってる、と。

ああ、だれか俺の株価のためにちょこっと自爆テロ、やってくれねえかな。

と言う訳で、
ああ、いつまでたってもろくなもんじゃねえなあ、人類。

アメリカにおける情熱と誠実はすべて日曜日の午後で燃え尽きているのである

Posted by 高見鈴虫 on 17.2006 アメリカ爺時事   0 comments   0 trackback
やっぱね、
異文化、って、理解するのなかなか難しい。
ガイドブックとかいくら読んだって、
判らないところは判らない。

けど、しばらくぶらぶらしてるうちに、
なにかのきっかけでそのコアみたいな部分が、
ぐわっとばかりに流れ込んできて、
で、あらあらあら、とまるで雪崩現象、と言った勢いで、
みるみると謎が解けて行く、みたいな、
そんな経験ってあるでしょ?

例えばほら、
インドの雑踏をもまれもまれて歩きながら、
なにからなにまで、不条理不条理不条理の連続、でしょ?
なんで道の真中に牛がいるんだよ。なんでこじきばかりなんだ。
なんでこんなところにうんこが落ちてるんだ。
なんでこのくそ猿は俺に石を投げてくるんだ。
なんでみんな嘘ばかりつくんだ。なんでカレーばっかりなんだ。
なんで目に付くもの全てがことごとく腐ってて臭くて汚くて、
なんだこれは、まるで地獄だって。
正気の人間なら必ずそう思う筈。

でもそれが、例えば、ある日の夕暮れ、
軽くジョイントをきめて、
で、そう言えば、あのあの甘い紅茶が飲みたいな、
ついでに川のあたりまで行って見ようか、
なんて、ふと通りに足を踏み出した途端、
あれあれあれあれ、っと。
いきなり全ての謎がみるみる溶け初めて、
ああ、この電信柱からこの緑の扉からこの赤い粉から、
このお香の匂いからこのシタールの音色からこの空から川の流れから、
ああそういう訳か、判った判った、と。
なんだよ、と。
この街はガンジャを喫わなければ何一つとして理解できなかったって
そういう訳なんだね、と。

或いは日本。

このなにもかもがゴミゴミと密集した脈絡の無い
なにからなにまで拾ってきては取ってつけたような、
統一性も美意識も主張も哲学も、
なにからなにまでなにひとつとして取り付くしまもない、
つまりはゲロのでそうなぐらいにやりきれない町並み、
これは一体全体なんなんだよ、と。
とほとんどの外人はみんな思ってると思うのだが、
満員電車で一時間、
死に物狂いで押しつぶされながら辿り付いた会社では
日がな一日、見猿聞か猿言わ猿で石に徹しきって過ごした
残業明けの10時過ぎ、
裏通りの居酒屋でいい加減、安い焼酎ばかりをがぶ飲みして、
あああああ、こんな人生、もうどうにでもなれ、と啖呵をひと吼え。
ふらつく足で街に踏み出した途端、
いきなり、ふっと風が吹いて、
ワイシャツの下にべったりとかいた汗がすっと冷えてゆく時、
なあんだ、そうか、と。
みんな、これ、これだこれだ、この気分だったんだね、と。
そのひと吹きの風のなかに、
たちどころにその文化のコアみたいなものを理解できる、という訳。
なんだ、この赤提灯も、テレビのダイバクショーも、青い顔したケロヨンも、ホームで寝るおっさんも、泣きじゃくるおねえさんも、ゲロだらけの学生も、
ああそうか、みんなみんなそういう訳だったのか、と。

つまりはそういうこと。

まあ確かに、
よっぱらってホームにゲロ吐いたからって日本は判らないし、
ガンジャがきまったとたんに
インドが全て理解できたつもりになっても困るけど、
でもなんとなく、
そんな理解できた、という気持ち、
あるいは、気づいたような気にさせてくれるきっかけ、
すなわち、好きになった、という感覚。

そんなものが訪れることがまあ旅の喜びでもある訳で。

ってな訳で、おっと前置きが長くなったね。

ここはアメリカ。そうアメリカだよ。

なんだよ、この見渡す限り、徹底的に間の抜けた風景は。
みんなデブばかりで、うすのろでぼんくらでのーたりんで、
誰一人として誰も仕事なんかしないで、
貧乏でほら吹きでいい加減で、どうしよもねえぐーたら野郎と。
そう、アメリカに3ヶ月も居れば骨身にしみてそう思うだろ。

どうしてそうなのかって?なんでアメリカ人ってどいつもこいつもって?
俺にはわかるよ。教えてやるよ。

実は、
ほとんど大抵のアメリカは、
毎週の日曜日の、その一日、厳密にはその午後だけで、
一週間分の情熱から誠実から希望から愛から夢から、
つまりは生きる上での活力のほとんど全てを、
日曜の午後、その半日の間に、
一瞬のうちに燃やし尽くしてしまうのである。

で、はいはい、
そのアメリカ人は、日曜日の午後、いったいどこへ行くか、
教会?
で、ゴスペルでも歌う、って?

