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死んだ犬について

Posted by 高見鈴虫 on 10.2009 犬の事情
つまらない話を書きます。

子供の頃から一緒に育ってきた愛犬が息耐えた時、
夢に出てきました。

元気な姿でお座りをして赤い舌を出しながら。
おいで、おいで、と手を差し伸べると、
ふっと紙のように舞い上がって、
それにぱっと火がついたかと思うと、
一瞬のうちに燃えかすになって風に踊るように、
跡形もなく消えて行ってしまいました。

すぐにお袋から連絡があって、
あんたの犬が死んだよ、と言われた時、
ああ、知っていたよ、夢に出てきたから、と。

ああ、そう、と割とあっさりと答えるお袋。
で、聞いてみると、やはり同じ夢を見ていた、との話。
別れの挨拶だったんだよ、と、さも当然そうに。
15年だからね。大往生だよ。
燃え尽きるなんて、最後まで粋な野郎だったな、と。

それ以来、もう犬は飼うまい、と心に決めていました。

あいつよりも賢い犬は、
もうこの世には存在しないだろうと確信していましたし、
それがせめてもの友情の証、と心に決めて、
同時に俺は、これでなにひとつ思い残すこともなくなった、と、
旅に出る決心が着きました。

その後の人生の中で、あまりにも辛いことが重なった時、
ふと忘れた頃になって、この犬が夢枕に立つようになりました。

もしかして天国に誘っているのかな、なんて思っていたところ、
いきなり何年かぶりにお袋から電話があって、
どうしてるかな、と思ってさ、と。
実はさ、死んだ犬が夢に出てくるんだよ、と話したところ、
そうそう、私のところにもあれが夢に出てきて、
で、電話してやってくれって言うもんだから、
とやはりさも当然そうに。
天国に行ってもまだお前のことが心配なんだね、あの子は、と。

そう言えば子供の頃から、
あんたが外で何かがあると、決ってあの子が騒ぎ初めて、
で、それがあんまり的中するものだから、
まあ犬なんてそんなものなんだろう、と思っていたんだよ、と。

あんたが帰ってくる30分前になると必ずあの子がそわそわし始めるんで、
帰ってくる時間がちゃんと計算できたんだよ、という話。

学校で怪我をして運ばれた時にも、
9回の裏にホームランを打たれて負けた時にも、
不良に囲まれて絶体絶命だった時にも、
単車で事故を起して死にかけた時にも、
決ってあの子が騒ぎ始めるんで、ああなにかあったな、と察しがついた、
なんて話を聞きながら、
そんなことをさも当然なこととして受け止めていたお袋が、改めて不思議な気がして。

あんたの人生を一番見てきたのは実はあの子なんだから、と。
あんたを一番気にかけていたのは実はあの子なんだから、と。
まあ当然なことでしょう、と。

そう言えば、
入学式の日にも、熱を出して休んだ時にも、
逆上がりの特訓の時にも、喧嘩に負けて帰って来たときも、
マラソン大会の練習の時にも、入試の朝にも、失恋した夜にも、
いつもあいつが隣りにいて、
なあ、お前ならどうする?と話しかけてきた唯一絶対の友。

ああ、お前は実は、俺の兄貴のつもりだったのか、と今更ながら。
お前は俺の兄貴のつもりで、
弱虫だった俺のことをずっとずっと見守っていてくれていたんだな、と。

今更ながら、犬の愛のその深さに、思わず大絶句。
いきなり涙が止まらなくなり、
大の男が声を出して泣き崩れてしまいました。

今度あいつが夢に出てきたら、
心の底からありがとう、の一言を伝えたい、
と思っているのですが、
どういう訳だかあれ以来、あいつが夢に出ることはなくなりました。

泣く、なんて感情はとっくの昔に忘れたつもりになっていますが、
あいつのことを思い出した時だけは決まって涙が溢れます。
これを書いているそばからキーボードの上に涙が落ちています。

でも大丈夫、

次の人生では、きっと人間同士、或いは犬同士、
真の親友として出会える筈、と信じています。
その時こそが俺たちの本当の人生の始まりです。
きっと会えるから、心の底からそう信じています。

つまらない話を長々と書きました。
同じ痛みを背負った者同士、少しでも慰めにしていただければ、と思います。

追伸:
最近になってひょんなことからまた犬を飼い始めました。
まあ時効というよりも、あいつと一緒に育てられれば、と思っています。
あいつと同じく、汚い雑種ですが、妙に賢いところのある奴で、
こいつなら、あいつも喜んで見守ってくれる筈、と信じています。

