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社内虐め~一人残らずすべて珍粕と。

Posted by 高見鈴虫 on 02.2007 とかいぐらし
過去の仕事の行き違いから、客先から呼び出し。
全てやり直してくれ、おたくのミスなんだか、と来られて返す言葉も無く。
これまで強気一本でやって来た分、
ここぞとばかりに社内中から突き上げられて、
孤立無援で申し開きの方法もなく。
そんなことだからね、そもそもね、実は前から思っていたのだが、
と関係ないことのオンパレード。
しまには、あんたね、と俺を呼ぶ奴まで出てきて、
そいつにだけは、あんた?おまえ今、俺をあんたって呼んだのか?笑わせてくれるな、と一言。
一瞬で皆様に凍りついて頂いて今日はオヒラキとなったわけなのだが。
しかしながら、
まあ俺の失敗は俺の失敗、といつになく謙虚な態度で会議を終えて。
帰りのエレベータの中で、まあそんなものだよ、と見え透いた慰めを言う上司に、
あいつら、ただ性格が悪いだけの話じゃねえか、と一言。
あれ、そうだよ、といきなり不思議な顔。
気づかなかった?これってギジュツテキな話でもなんでもない。ただの虐め。みんなただ凄い意地悪なんだよ。
なんでそんな話にうちの身内がただ乗りしてるわけ?
だから、君の身内も実は意地悪だから。
ははは、そうか。そういうことか。虐めってわけ?
そう、虐めだね。そう、そんな感じ。
はは、そういうことか。俺、虐められてるのか。
なんだ気づいてるかと思ったけど。
なんだそうだと知ってたらまとも受け答えなんかするべきじゃなかったね。
そう、いつになく謙虚だな、とは思ってたけど、気づいてなかったのか。
まさか、あいつらまで俺を虐めにかかるなんて、思ってもみなかった。
君が知らないうちにあいつらもちょっと偉くなって、それでやり返そうぐらいに思ってるんだよ。
俺を?あいつらが?笑わせてくれるな。
君らしい答えだね。で、その根拠はどこにあるの?
根拠?なにの?
つまり、その君のその自信の根拠だよ。
はは、そう言われちゃうと返す言葉もないけど。
ササザキが辞めるよ。
え?まさか。
そう、辞める。オフィシャルに。
どうして?
つまり
まさかクビ?この間の件で?
いや、そうじゃない。自主退社。
つまり責任を取って、自主退社?
まあ理由は判らないけどね。個人的な事情だから。
個人的な事情から責任を感じて自主退社?
そう、つまりはそういうことかもしれないけどね。これからますます責任追及モードに入っていくな、うちの会社。もう下手なことはできないよ。
かばってやらなかったの?
かばう?私が?奴を?どうして。
だって、身内じゃないの。
身内?君の言うそのミウチって意味がよく判らないけど。
だって、ずっと一緒にやってきた仲間じゃない。
君ね。たったいま、その身内とやらにこれだけやられていながら、まだそんなこと言ってるの?
身内は身内でしょ。
そう思ってるのは君だけ。だってみなよ、君の大切なあのなんとかちゃんだって、君をかばい立てなんてしなかったじゃないか。
これであいつが俺をかばったらロミオとジュリエットじゃないの。
ははは、君も変らないね。相変わらず意味も無くロマンチックだ。
俺をかばってあいつがやばくなるぐらいなら俺が一人で罪をひっかぶりますよ。
あれあれ、またいつもの騎士道精神。言っておくけど、今回の話、これを蒸し返してるのはそのなんとかちゃんの上司だからね。
ああ知ってますよ。なにを勘違いしてるのか。
なんとかちゃんも立つ瀬ないけど、まあ、仕事である以上、あちらに着かざるを得ない、と。
まさかそれが理由じゃないでしょ?
まあそれも理由のうちではあるんじゃない?いまの感じだと。
まったくどうしようもないチンカスどもだな。
この会社、いつのまにかそんなのばっかりになったね。
俺を踏み絵にしようとでも思ってるのかな。
そう、踏み絵だね、まさしく。今頃小さな胸を痛めてるのかな、なんとかちゃん。
実は胸そんなに小さくないですよ。
判った判った。よく知らないし知る気もないけど。
なんだよ、余計な奴らがごたごた言いやがったのはそういう理由か。
そう、会社にミウチなんて作るべきじゃないよ。
女はともかく仲間は別でしょ。
だから、エンジニアにはもともと身内もへったくれもないの。それが証拠に、
判った判った。意地悪なんでしょ?
そう。意地悪に身内もへったくれもないって。人間そういうもの。
そういうものと思ってしまうからそうなってしまう訳でさ。やめませんかそういうの。
だったら君、できるならあいつらの性格を変えてみてくれよ。
みんなまとめて前歯叩き折ってやったら口数も減るかな。
あのねえ、なんて言ってるけど、君はそれ、本気でやりそうで怖いね、確かに。
今更そういう手段にこうじるってのもなんとなく照れくさい気もするけど。
って言うか犯罪でしょ。
ばれなきゃいいんですよ。警察がいなけりゃ犯罪率も上がらない。
君らしい意見だね。
意地が悪いってのは、もしかしてあなたが一番意地悪だったりして。
まあそれもあるけどね。
つまり?
つまり、なんだね。ああ、もう君ね、今日は帰りなさい。こんな状態ではろくな仕事はできないから。
やっかい払いって奴ですか。
そう、まあ、そう言ったらなんだけど。


