Loading…

燃え尽きるぐらいのライブ

Posted by 高見鈴虫 on 04.2008 音楽ねた
で、結局、全て燃え尽きてしまう、みたいな、
凄えライブって奴が、できた訳なの?

俺が諦め切れない理由は、
まだ、燃え尽きてないからだと、思う。

燃え尽きるぐらいのライブをやってから、
やめたいな、
それまでは、やめられない、と、思っているからだと思う。

パフォーマーである以上、ステージが全て、と嘯いていた時代があって

Posted by 高見鈴虫 on 05.2008 音楽ねた
珍しく酔っ払ってます。
いやあ、辛いことが多くてさ、色々な意味で。
割とやけになってる俺。

まあいいや、酔っ払いついでに戯言一発。
本音バリバリだぜ。

むかしむかし、

パフォーマーである以上、
ステージが全て、と嘯いていた時代があって、

ステージの自分が本当の自分で、
後は、まあ、それに対する修行の時間、
そうあるべき、
ぐらいにしか思っていなかったから、
だから、
ステージ以外の自分は、
別にどうでもいいもの、と思っていた
そんな昔の癖で、
俺は、ステージ以外の自分なんて、
別にどうでもいいや、と思っていたそのままに、
ステージを降りた以降の人生を歩んでいた、
つまり、
あれから俺はずっと抜け殻で、
抜け殻として抜け殻の奴らを抜け殻として扱いながら生きてきたんだな、
と唐突に気がついた。

しかしながら、
それほどまでに大口を叩く俺が、
果たしてどれだけのステージをやったことがあるのか、
と聞かれると、
むっと、口をつぐんでしまう。

ステージで燃え尽きたことがあるか?
燃え尽きるぐらいのステージをやったことがあるか?

それが俺が、
ずっとずっと自分に問い続けていたこと。

それが、つまり、
まだ諦めきれない理由なんだよ、と。

自己ベストの状態を、録音に録りたい、
残したい、と思って、
これまでずっとやってきたけれど、
でも、
一人でマイクに向かっていくら叩き込んでも、
ドラムはドラムとしてドラムだけで完結するのは、
やはり無理があるな、とちょっと思い始めている。

いや、例えば、
ANDY NEWMARKも
JOHN BONHAMも
ELVIN JONESも、
HORACIO EL NEGROも、
DAVE WECKLEでさえ、
やはり、ドラマーとして完結できるぐらいの
力を持っているじゃないか、
と、
だから諦めちゃいけない、
と思って、
だからそれにどれだけ近づけるか、
と思っていたけれど、

やっぱり、リズムって、
人と合わせてはじめてなんぼ、
他人と絡んではじめて、
そう、そうあらねば、と改めて思い始めた。

ドラムだけで自己完結してはいけないんじゃないか、
いや、
人と合わせてなんぼ、になるためには、
自己完結できるぐらいの力量が必要なんじゃないか、
と思っていたけれど、

そう、俺、そう思いながら、
ドラマーのドラマーによるドラマーのための
自己満足の方法ばかりを追い求めていた気がする。
結果、小技ばかりが増えて、
或いは、人に上手い!と言わせるためのサーカス芸ばかりが増えて、
まあ、人によっては、それはそれでいいのだろうけど、
でも、それは俺の目指していたものとは違う。

リズムは絡んで初めてリズム。
ビートが芯があって初めてビート。
それ以外は必要ない、筈、じゃなかったのかな?

ANDY NEWMARKのように、
TONY THOMPSONのように、
CHARLIE WATTSのように、
STEVE JORDANのように、

スネアとバスドラの一発だけで、
おおおお、と思わせるなにか、
それこそが、
俺の目指していたことじゃないのかな?

左手でレガートが刻めるようになって、
左足でカウベルうちながら、バスドラとフロタムのダブルストロークで32拍子。
そら凄いでしょ、なんて。
2人分3人分の音が出せるようになって、
ほらほら、どうです、面白いですか?俺は上手いですか?先生ですか?
なんて、
そんなことばかりやっていながら、

いつのまにか、
ビートを失い、リズムが絡めなくなって、
お前いったいなにをやっているんだよ、と、
改めてつくづくそんな自分に疑問を持ち始めた。

そう、音楽って、
少なくとも、グルーブってそんなものじゃない筈。

俺はね、正直言って、ドラムのテクニックなんてどうでも良かったんだよ。
そう、その筈だったよな。

ただただグルービーで、ファンキーで、そういう音楽が、
強烈な、まるでブラックホールみたいなポケットに入ったまま、
上手いの下手だの、間違えたのとちったの、走ったのもったたの、とか、
もうそんな次元を完全にぶっ千切った強烈なグルーブ、
嵐の夜のストーンズのGiants Stadiumみたいな、
鮨詰めで酸欠者がばたばたぶっ倒れたROSELANDのLENNY KRAVITZみたいな、
ハロウィンの夜のJANES ADICTIONみたいな、
RITZのGUNSみたいな、
そしてそして、
LOS VANVAN、ISSAC DELGADO、PUPY、KLIMAX、
あのCUBAのTIMBAの連中の、あの強烈なポケット。
まるで錐揉み状態のような、あのとてつもないグルーブ感。
俺が目指していたのはつまりはそういうものじゃなかったのかな。

一人でスタジオにこもって、
メトを相手に三時間四時間五時間、
ついに足が攣って、手首が凍って、
ああ、もうできない、ってぐらいまで叩き込んで、
で、疲れ切ってスタジオの鍵を閉めるとき、

果たして、
こんな状態で、燃え尽きてしまっていいのだろうか、
と改めて思い初めていて、
いや、違う、その逆だよ。
まだまだ足りない。そんなもので疲れてるぐらいなら止めたほうがいい。
そうその通り、
ドラマーはドラマーとしてドラマーのための完璧を目指すべきなんだよ、
と自己葛藤。

と言う訳で、
息抜きって訳じゃないけれど、
そろそろ、本気の本気で、
自己ベストのバンド、という奴を、
或いはその青写真だけでも、
まじめに考えるべきかな、とふと思った。

改めて、
バンドやりたいな。
すげえライブやりたいな。
ジャンルなんてどうでもいいからさ、
自己満足でも何でもいいから、
客なんかいてもいなくてもいいから、
納得できるライブというやつを、
ステージの上で、
強烈なポケットの中にはまり込んで、
恍惚として自分が真っ白になるぐらいに、
そんな凄えステージってやつを、
もう一度やりたいな、
とつくづく思っている。

そろそろ繭から出るべきだろうか。
そろそろ諦める、ということを諦めるべきだろうか。
そろそろ、本当の自分という奴を、
OPENにしてもいい頃だろうか、
と思ってる。

焦りかな。もう歳だしな。
少なくともビジュアル系は無理だろうな。

そう、老いへの恐怖。
もしかしたらそうかも知れない。
まあそれでもいいよ、
焦りで結構。
焦らなくっちゃ。

締め切りのない原稿はいつになってもできあがらない。
ライブの予定のない練習はいつもだらけてしまっているしね。

そうでもしなくっちゃ、
そのうち、ステージにおむつをして上がるようになっちまうぜ、
なんてね。

ローリングストーンズのような、TIMBAがやりたい人、
或いは、その逆、
そんな人、いらっしゃいますか?
なんて、CRAGS LISTに広告を出してみても、
多分、だれも来ないよな(笑