ではでは

笑う犬・ブッチの大騒動

Posted by 高見鈴虫 on 10.2009 犬の事情


明けましておめでとうございます。

いきなりですが、
新年早々から我が家はとんでもない大騒動。
それというのもこの厄介者。

名前はブッチ(BUTCH)、生後3ヶ月。

西部劇のならず者・BUTCH CASSIDYからの命名、
などではなくて、
ただ単に斑柄のぶち犬だからなし崩し的に。

血統は不明。ジャックラッセルかビーグルか、と思っていたのだけれど、
ものの本によると、どうもオーストラリアン・キャトル・ドッグ、という犬種らしい。
まあ雑種なんで、とは言いながら、
そう、雑種なんでこの先、どんなことになるのか、
まったく検討がつかない。

で、このブッチ君。
見かけに寄らずとんでもないきかんぼ小僧で、
正月早々からもう家中がひっちゃかめっちゃか。

ちょっと目を離した隙に、
トイレシートをちりじりにして床一面が紙吹雪状態。
かと思えば、電話線をひっぱって電話が倒壊、
ついでにコンピュータのケーブルを手当たりしだいにガチガチやった上に、
勢い余って外付けHDDをぶん回し。
シャワーカーテンは落とす、タオルはボロボロ、マットに穴を掘り始めたかと思えば、
澄ました顔してソファからクッションからにおしっこを振りまいてぐしょぐしょ。
あのなあ、と。

と言いながら、
いざ外に連れ出した途端、
聞きしに勝るニューヨークの雑踏の騒音に驚いて腰を抜かし、
交差点の真ん中でしゃがみこんだまま梃子でも動かず。
思わずたかみいくん、
赤信号の通りの真ん中で両手を広げて、
おいそこ、止まれ止まれ!と大騒ぎをした挙句の大交通渋滞を巻き起こし・・

とは言うものの、この厄介者、
愛嬌だけは一丁前で、
道行く人々にいちいちじゃれ付いては、
身体中をくねらせてだっこをせがんで。

そんなニューヨークの人々。
身を切るような真冬の木枯らしの中を、
これ以上なく不機嫌な表情で闊歩していた人々が、
そんなブッチの姿を見かけるや、
思わず、そう、もう堪えきれずに、と言った具合に、
一瞬のうちに顔中がもうメロメロ。

パピパピパピ、と黄色い歓声を上げながら
思わず抱き上げて頬ずりしてはキッスの嵐。

ビッチなお姉さんからヒップホップのお兄さんから、
ドカタのおっさんから杖をついたご老人から、
携帯相手にどなりちらすエリートさんから、
ピザのデリバリのちゃりんかーから、タクシーの運ちゃんから、
もう、人種を問わず性別を問わず、
思わず足を止めて、ありゃりゃりゃりゃ、と。

で、決ったように質問の嵐。
名前は?年は?なんていう犬種?
あれあれ、まあまあ、なんて可愛いだ、こいつ、こいつ、こいつ、
と、もう、本当に、全身がとろけてしまいそうなぐらいに甘い声。

そんなこんなで我が家のブッチ君。
今ではすっかり近所の名物犬。

下手をすると出勤の途中の地下鉄のホームで、
買い物中のレジの列で、
煙草屋の店先で、赤信号の交差点で、

あれまあ、ブッチのおとうさん、と声がかかる始末。

で、部屋のドアを開けた途端、
倒壊した部屋の真ん中に鎮座ましました我が家の大魔神。
途端に飛び上がってすっ飛んできて、
ズボンの裾にかじりついて膝によじ登って、
顔中を嘗め回しては鼻に耳に唇に噛み付いて、と大騒ぎ。

で、思わず、痛いぞ、この野郎、と睨んだ途端、
そう、こんな顔してニマニマと笑っているんだよね、こいつがさ。尻尾振りながら(笑

まさに世界一可愛い小悪魔そのもの。
まったくもって、世話が焼ける、と言っているそばから、
はしゃぎ疲れたブッチ君、いきなり電池が切れるように、
ぱたり、と倒れ込むや寝息を立て始めて。

そんな寝顔を眺めながら、
もう頭中がアルファー波でひたひた状態。
で、思わず隣りに添い寝なんてしてしまって、
ふと気がつくと床の上で抱き合って寝ている、なんて感じの毎日。