カレンダー

Posted by 高見鈴虫 on 02.2007 今日の格言   0 comments   0 trackback
会社の机の上の、いつも見ているカレンダー、
改めて見るとあれ5月のまま、だ。
で、今は、8月1日。
おいおい、ってことは、
俺の3ヶ月間っていったいなんだったんだ、
と改めて思った。

猿でも知ってるテイク・ファイブのデイブ・ブルベック爺さん

Posted by 高見鈴虫 on 08.2007 音楽ねた

日曜日、当然のように朝からテニス。
あのなあ、と自分でも呆れ顔。

これだけ忙しくてこれだけ疲れきってる俺が、
なにが悲しくてテニスか、と。

ぼやきながらもいつのまにか自転車の人。
生あくびしながら、首の骨をコキコキやりながら、
くそう、眠くて吐き気がする、とため息つきながら、
足だけは、うっし、うっし、とペダルを踏み込んで、
いつのまにやらテニスコート。
なんと90度の炎天下。
あのなあ、と。
いまさら言っても始まらないが、
なんなんだよこの暑さは、と。
なんでわざわざこんな時間にテニスやらなくっちゃいけないんだよ、
と、思わず半べそかきながら3時間。
あのなあ、と。
もしかして昨日も朝からやってなかった?と。
お前は馬鹿か、と。
しまいには、足攣りそうとういか、
もう硬直通り越して亀裂が入ってるって。
で、問題は、
これだけやっていながら、ぜんぜん、ぜんぜん、うまくならない。
おいおいおい、と。
どうしてなんだよ、と。
神様、たのむから答えてくれよ、と。
で、常連のおっさん。
あのなあ、俺なんか、 あの、ロジャーなんとかとか、ラフェエロなんとかとか、マリアなんとかが、
生まれて来るずうううううっと前からテニスやってるのにさ、
いまだにコーナーどころか、まっすぐにだってろくに打てない始末で、
なんて。
ああ、
改めて俺たち、
なんでこんなにまでしてテニスをやらなくてはいけないのかな、
なんて。
今更だけど、思わず、本気で大疑問。
という訳で、
もうほとんど、泥、どころか、雑巾どころか、罅割れどころか、
もうつま先から溶け出した身体がだらだら流れ出して行くように疲れきったまま、
それじゃあ、また来週、と別れたまま、
いつしか重い足はそれでもえっちらおっちらペダルを踏み込んで
ふと気づくといつのまにやらブルックリンのスタジオ。
ドアを開けるなり、
あああああああ、疲れたー、と、いまにも崩れ落ちそう。
そう、最近忙しくて、とんとご無沙汰のドラムセット。
あれ、いすの高さってこんなもんだったけか、とか、
スネアの角度がどうしても気に入らなくて、なんて、まるでど素人。
最近、ほんと、リハビリのためにリハビリを繰り返しているようで、
悔し涙通り越してもう馬鹿笑い。
おいおい、もうここまできたら、
またジョンボーナムのコピーでも始めるか、なんて(笑

というわけでいまや完全に燃え尽きてしまった灰人間。
まるで透明人間のよう。
ああ、それならそれでちょうど良いや、
と、再び風の人。
ちゃりにまたがって橋の上、
さあああああ、飛ばすぞ、と腰を浮かしたところを、
いきなり後ろから追い抜いていくキックボードの3人組み。
神風的なアクロバット・スピンを繰りかえしながら、
猛スピードで駆け下りて行く命知らずの糞餓鬼トリオ。
その姿、はらはら、というよりは、
まるで、舳先でアーチを描くイルカの群れを見るようで
なんかまじで、ちょっと感動してしまった。

その後、帰ってシャワー。
ちょっと生き返った気分で、散歩がてらリンカーンセンター。
デイブ・ブルベック・カルテット。
おお、デイブ・ブルベック。
そう、猿でも知ってるテイク・ファイブのその人。
あれまあ、そんな人、まだ生きていたんだね、なんて、
指折り数えて80歳?
おいおいおい、と。
ものは試しと覗いてみたら、
夕暮れの会場を埋め尽くした人々、
お洒落なご老人連中がいっぱい。
で、ステージの上の4人。
全員が見事な銀髪の老紳士。
やんちゃでいなせなロマンス・グレーが、
もう、心の底から、思い切り、お洒落なジャズを奏でていて、
おおおお、これ、いいねえ、と。
そう、JAZZってほんと、寿命が長い。
あるいは、美学を貫き通すって、
実はすごく大切なことなんだ、と。
思わず立ち上がっちゃって、
80の爺さんに駆け寄りたくなった。

そう、こないだのジョン・レイリーじゃないけど、

たかがJAZZ、されどJAZZ。
どうせ一生離れられないんだからさ、
だから、せめて好きなことをやろうぜって、思ったんだよって。
つまりそのとおりだね。

ところで、
そう言えば俺には貫き通す美学ってあるのかな、
って、ふと思って、
うーん、
しいて言えばこの悪あがきぶりかな、とか。

で、帰ったら友人からメール。
自主製作ながらCDをリリースしたぞ、と。
苦節20年、落とし前はつけたぜ、みたいな。
ああ、やられたなあ、と。

つきなみな言い方ですが、継続は力、です。
取り急ぎ、いまやってること、
あるいは、いままでやってきたことを、
とりあえず明日も続けてみること、
それが実は一番大切だったりしたりして、
なんて、
いちおう、言っておきます。