なんでもいいよ、パンクでもヘビメタでもジャズでもサルサでも、
とりあえず、誰かなにかやらない?って感じ。

そう、もう個人練習、そろそろ煮詰まってる、のかな(爆

これ、戯言、じゃない、泣き言かな。

最近疲れてるからね、色々な意味で。

ああ、と溜息をひとつ。

バランス的人生の盲点

Posted by 高見鈴虫 on 07.2008 今日の格言
人生ってやっぱりいいことばかりじゃないよね。
いくら自分ががんばっているつもりでも、
予定通りに行かないことも多いし。
というよりはそればかりだし、

良くあるのは、
欲しくも無いものばかり手にはいって、
本当に欲しいものはいつも逃げて行ってしまったり。
或いは、手に入れたとたんにそれが欲しくなくなってしまったり、
或いは、そう、
失ってから、本当に欲しかったものが実はそれだっただ、と気づいたり。
そう、人生って、ほんと、上手く行かないことが多い。

ましてや、一人だけで生きている訳じゃないから、
ましてや、他人とその本当に欲しいものを共有するなんて、
難しいというよりはむしろはなから無理だったのかな、
と思うぐらいに難しい。


まさにミュージシャンの鏡! 第何十回家出ドラムマラソン

Posted by 高見鈴虫 on 07.2008 音楽ねた


ただいま、帰りました・・・
っと、2時か。夜中の。
ちょっとほろ酔い気分。
帰りがけに地下鉄の中でビール飲んじゃって。

はは、平日だって言うのに、豪勢なことじゃないですか、だって?
あのさあ、馬鹿やろう、そう、理由があります。

実は。。。、
またまた、かみさんと喧嘩していまして、
もう、何千回目かの、離婚だ!出て行け!宣告。
もう耳にタコができるぐらいに聞き飽きたこの台詞。
で、売り言葉に買い言葉、そう、いつもの奴、

おおお、上等だよ、せいせいしたぜ。せいぜい幸せになんな、あばよ、

とは言ってみたものの、

よくよく考えてみると、なかなかこの年になって、
オンナに追い出された、二,三日泊めてくれ、
と気楽に転がり込めるダチ公もそうそうとは見当たらず、
すがりつくような気持ちで頼み込んだ昔のバンド仲間。

空き部屋?うーん、まあ、俺のトモダチに居るには居るけどさ、
でも、あの、最初に断っておくけど、その子、ジャンキーなんだよな、
そう、一緒に住んでたオトコがこないだ下手打ってちょっと入っててさ、
で、慌ててルーミー探してるんだけど、
ああ、1泊20ドルでいいって、
おいおい、それって、もろ、1パケの代金ってことじゃない、
まあ、そんな感じだろ、だってジャンキーだもん、
とか、まあ、そんな感じ(笑

挙句の果てに、
なんだよ、お前らしくもねえ、
その辺りの女の一人や二人、適当に都合できねえのかよ、
なんて、あのなあ、と。
俺はもうバンドマンでもヒッピーでも無いわけで、
つまり、女に追い出されることを前提にしては生きてはいない、
朝好きな時間に起きて、夜好きな時間に寝る、
なんてそんな自由はもう俺には無いわけで、
という現実が、こいつにはさっぱりわかっていない。
つまり、彼は今もバンドマンでヒッピーだから。

と言う訳で、
こうなったら唯一の頼みの綱のニコ友にご相談したところ、
ああ、それなら、ADD7で探せばいいよ、という耳よりな情報。
あそこの掲示板、ルーミー募集だけは異様に充実してるから。
きっと見つかるよ、がんばってね。
ってな訳で、
今日は一日、仕事の合間にADD7の掲示板でお部屋探し。

ふむふむ、短期長期、日割も可、日当たり良好、親切丁寧、即日入居可、

へえ、あるところにはあるものだね、と思わず感動。

なあんだ、家出しようと思えばいくらでもできるんじゃねえか、
なんて、いきなり気が軽くなっちゃって。

とは言うものの、

じゃあ、荷物まとめて、
とりあえずの仕事用の服と、下着と靴下と髭剃りと歯ブラシと、
問題はまあ、あの古本の山、となるわけで、
あれを運ぶとなったら、もうトラック一台じゃ足りないぞ
なんて、考え始めたら、
なんかこの歳になって、大荷物抱えて放浪暮らしなんて、
なんとも黄昏ちゃうよな、と今更ながらしんみりモード。

思わずニコ友に、
ねえねえ、泊めてくれ、とは言わないから、
夕飯ぐらい一緒に食べてくれない?おじさん、宿無しで寂しくてさ、
なんて、泣き言も、
この馬鹿おやじ、なにをたわけたことを!
わたし、仕事が忙しくてそれどころじゃないのです、
あんたも少しは大人になりなさい、
と吐き捨てるようにきつーい一言。
はいはい、判ってますよ、冗談、冗談だって、と苦笑い。
そう、
俺はもうバンドマンでもヒッピーでもないんだから、
バンドマンとヒッピーの流儀が通じる人が、
周りにいる訳も無いわけで。はいはい承知してますよーん。
そう、大人になってからのトモダチなんてそんなもんさ、
と改めて苦笑い。
くそったれ、こうなったらもう、絶対に、意地でも死んでも、
大人になんかなってやるものか、
なんて道に落ちた空き缶を蹴り上げながら、
いつのまにか黄昏どころかすでに夕闇が迫ってきている気配で、
思わず足元を木枯らしがぴゅるるるるっと。

しかしながら、そう、
一生子供宣言をした以上、
そうそうと簡単にへこたれる訳にはいかない。

それに加えて、かみさんに言い放った言葉、
ばかやろう、調子に乗るな!オンナはお前だけじゃねえや、へーん、
なんていうケチな啖呵に、
はははは、ばーか、やれるもんならやってみなよ、
とまで言われてしまった日には、
そうそうとまともな時間にすごすご帰る訳にも行かず。
仕方がない、
そうと決れば近所のアイリッシュパブ、
あの、酔っ払ったねえちゃんがわんさかいる、
そう、いつも前を通りながら、
うえええ、なんか、凄い可愛い子ばっかりじゃないの、
行ってみたいな、入ってみたいな、お友達になりたいなあ、
なんて、それなりにチェックチェックしてたお店、
そうだこの際だ、
リアーナからビヨンセから
パリス・ヒルトンからリンジー・ローハンから、
は、まあ無理だとしても、
もしかしたら相当にくたびれきったケイト・モスとか
ぐらいなら捕まえられるかもしれず、
ってな訳で、
家出中年のたかみいくんは第二の青春の真っ只中、
毎夜毎夜、スケベ面してバーだクラブだと出没しては、
幸せ一杯のナンパ三昧の日々。

なんていうのは、実は嘘八百。

家に帰れなくなったたかみいくん、
まともな時間に帰らなくても良くなった途端に、
はーい、その通り、毎夜毎夜、連日連夜、
スタジオに入り浸っております。

そう、俺、行くところって、そこしかないの(笑

って言うか、俺やっぱバンドマン、
家に帰らなくてもいいんだとしたら、
やりたいこと、そう、いつもの二倍練習したい。

と言う訳で、
いやあ今回も、第何十回家出ドラムマラソン、がんばってるよぉぉ!
今回は再デビュー宣言までしちゃったしさ(笑

マイクもミキサーもつないで気合満々。
普段はそれとなく気にしてる晩飯の時間やかみさんの機嫌も、
今回はもう、ぜ~んぜん関係ないもんねえ、
なってたって喧嘩中。
つまり、燃え尽きるまで、思い切り、大手を振って、好きなだけ練習ができる、
ってな訳で、
そう、実はこれ、いつもの家出のパターン。