ああ、これもう、完全に子犬に人生を乗っ取られているたかみい君。

という訳で、
笑う子犬・ぶっち君。
まだまだ何をやっても初めてづくめですが、
後は立派なボールボーイ、
テニスのボール拾い犬に育てる予定。

今後とも何卒宜しくお願いします。



            ~遠方の友に宛てたメールより

東野圭吾 さまよう刃

Posted by 高見鈴虫 on 12.2009 読書・映画ねた
なんか話は違うかもしれないのですが、
昔、友人の犬が子供を噛んでしまった、
って話を思い出しました。

そいつは良くなついた頭のいい犬で、
俺たちとも良く一緒に遊んでいたのですが・・
多分、その子供が意地悪でもしたのかもな、
とは話していたのですが、
その夜になって噛まれた子供の父親が酔っ払って怒鳴り込んで来て、
犬を保健所送りにしないと、俺が叩き殺す、と大騒ぎ。
こんな狂犬、世間の迷惑なんだよ!と言うわけです。
こんな汚い雑種、なにが惜しいんだ、とも言ったそうです。

で、噛まれた子供には申し訳ないと思いながらも、
こんな親父に可愛い犬を殺されるぐらいなら、
と家族みんなで泣く泣く保健所に連れて行った、という話でした。
後日その友達が、
なにがあってもあの親父をぶっ殺す、
と呟いていたのが印象に残りました。

後日その友人はしっかり不良になりましたが、
PTAのような人々から「世間の迷惑」と言われる度にぶち切れしていたのは、
つまりはそれが原因かな、と話しあったものです(笑
酔っ払うたびに、雑種で悪いか、雑種でえ、
と繰り返しているのは道化でさえありましたが。

おっと、
犬と人間を一緒にしちゃいけませんよね。
すみませんでした。

あ、と、
ちなみに私も犬に噛まれたことがあります
野球のボールが入ってしまって、
手を差し出したら指一本引きちぎられるぐらいの勢いで酷く噛まれましたが、
グローブの上からだったんで事無きを得ました。
その夜、飼い主が謝りに来ましたが、
犬に罪はないです、とはっきり言いましたよ。
が、散歩もさせないであんなところにつないだままにしているあなた達のせいですよ、
とは言わせて貰いました。
後日その犬は本ちゃんで人を噛み、見事保健所送り。
飼い主はせいせいした、と言っていたようです。

これを読んで、どいつもこいつも糞ったれだ、と思いませんか?
暴力が暴力を呼ぶ悪のスパイラルを止めるにはどうしたらよいと思いますか?
そんなこと、簡単に答えられる訳ないですよね。
なら、知ったような顔をして偉そうなことを言わないことです。

東野さんは大好きで、今も読んでいますが、
さまよう刃だけは大嫌いです。
触れて欲しく無かったです。

この作品を、安易な商業主義、
簡単な感情論でセンセーションを煽って、
儲かればいいんだから、
と勧善懲悪の魔女狩り的感覚で作品なんか作ってしまった日には、
ちょっと製作者に殺意にも似た軽蔑を覚えると思います。
また、その逆のケースでも印象は同じでしょう。

この作品をジャッジできうるのは、まさに神だけですよ。
そう思いませんか?

子犬の世界 ~雪のニューヨークのモーツアルト

Posted by 高見鈴虫 on 13.2009 犬の事情

我が家のブッチ君、
って、おいおいまた犬の話しかよ、
って、そう、
いやあ、正直言って、こいつが来てからというもの、
もう全然記憶がなくてさ。
正月もなにも、何をやっていたのか全然覚えていない訳で。
完全に子犬の暮らしの中に埋没している。

で、はい、またまたブッチ君。
順調に育っています。
シェルターから貰った書類によると
誕生日が10月2日となっているので、
と言う事は、3ヶ月と10日。
家に着いたのが12月29日なので、
ちょうど2週間になるのだけれど、
その間にももう毎日毎日、
まさに魔法のように大きくなっていて、
下手をすると、毎朝顔をあわせる度に、
おっと、なんかまたでかくなったなあ、と。

お散歩用のハーネスもどんどんきつくなってしまって、
穴を広げて緩くしたのはもう何度目か。
抱き上げるたびにずしんと来る重みに、
改めて成長の早さを実感する次第。

家に着いた時には全身から漂っていたあの子犬の匂いも、
今では耳の後ろにささやかに残るのみ。
お座りの姿勢も様になって来て、
散歩のたびにあれほどせがんでいた抱っこも、
今では嫌々をするようにまでなって来て。

公園に着いて綱を離した途端、
フェンスの端から端まで、
これでもかとばかりに走り回っては、
たたらを踏んで飛びついて、
見つけた木の枝を得意そうに振り回して、
と、まさにわんぱくざかり。