            ~遠方の友に宛てたメールより

猿でも知ってるテイク・ファイブのデイブ・ブルベック爺さん

Posted by 高見鈴虫 on 08.2007 音楽ねた   0 comments   0 trackback
猿でも知ってるテイク・ファイブのデイブ・ブルベック爺さん

日曜日、当然のように朝からテニス。
あのなあ、と自分でも呆れ顔。
これだけ忙しくてこれだけ疲れきってる俺が、
なにが悲しくてテニスか、と。
ぼやきながらもいつのまにか自転車の人。
生あくびしながら、首の骨をコキコキやりながら、
くそう、眠くて吐き気がする、とため息つきながら、
足だけは、うっし、うっし、とペダルを踏み込んで、
いつのまにやらテニスコート。
なんと90度の炎天下。
あのなあ、と。
いまさら言っても始まらないが、
なんなんだよこの暑さは、と。
なんでわざわざこんな時間にテニスやらなくっちゃいけないんだよ、
と、思わず半べそかきながら3時間。
あのなあ、と。
もしかして昨日も朝からやってなかった?と。
お前は馬鹿か、と。
しまいには、足攣りそうとういか、
もう硬直通り越して亀裂が入ってるって。
で、問題は、
これだけやっていながら、ぜんぜん、ぜんぜん、うまくならない。
おいおいおい、と。
どうしてなんだよ、と。
神様、たのむから答えてくれよ、と。
で、常連のおっさん。
あのなあ、俺なんか、
あの、ロジャーなんとかとか、ラフェエロなんとかとか、マリアなんとかが、
生まれて来るずうううううっと前からテニスやってるのにさ、
いまだにコーナーどころか、まっすぐにだってろくに打てない始末で、
なんて。
ああ、
改めて俺たち、
なんでこんなにまでしてテニスをやらなくてはいけないのかな、
なんて。
今更だけど、思わず、本気で大疑問。
という訳で、
もうほとんど、泥、どころか、雑巾どころか、罅割れどころか、
もうつま先から溶け出した身体がだらだら流れ出して行くように疲れきったまま、
それじゃあ、また来週、と別れたまま、
いつしか重い足はそれでもえっちらおっちらペダルを踏み込んで
ふと気づくといつのまにやらブルックリンのスタジオ。
ドアを開けるなり、
あああああああ、疲れたー、と、いまにも崩れ落ちそう。
そう、最近忙しくて、とんとご無沙汰のドラムセット。
あれ、いすの高さってこんなもんだったけか、とか、
スネアの角度がどうしても気に入らなくて、なんて、まるでど素人。
最近、ほんと、リハビリのためにリハビリを繰り返しているようで、
悔し涙通り越してもう馬鹿笑い。
おいおい、もうここまできたら、
またジョンボーナムのコピーでも始めるか、なんて(笑

靴さえも失ってしまった時には、

Posted by 高見鈴虫 on 08.2007 今日の格言   0 comments   0 trackback
靴さえも失ってしまった時には、
とりあえずは靴を手に入れるためには、
どんな種類の仕事だってやらなくてはいけない、
そういうものだ

ラテン流・幸せに生きる秘訣 クラウディア~中古のテレビと交換された少女

Posted by 高見鈴虫 on 08.2007 旅の言葉   0 comments   0 trackback
貧困とは尺度、
貧困感、そう、気分の問題。

つまり真の貧困とは、
貧困の本質にさえ気づけない、
知性の貧しさ、

あるいは、
それにさえも気づかせない
民意の低さ、
そのものを言う。

中古のテレビと交換に、
置屋に売られた16歳の少女、
その少女の置屋の部屋にも備え付けのテレビがあって、
この番組、家族といつも見てたの、と。
よかったね、自分のテレビが持てて、とうそばかり。
うん、一緒に見てくれてありがとう、と、これもうそばかり。
でもね、
真実が必ずしも人を幸せにはしないように、
うそに救われる例えもあって。

という訳で、延長の20ドル払って、
俺たちはずっと映りの悪いテレビを見ていたのでした。

ラテン流・幸せに生きる秘訣 飛行機に乗ったらいきなりおっぱいの美少女

Posted by 高見鈴虫 on 08.2007 旅の言葉   0 comments   0 trackback
飛行機に乗り込んで座席を探しながら、
狭い通路の正面に、
見事な乳房をぼろりと突き出したまま
にこやかに微笑む少女がひとり。
なんだなんだ、いったいなんなんだ、
と思ったら、
隣の席に赤ん坊。
そうか、おっぱいの時間だったんだね。
これだから南米は素敵だ、
と思わず大感謝の一瞬でした。

もう誰もビッチを甘やかしたりなんてしないのだ

Posted by 高見鈴虫 on 08.2007 嘗て知った結末   0 comments   0 trackback
サード・アベニューに溢れかえる、
これ見よがしにお肌を晒した、
田舎からきた行け行けの姉ちゃんども。
その神をも恐れぬ暴虐武人さに、
いくらなんでも堪忍袋の緒が切れる、
そんな行き場のない憤りを日々感じながら、
おい、そこどけ、と言ってもそ知らぬ顔でタバコを吹かし、
ため息をついたところを、
ちょっと、どこみてんのよ、と、後ろから突き飛ばされ、
挙句にサンダルの足をハイヒールのかかとで踏み抜き、
挙句に火のついたタバコを爪で弾いて、
挙句にリムジンのドアを開けてフラッシュ一発。
挙句に電話ボックスの中でアヘアヘをおっ始め、
挙句に泥酔の末に歩道の真ん中に大往生、
でパンツもおっぱいも丸見え。

