Loading…

この世で一番尊いもの

Posted by 高見鈴虫 on 01.2006 嘗て知った結末   0 comments   0 trackback
帰りがけに玄関でピックアップしたジャンクメールの束に混ざって、
VICTORIAN SEACRETのパンフレットが届いていた。
もちろんかみさん宛てのものなのだが、
それにしても、いやあ、お美しいお尻でございますこと。
キッチンのテーブルに投げ出したままなのだが、
ついつい何をやるにしても目についてしまって。

ああ、改めて思うに、
女の人のお尻って、
何故にこうも魅力的に映るのだろう。
僕はお尻だ。お尻のきゅとあがった、
すらりと足の伸びた足。
僕は女の人が大好きだ。
女の人のお尻が大好きだ。
ずっと眺めていたい。
できればこの手で触れてみたい。
できればむんずと両手で掴んで、
そしてそして、そっと頬擦りして、
熱い息を吹きかけたあとに、
むにゅううううっと鼻の先をその割れ目に埋めたい。

ああ、神様、僕は女の人のお尻が大好きです。
ハンドルよりはサドルになりたい。
机よりはいすになりたい。

ただ、どういったわけか、
同じお尻でもオトコのお尻は大嫌い。
なんで同じお尻なのにこうも違うのか。
ああ、見るだけでおぞましい。
手で思い切りびんたする、それさえも忌々しいほどに、
靴の先で蹴り上げるか、
或いは、ああ、もう海の底深くに沈めてやりたい。

という訳で、
やっぱりお尻は女に限る。
ああ、僕はおんなの人のお尻が好きだ。
そう、ご飯よりもお酒よりもタバコよりマリファナよりも、
やっぱり、きゅっと持ち上がったまんまるのお尻が大好きだ。
おっぱいなんて、ただの脂肪の塊り、あるいはぶら下がりじゃないか。
お尻は違うぞ、うんちだって出せるんだぜ。

という訳で、キッチンの上になげだされた白いパンティにつつまれたお尻に、
思わず興奮、ではない、感動してしまいましたとさ。

あ、ところで、
ここだけの話、
世界で一番つやつや滑らかなお尻をした人だれか知ってる?
そうそう、ここだけの話、
それはね、うちの奥さん。
ぷぷぷぷぷ、たまにおならもするけどね。

茶々万満

Posted by 高見鈴虫 on 01.2006 嘗て知った結末   0 comments   0 trackback
かみさんが消えたとたんに、
俺を巡る世の全てが茶番と化した。

たとえばの話、
間の抜けた日曜の午後、
思い切りどうでもいい格好をして近所に買い物にでかけ、
そのままかみさんと別れて帰るような時、
ふとショウウインドウに映った己のあまりの無様さに、
あれあれあれ、なんだこの醜態は、
と思わずどぎまぎとしてしまう時の、
あのどぎまぎが、
この先、下手をすると永遠と続く、
という事を意味するのか、
という予感を秘めたまま、
の間の火曜日の朝、
じゃ、行ってくるから、
と挨拶もそぞろに空港に向かわれた直後から、
あれあれあれ、
俺のまわりをぽっかりと非現実のベールが包み込んでしまって、
なんだなんだなんだ、このちぐはぐな空気は、
という訳で、
そしてやることなすこと、
全てが茶番と化してしまった。

そしてソファに一人。
音をしぼったテレビでニュースを見て、
腹が減ったような減らないような、
眠いような眠くないような、
遊びに行きたいような面倒くさいような。

疲れているのかな。
うん、疲れているみたいだ。
多分夜に寝付かれないから。
どうしてなんだろう、
かみさんが居なくなった途端に極端に寝つきが悪くなる。
別に普段からそんな豪勢な性生活を送っているつもりなど毛頭ないが、
隣にかみさんが寝ていないとなんともすーすーとして居心地が悪く、
なんとなくそわそわとしてみたり、なんとなく斜めに寝てみたり。
或いは、ふと夜中に目が覚めて、
そのままもそもそとPCの立ち上げて古い友人にメールを打ち始めてしまったり。