いつのまにかベンチの上から、
本棚から靴箱からテーブルにまで手が届くようになってきて、
ふとすると隠しておいたドッグフードから、
靴箱の上のサンダルから、お勝手のタオルから、
テーブルの上の支払い明細まで、
手につくものは手当たり次第に引きずり降ろしては
得意そうな顔をしてソファの上に持ち込んで、
そしていつのまにか抱いて寝ていたりします。

改めて、
子犬ってなんでこんなにハッピーなんでしょうか、
と、思わず溜息。

向かいの部屋に住むピアニストのグレッグ、
ああ、つまりはモーツアルトなんだよ、と一言。
そうか、モーツアルトかあ。
普段はなんか、甘ったるくてシンプルすぎて、
なんとも歯がゆいような印象しかなかったのだけれど、
そうか、モーツアルトって子犬の世界で生きていた人なんだね、
と、今になって気づかされた次第。

で、ふと気づくと、
そう言えば俺、ぶっちのお散歩の時にはいつも口笛を吹いている。
コルトレーンのマイ・フェイバリット・シングスとか、
アントニオ・カルロス・ジョピンとか、
デイブ・ブルベックとか、
あと、そう、
そう言えば、モーツアルトだね、まさに。

冬のニューヨークにモーツアルトか、
とふと見上げる雪のニューヨーク。

無人のバスケットボールコートに
一面に積もった雪の中を、
はしゃぎまわるブッチの姿を目で追いながら、
改めて、
俺はいままでこんな世界を知らなかったんだな、と白い溜息をひとつ。

モーツアルトって子犬の世界だったのか。

いままたひとつ、
美しいものを素直に美しいと言える勇気を得たような気がします。



            ~遠方の友に宛てたメールより

ケンネル咳?

Posted by 高見鈴虫 on 13.2009 犬の事情
実は今日は、会社の休みを取って、
獣医さんの所に診察に行ってきたんですよ。
結果、
ケンネル咳と判明・・・
おかげさまで軽度=治りかけ、
と診断されましたが。

子犬って元気なように見えて、
やっぱり弱いんですね。

なので、しばらくの間は、
オトモダチとのDOG RUNはお預け。
その分、家の中ではしゃがれるかと思うと、
今から食傷気味ではありますが(笑

人間もわんちゃんも、
とりあえずは元気でいてくれること、が第一ですね。

お風邪など召さぬ様にご自愛くださいませ。




            ~遠方の友に宛てたメールより


子犬の匂い

Posted by 高見鈴虫 on 14.2009 犬の事情
どもども、です。

子犬の匂いっていいですよねえ。
ぶっちがやって来た時には、
近所中の人々がブッチを抱き上げるたびにふがふが。
あああ、子犬の匂いねええ、とまるで奪い合うように。
あのねえ、うちのブッチは麻薬なんかじゃないんだから、なんて

で、
今になって私もそんな匂いにほだされてしまって、
寝ているブッチの身体中を夫婦揃ってふがふがやっています
子犬の匂いは薄くなってきましたが、まだまだいい匂いがしています。
昼間の仕事中にもふとその匂いを思い出して、無性に会いたくなってしまったり
   犬も人間も、やっぱり匂いって大切なんだな、と改めて思ったりしています。


            ~遠方の友に宛てたメールより


雪の子犬

Posted by 高見鈴虫 on 14.2009 犬の事情
ああ、雪国でいらっしゃるんですねえ。
先日、初めて雪を観たブッチが夢中になって転げまわっていまして、
思わず、♪ いーぬは喜び庭かけ回り~ ♪ と歌ってしまいました

おっと、前の日記ではモーツアルト、となってましたね

ニューヨーク、今週末からまた雪のようです。

   今年はちょっと間に合わなそうですが、
来年こそは、「雪のセントラルパーク」を思い切り駆け回って欲しいものです。
それまでにフリスビーも教えてあげなければ!
ああ、やること沢山ですね。
まあその前に、風邪を治して貰うことが先決ですが。。