かみさんと喧嘩をするたびに、
スタジオに泊り込んで、朝までドカドカ。
いやあ、
家を追い出されるたびに、
俺のドラムはますます磨きがかかって行く、と言う訳で、
これってまさに、ブルースやなあ。
音に悲しみを刻見込んでますます円熟味を増すという奴ですなあ。
まさに、ミュージシャンの鏡、のたかみいくん。
自分で自分に惚れ惚れするなあ、と、
伸びた髯にも目の下の隈にもなんとなく愛着さえ湧いてきちゃって。

と言う訳で、
ブルックリンの倉庫街にある練習スタジオ。

マンハッタンの地価高騰に引っ張られて、
最近ではようやくちょっとはクリーンナップされては来ているものの、
いやあ、やっぱり、深夜を過ぎるとやはりここは立派なゲットー。
人っ子一人いないジャンクヤードに、
らりった糞がきと、ホームレスと、そしてバンドマン。
そして不思議なことに、
こんな時間まで残って練習している奴ら、
どういう訳だか、JAZZドラマーばかり(爆
あの部屋でもこの部屋でも、
トニー・ウイリアムからジョー・モレロから、
バディー・リッチからマックス・ローチから、
チンチキ・タカタカ・ドカドカと、
これでもか、とばかりに大迫力のドラムソロを
或いは、
メトに合わせて禅修業のようなルーディメントの反復練習。
なんか、どいつもこいつも似たようなことやってやがるな、
と思わずにやり。
なんかほんと、他人とは思えないよね。
思わずドアをノックして、息抜きに酒でも飲まないか、と誘いたくなっちゃう。

そうそう、そう言えばこの間、
ふと気がつくとドアの前にビールが一本、
おいてあったことがあって、
よく遊びにくるスラッシュメタルのガキどもかな、
とか思ってたんだけど、
そうか、あれ、深夜のジャズフリークからのお裾分けだったんだ、
と今になって気づいた。

つくづくジャズドラマーって、
かみさんに追い出されるなんらかの素養があるのか、
あるいは、
かみさんに追い出されるような奴だからジャズなんてやってるのか、
まあどっちもだろうけど、

そう、なんか、ちょっと癒された気分。

男たち、辛いことばかりの人生だけど、がんばろうな、
少なくとも俺たちには、かみさんに追い出されたとしても、
やることだけはある。
一生やってもやり足りないぐらいの素晴らしい、
まるで沼のような、大課題、
そう、ジャズ!
ジャズドラムが待っていてくれるじゃないか。

まあこんなことに関わっちまったから、
ほんとうにろくなでも無い人生になっちゃったけどさ
でも、
それがあるというだけでも、
まあちょっとは、ましな人生と、思えない訳でもないじゃねえか、と。

宿無し暮らしはもうこりごりです、
掃除もします、仕事も探します、タバコもやめます、皿も洗います、
だから頼むから、おそばにおいて下さい、ご飯食べさせてください、
と泣きを入れる日まで、
果たして今回はどのくらいのテイクが録れることやら・・・



            ~遠方の友に宛てたメールより

夜に手紙を書いてはいけない

Posted by 高見鈴虫 on 08.2008 嘗て知った結末
24時間眠れぬ街、と言われるNYCだけど、
さすがに月曜日の朝4時に目を覚まして、
サンダルをつっかけて気晴らしに行ける素敵な所、
というのはやっぱりちょっと見つからなくて、

結局、店じまいしたバーの前で、
途方に暮れたままタバコを一本吸ってとぼとぼ帰ってきたり、
とかになるんだけどさ。

さすがにみんな学生じゃないから、
気まぐれにこんな時間に電話して、
いやあ、最近嫌なことばかりで眠れなくてさ、
これから遊びに行くからちょっと付き合えよ、
なんて、そんなことできるわけも無くて、
そんなことをできる友を失ってから、
いったいどれだけの時間が経ったのかな、
なんて、いらぬことでたそがれてしまったり。

いやね、まったく、そう、人生、
そうそうと楽しいことばかりではいられない訳でさ、
なんて、いや、嘘嘘、
べつに愚痴を言いたくてこんなこと書いてる訳じゃないんだけどさ。


テニスとおんな

Posted by 高見鈴虫 on 11.2008 テニスねた
昔のフェデラを見ると、
なんだよ、いきなりただのチンピラ、
物凄い癇の強そうな、いかにもラケットへし折りそうな、
そう、どこにでもいるチンピラの顔をしている。

で、ミルカ、そう、昔のミルカ、これが可愛い。
なんか、おっとり屋さんのお姉さんって感じ。

そう言えば、ミルカ年上か。
ってことは、美貌の先輩だった訳なんだね。
なんか、ドラマ性があるなあ。

やっぱ、人間の魅力ってこのドラマ性だよね、とつくづく思う。
で、そうせなら、面白そうなドラマ。
冷や冷やさせて、にんまりさせて、愛せて、夢中になれて、と。

アガシに魅力がないのは、
そのドラマ性があまりに陳腐だからだと思う。
自分で自分のドラマに勝手にはまり込んで自己完結してしまっているからで、
その自己完結性ってアメリカ人の嫌いなところだな、と思った。
ブレイクもそうだな。
なんか、勝手にヒーローしてしまって、言い訳まで考えてるみたいな。
学校でそういうのを教えるのかな。
アメリカ人って本当に陳腐な自己完結ドラマに終始しているやつが多い。

でも、ロディックは馬鹿な分、
そんなことさえ考えて居なさそうで、だから、愛せる。

そう言えば、
ジョコビってオンナの匂いがしない。ナダールもそうだね。
だから魅力ないのかな、と思う。

フェデラとミルカ
サフィンとあの小悪魔
エドバーグとアネット、とビランデル、とか。
コリアと、あの我まま娘、とか、
コナーズとエバートもそうかな。

おんなの匂いのしない奴ってつまらないんだね。

不機嫌な世界

Posted by 高見鈴虫 on 13.2008 嘗て知った結末
あいつと歩いている時には、
あれだけ魅力的に見えたすれ違う女たちが、
あいつと別れたとたんに、
いきなり光を失ってしまって、
あれ、どうしたことか、と。

この現象に対しては、
常日頃から不思議だったのだが、

そうか、

あいつがいなくなると、俺は不機嫌になって、
不機嫌だから世界がみんな不機嫌に見えるんだな、
と改めて気がついた。

家出土産ができました

Posted by 高見鈴虫 on 14.2008 ニューヨーク徒然

あぁあ、家に帰ったよーん。

毎晩毎晩、夜更けに帰りついて、
まるでこそ泥のようにドアを開けて、
で、抜き足差し足、冷蔵庫のドアを開けては、
冷たいキッチンに座り込んで、
かみさんの残り物を手づかみで貪り食っていた日々も
ああ、これで終わり、なのか、そうなのか、と。

今更ながら、お友達からは、
まずはね、お皿を洗うこと、次に、部屋の掃除、洗濯物を片付けて、
とりあえず、誠意を示すこと、それも、行動で。
そう、言葉でなにを言っても駄目、行動、愛情と償いは行動で示す、これが大切。
との、ありがたいお言葉を頂きまして、
あああ、ってってってってってえええ、耳が痛ええええ!と。

しかしながらあらためて、
いやあ、トモダチってやっぱりいいなあ、と、思わず感涙!
友よ、もしももしも、君が35を過ぎても独身であったりしたら、
その時は必ずや、この俺が面倒をみるからね、
なんて、またどうしようもないことを。

で、まあ、そう、
こんなもの糞の役には立たないのは承知ですが、
へーん、お前に追い出されてる間、
浮気も麻薬もやらないで、
俺は、こーんなことしてたんだよーん、
という、そのお土産、を、ちょっとお裾分けです。