馬鹿いっちゃいけない。

答えはフットボールである。
こっちではNFL、日本ではアメフト、と言う。

アメリカのほとんどのまともな成人男子は、
日曜は朝からトランク一杯にビールのケースを積み込み、
チップス、サルサ、に、山のようなファストフード、
ハンバーガーにフライにバッファローウィングに
フライドチキンにナッチョスとピザ、をテレビの前に山と積み上げて、
顔を青く塗る奴、ユニフォームを着る奴、ヘルメット、プロテクター
Dとフェンスのついたて、なんでもありである。
という訳で、
待ちに待った午後一時、第一試合のキックオフ。
この日ばかりはどんなに騒ごうがポリスがやってくることはない。
フットボールの試合で大騒ぎするのは、
この国では由緒正しき健全な社会的行為なのであって、
つまりはポリスも今ごろその体勢、ということだ。

という訳でほったらかされた女たちは、
いったいなにをしてるかと言うと、
やはり思った通りだ、
いきなりの買い物、で、そのあと、
ほったらかされたもの同士集まってレストラン、
女ばかりのテーブルで暴飲暴食。
昼間から酒飲んではあからさまな猥談にはしゃぎまわっては
買ったばかりの服を正札つけたままファッションショー。
ビールだらけケチャップだらけでも気にすること無い。
いいのよ、来週返せば、と。
で、午後の一日を顔中をしわだらけにしてげらげらと笑って過ごす、と。
なに心配はいらない。
男はみんなテレビの前、だれも女のことなんか気にしちゃいない。
化粧さえしない女もいる。
パジャマでメイシーズに来たってだれも気にしやしないって。

そうこうするうちに4時。第二試合の開始。
そのころにはほとんど腹一杯、ビール飲み過ぎ、タバコ吸いすぎ。
誰かが持ち出したハッパに嵌ってジミヘンがんがん。
挙句に昼間から蝋燭とか立てちゃって、
テレビのフットボールはまるで未来世界、
そうかと思うとでろでろに酔っ払ったまま
外の通りでキャッチボールとか始めちゃって、
大暴投の末にガラスは割る、車はぶつけるの大騒ぎ。

という訳で日曜の夜。
妙に静まり返った夕食の食卓。
メニューはもちろん昼間の残り。
冷えたピザと固まったバーガーとべちゃべちゃのチキン。
でもなぜかみんな満足げ。

テレビではサンデーナイトフットボール。
だれもが見るともなしにテレビを見てる。
あ、っちぇ、インターセプト。
なにいまの。反則じゃないの。
いや、いいんだよ、ファンブルだから。
でもボール取ったでしょ。
だから、ひざついてないから、ファンブルなんだよ。
ちっとも判らないわ。

判ってもらわなくても結構。否、判ってもらっては困る。

という訳でアメリカ。

あああああああああああ、明日からまた仕事だよ、と。
思い切り腐りまくって、ああ、もう死んでしまいたい、
と誰もが思う月曜の朝、

いや、まてよ、と思い返す。

そうだ、今日の夜、マンデーナイト・フットボールで、
ピッツバーグ・スティーラーズとインディアナポリス・コルツの一騎打ち。
おおおおお、ビッグベンとペイトンかあ、これはこれは、早く帰らねば、と。

アメリカ人に自殺を思いとどまらせる第一の理由は、
という問いに、まじめな顔して、
マンデーナイト・フットボール、と答えていたおっさん、
あんたの気持ちが痛いほど判る今日この頃。

ああ、ジェッツがまた負けたぜ・・・
死んでしまおうか・・あるいは、今週末まで待ってみようか・・


アメリカの幽霊が怖くない、その訳

Posted by 高見鈴虫 on 27.2008 アメリカ爺時事
疲れ切って帰宅した夜更け過ぎ。
晩飯を食ったとたんに意識が途切れて、
歯も磨かないうちにソファで昏睡状態。
で、ふと目覚めた夜更けの部屋。
淀みきった意識の中で、
あれ、なんか変だぞ、と身を起して。
ふと気づくと、部屋中に満ち満ちた不穏な空気。
誰かが見ている。
暗い天井から
半開きのドアの奥から
薄明かりの窓の外から。
あれ、なんか、誰かいるんじゃないのかな、と、気づいた途端、
耳元でかすかに、ふふふ、と女の笑い声。
思わず飛び起きて、
思わず、背筋がぞぞぞぞ、と。

息を殺して待つことしばし、
ふと再び眠りの浅瀬に浮かびはじめて、
はっとして目が覚めると、おやおや、
部屋はいつもの汚い部屋。
皹だらけの天井と薄汚れたカーテンと、
脱ぎ捨てた靴の挟まった染みだらけのドア。

なんだ行っちまったのか、と溜息を一つ。

ああ、暗闇が怖いと思ったことなんて、実に本当に久しぶりだな、
なんて、
柄にもなく苦笑い。
こんな感覚、本当の本当に久しぶり、
重ねていうと、ちょっと懐かしい、なんて気もして。