会社の友人が気を使って、
エッチなビデオの入ったCDをいくつもくれたのだが、
どれもこれも、
女の質やセックスそのものよりは、
へえ、あいつこんな女が好みなのか、
なんてことばかり考えてしまって、
挙句に、なんとなくあいつに見透かされているような気さえしてきて、
隠すようににパンツを上げてしまうことになる。

という訳で、腹が減っている。
考えてみると、かみさんが消えてからと言うもの、
そう云えばろくなものを食べていない。

昨日食べたもの、ベーグルとバナナ。
おととい、残り物のピザ一切れ。
その前、サブウエイのサンドイッチ、半分残して捨てた。

どうしてだろう。
かみさんがいなくなった途端に、食い物の味がしなくなる。
普段食い慣れている全てのものが、
なんか薬臭かったり甘すぎたり化学調味料の味ばかりが気になったりで、
とりあえず、全然おいしくない。
おかしいな、たまにかみさんと食べるときもあるのに、
そのときはこんなにまずくなかった筈なのに。
という訳で、首をかしげながら、いつのまにか食いのこしばかりが増え、
そしてじきに、
極端にろくでもないものしか食わなくなる。

しかしながら、
うちのかみさんはできた奴である。
出発の前、俺のやることなすこといちいち文句ばかりを並べていながら、
ふと見ると冷凍庫にはしっかり冷凍ご飯が並んでいて、
ふと見るとちょっとしたおかずやら、
後はまあ、レトルトやらもさりげなく買い込んでいて、
別に俺だって全然買い物ができない訳でもないし、
ともすると、こういう機会に普段かみさんと一緒では食べれないもの、
鬼のように辛い、ただもうそれだけ、というハードコア重慶火鍋やら、
全身これコレステロールの塊、という巨大ハンバーガ、やら、
たまに蝿が混じっている超カルカッタ風インドカレーやら、
そういういかがわしくもいとおしいゲテモノの数々を、
いちいち食い歩きをしてやろうか、などと画策しているのだが、
いざ、かみさんが居なくなった途端に、
そんな無邪気な冒険心も一瞬の内に意味を失ってしまい、
そして、いつしか11時過ぎ。
相変わらず腹は減っているのだが食いたいものはなにもなし。
ふと開けた冷蔵庫の中に正方形のラップに包まれて並んだ発芽玄米パック。
山くらげの漬物とわかめの和え物、卵は無いが卵豆腐があって、
味噌汁が無いのがなんだな、とぶつぶつ言いながら
電子レンジの蓋を開けては閉めて。
という訳でかみさんのいない週末の夜、
あの日以来ずっと廻りつづけている
ローリングストーンズを聴くともなしに聴きながら、
音を消したテレビで同じニュースを何度も眺めて、
ああ、これに味噌汁さえあればな、
と一人ご満悦。
かかってくる筈のない携帯を空いた味噌汁の場所に置いたまま、
あいつ、つくづく俺が判ってるなあ、と今更ながら関心しつつ、
男一人、深夜のアパートで発芽玄米と精進料理に舌鼓を打つ。

ふと頭を上げると窓に映った自分。
あれこんな風景見たこと無いぜ、
ああ、ここは普段、夜になるとかみさんがブラインドを下ろしていたのか。
となんか悪戯を発見したような気になって、
おいおい、このおっさん、ちょっと禿てきてるぜ、
と改めて見る自分の姿に嫌悪を通り越して失笑が浮かぶ始末。
んだこの野郎、恐ろしくみっともねえなあ、
とニヒルな笑いでKISS MY ASS。

ああ、その通り。
こんな俺を取り巻く世界は全てが茶番。
愛も怒りも涙も笑いも。
夢も希望も絶望さえも、全てが茶番。
茶番で何が悪い、と嘯いてみる。
おお、おっさん今度は開き直りかい。
開き直って何が悪い、そう、開き直りこそがおっさんの唯一絶対の武器。