題して、

暴れん坊将軍・怒涛の乱れ髪
或いは、
瀕死のパンクジャズ・明日はどっちだ、

http://boomp3.com/m/953321490857/plantainchips

いやあ、つらーいつらーい、筋トレの反復運動に飽き飽きして、
んなくそ、と乱れ打ち。
家出中の投げやりで自棄糞な気持ちがよく表現されているかと(笑

あ、で、この本当の題名は、プラタノ・チップス、
そう、ラテンの国行くとよく売っているチップス。
これ食いながら叩いてたから。
途中の音抜けは、実はこれを食べている間のものなのでした。

ってな感じで、じゃねじゃね、と。


            ~遠方の友に宛てたメールより


先日どういう訳かアナルセックスネタで話し込んだ。

Posted by 高見鈴虫 on 18.2008 嘗て知った結末
先日どういう訳か、アナルセックスネタで話し込んだ。
と言うのも、
知人で自他共に認めるやりまんの子が、
いやあ、最近付き合ってるのが、やたらとアナルが上手くてさ、
なんて話から、
ええ、おまえ、アナルでもやるの?
え?普通だよそんなの、と。
でもさ、日本人って慣れてないせいで、下手なんだよね、
なかなか入らなくて白けちゃったり、とか、なんとか言う話を、
わりとしらっとされたりして。
で、
またまた知り合いの女の子、その子はまあ普通に綺麗な子、
なんだけど、酔っ払った勢いで、
ねえ、アナルでしたことある?なんて聞いてみたら、
うん、あるよ、とあっさり。
え!?と思わず絶句。
あなたはしないの?と逆に聞かれちゃったりして。
え!?かみさんと?まさか、と。
へえ、おくさんしたがらないの?
そんなこと、聞くだけでぶっ殺されちゃうよ。
へえ、なんだ、割と普通なんだね、なんて、
モロに、なあんだ、つまらないオトコって感じ。
え、でも、普通、かみさんとはしないでしょ?
どうして?
だって、かみさんだよ、かみさん。かみさんとはしないよ。
じゃあしたことないの?
そりゃあ、あるけどさ。
どうだった?
なんか、最初ちょっと苦労したかな。でも入っちゃうとなんか普通だったけど。なんかあんま期待したほどじゃなかった。
そうなんだ。でもそれちょっとリアルだね。へえ男の子ってつまらないんだ。でもそれ、相手も慣れてなかったんじゃない?
って、じゃあお前慣れてるの?
慣れてるっていうか、普通。
誰とでもするの?
そりゃ、カレシとしかしないけど。私チャラ系じゃないし。
カレシとは普通にするんだ。
うん、してたよ、普通に。
それは、お前がしたくて?
まあ、向こうがしたいなら、どうぞって感じだったけど。そのうち、あれ今日はしないの?みたいな。
もう定番コースなんだ。
うん。割と。
へえ、と。割と感心しちゃって。
したら、ねえ、じゃあ他の子としてなんでおくさんとはしないの?
なんて、逆に突っ込まれちゃったりして。
だってさあ、かみさんだよ、かみさんにそんなことできないよ。
そんなことって?
そんなことって、だってアナルでしょ?尻の穴だよ、かみさんにはしないよ。
なんで?
だって、大事だもん。
アナルが?
いや、かみさんが。
よく判らない。
普通しないよ、かみさんになんて。
どうして?
だから、かみさんは自分の女でしょ?自分の女にそんなことしないでしょ、普通。痔になられちゃ困るし。
へえ、そうなんだ、と考え込んだ風。
どうしたの?
うん、実はさ、最近知り合う人、みんなお尻にしたがるんだよね。
へえ。
で、割と長続きしないの。なんか、それってそういうことなのかな、とか思って。
昔、もう判れようと思ってた子の尻に入れようとしたら、いきなり真顔になられて、ねえ、もう別れてもいいって思ってるんでしょ?って図星を指されたことがあってさ。
へえ、どうして。
だから、こんな女、どうせ別れるんだからどうなってもいいや、って感じで。
そういうものなの?
少なくとも俺にとってはそうだな。
そうなんだ、別れてもいいや、って思うから尻に入れようとするんだ。
まあ、他は知らないけど、俺は少なくともかみさんには変態になって欲しくないし。
アナルですると変態なんだ。
っていうか、
わたし的には、相手がしたいことさせてあげるのが愛情の表現って気もしてたんだけど。
俺的には、こっちがしたいことをさせてくれないってのが女のプライドであったりもすると思ってたけど。
奥さんにトライしたことある?
うん、あるよ。
で?
絶対に駄目だって言われて。
そうなんだ。
いいって言われたらしてた?
いや、アナルでさせるような女とは結婚しなかった。
へえ、そうなんだ。
うん。俺やっぱかみさんには普通の人であって欲しい。俺がおかしい分。
でも、他ではするんだ。
うん、する。俺は変態だから。どうでもいい子とした時にはいちおう聞いてみることにしてる。
だって、わたし、どうでもいい人とはセックスしないもん。
そうだよね。
だから、カレシとのセックスが全てなの。
そうだよね。
だから色々してみたいし。
そうなんだ。
そう。
どう、まじめでしょ?
まあ、ねえ、それをまじめと言うかどうか。
でも勉強になった。へえ、本カノとはしないんだ、アナル。
うん、俺はしない。本カノとのセックスは遊びじゃないから。
アナルは遊びなんだ。
うん、そうだね、遊びの子としかしない。
ありがと。勉強になった。

と言って別れた後、ちょっとして会わない?ってメール。

この間の話、実は友達の子とも話したらさ、
なに、あの、アナルの話?
そう、オトコの子ってマジな子にはしないそうだよ、って言ったら、みんな泣きそうになってた。
みんなって?
だから、みんな。
じゃあみんなアナルでしてるんだ。
そう。迫られて、まあしたいんだからしょうがないか、そういうものなのかなって。
へえ、そうなんだ。
うん、それで、私のカレシ、最近もうそればっかりなんだけどさ、って。泣きそうになってる子がいて。
へえ、一回やらせるともうそればっかりっては判るな。
そう、そればっかりなんだよ、って。
なんだ、みんなしてるのか。
でもね、した後に、ごめんね、って言われたことがある子が居て。
うん
え、どうして?って聞き返したら、逆にドン引きされたって。
うん、俺もひくと思う。この女、尻でやらせて平気なのかな、とか。
そうなんだってね。じゃあどうしてしたがるのかな。
判らないけど。
あなたはしたくないの?
いや、だから、したいよ、それは。でもさ、
でもなに?
なんか、本カノにはできない。
本カノが自分からしてって言ったら?
ちょっと引くかも。この子、変態かなって。
そうなんだ。言わないほうがいいかな。
なにが?
だから、新しくつきあった人には。
うん、女の子から求められると、やべって思うかも知れない。
やっぱり?
うん、ちょっと付き合い方変えるかも。こいつとは遊びにしておこうって。
どうして?
だって、それだけで昔の男に遊ばれてるってのがモロばれだし。
でもわたし、初めてアナルしたの、前のカレシっていうか、まじめに結婚しようって言ってた人だよ。
だからさ、AVの影響で、そういうのがみんな普通になってるんじゃない?
うん、そう、そういう結論になったの。たかみちゃんが凄く奥手なんじゃないって。
はあ、そう言われてしまうとそうかも知れないけど。
わたしとお尻でしたい?
そうマジに聞かれると、なんか興奮したりするかも。
でしょ?
うん。ちょっと惹かれる。
やっぱり。
はは、そういうものかも。
ならしたらいいんじゃない?
お前と?
馬鹿、私は本カレとしかセックスしないから。
新しいカレシとはアナルでしたの?
それがまだなの。求めてもこないし。
ほら、それが普通だよ。
そうなのかな。
うん、それが普通だと思う。
お尻でしたいって言われたら、こいつ別れようと思ってるって思ったほうがいいのかな。
一応、嫌だって意思表示はしておいて無難だと思う。
そうなんだ。それでつまらない女って思われちゃわないかな。
それをつまらない女って思うのは、遊んでてつまらない女って意味だから、そういう男とは別にスルーでいいんじゃない?
自分から言っちゃ駄目だよね。
まあ、お前とカレシがどんな関係なのか知らないけど。
割とマジ。結婚前提にとか言われてる。
そんなこと言ってくるの?
うん、こないだ言われた。結婚とかどう思うって。
へえ、いまどきそういうこと言う奴いるんだね。
そう、あたしも驚いた。まだつきあって3ヶ月なのに。
3ヶ月でもうセックスしたの?
したよ。それ普通でしょ?
まあ、なにが普通か判らないけど。
でね、下手なの。
セックス?
そう。なんか、乗らないの。
へえ、そうなんだ。
でね、
うん、
言っちゃったの、私から、お尻でしてみない?って。
したら。
したら、なんか引かれた。俺はいいって。
あらあら。
で、なんか白けちゃって。
ははは。
で、それからなんか、ちょっと変な雰囲気。
まあね、色々な奴いるから。
で、そんなときにこの間の話を聞いたの。
ああ、そういうわけだ。
もう駄目かな。
いや、本人次第じゃない?俺だったら気にしないけど。
そう?
うん、多分、
良かった。
うん、気にするなよ、男なんていくらでもいるし。
そうか、そうなんだね。