そう言えば、
先日、雪の凍ったアイスバーン状の道路を、
わんちゃんに引きずられたまま、あれれれれ!と滑っている方がいらっしゃいました。

で、案の定、悲鳴を上げてすってんばったん。
思わず RUOK? と駆け寄りましたが、笑いを堪えるのに苦労しました



            ~遠方の友に宛てたメールより

19歳で死ねなかった悪ガキどもよ

Posted by 高見鈴虫 on 15.2009 今日の格言
手元においておく本なんて10冊でいいのよ。
後はもう、読んだら捨て。
できる限り手元には置かないようにするわけ。
でもさ、
そうやって読み捨てていくうちに、
あああ、しまった、これはもう絶対に手放し難い、
ってのが出て来ちゃうじゃない?
そしたらね、うーんって考える訳。
で、今の手持ちの10冊の中から、
どれを落とすかなって、
ほんと、考えちゃうわけよ。
で、わりと心の底から悩み抜いた挙句、
改めて総当り戦なんてしちゃって、
で、
ああ、これはもういらないかな、
とか、
或いは、そう、暗記したからいいかな、とかさ。
そうやって、十冊を選ぶのよ。脂汗流しながらさ。
本も人間も一期一会。真剣勝負よね。

なんかそれって、旅の間に持ち歩く本に似てる感じかな。
ほら、長い旅をしている時、
移動の前の日、バックパックに荷物を詰めながら、
くっそう、全然入りきらないや、と思いながらさ、
この先のきつい行程を思って、
なるべく荷物は減らしておこう、とは思いながらさ、
で、本。
どうしようかなって。
持っていくしては重すぎて、捨てるなんて罰が当たりそうだし、
でも、ないと死んでしまうという物でもなさそうだし。
で、長い旅の間、苦楽を共にしたこの文庫本、
成仏していただく前に、最後にもう一度だけ、
とばかりに思わず読み始めちゃって。
で、そのまま読み続けちゃって、
いつまでも読み続けちゃってって。
で、いつまでも出発できない、とかさ。

そう、人生なんてしょせん旅だからさ。
荷物を増やしちゃ駄目よね。
荷物を増やすと途端に腰が重くなって、
腰が重くなると途端に水の流れが悪くなって、
そして、腐り始めるのよ。
気持ちが腐ると身体が腐って身体が腐ると魂が腐る。
十冊選びなさい。
で、あとは全て捨てなさい。
本当の本当に必要なものが判らないひとは、
何一つとしてなにも手に入らない人生を送ることになるんだからさ。

これ、実は、
俺が、一番好きだった人と、最後に交した言葉。

俺のこのチビた人生の中で出会った人の中で、
一番美しく、一番聡明で、一番鮮烈で、
そして、徹底的に格好良い人生を送った人の言葉。

ちょうど10年前、
彼女はこんな啖呵半分の捨て台詞と一緒に、
遠い世界に旅立った。
誰にも告げることもなく。
看取られることもなく。

棺桶の中の十冊。
あの人は結局いったいどんな本を持ち込んだのだろう、
と今でも思ってる。
あんな話をしながら、
で、その十冊って一体何なの?
と聞かなかったのはどうしてなんだろう。

という訳で今、また何度目かの命日が近づいて、
ふと気づくと、俺のまわり、見渡す限り古本の山。

腰が重くなりまくり、水が腐りまくり(笑

でもさ、と改めて、
そう、ここにきて、あの人の歳を追い越してしまった俺としては、
最低最悪の負け惜しみを一つ。

生きるって実は無駄なことばかりなんだよ、と。

どうでもいいことばかりにかこまれながら、
どうでもいいことを、こんなどうでもいいことで、
と文句ばかり言いながら、
日々、どうでもいい奴らとどうでもよい時間ばかりを費やして。
それが実は、人間の暮らしって奴なんじゃないのかな、なんてさ。

つくづく俺って格好悪いね、と溜息。
全然あなたの分まで生きれてない、
どころか、
半分も、4分の1も、10分の一も、100分の1も生きれてない。

ただ、ごめん、俺、こんな状態でも、実はわりと幸せなんだよ。

あなたと暮らしていた日々、
あの頃のように、
毎日が緊張でびりびりしている訳でも、
おい、と怒鳴っただけで砕け散りそうな空気も、
まるで水滴が落ちそうなぐらいに瑞々しい風景に囲まれている訳でもなく、
さあ、殺すなら今やってくれってなぐらいの至福感に包まれている訳でも、
今にも倒れて死んでしまうぐらいに死に物狂いで走り続けている訳でもなく、

ただただ、
毎日毎日、どうでもいい奴らとどうでもいいことでどうでもいい時間を過しながら、
でもね、
なんか、そう、ただ、幸せなんだよ。
信じられる?
少なくとも俺が言う台詞じゃないだろ。
でもね、悪い、
俺、正直、そんな暮らしで幸せなのかもしれない。
こんな筈じゃなかった、なんてね。
こんな筈じゃなかった、まさか俺が、幸せになるなんて、とかさ。

俺ね、子犬を貰ってきたんだよ。
そう、
あんた、まるで子犬みたいだよね、
とあなたに言われたこの俺が、
いま、こうして子犬の寝顔を見つめながら、
でれでれと間抜けた面してさ、
かっわいいなあ、こいつ、なんてね。

で、結論。
幸せってつまりこの子犬だよ、なんてね。
でも、割と良い線行ってない?行ってないか。
でもいいじゃん。行って無くてもさ。

という訳で、馬鹿やろう、恥の上塗りだよ。

てめえら、良く聞け!