ああ、だんだん腹が立ってきた。
なんだ、この茶番みたいな世の中は。
どうして俺はこんな茶番の中に置き去りされねばならねえんだ。
てめえ、あのいけすかねえ女、ひとをなんだと思っているんだ。
俺が何をやった。
ただ仕事をしていただけじゃないか。
忙しかったんだ。俺はただ忙しかっただけなんだよ。
それをなんだ、勤勉な労働者に対してこの仕打ちはなんだんだ。

そしてかみさんの残した冷凍ご飯。
確かに美味い。おかわりをしてしまおうか。
次は鮭フレークを頂こう。
くそったれ、なんだって俺は週末の夜に
一人で飯なんか食ってなくっちゃいけねえんだよ。
つくづく恨めしくなってくる。

古いアルバム、埃を払って。
そう、こんなアルバム場所を取るばかりで、
といつも文句を言っているが、
前に見た時もそう云えばかみさんが里帰りの時。

せんととーますとじゃまいかときゅーば
スキューバとパラセイリングとテニスと水上スキー。
そうだ、あの時、あいつは水上スキーの上にいきなり立ち上がってしまって、
そのまま入り江の中を一周してしまってホテル中の話題になって、
晩飯の時にはそこかしこから乾杯乾杯と酒を奢られいたそのとき、
俺は道端のジャンキーから貰ったジョイント一本で完全にラリパッパ。
人気の去ったプールサイドのベンチに唯一人置き去りにされて、
ああ、きれいだなあ、とたった一人で夢心地。

そうそう、この時は、ホテルに着いてすぐに、
フロントでみつけたオプショナルツアーのヨットクルーズに行くはずが、
あれ、裏庭の駐車場の隣に裏寂れたテニスコート。
せっかくラケット持ってきたのだから、
とまあ、最初は時間つぶしにと始めた1セットが長引いて、
結局ヨットツアーにもシュノーケルにも晩飯の予約もぶっち切って、
おまけによせばいいのにホテルの従業員達が休憩時間の退屈しのぎに集まってきて、
なんだよ、ナイターか、よし、望むところだ、
と言っているそばから、なんと金を集める奴まで出てくる始末。

にさえ遅れてしまったのだ。
どうせどこに行ってもテニスばかりしてるんだから、
わざわざこんなところまで来ることなったかよね、と笑いながら、
そう、あの時もタイブレークの後にかみさんが取った。
あんた、メンタル弱いから。
そんなことないさ。勝負強いので有名じゃねえか。
じゃああたしには。
うん。お前とのラリーにはいつも負ける。
そう、ラリーはあたしの方が強い。
お前は陰険なんだよ。底意地が悪いの。
あんたが短気なだけじゃない。
サーブは俺。
リターンは私。
フォアは俺。
バックは私。
まあ似たような次元だろう。
そうかしら。
どういう意味だよ、それ。

という訳で、
かみさんが旅立って最初の週末。

床に座りこんで古いアルバムをめくる、
中年男の居る風景。
それはまさに茶番な風景。

ああ、茶番劇終了まであと7日。

このバナナ、歯糞の味がする、とトミーが言った

Posted by 高見鈴虫 on 04.2006 今日の格言   0 comments   0 trackback

「この世で唯一絶対最強の武器」

Posted by 高見鈴虫 on 04.2006 嘗て知った結末   0 comments   0 trackback
あいつのことが忘れられずに、
眠れなくて深夜のジム、
ウエイトとトレードミルとサンドバッグで、
徹底的に自分を痛めつけて、
しかし忘れられない、あいつのことが。
あいつの声がいまも頭のなかをぐるぐる。
あいつの匂いがいまも胸の奥に漂って。
いくら走ってもいくら汗を流しても、
消えることのないその面影。
あああ、忌々しい、ああ、たまらない、と、
思わず、ビッチ!と大声で叫んでしまったその時、
周りを囲んだ男たちが、苦笑いを浮かべて振り返った。
YES、YES MEN.YES INDEED。
そう、その通り、判るぜ、と。
今日も深夜のジムにまた一人、
女に傷ついた男がさらに己を痛めつけている。
男を本当に倒せるのは拳でも武器でもない。
女の気変わり。
女の視線と、その唇から吐かれる一言の言葉こそ、
この世に存在する唯一絶対最強の超ウルトラ破壊兵器なのだ。