で、後日、いまやマブダチに昇格した感のある元ヤンの小娘にさらっとその辺聞いてみたら、
馬鹿、と一言。
普通しないよ、そんなの。
だろ。
しないよ。普通させないって。
だろ。
あたしは嫌だな。
迫られたこと無い?
あるけど、断った。
だろ。
うん、しないし、させないよ。
良かった。
なにが?
いや、別に。
あんたしてるの?
いや、しない。マジな子とは。
でしょ?普通だよそれが。
やっぱりな。
どうして?
いや、別に。
なんでいきなりそんな話するの?
いや、別に。でも良かった。
なにが?
いや、別に。
変なの。
でも、やっぱり、それ聞いてちょっと本気で安心した。
なにが?
いや、別に。
馬鹿。
なにが?
馬鹿。
だからなにが?
もう顔もみたくない。シカトだな、これからは。
あの、だからさ。
疑われただけでも心外って感じ。
ああ、ってことはやっぱり普通じゃないんだな。
馬鹿。当たり前でしょ?うんこの出てくるところだよ、物入れるところじゃないよってなに言ってるのよ昼間から。これがランチにする話題かなあ。あんたと飯食うといつもこれだからさあ。
と、いきなり立ち上がって。
ヤニ食おう。食欲無くなったっとすたすた出て行ってしまって。

という訳で、小春日和の青空に目を細めながら、
でも、もしかしたらちょっと興味あるかも、なんてにやりと笑いやがって。
なにが?
だから
アナル?
そう。
へえ。やっぱりそうなんだ。
うん。信頼してる人だったら、痛かったらすぐにやめてねって言って、ちゃんとやめてくれる人なら。
してみたい?
うん、ちょっと興味あるかな。
おいおい。
ははは嘘。嘘だよ。忘れろよ。
どうせ誰かにさせるなら俺にさせろよな。
馬鹿、あんたにだけは死んでもさせない。
信頼できないからか?俺はやめろって言われたらやめてやるぜ。
馬鹿。あんただからだよ。死んでもさせないからね。これだけは言っておく。
お前がだれかに尻でやらせたら俺はその場で死んでやるよ。
覚えておくよ。これであいつ死んだなってさ。電話してやるから待ってな。
馬鹿、俺が死ぬ時はてめえも道連れだよ。
ああ、それも覚えておくよ。ありがと。
なんか俺、昼からちんちん立ってきた。
馬鹿。ほら、もうこんな時間。帰ろう、あたし午後にミーティングあるんだ。

という訳で、なんか、なんか、煮え切らない感じ。

でもね、良いのかな、って気もちょっとして。
でも、実は、ちょっと安心した。
そう、本カノには、アナル掘られたことがない子であって欲しい、ってのが本当の所で、
でも、ちょっと興味あるかな、でもしないけど、ってのが普通って感じ。
で、あいつとアナルでする?なんて、おいおい、ちょっと興奮しすぎて眩みが来そう、
なんて気がして。

と言う訳で、アナルセックスなんですが、
で、あなたの場合、どうですか?

つまり、中国とはこんなところだった

Posted by 高見鈴虫 on 19.2008 旅の言葉
たまに中国の悪口を書くが、
言わせて貰えば、俺が最初に訪れた海外、というのが、
これがまた、中国であったりした訳だ。
最初に訪れたぐらいだから、
それでは中国がよほど好きだったのだろう、
と思われるかもしれないが、
それは違う。
アルバイト先の旅行会社から、トラブル収拾のためのレスキュー隊、
つまりは、体の良い苦情処理係として送り込まれたからであって、
それはつまり、
中国旅行ってものがまったくもって、
どこに行っても徹底的にトラブルばかりだったからなのだが。

という訳で、初めて降り立った中国。
それはつまり、香港から深浅の国境を越えて辿りついた広州駅、
誰もいない地下道を抜けて、いきなり転がり出た駅前の大広場、
それはもう、とてつもないぐらい広い、
つまり、小学校の校庭の20倍ぐらいありそうな巨大な広場を埋め尽くした、
乞食の海、じゃない、難民の海だったわけで。

もう、コンクリートの地べたにごろごろと転がって、
で、飯盒で飯を炊いたり、それこそぼろ切れ以下の服を着て、或いは半裸で、
オトコもオンナもラスタどころか
もうボール紙をはりつけたようになっているベチベチの髪をかきむしりながら、
その辺りで立小便どころか、うんこしてる人もいて、
それが、見渡す限り、ほぼ、地平線一杯ってぐらいに、
もう、一面に広がっている。
それは上野だ新宿だとか、もうそんな次元じゃない。
まさに、見渡す限り!なのだ。
おおおなんだこりは、と、
その異様な光景、その悪臭、その超次元的に悪趣味な風景に、
まじめに、そう、割とまじめに驚いた。

確かに、最初に訪れたのが、カルカッタであったり、ジョハネスバーグだったりすれば、
いきなりこんな光景もあらかじめ心の準備ができていたかもしれない。
だが、ここは中国だ。
言っておくが、俺は子供の頃から朝日新聞を読んで育った。
中学生の時には本多勝一先生の極限シリーズの愛読者であったし、
高校に入ってからだって、
ヤンキー仲間と右翼の宣伝カーの前でたむろしながら、
背中に一文字に書かれた憂国烈士の看板もまるでシカトで、
大江健三郎だって高橋和己だって吉本隆明だって読んでいたり。
つまりそういうガキだった。
行動と思想が能書きがまったく伴わないがきだった。
つまり、
それだけで日本の知識人の仲間入りをしていたわけだが。

それが、だ、そう、そんなガキが、
いきなり、それまで密かに憧れていた毛沢東の中国で目にしたのが、
この、乞食の海、だった訳だ。

がしかし、俺はこう見えても一応ヤンキーの端くれだった。
一人で町を歩けば必ずというぐらいに絡まれた。
電車で居眠りをしていて、ふと顔を上げたとたん、このチョッパリと唾をかけられたこともあった。
職質の警察からいきなり袋叩きにされてそのまま河原に捨てられたこともあるし、
本ちゃんの車の中に引きずり込まれてちゃかを口に押し込まれたこともあった。
そんな俺だ。
つまり、そんな俺が、たかだか乞食の海ぐらいにびびってなるものか、と思った。