あのなあ、と。
まあ確かにニューヨーク。
何をしても無礼講なのは確かだけでどさ。
いくらなんでも、俺の家の前でやることもないだろ、と。

そんなわけである夜、
またいつものようにいきなり後ろから突き飛ばされて、
馬鹿、気をつけないよ、と吐き捨てたビッチが、
いきなり前から来た、
もはや、筋肉というよりは、壁、
つまり塗り壁状態のビルダーの胸に、
思い切り真正面から、がつん、とぶつかって、
途端にへなへなと道端に崩れ落ちて脳震盪。
まるで半殺しのかえる状態。
ウップス、とそのビルダー、
あらやだ、飲みすぎたの?気をつけてよね、なんて。
そう、もう誰も、馬鹿なビッチを甘やかしたりなんかしない。
という訳でまたひとり、
ニューヨークの夜の藻屑と消え去ったビッチの姉ちゃん、
何事もなかったかのように跨ぎ越して行く人々。

この罰当たりのビッチの行け行けめ。
これから容赦なく、思い切りぶつかっていこう、
と心に決めた。



ニューヨークで最も危ない言葉

Posted by 高見鈴虫 on 10.2007 ニューヨーク徒然   0 comments   0 trackback
今は昔、
パンクロックの殿堂・CBGBに出演した時、
演奏前に関係者からの注意事項、
何をやってもいい、何を言ってもいい、
ただ、
この言葉だけは言ってくれるな、と。

サック・マイ・ディック!
ちんこ しゃぶれ!

へえ、とちょっと拍子抜けした。
そんなものなの?って感じ。
もっとすごいスラングがあるのか、
とちょっと期待したのによ。

で、言ってしまった。一言目に。
あああ、といきなり頭を抱えるミキサーの旦那。
メンバー一同、どんなもんだい、と得意顔。
そう、そうこなくっちゃね。

SUCK MY DICK!
うーん、確かに、
OK、と言われても
ご遠慮申し上げる方がも多いけどさ。

ニューヨークにご滞在の際にはご留意ください。

ラテン流・幸せに生きる秘訣 オクタビオ・その一

Posted by 高見鈴虫 on 10.2007 旅の言葉   0 comments   0 trackback
中米の仕事を共にしたオクタビオ、
予定が長引いて、残業手当てが支払われる、
と決定した途端、
ちょっと、と一言残して表に走り出て行ったまま、
30分後に息を切らせて、
花束とリボンを結んだ小箱の山を抱えて帰ってきた。
なんだよそれ。
プレゼント、だよ。女どもに。
はあ?
だって金貰えるんだろ?今夜は思い切り行くぜ、と。

つくづく、宵越しの金は残さない主義なんだな、
とちょっと相当に感心した。

ラテン流・幸せに生きる秘訣 オクタビオ・その二

Posted by 高見鈴虫 on 10.2007 旅の言葉   0 comments   0 trackback
昼飯に出るたびに、1,2、時間どころか、
日が暮れるまで帰ってこないオクタビオ。
あのなあ、と、俺の小言を聞きながら、
指先の匂いを嗅いでニヤニヤしていたり。
シエスタだよ、シエスタ。
なんだよそれ。
割引なんよ、置屋が。
という訳で、こいつ、
この仕事が始まってから、
昼飯時に毎日女を買いに行っては、
違う香水の匂いを漂わせて帰って来やがる。
そういう俺も、目の下に墨で書いたようなくま作って。
仕事が大変で、
なんて言ったって、
こいつらは誰も信用なんかしないだろうな。

ラテン流・幸せに生きる秘訣 オクタビオ・その三

Posted by 高見鈴虫 on 10.2007 旅の言葉   0 comments   0 trackback
オクタビオの父親は、
彼が8歳になった年に姿をくらまし、
新しい父が出来てそれもいつのまにか消えて、
とやっているうちに、
14歳になった頃にひょっこり帰って来て、
車の運転と酒と女とマリファナとサルサのステップを教えてくれた後、
アメリカに行って来る、と一言残して、
またふっと姿をくらましたらしい。

恨んでないのか?
まさか。素敵な親父だ。世界で一番いい奴だ。俺の誇りだ。
と言うオクタビオも、二十五を前に、
すでに3人の女にそれぞれ子供をもうけていて、
ああ、とため息をつく。
女ばかりなんだよ。つまらねえ。
息子が出来たら、
車の運転と酒と女とマリファナとサルサのステップを教えてやるのに、と。

この糞野郎、ちっとも仕事をやらない癖に、
どうしても嫌いになれねえから困ったもんだ。

ラテン流・幸せに生きる秘訣 シエスタ

Posted by 高見鈴虫 on 10.2007 旅の言葉   0 comments   0 trackback
そもそもシエスタの習慣の廃止が決議された時点で、
そんな米系の会社に勤める地元のエリート連中は、
うーんと頭を抱えてしまったに違いない。
ってことはだ、
妻は諦めろ、ということじゃねえか、と。