19歳で死ねなかった糞ガキどもよ。
24歳で死ねなかった少年たちよ。
29歳で死ねなかった青年たちよ。
35歳まで生きてしまって恥じ入っている永遠の若者たちよ。

ここまで来たら、
どこまでダラダラ無駄な人生を送れるかが勝負だぜ。
生き延びてやろうぜ。どこまでも格好悪く。

それが、思い切り格好良く散っていった奴らへの、
せめてもの宛て付けなんだからさ。

ガキども、気張ることはねえよ。
格好つけたって、つけなくったって、何ぼの差もねえってよ。
言いたい奴には言わせとけばいいさ。

悪い、本当に悪いんだけど、
てめえみてえなチンカスに今更なにを思われようが知ったことじゃねえんだよ、
と笑いながら啖呵の一つも切ってやればいいさ。

ガキども、
すかすことはねえよ。
すかしたってすかせなくたって、
立派でも立派じゃなくてもさ、

とりあえず、生きていなよ。
ゴミ食いながらでも、糞食いながらでもさ。

で、死ぬなよな。
頼むから、死なないでくれよな。
死なないってことだけは、約束な。
それ以上は、望まねえからさ。

Born to Loose! ~ ブッチ The ロッキンロール・マッド・パピー‏

Posted by 高見鈴虫 on 16.2009 犬の事情


うちのバカ犬、じゃなかった、ブッチ君、
ケンネル咳と診断されて気を揉みましたが、
おかげさまで順調に回復をしております。

が、病気が治ってきたのはいいのですが、
いやはや、ちょっとこれはこれは、
と思い切り頭を抱えている毎日。

皆さん、ごめんなさい、
我が家のブッチ君、
なんて、
そう、くん、なんて呼んで甘やかしたのがまずかった。
まさに、
この、馬鹿ブッチ、或いは、ブッチ野郎、
最近では、糞ブッチ、略して、糞ブー。

こいつは、カワイイ、なんて、
皆様から可愛がって頂けるような、
そんな生易しい輩ではありませぬ!

なんてったって、オーストラリアン・キャトル・ドッグ。
その腕白さ。まさに筋金入り!

ここ数日、病気療養で外に出られないからか、
もう欲求不満が大爆裂。

まさに、ブッチ切りの全開バリバリ状態で、
家中でこれでもか、というぐらいに破壊の限りを尽くしております。

手の届くものは手当たり次第に引きずり下ろし、
噛みつけるものはなにがなんでも噛み付いてかかり、
振り回せるものは例えそれがなんであっても
問答無用に振り回しまくります。

これ、まさに、エクソシスト!悪魔憑きの世界。



子犬の鼻が凍る冬

Posted by 高見鈴虫 on 16.2009 犬の事情
みなさま、どもども、です。

ニューヨークはここのところ記録的な寒波に襲われて、
まるでシベリア日和。

ドアを開けた途端、
顔中にべったり氷のラップをかけられた気分で息も絶え絶えでした。

睫が凍りそうな勢いだったので、
お散歩中のブッチ、
フガフガとやっていた途端、
凍った柱に鼻先がくっついてしまいそうで怖かったです。

雪の公園で跳ね回っているかと思ったら、
いきなり招き猫の態勢で片手を掲げて 
キャンキャン、と訴えるような顔つき 泣き顔
やっぱりこの寒さ、ブーツが必要なのかな、と。

ニューヨーク、
雪が降ると滑り止めに通りに塩を撒くのですが、
どうも、その塩でPAWが荒れてしまう、とのことで、
冬はなかなか大変ですね。





            ~遠方の友に宛てたメールより



人呼んで ピンボール・ブッチ

Posted by 高見鈴虫 on 16.2009 犬の事情
おかげさまでブッチ君、
近所のドッグランでは、
ウシのような大型犬たちの間を、
弾き飛ばされながらもすばしっこく走りまわっていることから、
ピンボール・ブッチ!の異名を頂いております