という訳で、
んなろ、どけどけ、とその乞食の広場を、湧き上がる悪臭の中を、
襲いかかるハエの壁を、泥人形のような人々の間を、
決死の覚悟で真ん中をつっきってやった訳だが、
乞食の海を抜けたとたんに、
走り寄って来た鼻垂らしの餓鬼にいきなり太ももをがっちりと押さえられて、
チェンチェンマネー、と。
んだそれ。
チェンチェンマネー、チェンチェンマネー。
訳も判らず、てめえ、餓鬼、と頭を叩くと、
餓鬼は驚いて物影に走りかえり、するとそこに隠れていた、
まさしく鬼のような顔をしたおばはん、それは多分、母親から思い切りビンタ。
で、ほら、なら、あれに行け、と指差した先に、
泣きながら、鼻水だらけになりながら、いきなりしがみ付いて、チェンチェンマネー!
おいおいおい、と。
ここは人民が平等である労働者天国の国じゃなかったのかよ、と。
乞食がいない、どころか、全国民が押しなべて全て乞食じゃねえか、と。
まあいい。俺だって、そういう能書きがまったく本当でないことぐらい見当がつく。
そう、乞食はまだいい。

道を歩き始めたとたんに、
すれ違うやつ、どころか、背後を歩く奴、
道端から、店先から、家々の窓から、
まるで穴の開くほどに、とうとうと、こうこうと、
そんな俺の姿を見つめるというよりも、ガンくれる、というよりも、
まるで驚愕しきった表情で、目を見開いて擬視する目、目、目、目。
赤黒く見開いた瞳がどこを向いても、じっと俺を睨みつけていて、
んだこいつら、とさすがの俺もちょっとぎょっとしてしまって。

でもいい。そう、見つめられるだけなら、
まあ気味が悪いのを我慢すればいいだけなのだが、

ちょっと道を聞こうと、店先で鼻くそを穿っているお姉さんに、
チンウェン、チンウェン、と言うたびに、
まるで、奥歯に挟まった韮のかけらを吐き捨てるように、
メイヨー!と、それこそ、この世の憎しみの全てをこの一言に凝縮させたような、
そんな、憎悪を固まりの表情で、まさに手鼻と一緒に吐き捨てられて怒鳴りつけられて。
おいおい、こんな鬼のような面、日本のヤクザだって観たことがねえぞ、と。
ああ、やっぱり日本のヤクザ、グローバルな土俵での勝負はまだまだ無理だな、
こいつら、カタギでもこれだもの、と思わず悲しくなってしまうぐらいに、
もう思い切り、これでもか、と言うぐらいに憎々しい般若面。
それが、もう、街中で、道を聞くたびに、なのである。

で、極めつけ、
そう、ある日バスに乗ろうとして、
で、いきなりやってきたバス、それも、窓から屋根からに
思い切り人が乗っかっている末期的に混雑したバスに、
乗ろうとしても、入り口から人が溢れている始末で、
それもでこなくそ、と、そう、運動会の棒倒しの要領でぶら下がったところ、
いきなりだ、背中に背負ったバックパックを、
何者かにむんずと掴まれて、
そして、走るバスからいきなり、そのまま振り落とされた。
舗道の真ん中でまさに、ひっくり返された亀、の状態。
俺は土曜の夜の藤沢街道で、湘南通りで、江ノ島で、
箱乗りと言ったらこの人しかいない、というぐらいにの
箱乗り好きで通っていた筈が、だ。
そんな俺がいきなり、市バスのドアから振るい落とされてドン亀状態。
その時には幸いバックパックがクッションになって助かったが、
これには笑った。
いやあ、ワイルドセブン。やってくれるなあ、と。

で、最後に、これだけは書いておきたい。

ある日、夕暮れの田舎街を歩いていた時、
ふと腹が減って、うどんやの屋台に座った時、
見慣れぬ民族衣装を着た旅の一団と隣り合わせて、
で、ほら、この七味入れたらおいしいよ、なんて、
そんな無言の交流をしながら、
屋台のベンチに肩を並べて微笑みあってうどんをすすっていた時、
後ろからやってきた公安、つまり警察。
おい、なにやってんだ、手前ら、って感じで絡んで来やがって、
硬い警防で、割と思い切り俺の頭をごつごつ、
てめえ何しやがるんだ、と振り返って、
目が合ったとたんに、この野郎、気が狂ってやがる、
というぐらいに超強烈にサディスティックな面構え。
おお、こいつはヤクザだ、と思わず身構えて、
したら、だ、いきなり、
隣の少数民族の親父、
警察に追い払われる前に、とばかりに、
慌てて両手にうどんのどんぶりを抱えて汁をすすろうとしたその矢先、
いきなり襟首を掴まれて、ぐいとばかりに後ろに引き倒されて、
つまり、両手に抱えたうどんのどんぶりを、
そのまま、顔から胸にぶちかけるかたちになって。
身体中からうどんの汁を被った少数民族のおじさん
あっちっちっち、とイヤイヤをしながら、足がひっかかってそれどころじゃなく。
公安のおまわりは、それを見ながら、
もう、ハラワタがよじれるぐらいにゲラゲラ笑ってて、
思わず俺もつられ笑い。
だってさ、そう、腹は立つけど、
そう、俺も昔、いじめっ子だったこともあるから判るけど、
これ、面白い!
そう、酷いいじめだな、とちょっと感心するぐらいに壮絶に面白い。
しかしながら、少数民族の一団、
家長の醜態に見向きもせずに、この世の終わりとばかりにうどんをかきこみ続け、
ついには警棒で頭を小突かれて初めてそそくさと荷物を抱えて歩き初めて。
なんだこれ、と改めて。

という訳で、そう始終そんな感じだった。
つまり、謎謎謎、なのである。
街中が理由の判然としない混乱と悪意と不衛生と、
つまり不条理の坩堝なのである。

どこに行ってもトイレは徹底的に糞だらけ。
壁がない、紙がない、水がない、ぐらいだったらまだいい。
端から便器の中にうんこを落とす気がさらさら無いぐらいに、
もう通路の真ん中にどでかいうんこがでろんと長々と横たわって重なり合い。
つまり、糞を踏まずして糞をすることができない、という末期的な糞だまり。
それに加えて、そんな便所には手を洗う場所さえもなく、
そう言えば、どんなホテルにもシャワーが無かった。
つまり、こいつら風呂に入らないんだな、と改めて驚いた。

という訳でついでだから書いてしまうが、

誰がいようと、構わずに吐き散らす痰唾。
そう、火車に乗っている時に、寝台車の上から、荷台の影から、
この、カアアアアアっというおなじみの音がしたら、
なにがあっても避けたほうがいい。
そこに誰がいようとなにがあろうと、中国人の痰唾は必ず降って来るのだから。

がしかし、痰唾ならまだいい。かああああの予兆に気づくから。
まずいのは手鼻だ。いきなり飛んでくる。
しかも、誰がいようとなにがあろうと、だ。
俺は頭の上からこれやられたことがある。
さすがに避けきれずに、買ったばかりの人民帽、そのまま捨ててしまったが、
てめえで捨てた人民帽を足蹴にしながら、
どうだざまあみろ、とちょっと小気味良かった気がしたっけ。

つまり中国とはそんな国だった。
どこに行ってもだ。誰がいよとなにがあろうと、
つまりはそんな感じだった。
思い出せばまだまだ出てくる。
いくらでも出てくる。終わりが無いぐらいに出てくる。
それがつまり中国だった。