つまり、
シエスタの時間に妻の元に帰らない以上は、
その時間にどこかの間男が入り込んで、
旦那の留守によろしく始めやがることは
誰が考えても当然の成り行き。

しかし、とふと顔を上げる。
くたびれた女房に
昼な夜なにせがまれて辟易させられるよりは、
ちょっとはガス抜きしてもらっていたほうがこっちとしても都合がいいし、なんて。

で、ふとあたりを見回すと、
あちらこちらに、
黒い下着の透けた白いブラウスに、
剥き出しの脚線美と形のよいお尻をした輝くばかりの若い秘書連中。

と言うわけで、
エリート連中はランチミーティングと称して秘書連中をとっかえひっかえ。
妻はピザのデリバリから屋根の修理人から道路工事から郵便配達からと訪問者がひっきりなし。

もちつもたれつ、とは言うものの、
これでまた、
ラテン諸国の離婚率増加に拍車をかけることは否めないか

トロント・ダイアリー ~ その1 カナダ入国の謎

Posted by 高見鈴虫 on 21.2007 旅の言葉   0 comments   0 trackback
トロント、いきなり入国でスタックだぜ。
最初のイミグレ、待ちに待たされた末に、
滞在の理由は?観光。滞在先は?適当。ホテルは一応どこどこ。何日間?まあ2週間。何をする?まだ決めてない。
本当に観光か?ああ観光だ。本当に2週間もトロントで観光するのか?だからまだ決めてないって。
こんな馬鹿みたいな質疑応答をやり過ごして、はいどうぞ、と渡らされたパスポート、で、さっそく荷物を探しに行こうと思ったら、
あんたはこちら、とまた別の部屋へ。隣りの部屋にまた似たようなイミグレのカウンターと行列。
ただ、そこに並んでいるのは、色付の人々、ばかり。
あれあれ、ここはなんなの?
知るもんか、と色付の人々。インド訛、フランス訛、カリブ訛、中国にメキシコに。不思議とヨーロピアンがいない。つまり、色付、有色人種ばかり。
これさあ、露骨にディスクリミネイションじゃないの?
いや、まだ入国してないから、どこの国の法律も適応されないんじゃないのか?
だったら俺達はいまどこにいるんだよ。
さああね、カナダの5FT手前、って奴だろ。
おやまあ。まあ心配するな、毎度のことさ。

という訳で、俺の番。
はい、パスポート。滞在の理由は?
あの、それさっき、あっちでやったんだけど。
滞在の理由は?と聞いている。それに答えろ。答えないなら帰れ。ーあのなあ。ー滞在の理由は?ーどうして俺達色付だけ、2回イミグレを通らなくちゃいけないんだ?ーもう一度だけ聞く。滞在の理由は?ー観光。ーどこへ?ナイアガラの滝とか、クラブとか。ー滞在予定先は?さあね。これから考える。ーカナダは初めてか?いや、何度も。ー理由は?観光。なぜ?カナダが好きだから。ー言っておくが、もしも嘘を証言すると、刑務所だぞ。ーは?ーここで嘘を言うと偽証罪に問われる、ということだ。ーだから何の嘘だ?もう一度聞く、滞在の理由は?
だから観光だって。荷物を調べるぞ。ああどうぞ。ー仕事関係の書類が出てきたら偽証罪だ。お前の会社はお前を保護してくれないぞ。お前個人が勝手に偽証したんだからな。ーだからどうしたんだ。観光だって言ってるだろ。
150ドルだ。
なんだって?
ビザ代。キャッシュで払えば、見逃してやる。
だから観光だって言ってるだろ。
お前、アメリカのステイタスはなんだ。ー永住権
なんだと、どうやって取った。
まあいろいろだ。
どれくらい経つ?ここはカナダの入国かアメリカの入国か?
質問に答えろ。

なんの仕事をしている?
まあいろいろだ。
いろいろってなんだ。
システム、とか、ネットワークとか。
なんだそれは。まあコンピュータだよ。インターネット。
で、カナダではなにをするんだ。
だから観光だって。
どのくらい滞在の予定だ。
さあね1週間かな。
帰りのチケット見せろ。WEBで入れたからよく判らないね。
あのなあ、本当に自分の為にならないぞ。こんなことで刑務所入れられるなら150ドルは安いものだろ。
そんな金は持ってないよ。
ということは、偽証罪を認めるんだな。
あのなあ。認めるんだな?え?イエスか?イエスか?
いや、ノー、だ。観光できた。文句あるか。
そしてしばしの沈黙。火花を散らす視線と視線。
もう一度聞くぞ、サイトシーング、観光だ。
ちっと、舌打ちをひとつ。ほらよ、行きな。

という訳で、荷物を引きずってカスタムのドアをあけたとたん、いきなり、犇めき合うターバンの人々、赤い目を滾らせた黒人たち、心細そうなラテンの家族、黒いチャドイの人々、
おいおいおい、ここはどこなんだよ。まるでパナマ、まるでカイロ、まるでバンコック。
そう、一昔前の後進国の空港の風景そのもの。
なんじゃこれは、と。
正直ちょっと面食らった。
つまりはそういう事なんだね、と。

と言うわけで後日談。

移民国カナダ。
アメリカのダーティさにかこつけて、
なにかと世界に親切心をアピールするカナダ、
途端に一挙に世界中から移民が押し寄せて、
とくにこのトロント、まさに移民の局地。
英語なんかぜんぜん通じないんだから、と冗談にならない、らしい。