今週末に最後の予防接種が終わり、
その後、本格的にパピークラス、
及び、ドッグランへの参加。
つまりは、
NYの犬社交界へのデビュー!となる訳ですが、
果たしてどうなることやら・・ 

顚末記、また改めて御報告いたします





            ~遠方の友に宛てたメールより






悪意

Posted by 高見鈴虫 on 25.2009 今日の格言
子犬を見るたびに、
こいつは人を信じることしか知らないのだな、
と改めて思う。
つまりそれは、
「悪意」の存在を知らない、ということ。

そう言えば、
仕事を始めるまで、
俺は悪意というものについて知らな過ぎた。
大学を出たての青年にとって、
大人、とは、まさに、
「悪意」の塊り、そのものだったのだ。

バラック・オバマの就任式に子犬のしつけについて考えていました その1

Posted by 高見鈴虫 on 27.2009 アメリカ爺時事



先週のことにはなりますが、
バラック・オバマ氏の大統領就任式の日、
私が働くダウンタウン・ウォール街のエリアでも、
(よりによって)証券取引所前に設置された特設モニターの前に
沢山の人々が集まっていました。

折りからの大寒波、
シベリア日和の木枯らしの中に、
先日降った雪の名残りが舞い散る、
まさに冬のニューヨークの極寒の中、
全身を凍りつかせながらも満面の笑みを浮かべた人々。
食い入るように、あるいは、涙を浮かべて、
モニターを見つめていました。

平和への希望と人種を越えた団結、
新しい時代を担う者としての責任を、
失墜した米国の威信を取り戻す為に、

と、その言葉のひとつひとつに、
感動と共感に思わず涙を滲んできて、
鼻水をすすりながら力一杯の拍手をしながらも、
これからオバマ氏が、そして我々が越えて行かねばならない、
道のりの厳しさを思わず再認識。
と同時に、
それこそは前大統領・ジョージWブッシュ氏の人格、
及びその出鱈目な仕事に対する強烈な皮肉のようにも聞こえました。

という訳でこのジョージWブッシュ氏。

改めて、人間よりは、チンプ、
つまりは猿に並び称されることの方が多いような人でした。

ホワイトハウスに向かうその道からして、
このいかさま野郎と腐った卵をぶつけられ、
ホワイトハウスを出るその日まで、
これでも食らえと腐ったサンダルを投げつけられるなど、
罵倒の限りを尽くされた、
まさに最低最悪の糞大統領でした。

そう、あの猿ブッシュに比べれば、
誰が大統領になろうがあれよりも悪くはならないだろう、と。


バラック・オバマの就任式に子犬のしつけについて考えていました その2

Posted by 高見鈴虫 on 27.2009 アメリカ爺時事
という訳で、
いやあ、しかしながら、

実を言うと、本を読む、なんて人間的なことをしたのって、
実は本当に、凄く凄く久しぶりだった訳でして・・・

で、本も読まず、
ともすると、映画も見ず、テレビも見ず、
そしてコンピューターの電源さえも入れずに、
一体全体何をしていたのか、と言うと、
そう、
正直言って、ここ1ヶ月、
子犬の教育=しつけ問題で手一杯で、
人間社会なんてものがどうなろうと、
知ったことではない、という感じであったのでありました。

という訳で、またまた飽きもせずブッチの話題に戻ります。

うちのバカ犬・ブッチ君。

順調に成長を続けています、と言いたいところなのですが、
育つに連れてまたまた頭の痛い難題をこれでもか、と積み上げてくれる訳で。

どうも頭のできは割と良いらしく、
お食事時の「おすわり」と「おあずけ」に続き、
「お手」から「伏せ」から「ボール投げ」からと、
教えることはたちまちのうちに次々とマスター。

なんだよお前、頭いいじゃんか、と喜ぶのもつかの間、
そのなまじの頭の良さを暴走させては、
いやはやまったく、
これでもか、とばかりに色々しでかしてくれている訳で。

バラック・オバマの就任式に子犬のしつけについて考えていました その3

Posted by 高見鈴虫 on 27.2009 アメリカ爺時事
でそう、そんなブー君の取ってつけたような笑顔を見ながら、
まるでその下心を見透かしたように、先生から一言。

あなた、まさか、毎晩一緒に寝ていたり、なんてしていないでしょうね。

あの・・まあ、具合が悪そうな時は、たまに、ですけど・・(本当は毎晩)

で、ぐずったらすぐにあやして、で、おやつなんて上げたりとかしてないでしょうね。

あの・・ははあ、まあ、ね、たまには、ですけど・・(本当はいつも猫っ可愛がり)