ただしそれは、女には効かない。
それがまた、世の中の面白いところなんだけどね。

そして辿り着いたニューヨーク

Posted by 高見鈴虫 on 05.2006 ニューヨーク徒然   0 comments   0 trackback
そして辿り着いたニューヨーク。
ミッドタウン47丁目。

見上げれば摩天楼の渓谷。
夜空一杯に広がる四角い星屑のその一つ一つに
それぞれの、しかし結局はみんな似通った、
愛と憎悪と欲望と絶望のドラマが繰り広げられているなんて、
ああ人間って、かくもおかしくも悲しく愛らしい動物なのか、
なんて、ちょっと無常観を感じてしまったのは俺だけではない筈。

まずはこの窓のどれか一つにでもしがみついて、
そこを足がかりに登って登ってバベルの塔。
まずはビバーク。
とりあえずは腹ごしらえ。
いつものようにスバロピザの紙皿に一枚のスライス。
頬張りながら改めて見上げる摩天楼の渓谷。
ここが世界の中心なのか、あるいは吹き溜まりか。
こうしている今も、
目の前をまるで鉄砲水の濁流のように流れて行く、人人人、人の群れ。
うかつに足を踏み出せば、
そのまま飲み込まれてしまいそうで。

あんたたち、
そんなどうでもいい顔をしていながら、
少なくともその誰もが、
取りあえずはどこかこの窓の一つに足がかりを持っている訳なんだね、
なんてさ。
ふと足元がなんとも寒々しい気がして。

ああこんな時、
柄にもなく誰かと話がしたいなんて思うのだが、
この街で知った人間は、
たった今面接を受けてきた某社某面接担当官、ただ一人。
ああ、見上げれば摩天楼の渓谷。
氷色をしたカレイドスコープのその中心。

生まれてから、
これほどに心細い思いをしたことがなかったな、
なんて、
食べ終わったピザの紙皿、
手の中に丸めてゴミ箱にシュート、
ナイス・イン、3ポイント!

さあ立ち上がろう。
摩天楼ビバークの一日目。
この街で初めて俺に話し掛けてくる奴って、
いったいどんな奴なんだろうな、
と改めてコーラを啜る、
ニューヨークミッドタウン47丁目、午後9時。
右に行くべきか左に行くべきか。
旅立ちのテーマ曲は、
もちろん、WELCOME TO THE JUNGLE。
そう、そうこなくっちゃな。

なんか昔のほうが季節の匂いが鮮烈にした気がする

Posted by 高見鈴虫 on 12.2006 音楽ねた
なんか昔のほうが、
季節の匂いが鮮烈にした気がするなあ(爆
最近年取っちゃって、神経が麻痺し始めたのかな?

音楽っていいよね。
季節とか、空気とか、風景が、
音楽に溶け込んでいくような瞬間ってあるでしょ?

恋をしてたりとかすると、特にね(笑
最近、とんとそういう機会がないのですが、
なんか、昔をちょっと思い出したりしています。


で、
わたしは最近では夏になるとラテン系のJAZZですねえ。

古いキューバのソンとかルンバ、とか、
あのブエナビスタのルーベンゴンザレズとか、
空間性が凄くいい。

あと、ここ数日はミッシェル・カミーロ、
まるで木々の蒼さに溶け込んで行く気がします。

そう言えば、去年はジョンマクラフリンばかり聞いていて、
そのまえはキューバ系ばかり。
その前は、ブラジル系だったなあ。

そう言えば最近アメリカのPOPSで、
風景を掴んじゃうみたいなバンドないね。

PRINCEとCANALの落差は

Posted by 高見鈴虫 on 13.2006 ニューヨーク徒然   0 comments   0 trackback
地下鉄6番線、
PRINCE STREETと
CHINA TOWNのCANAL STREETの客層の落差は、