その謎について、俺はあれ以来ずっと考え続けて、
そして至ったのは、文化大革命だ。
あれが全てをぶち壊した。或いは止めを刺した、のだ。
それについてはまた改めて書く。

で、ついでに、だが、

アメリカで男女平等を言うフェミニスト或いはレズのダイクに会うたびに、
俺は、一言、中国を見ろ、と言ってやりたい。

人前で平気で鼻くそを穿り、
痰を吐き、手鼻をかみ、
ついでに、かえるのようなゲップを鳴らし、
おまけに、どこであろうと、平気な顔してぶりっと、オナラを暴発させる。
そう、つまり、その辺の汚いおっさん、のような女の子。
あのなあ、と。

男女平等、冗談じゃねえよ、と思った。

つまり、中国とはこんなところだった。
それも、ここ10数年前の話だ。
どうだ、判ったか?朝日新聞。
てめえの目で見てないものを良いの悪いの書くんじゃねえ。

ご飯だけで食べてみて

Posted by 高見鈴虫 on 21.2008 音楽ねた
友人の借りているレコーディングスタジオを、
ちょくちょく間借りして自身のドラムを録音したりしていて、
良いソロが録れたりすると、
友人の何人かに、これどうよ、なんて感じで、
聴かせてみたりしているのだが、
果たして、誰一人として、なにも言ってこない。

たまに臭いリミックスを被せたりすると、
へえ、いいじゃん、なんて言ってくれたりもするのだが、
やはり、俺としては、
ドラマーとし純粋にドラムだけのソロをじっくり聞いて欲しいわけであって、
しかしながら、やはり、
ドラムはドラムだけ、では決して成り立たない楽器のようだ、
と最近ようやく気がついてきた。

つまり、

凄くおいしいご飯が炊けたから、
ご飯だけで食べてみて、と言われているようなものなのだろうか、と。

プラタノ・チップス☆怒涛のドラムソロ30分! 馬鹿野郎!これでも喰らわんかい!

Posted by 高見鈴虫 on 23.2008 音楽ねた
馬鹿野郎、若い女にウツツを抜かしていたら、
かみさんに家を追い出されて10日近くホームレス暮らしだったぜ。

で、こんな時に限って、浮気する気にも麻薬やる気にもなれず、
一人スタジオに篭ってこーゆーことをやっていたんだよ、俺は。

題名は勝手に「プランタン・チップス」
カリブ海の島々に行くと必ず出てくる、プランタン=甘くないバナナを、
薄切りにしてポテトチップスみたいにしたチップス。

ニューヨークの貧しい地域=つまりラテンエリアのスーパーに行くと、
レジの脇に必ず売っているのです。

家出中、バナナとトマトと
そしてこのプラタノ・チップスばかり食って生活していたのでした。

と言う訳で、

能書きはいいから、さっさと聴かんかい!LISTENUP プラタノ・チップス☆ boomp3.com/m/953321490857/plantainchips

青い三角マークをぷちっとすると、とても小さな声で秘密のメッセージが始まるよ。
聞き逃さないように、よおおおく、聴いてみてね。

ニューヨークの人々を人種で説明してみると

Posted by 高見鈴虫 on 24.2008 ニューヨーク徒然
ニューヨークの人々を人種で説明してみると

黒人は、見かけはタフがってはいるが、
なぜかというと主張できることがそれしかないからで、
その癖、やたらと気が小さく、心が狭く、疑り深く、
被害者意識の塊で、そして決って手癖が悪い。

ラティノは見かけは調子はいいが、
いいのは調子だけで、意地の悪い子供のような無邪気な悪意の塊り。
ずるく怠け者で言い訳ばかりし、それでいて全てがこいす計算づく。
しかもその計算がいつも間違っているノータリンのマザコン野郎。

白人は、ただ白人というだけで得られる権利を振り回し、
徹底的に勘違いした独善さで、
そのほか全ての人々を哀れみ嘲っていながら、
自身が得られる筈の権利が得られないと、
いじけまくっている正真正銘のルーザー。

ユダヤ人はいつも口から先で、
鯱ばった能書きばかりを垂れながら、
実は徹底的に自分のことしか考えていないおかま野郎。
意地汚く意固地で猜疑心の塊り、
それでいて状況に応じて調子のいい事ばかりを言い連ね、
立場が悪くなるとすぐに開き直る最低最悪のエゴイスト。

エイジアンは一様に身体が小さく、引っ込み事案で、
上記4人種に徹底的に鴨にされ続け、
心の底から諦めきり、ひねくれまくっている身体障害者。

これがアメリカです、といわれたらどう思いますか。

そう、女の子は知りませんよね。
女の子の前でそういう姿を出す男はいませんから。
それもアメリカ。徹底的な建前社会。

ああ、判ってるよ。
そうじゃない奴もいるって言うんだろ。
確かに気分によってはいい奴もいる、
が、いい奴もいる、というのは、
基本的にこれらの最悪の部分を前提として、
へえ、そうじゃない奴もいるんだね、珍しく、
というスタンスの方が生きていてストレスがない。

最初の旅の終わり

Posted by 高見鈴虫 on 25.2008 旅の言葉
最初の旅の終わり、
日本からようやくアテネに辿り着いて、
格安で買った南回りの飛行機の窓から、
インド大陸の三角形を観た時、
そのあっけなさに思わず、
唖然として笑いだしてしまったことを思い出します。

俺のこれまでの七転八倒の物語を、
たったの一瞬で撒き戻してしまうなんて、
あまりにつまらな過ぎるな、と。

でも、
見下ろす大地のメロンの皺の上で、
今こうしているこの瞬間にも、
あの抱腹絶倒の素敵な悲喜劇が、
そこら中で繰り広げられているなんてことを、
飛行機の上の人々には想像もつかないだろうな、と。

少なくとも俺はこの旅を通して、
人間がなんとも愚かしくも愛しい生き物なんだ、
ということを知っているんだぜ、
なんて呟きながら、でもやっぱりなんともやるせなくて。
思わず、降りまーす!降りまーす
と叫び出しそうになったのを覚えています。

あの時、本当に降りてしまえばよかった、
と、今でも思っていますが。

え?顔が汚い?

Posted by 高見鈴虫 on 27.2008 技術系
午後から外回りで高級ヘアサロンってなところに行った。
ヘアサロンという業種から想像できるように
そこの社長、システムに関してはまったくのどしろうと。
でも仕切りたがりで知りたがり。
話し方はいたって穏やか、
広げた手を胸元に当てて、
つまりおかましゃべり。
ながら、
ギジュツテキな話を始めると
すぐに目が虚ろになり苛々と貧乏ゆすりを始める。
こんな人には神経を逆なでしないように、
極力気を使って話しているつもりでも、
その気遣いがまた気に入らないと見えて、
言葉を重ねれば重ねるほどに
ますます苛々を募らせている様子。

で?
はい、ですから、ここを、
ああ、それは判ってます。
で、ここを、こう、やって、
いや、だからね、そこがどうなるか、と、
はあ、ですから、これは、
だから、それは判ってるの。
ですから、ここを、
いや、そうじゃなくて、

と、永遠この繰り返し。

と、そのうち、
いきなり、
え?顔が汚い?
と聞き返されて、
は?と。
いや、いいんです。
はい
で、どうするの?
はい、ですから、ここをこうして、ですね、
え?顔が汚い?
は?
いやいや、いいの。聞き間違い。で?
ですから、ここをですね、こやって、
いや、そうじゃなくて、
はあ、
それは判ってますよ。で?
はい、ですから、
え?顔が汚い?