駄目ですよ、と言う風に、犬を躾ける時の声で、NO!と一言。

原因は、この子じゃない。あなたです!と指を指されてしまいました・・


ジョージ・W・ブッシュ追悼その1

Posted by 高見鈴虫 on 28.2009 アメリカ爺時事
いきなりだが、
ジョージ・W・ブッシュの追悼について考えている。
ここまで憎まれ蔑まれた大統領を他にはしらない。
あまりにも憎みきった分、ちょっと名残惜しい気持ちまでする。

で、改めて、なぜか、と。

という訳で、カール・ローブという人の存在に行き着いた。
良い意味でも悪い意味でも、
この二人の関係はとても屈折し、そしてドラマチックだ。

これを友情と言うにはあまりにも悲しすぎる。
悲劇というには醜くすぎ、
喜劇にするにはあまりにもグロテスクだ。

これはハッピーエンドなのだろうか、と改めて考えてみる。
そして、
オリバー・ストーンはなぜそこを書かなかったのだろうか、
と彼の才能をつくづくと見限ってしまう。

ブライアン・エプスタインとジョン・レノン
ミック・ジャガーとキース・リチャーズ
カストロとゲバラ、

男の友情のすったもんだの話って本当にドラマチックだよな。

子犬の躾 ~ BITTER APPLE

Posted by 高見鈴虫 on 28.2009 犬の事情
BITTER APPLE、実は友人に薦められて使い初めました。

効果てきめんで面白がってしゅっしゅと色々なものにかけていたのですが、
どうも、それがかかっていない所を詮索することに熱意を燃やし初めたらしく、
完全ないたちごっこ状態。
知恵比べの域に入っています。

今となってはBITTER APPLEのスプレー瓶そのものを目の敵にして、
戸棚のBITTER APPLEに向かって吠えついたりしています。
へえ、お前そこまで判るのかよ、なんて変に関心していましたら、
相方からシュッと顔にかけられそうになりました

子犬の躾 ~ 叱り方って本当に難しい

Posted by 高見鈴虫 on 28.2009 犬の事情
はいはい、オバマ大統領のわんちゃん、
ゴールデン・ドゥードルと言う種、ですね。

これまで存じ上げなかったのですが、無茶苦茶可愛いですねえ
オバマさん、
犬を飼うならシェルターから雑種を貰い受ける、と言っていたのですが、
まさかシェルターにこんな可愛い子がいたのかな・・
さしものオバマ氏も、愛娘のリクエストには逆らえなかったのでしょうか。
こんな可愛い子だったら、
サーシャちゃんの犬の毛アレルギーも
たちどころに直ってしまうかもしれないですね。


という訳で、しつけ問題。
子犬の叱り方ですが、
皆さん、どうされていましたか?

悪さをした時に、叩いたり、とかされていましたか?

いやあ、私自身がしつけができていないので、
なにかあるとすぐに手が出てしまうところがあって・・

先日も散歩の途中にふと目を離した隙に、
道端に落ちていたピザの欠片を丸呑みして喉に詰まらせて大騒ぎ。

思わず、頭を叩いてしまったところ、
それが理由かどうか、たちどころに下痢をしてしまいました。

いやあ、叩いては駄目なんですねえ。

私は子供の頃、よく殴られていた記憶があるのですが、
それが理由でこうなってしまったのでしょうか、
なんて、思わず追体験

叱り方って本当に難しいですね・・・

そう言えば、以前、友人の飼っていたわんこが突然死んでしまったらしいのですが、
原因はどうも公園に撒かれていたネズミ殺し用の毒餌を食べてしまったらしくて。
うちのブッチも拾い食いの魔王なので、いつそんなことにならないかと戦々恐々です。

うーん、本気で身を入れてそれだけはやめさせなくてはまずいですね。

やはり、「怒る」と「叱る」はまったく別物。
愛を信じて、心を鬼にして、びしばしと躾ることことが子犬の幸せにつながる、と。

いやはや、大変ですねえ。





            ~遠方の友に宛てたメールより



  

プロフィール

Author:高見鈴虫
日本を出でること幾年月。
世界放浪の果てにいまは紐育在住。
人種の坩堝で鬩ぎ合う
紐育流民たちの日常を徒然なく綴る
戯言満載のキレギレ散文集

*お断り 
このブログ記事はフィクションであり実在の人物・団体とは一切関係ありません藁

©終末を疾うに過ぎて...
無断丸々転載・そのまま転写はご勘弁ちょんまげ

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