と言いながら、
実は、カナダにはビジネスビザはない、らしい。
入国官の言った150ドルが、
いったいなんの根拠で言われているか誰もしらない。
そんなことどこにも書いてないんだから。
が、払った奴、いる。
同じように、偽証罪だ、と脅されて、の末。
実は俺も昔やられたことがある、
というか、トロントに来るたびにいつもやられる。
大抵は男の入国官。
ちょいちょい、あごをしゃくって、
思わせぶりに、150ドル、安いもんだろ?と。
お笑いなのは、キャッシュがねえ、と言うと、
じゃあ75ドルでもいい、と言われたことがある。
パターンは同じ。
観光だ、と言う入国者に、
しつこく、仕事か、仕事か、と言い寄る。
偽証罪だ、警察を呼ぶぞ、と来る。
で、
最初から、理由は仕事だ、文句あるか、とやると、
職種は?作業内容は?相手の会社の連絡先は?担当者は?社長はだれだ、話させろ、いますぐ電話しろ、と来る。
あのなあ、と。で散々の嫌がらせ。永遠とスタック。日が暮れる、と。
で、ビザ代の話。150ドル?なんだよそれ、と。

この話、当然のことならがカナダ人は知らない、
が、請求された、と聞いて皆唖然、しかし、
さもありなん、と。

レシート請求してやればいいのよ、と一言。
その人のサインも貰ってさ、携帯でビデオ撮って、YOUTUBEにUPしやれば?

これが本当であれば、なんとなくネタになりそうな気がするが、カナダのビザに詳しいひといますか?



            ~遠方の友に宛てたメールより


トロント・ダイアリー その2 トロントに着いてまず感じたこと

Posted by 高見鈴虫 on 23.2007 旅の言葉   0 comments   0 trackback
トロントについてまず感じたこと。
間が抜けてる(笑
まあね、そう、そう思った。
なんだこれ、って。

で、その理由。街の中心に広大な空っぽの駐車場があったり、
とか、ビルが低かったりとか、
まああるけど、
一番の理由は、
歩いている奴の歩く速度がすごく遅かったりとか。

おいおい、NYCでそんな速度で歩いてるのは、
ホームレスだけだぜ、なんて。

そうこの街のひと、本当にのんびりと歩いていて、
後ろからせっかちなニューヨーカーが迫って来るたびに、
はっとして振り返って、怪訝そうに道を開けてくれる。

つまりNYCの、あの忌々しいゆっくり族、
つまりこれ見よがしにゆっくり歩いて嫌がらせしている馬鹿な黒人たち、
と同じ目的ではないんだな、と。

ふむふむ、そういう訳か、
そう、街にはテンポってものがあって、
そのテンポにまずはあわせてみることで。
という訳で、
この街で誰もが持っているTIM HARTON。
そう、この街ではTIM HARTON,
いつも長い行列、でも、
はす向かいのスタバになんて誰もいかない。

店員は必ず働き者のインド人。
見るだけでうんざりする長蛇の列を、
みるみるとこなして行く。
並んだヤカン型の珈琲サーバーから、
なんとも言えぬ良い香りが漂っていて、
そう、スタバみたいに、消毒液臭い珈琲マシンから、
牛の小便みたいにドボドボ注いだりしない。
手渡された茶色いカップ。
意外なほど小さくて、
片手にすんなりと収まるサイズ。
最初ちょっと物足りなかったこのサイズが、
なんかすごく愛着が出てきて、
ちょっと薄めの珈琲は口当たりが良くて、
ナチュラルフレイバー。
ああ、これ飲んだらもうスタバの珈琲はただの苦い薬、
に感じてしまうだろう、と。

という訳で、
トロントを歩くにはまずはこのTIM HARTONの珈琲を手に入れるべき、と。
で、TIM HARTON啜りながら、
道行く女の子を、はれえええ、なんて綺麗な子、
なんて思わず本気で感心しているうちに、
いつのまにかテンポはすっかりトロント。

という訳で、
3日ほどして、改めてNYCから加わったメンバー、
開口一番、
おい、なんでそんなにゆっくり歩くんだ?って(笑
ああそういうことか、と。
いつのまにか俺も現地化していた、という訳か。
という訳で、いけ好かないニューヨーカーにやり返さねば、と、

俺もついたばっかりの頃はそう思ったんだけどな、
と前置きして、
なんでそんなにネズミみたくせこせこ歩くんだよ、と。

という訳でトロント、
とりあえずの目標はゆっくり歩いてみること、かな、と。



            ~遠方の友に宛てたメールより



トロント・ダイアリー その3 ~ 出張先で迎える週末

Posted by 高見鈴虫 on 26.2007 旅の言葉   0 comments   0 trackback
出張でトロントに来ています。

本当だったら土曜日の朝の便でNYCに帰っている筈が、
予期せぬトラブルが連発して、いつのまにやら残留決定。
あれよあれよ、と、出張先で週末を過ごすなんて
間の抜けた事態となりました。

という訳で、仲間たちとのテニスも、
夜の外食も、借りたままのDVDも、友達のライブも、
すべて、ちゃら。

代わりに、休日の朝から、
ホテルの洗面台に汚れたシャツと靴下とパンツをぶちこんで、
洗顔石鹸でごしごし洗濯、みたいな。
だって着ていく服、もう一枚も残ってないんだもん。