思わず絶句。そして苦笑。
おいおいおい、
やるなあ、このオカマおやじ。
まともに物凄く面白かった。

アメリカン・ジャスティス:ニューヨーク・スタイル

Posted by 高見鈴虫 on 30.2008 ニューヨーク徒然
オフシーズンのテニスコート。
今日は妙に天気のいいな、と思っていたら、
陽気に当てられたのか、
やにわに降って湧いた俄かテニサーが行列を作り始めて、
嫌な予感。

公園の一番端に打ち捨てられたテニスコート、
普段から雪の中を枯葉を集めてネットを張りなおして、
と可愛がってきた秘密の場所であった筈なのに、
どうやって見つけたのか、
買ったばかりのラケットを抱えた人々が、
待ちぼうけで苛々した視線を送ってきて、

後ろに転がったボールを拾おうと振り返るたびに、
ねえ、あとどのくらい使う予定?と悲しげな顔、顔、顔。

いやあ、そんなこと突然言われても、と困りながら、
挙句の果てに、
ルールがどうの、平等がどうの、公衆道徳がどうの、
と聞いたようなことを演説し始めるやつまでいて。

あのねえ、キミタチは知らないだろうけど、
ここ、俺たちがいなかったらいまごろ枯葉とゴミに埋まって、
テニスコートどころか家庭菜園になっていたんだよ、
とは思いながら、
ああ、そんなことを説明するのも面倒くさくて、
うるせえ馬鹿、早く帰れ、とそのままうっちゃっておいたら、
いきなり、つかつかと歩み寄ってきたプロレスラーのようなボディービルダー、
俺のバッグを掴んで宙に放り投げるや、
相方のヘンリーのラケットをむしりとって、
やにわに金網の外に放り投げやがった。
あのなあ、と両手を広げる俺に、
鼻先に握り締めた拳を翳して、自慢の筋肉をもりもり。

てめえ、殴られたいのか、と一言。

どうだ、判ったか、これがアメリカの正義だ。
この場所は法治国家なんだ、ルールがあるんだ、
それが嫌なら国に帰れ、としたり顔。

あのなあ、ミスター・ジャスティス。
ならなんで、向こうの、ほら、枯葉の溜まった方でやらねえんだよ、

なんだとてめえ、本当に殴るぞ、

ここはもともとああだったんだよ。俺が掃除したんだよ。
それをお前に渡す義理があるのか、それがアメリカの正義か、
と、
思わず、この、イスラエル野郎、と。

この糞チャイニーズが、といきなりパンチを翳してにじり寄って来やがる。
面白え、やってみろこの野郎、警察を呼ぶぞ。
んだと、このおかま野郎。俺の従兄弟がそのNYPDなんだぞ。てめえみたいな奴、いくらでも豚箱にぶち込めるんだぜ。

あのなあ、と。つくづくお前らイスラエルだよな、と。

強大な暴力の前で、
そこに銃があれば、五歳の子供もプロレスラーも対等だろ、
昔、中東でさんざん聞かされた言葉がよみがえる。

こいつ、ちょっと判らせてやったほうがいいんじゃねえのか、と、
思わず不穏な気持ちがムラムラと。
でもなあ、と。
こんなことでいちいち面倒起してたらそれこそ離婚だ、くそったれ、
なんて考えていたら、

ふと見ると、相方のヘンリー、
やにわにネットを外し初めて。
おい、なにやってるんだよ、と。
ああ、これ、俺のなんだよ、と一言。
本当か?と俺も唖然。
ああ、俺のなんだ。外すのが面倒なんで使わせてたけどな、と。

ビルダーもそれには唖然。
おい、手前やめろ、と、ヘンリーに手を伸ばした途端、
いきなり、ギャァァァl!うるさい!と耳を劈く大絶叫。

これは俺のものだ。僕の金で買った。僕の所有物だ。
レシートもある。名前だって書いてある。
それを奪う権利は誰にもないし、
誰に使わせるかは僕が決める。
ただな、お前にだけは使わせない。
アメリカの正義だ?笑わせる。
アメリカの正義は所有にあるんだよ。
ここでテニスがしたかったら、自分でネットを買って来い。
或いは、僕が貸してやる。金を払え。お前にだけは特別料金をつけてやる。

あれあれ、とさすがの俺も呆れ顔。

そうこうするうちにヘンリー。
怒りに風船のように顔を膨らませながら、息を荒くして一人でネットを丸めて、
うなり声もろとも肩に担ぎ上げて、そして足元をふらつかせながら
テニスコートを後にした。

ビルダーにも、俺にも、待ちぼうけの人々にも挨拶は一言も無し。

嫌な野郎だぜ、とビルダーが一言。
馬鹿、嫌な野郎はお前だ。正義がどうのなんて聞いた風な能書き垂れるからだ。
従兄弟の警察でも呼んで逮捕でもすればいい、白痴野郎。

黙って待っていればテニスができる、と思っていた人々、
みんな泣き顔。
ねえ、どうしたの?なにがあったの?と。

だからさ、と俺が説明すると、
みんな、あれあれ、と呆れる奴、馬鹿野郎、と枯葉を蹴る奴、
ならそのネットって奴を買ってこようぜ、と言うお調子物。
どいつもこいつも馬鹿ばかり。

ああ、アメリカ、きついな、こういうところ、
と、金網の向こうに投げられたヘンリーのラケットを拾いながら。
思わず深い深い溜息。
あいつ、泣いてたな。
この国でよほど辛い思いをしてきたのだろう、と思わず。

そこに銃があれば、五歳の子供もプロレスラーも対等だろ、
の言葉がよみがえる。
本当、この国、理不尽な暴力の繰り返し。
パレスチナゲリラではないが、
思わずパーンとやってしまいたい奴、沢山いる。

ぞろぞろと引き上げてゆく人々の中から、
おいおい、と叫ぶ馬鹿なビルダー、
なんだよ、まだなにか言いたいのか、と、不機嫌に両手を広げると、
人差し指をコメカミに当てて、バーン!と。
あのなあ、と。
思わずその場にしゃがみ込みたくなるぐらいな脱力感。
そしてふと心の淵からドロリと溢れた本気の殺意。視線が一瞬眩んで。
やばいやばい、と溜息をひとつ、ふたつ、そしてポケットからタバコを一本。
秘密のおまじない、あいつの名前を唇の端で繰り返して深呼吸。
かみさまどうもありがとう、
ここに銃があったら本気でぶっ放していましたよ、
持って無くて本当によかったですね、
と、己の不所有に大感謝の苦笑い。
改めて、
ああ、アメリカきついな、まったく、と再び溜息、と、思いきや、
公園の入り口のゴミ箱の横に、
丸められたネットが投げ捨てられていて、
ああ、あんまり重くて結局一人では運べなかったんだな、と。
そうでもしてまで意地を張ったヘンリーが
つくづく哀れになって。

おい、白痴ビルダー、ここにネットを見つけたぞ、と。
もし本当にやりたいなら、お前も手伝え、と。

馬鹿なビルダー、振り返りざまに、
糞馬鹿やろう、手前のオカマでも掘ってろ、の捨て台詞。
あのなあ、と。
お前らつくづくアメリカン・ジャスティス。

と言う訳で、午後の一日。
なれないネット張りに四苦八苦した挙句、
誰もいないコートで一人、サーブの練習をして帰ったのであった。
  

プロフィール

Author:高見鈴虫
日本を出でること幾年月。
世界放浪の果てにいまは紐育在住。
人種の坩堝で鬩ぎ合う
紐育流民たちの日常を徒然なく綴る
戯言満載のキレギレ散文集

*お断り 
このブログ記事はフィクションであり実在の人物・団体とは一切関係ありません藁

©終末を疾うに過ぎて...
無断丸々転載・そのまま転写はご勘弁ちょんまげ

月別アーカイブ

検索フォーム