サンディエゴ ティアファナのボーダー、
或いは、
返還前の香港と羅湖の乗り換え口、に匹敵する、
といつも思う。

天国にテニスコートってあるのかな

Posted by 高見鈴虫 on 14.2006 旅の言葉   0 comments   0 trackback
むかし、南海の孤島のヒッピーコミューンみたいなところで
暮らしたことがあったんだけどさ。
来る日も来る日もビーチでハッパ吸いながら、
ここはこの世の楽園、
輝く海と太陽と山のようなフルーツと取りきれないぐらいの魚、
これ以上何が必要だ、
なんて、間の抜けた会話を続けていたとき、
いや、テニスコート、と言った奴がいてさ。
どこの馬鹿か、こいつは、と思ったけど、
今からだとちょっと理解できるな。
天国にテニスコートってあるのかな。

サーバールーム遭難

Posted by 高見鈴虫 on 17.2006 技術系   0 comments   0 trackback
夜明け前からサーバールームに篭りきり。
室温68度。
暑くもなく寒くもない、筈、という温度。
毎年季節の変わり目、
サーバールームに入った時に、
お、涼しい、と思ったら夏の訪れ、
逆に、
ああ、暖かいと感じたら冬の到来間近、と。
ただ、そう感じられるのも最初の30分。
特に夏、シャツ一枚で入り込んで、
おお、涼しい涼しいなんて喜んでいたのもつかの間、
そこかしこから、
これでもかとばかりに吹き付けてくる冷房の風に、
いつしか身体中の体温を奪われて、
あれ、と気づいた時には、
ぶるぶるぶる、と犬のように身体を震わせて。
全身に悪寒の鳥肌、骨も肉も肌もコチンコチン。
つまり冷凍されてしまった鶏肉気分。
それに加えて、
見渡す限り体温をまったく感じさせない白いタイルの床と壁、
天井から、床の穴から、吹きすさぶ冷風、
轟々と唸るファンノイズ。
これはまさに雪山気分。
まさに、ビバーク気分、つまり、遭難気分。

かじかんだ両手をキーボードに乗せたまま、
重ねたドキュメントが風に飛ぶに任せ、
応答せよ、と叫ぶ電話のスピーカー機能も、
ノイズにかき消されて途切れ勝ち、
結局壁からコードを引っ張って、
受話器を左肩に電話を挟んだまま1時間2時間、
右の耳には携帯のイヤフォン、どこで遮断されているのか、
電波の届くスポットは中腰にしてやや後方を振り返ったこの体勢、のみ。
左の耳から、右の左の上の下の、
右の耳から、前の後ろの縦の横の、
障害の状況いかがでしょうか。早急にご報告願います。
本部と連絡が取れない。しばらくそのまま待機。
そのままって、ここ寒くて、凍死寸前なんだよ。
状況ご報告・・・待機・・・寒い寒い・・・

そんな氷の魔境・サーバールームに、
サンダル履きで足を踏み入れた女の子、
そこだけ唯一僅かな暖を取れる非常用電源の前で
膝を抱えて泣きじゃくっていた所を救出された。
ちょっと行って外付けのハードドライブを届けて来て
って言われて来ただけなのに、

天井の扇風機を止めたサーバーラックの中に新聞紙を敷き詰めて、立ったまま硬直していた新人。
いやあ、思わずこいつに火をつけて焚き火しようかと思ってた。

そう、みんな経験済み。サーバールーム遭難。
そう言う俺も、
サーバの入っていたダンボールを重ねて家を作ったことがある。
梱包用のバブルラップ、つまりプチプチで、
身体をぐるぐる巻きにして一晩を過ごしたことがある。
マニュアルのページを千切ってシャツの間につめこんだこともある。
一晩中腕立てしていたことも、傘で風を防いでいたこともある。

そう、みんな経験済み。
経験済みでありながら、
突然、部屋中にアラームブザーが鳴り響いて
あれ、やばいな、サーバ落ちてるぜ。
すぐに現場に出動とばかりにタクシーに飛び乗って、
走る車の中で関係者連絡と現状報告、
ラップトップと付属品とマニュアル類、
エンクロージャーとDVDRとCDブックと、
なんてやってるうちに、
おお、間に合った間に合った、
と現場に駆け込んだのもつかの間、
あれ、なんか寒いな、
おおお、遭難用のジャンパー忘れて来たよ、と。