という訳で、部屋中の突起という突起に生渇きの洗濯物がぶら下がったまま。
もともと無駄なものの一切無い、つまり生活感のないモデルルームのようなホテルの部屋が、
いきなりサバイバルのキャンプ状態。
部屋がへたにこぎれいな分、やたらとすさんだ雰囲気が際立って見えてくる、と。

それでなくてもカナダについてから、会社の携帯・SPRINT,全然つながらなくて、
で、個人の携帯は見事にバッテリー切れ。チャージャー持ってこなかったし。
という訳で、家とも友とも会社とも、完全に音信不通、孤立無援の絶体絶命。

唯一の希望はインターネット。
出発前にくすねてきたPCSカード。
これはこれで、つながったとたんにぶちぶちきれるけど、
まあ、とりあえずメールの通信は確保できる。
という訳で、いきなりちゃんかあと文通状態。
普段は、おはよう、どころか、ありがとう、さえ言わない筈が、
いきなり、お元気ですか、だって。
おいおいおい、なんか変にかしこまっちゃって、いつのまにかですます調、
いまさらながらに照れてしまった。

という訳で、そう、一番困っていること、この欠落感。

例えば、ひとりで街をぶらつきながら、
ふと、あれ、この片手、なんだったっけか、と。
そう、NYCに居る時は、買い物の袋を提げているか、
あるいは、手をつないだりしていることが多いから、
いきなり手がぶらぶらしてしまって、
なんだよこの手は、と、これが本当の手持ち無沙汰。

それに加えて、トロントの人々、歩くのが無茶遅い。
NYCみたいに、互いに道を譲らずにいきなりガチンコ一歩手前、
なんてことも無い代わりに、周りに合わせてずらずら歩くのって、
実はこれがわりと辛い。
挙句に赤信号、車がないからそのまま行こうとしたら、
前の人にがつんとぶつかっちゃったり、なんて。

でもね、そう言えばトロントの人、太ってる人、というか、
NYCによくいる、あの病的に太った人、は少ないみたい。
そう、NYCだって、昔は太った人、あまり居なかったよね。
ここ数年、いきなり階段も登れないような人が増えた。

で、どうしてなのかな、と思っていたんだけど、
そう言えば、ここの人、コカコーラをあまり飲まないな、と。
夜更けにピザ食べ行った時に、誰もコーラ飲んでないんで驚いた。
アメリカの人、必ずコーラでしょ、何食べても。
なんかあのコーラ依存、あらためてちょっと異常だよな、
スーパーサイズ・ミーじゃないけど、コーラにも何か入っているんじゃないか、
なんて変なこと考えてしまってりして。

で、ここトロント、自転車モデル都市、らしくて、
割と市民の足として自転車が定着しているみたい。
それこそネクタイ姿のサラリーマンから、タイトスカートのお姉さんから、
太ったおばさんからモヒカンのパンクスまで、
みんな自転車。なんかやたらと微笑ましい風景だったりして。

で、NYCの自転車小僧を代表して、さっそく貸し自転車小僧。
いやあ、いつもながら、自転車に乗ると街の風景がガラリと変わる。
いきなりの大ご機嫌大会。
口笛吹きながら笑顔の挨拶。
そうするうちにいつのまにか街の人々の表情も一転して大ご機嫌。
ああ、街に受け入れられたな、と思うこの瞬間。

トロント、なんとも間の抜けたこの街が、
いつのまにやらだんだん好きになってきてしまったような。

と同時に、NYCのあの魔女のなべの底の風景に帰るのが、
ちょっと恐く思えてきたりなんかして。

ああでもでも、
この手持ち無沙汰の片手、
いつのまにかだれか別の人がつながってしまっていた、なんてことが無いように、
早いところ帰ったほうが良さそうですね。

という訳で、夏の終わりのトロント、
道行くお姉さん達の笑顔がまぶし過ぎる昼下がりでした。



            ~遠方の友に宛てたメールより



トロント・ダイアリー ~ その4 ROCKの一番似合う場所

Posted by 高見鈴虫 on 29.2007 旅の言葉   0 comments   0 trackback
街に似合う音楽ってあるよね。
その街特有の音楽。
なんというか、その街そのものの持つビートが
リズムとなりメロディになったような。

ハバナにブエナビスタ・ソーシャルクラブが
キングストンにボブマーレイが
リオにアントニオ・カルロス・ジョピンが、
パリにアリジーちゃんが居たように、
そう、その街のコアな部分を普遍的な音として摘出したミュージシャン、いるよね。

という訳で、日本に居た頃は、
是が非でも東京の音を作りたい、と思っていたけど、
そう思えば思うほど、出てくる音は、どこかやっぱり
ふにゃふにゃと曖昧で薄っぺらでとってつけたようにぎこちなく、
つまりは欲求不満。うんざりしてきて。
え、なんだって、それこそが東京そのものじゃないか、って?
ああ、もしかして、
俺って日本の音にあわないんじゃないのかな、
と思っていたのも確か。

という訳でNYC。人種の坩堝。
この街はもう不思議なぐらいに音楽が似合う。
JAZZ、サルサ、サンバ、ボサノバ、レゲエ、
アシッド系ドープ系から、
テクノもアコもオペラもフォークも、
下手をするとカントリーだってハワイアンだって、
変に溶け込んできてしまう。
この街の懐の深さ、改めて驚かされる。