そう、
いまでこそ、こんなにふてぶてしいおさーんになってしまったものの、
こんな俺にだって子供の頃、というものは確かに存在したわけで。

そんな子供時代、
俺ってそう言えば、凄く臆病な奴だったんだよな、
と改めて思い出して。

真夜中の暗闇や、
外から響く救急車のサイレンや、
寝静まった廊下も、
ひんやりとした夜更けのトイレも。
ひとりで机に向かっている時、
なんかいつも誰かが後ろに立っている気がして、
そう言えば、閉め忘れた雨戸の向こう、
薄く開いたドア、
カーテン越しのベランダにも、
誰かが覗き込んでいる気がして。

そう、子供時代、夜の世界は恐怖に満ちていた気がする。
そんな感覚、いつのまにか忘れていたよね、と。

暗闇で煙草に火をつけて、
そして、つくづく、どうして俺は暗闇が怖くなくなってしまったのか、
とふと考えてみた。

だってさ、現実の方がずっと怖いし、というのがその結論。

目が覚めたらいきなり黒人が立っていた、とか、
ドアを開けたらいきなりずどん、とか、
窓から人が入って来た、とか、
あるいは、寝ているうちから毛布の上からバットで滅多打ち、とかとか・・

そう、そんなこと考えたら、
幽霊ぐらいで済んで本当に良かった、と。
背筋がぞぞぞぐらいで済むなら、それに越したことはないじゃないか、と。
つまりそれがアメリカの現実。
アメリカの幽霊が怖くない理由。

アメリカに来てからというもの、
暗闇で目を覚ますと同時に、
なんだこの野郎、と思っている。
やるならやるぞ、といつのまにか身構えている。
こんなところで出会った以上、情け容赦はしないぞ、と、
暗闇で目を覚ましたとたんに完全に臨戦態勢。
てめえ、殺すぞ、と呟いている、という訳で。

そんなこんなで現実の恐怖に怯えているうちに、
暗闇の魔はいつのまにか俺を見限ってしまったような。

なんてことを思っていたら、
やにわに開く寝室のドア。
まさか、と思った途端、寝巻きがわりのTシャツ一枚のかみさん。
薄明かりの中に白く伸びた足に思わず目が行って。
トイレの奥から、あれ、起きていたの?と寝ぼけた声。
ああ、と気のない返事。
水の流れる音が響いて消えて、ゆらゆらと亡霊のように歩いてきたかみさん、
どすんと隣りに腰を下ろして身体を預けてきて。

どうしたの?
いや、別に。
怖い夢でもみたの?とふふふと笑う。
馬鹿やろう、ガキじゃあるまいし、と苦笑い。
あのさ、でも、と改めて、
この部屋なんか居るよな、と
まさか、とウンザリしたかみさんのくぐもった声。
ガキじゃあるまいし、と俺の口調を真似て。
絡んだ膝に手を伸ばして、なんてやっているうちに、
だめよ、お風呂入ってないでしょ、
お前は入ったの?
入ったわよ、あんたが寝ちゃってから。
偉いね。
当然でしょ、おんなのこだもん
あ、本当だ。
やめてよ、汚い手で触らないで。
なんてやりながらいつのまにか。

ねえ、引っ越す?
とぼそりと一言。
引っ越すってどこに?
そうなのよね。これ以上安いところ、あんまりないものね。
ああ、家賃安いよな。異様に。
だったらそれぐらいのことはあるかとは思ってたけど。
やっぱり感じるのか?
感じたからどうだっていうの、今更。
そうなんだよな。その通り。
頼むから邪魔しないで、とは思ってる。
ああ、邪魔するならぶっ殺すぞ、と思った。
もう死んでるって。
ああ、もう死んでるんだから別にいいか、と。
死人に口なし家賃もなし。
おばけのおかげで家賃が安いんだとしたら立派な同居人だよな。
そう、ルーミーみたいなものでしょ。
もうちょっと騒げばもっと安くなるかな。
やってみれば?私は嫌だけどね。これ以上の揉め事。
これ以上の揉め事、か。ああ確かにな。もううんざりだ、
と、深い溜息。

これ以上の揉め事が、
おばけぐらいで済んでくれたら、
それに越したことはねえなあ、と心底思っている自分。
おばけでもなんでもいいから助けてくれよ、まったくさ、
と苦笑い。

という訳で、
そんな暮らしを続けているうちに、
夜更けの暗闇に怯えていた頃は、
本当にのどかで良かったよな、
とつくづく思ってしまった夜半過ぎの出来事であった。

紙風船が弾けて

Posted by 高見鈴虫 on 29.2008 アメリカ爺時事
紙風船が弾けて、
これからまた大変なことなりそうが気がするが、
とりあえず言えることは、
今日一日をどうやってやり過ごすか、ってなことな訳で。

  

プロフィール

Author:高見鈴虫
日本を出でること幾年月。
世界放浪の果てにいまは紐育在住。
人種の坩堝で鬩ぎ合う
紐育流民たちの日常を徒然なく綴る
戯言満載のキレギレ散文集

*お断り 
このブログ記事はフィクションであり実在の人物・団体とは一切関係ありません藁

©終末を疾うに過ぎて...
無断丸々転載・そのまま転写はご勘弁ちょんまげ

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