という訳で、
今夜も一人、サーバールーム遭難。
救出者一名、危うく命は取り留めたものの、
精神的にも肉体的にも消耗が激しく・・・

俺のジーザスは、緑の顔したキース・リチャーズ

Posted by 高見鈴虫 on 18.2006 音楽ねた   0 comments   0 trackback
信じられない話だが、
あいつの頭の中では
いまでもミックジャガーが
ぴょんぴょん飛び跳ねているって訳だ。

え、俺?
ミックジャガーはいないが、
キースリチャーズならいまもいるよ。抜けた前歯でさ。

精神病院の秋の大運動会って

Posted by 高見鈴虫 on 19.2006 今日の格言   0 comments   0 trackback
精神病院の秋の大運動会って、
とアキラが呟いてから、
みんなはただそれだけで30分以上もの間、
何も言わずにクスクス笑っていたのであった。

ちいさなあやまち

Posted by 高見鈴虫 on 25.2006 日々之戯言(ヒビノタワゴト)   0 comments   0 trackback
ちいさなあやまち

古くは電車のキセル、
あるいは、偽造定期。

駅前で仲間と待ち合わせ、
あれ、パーティ行くのに金がないや、
というときに、半年ぶりにばったり出くわした元同級生、
ちょっと悪いんだけど、金貸してくれない、明日返すから、
なんて。
半年振りに会ったやつに明日も駅でばったり逢える物か、
まあいい。いつかは返す、そのつもり。
がつもりつもって、いつしか、立派なかつ上げ常習犯。
まあいい、いつかは返す、と、そのつもりはあったということだけは、
心の中にしまっておこう。

なんて、
そう、それの延長か、
外回りの時には、一駅二駅ならさっさと歩いてしまって
でも会社にはしっかりと往復分の地下鉄代を請求したり、
或いは、
タクシー代、
はーい、チップも入れとくから、
だから頼むから領収書、なにも書かないでね、なんて。
ともすると、
交差点で客待ちのタクシー呼び止めて、
脅してすかして更の領収書一枚1000円で買ったり。

うん、このぐらいなら誰でもやる、かな、なんて。

で、
取引先と飯食って、まあまあ、今回はこちらが、
と言いながら、しっかり領収書、貰っていたり。
そう、接待も仕事のうち、なのに残業手当も出ないんだから、なんて。

で、これが発展すると、
同じ手で、でも相手は、女・・・ 
どうだ、いい店だろう、高いんだぞ、俺は金持ちなんだ、
なんて、ちゃっかり。

うん、でも、このぐらいならまあ、ご愛嬌。
誰でもやる、かな、なんて。

で、

これがますます歯止めがきかなくなると、

おんな、とっかえひっかえ、
しかも、取引先の女、おお、それも接待、仕事のうちか、
なんて、
まあね、でも、それもたしかに、うん、目を瞑ろうか、とか、

下手をすると、
本気の女と行った深夜のファミレス代、実はここでも領収書。
しかも支払いは日曜の夜。あのなあ、と。
これは相当にみっともない。
が、まあいいか、いつも苦労させてるし、なんて。

うーん、ここまでくるとだんだんあまり、
なんだけど、
もうその頃にはもう仕事も自分もなんにもなくて、

そのうち、久しぶりに友達と飲みに行っても、
で、やっぱり割り勘で、と言いながら、
勘定頼んだとたんに領収書の毟りあい。
破れちゃったんでもう一枚ください、とかいいながら、
しっかり山分け。

それがほら、カードになんてなったりすると、
この会食が、実はもうもうもろに現金収入。
実はしかし、これがわりとおいしい。
キャッシュを下ろす必要もなくなったり、して。