そう、
日本であれほど聞き込んでいたジョンコルトレーン、
NYCの地下鉄に乗って初めて、
ああ、つまりはこの音だったのか、と実感できた。
ミッシェルカミーロもある意味でNYCの音。
ラテンの溶け込んだ大都会の魅力、というよりは、
大都会で想うラテン世界への郷愁と言う意味で。
90年代を席捲したあのハウスミュージック、
トニーハンフリーズもフランキーナックルズも、
どの街で聞いてもやっぱりNYCほどに似合う街はなかったし。
交差点の信号待ちに、カーステから流れてくるサルサのリズムに、
おもわずみんなステップ踏んでいたり、とか。
あるいは冬の夜のリンカーンセンター、
オペラのシャワーを全身に浴びたあと、
コチコチに凍りついた摩天楼の頂上に輝く、
蒼い月の影、とか。もうこれ以上の絶景はありえないよ、と。

音の広がりが、街のノイズをみるみる飲み込んで、
街の鼓動が完全に音楽とシンクロして、
あああ、身体が透き通って行く、というあの感じ、
NYCにいる人なら必ず経験がある筈。

でもね、NYC。
ただひとつ似合わない音楽。それはROCK。
そう、NYCではROCK,全然聞かないんだよね、これが。
だってぜんぜん絡んでこないんだもの。

という訳で、
つまらないすっちょうのささやかな楽しみ。
ROCK。そう、ROCKを楽しむ。

そう、NYCを一歩離れた途端、
のっぺりと引き伸ばされた投げやりな風景に、
あのロックの間の抜けたリズムがまるで魔法のように絡み始める。

アメリカの田舎のフリーウエイをひとりで飛ばしてるとき、
ああハードロックってこのための音楽だったんだな、と、
唐突に気づいたりする。
ガンズも、モートリーも、STPも、イギーポップも、
メタリカもザ・フーもセックス・ピストルズでさえ、
この殺伐としたフリーウエイ的世界に完全にシンクロしてしまって、
ふと気づくと90マイル、100マイル。
このスピード感。まさにロック。ロックそのもの。
ハードロックってつまりは、アメリカのフリーウエイのフォルクローネだったりするのかな、なんて。

という訳でトロントですが、
はい、NYCから持ってきた音楽、すべてど外れ。
何一つとしてこの街の風景に絡んでこない。
なんかどうしてもせせこましく神経質でこ洒落てこうるさくて、
この洗練さが逆に鼻についてくる、と。

という訳で、はい、諦めました。
そう、やっぱり田舎はロック。ROCKに限るよ、と。

という訳で、トロントの夜、
なにやら無性にROCKが聴きたくなって、
端から端まで歩きに歩いて、探して探した挙句、
ようやく見つけました、この世でROCKが一番似合う場所。
たかがROCK。されどROCK。
この既に時代遅れ甚だしいROCKという音楽、
というよりは概念の象徴するもの
SEX DRUGS VIOLENCE と そしてLOVE。
世界中どこを探しても、
この場所ほどROCKに似合う場所は見当たらない。
そう、この世にのこされた最後の究極にROCKな場所。

という訳で、ああ、またまた運命の出会い、してしまいました。

いなせなアイリーンちゃん、蓮っ葉な家出娘のキャロラインちゃん、
迫力のアクロバット娘アレクサンドラちゃんも、フレンチ訛りのセシルちゃんも、
いやあみなさま、たいそうお綺麗で。
でもね、やっぱり、俺的には、
ああ、シェルボンちゃん、これに尽きる、と。
スリムでシックでキュートな小悪魔、
甘い、とろけそうに、それでいてミーンでビッチなその視線。
一目見て、ああ、俺もう駄目だ、と。
そう、すみません、告白すると俺、つくづく見た目に弱い、みたい。
ああでも、シェルボンちゃん、実は黒人(笑
ちょっと前までは白人バイカー系一辺倒だったのに。
そう、俺の中でやっぱり、ROCKは既に終わっていたのか、なんて。
でもいいよ、そう、なんだっていいじゃない、そんなこと、なんて。
美に人種も国境も言語も音楽もないよね。
好みだ云々言っているうちはまだまだケツが青いぜ、と。

しかししかし、煩悩の垣根を飛び越えて、
そう、やっぱりね、一番気に入ったのは、
ラッシュと、そしてAC/DC(爆
これしかないよ、そう、トロントだもの。
という訳で、乗りました。はい。テーブル蹴飛ばして(笑
途端におもわずみんながお友達モード。
カウンター越しに見知らぬ男たちが、ビールおごったりおごられたり。
おまえら、寂しいなあ、というか、
平日の夜からこの大盛況、
暇なんだよね、結局。
そう、いいじゃない、やることなくたって。
みんな友達なんだからさ。ね、カナダ人。

ああ、つくづく俺、この街にシンクロしてきてしまっている。

という訳で、明日が最後のトロント。
名残惜しい。あまりにも、シェルボンちゃん(笑
ちょっと気張って最後の夜、デートに誘ってみようか、なんて。

下世話な話題ですみません。

おあとがよろしいようで。



            ~遠方の友に宛てたメールより


  

プロフィール

Author:高見鈴虫
日本を出でること幾年月。
世界放浪の果てにいまは紐育在住。
人種の坩堝で鬩ぎ合う
紐育流民たちの日常を徒然なく綴る
戯言満載のキレギレ散文集

*お断り 
このブログ記事はフィクションであり実在の人物・団体とは一切関係ありません藁

©終末を疾うに過ぎて...
無断丸々転載・そのまま転写はご勘弁ちょんまげ

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