で、ついついこれが毎週、とかになると、
それが、いつしか三日おき、とかになると、
なんか実は、割と、相当に儲かったりして。

で、
毎晩、当然のように飲みにいって、
建前はそこで取引先と待ち合わせ、
或いは、気長に待ち伏せ。
で、その間に、おんな、口説いて、で、二軒目、三軒目、
いいよいいよ、俺のおごり、でも悪いわね、
いいからいいから、とそのままちゃっかり頂いちゃって、
実は会社の金なんだ、知ってたわよそんなこと、なんて。
おお、これもボーナスか。
なんて。
ともすると、いつしかそれが日常化。
酒も女も下の世話まで全て全てが会社に依存状態。

いつしか24時間、仕事状態。
いつしか、24時間、会社のカード。
机の中は領収書の山。

そんな私を、他人は、やりて社員、と言ったもので。
でもそういいながら、
先輩はそれでベンツを買って、
上司はそれでマンションを買って、
とやっていたから、
ちょっと太ったな、ぐらい、全然全然。

はい、これが会社に入って一年目、のこと。

あのまま行ったらどうなっていたことか、と思っていたけど、
そうこうするうちにバブルが弾けて会社は倒産
そうやって日本も倒産。

全ては相乗効果、だったのですね。

同じ過ちを繰り返さないように、
みなさん、
こんどこそ、
明瞭会計で行きましょう。

「心はいつも3時間前」

Posted by 高見鈴虫 on 29.2006 嘗て知った結末   0 comments   0 trackback
「心はいつも3時間前」

気になるひとが遠くにいて、
心はいつも3時間前。
朝食は寝息
昼食にベーグル
3時のおやつにペパロニピザとアレグラサラダ
ジムの前の軽食にブルーベリーマフィン
ワインのディナーはバナナが一本。

日本と仕事をする人々はすべてが日本向け、
つまり昼と夜がきれいにひっくり返った暮らしをしていて、
朝食に豚肉生姜焼きとほうれん草のおひたしとしば漬とごはんとおみそしる。
そして、晩御飯は、あれまあベーグル一個。
となってしまうわけで、
それに比べたらまあちょっとはましだけどね。

と言うわけで、
殺気立った朝のミーティングの最中に、
よだれを浮かべた寝顔を思い出して、
あいつが今見ているだろう夢について考えてみる。
ちょっといたずらして、
届くはずのないキスといっしょに
ちょっとエッチな念なんてものを送ってみたり。

昼休みは近くの公園のベンチ、
頭上を囲む摩天楼の渓谷を見上げながら、
海に向かうパームツリーの坂道を駆け抜ける
黒いサングラスをしたあいつの姿。
風に踊る長い髪。
薄い唇と涼しげな瞳。

相変わらず長引く残業の合間に、
電話してみようかな、とちょっと悩みはじめて、
深夜のスポーツジム、
窓一面に広がるミッドタウンの夜景
トレードミルを走りながらマリブの赤い夕日を思って、
そして夜、
ソファの上、ワインのグラスを胸においたままうつらうつら。
ふと眼をさまして12時過ぎ、
ああ、今日も話せなかったな、とため息をひとつ。

顔を洗って歯を磨いて、
ベッドに入って目を瞑って、
ああ、もうこんなくらしはもうちょっとヘビーだな、
と落ちていこうとしたときに、
るるるる。
ごめんね、いま帰った。

と言うわけでふと気が付くと3時前。
もうちょっと、と思うと夜明け前。
もういいか、と思うと出社前、

朝食は寝息
昼食にベーぐる
3時のおやつにペパロニピザとアレグラサラダ

心はいつも3時間前。
気持ちはいつも夢心地。


「心はいつも3時間前」 
- 2006-05-29 Starbacks Coffe at 24st and 3rd.
  

プロフィール

Author:高見鈴虫
日本を出でること幾年月。
世界放浪の果てにいまは紐育在住。
人種の坩堝で鬩ぎ合う
紐育流民たちの日常を徒然なく綴る
戯言満載のキレギレ散文集

*お断り 
このブログ記事はフィクションであり実在の人物・団体とは一切関係ありません藁

©終末を疾うに過ぎて...
無断丸々転載・そのまま転写はご勘弁ちょんまげ

月別アーカイブ

検索フォーム