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表層快楽のこのご時世

Posted by 高見鈴虫 on 05.2009 日々之戯言(ヒビノタワゴト)
贅沢な時代だ。

どうせなら贅沢を謳歌したい、
とばかりに、

なるべく安易に近道ばかり通って、
美味しいところのつまみ食いだけ、
やりたい事しかやって来れなかった奴は、
結局後になってから

え!?なんでこんなことが
ということがまったくできなかったりで
先に進めなくなり、
当然知っておくべきこと、

つまり

この世にはよくわからない物があって、良くわからない人種がいて、
しかしだれもがそれなりに生きている、
つまりは自分自身がいなくても世界は回って行くのだ、
という不思議だが当たり前のことが
良くわかってなかったりする。

徹底的に好きなものばかり食べてきた奴は
結局、偏食の檻のなかに囚われたまま、
美味しいものをなにも食べれない。
それはすべて表層的な贅沢に過ぎない。
贅沢とはつまりは快楽なのだ。

村上龍ではないが、
何事においてもある程度の技術の習得がなければ、得られない快楽がある。
言い換えれば、技術の習得、つまりは辛い修行を経なければ快楽は味わえないということ。

それをすきっぷして快楽だけ得ようとしても
それはやはり表層だけで真価はりかいできず、
真価も理解できないまま、
人の言ったことのうけうりばかりで偉そうな顔ばかりしたがるアホが快楽を汚して行く。

そもそも真の快楽を知るものはそれを安易に人に語ったりはしないだろう。

安易に人に語れないような代物である事を知っているからだ。

というわけでこの贅沢な時代。

表層だけの贅沢で騙されているだけだということをお忘れなく。

祭りのあと

Posted by 高見鈴虫 on 11.2009 音楽ねた

ちーっす。
どもども、ご無沙汰っす。

いきなりですが、魂抜け廃人状態。
と言うのも、
実はついこの間まで、約二週間に渡ってほとんど寝ていない日々が続いてまして。

そう、今はその後遺症、というか、はい、タマシイ完全に抜け落ち状態。

と言うのも、
実は、ひょんなことから当地ではちょっと名の知れた大きな小屋での
ライブサポートを頼まれていた事情がありまして。

実はそのバンド、こちらのインディーズ界ではちょっと名の通った超絶バンド。

自称ハードコアパンクとは言いながら、その構成の複雑怪奇さたるや
まさに魔術的と言えるほどにキメからキメの連続。

その変幻自在のパンクロック組曲を鮮やかにこなす各メンバーは、
パンクとは名ばかりで実はバリバリの超実力派。

特にそのドラマー、ステージ衣装ばかりは粋がったチンピラ風ながら、
そのテクニックたるやフリージャズを基調にした超に超のつくウルトラ馬鹿テクの持ち主、
普段は当地のジャズ系やラテン系のプロミュージシャン達を相手に、
数々のセッションをこなす筋金入りのプロフェッショナル。

たかがロックされどロックなどと粋がって足を踏み入れた気合一発系ロッカー達が、
一撃にしてロックアウトされる、
まさにパンクどころかロックさえも超越したスーパーフリージャズパンクバンド、と。

で、最近CDもリリースして乗り乗りの彼らのところに、
いきなり当地のインディーズ界ではちょっと名の知れたイベンターから連絡が飛び込む。

企画していたイベントで出演が予定されていたバンドのキャンセルが出て困っている、と。
で、もしよかったらおたくのバンドに出演を依頼したいのだが、
なんて話が舞い込んで来たとのこと。

この降って沸いたような一大チャンスに、メンバー一同が躍り上がって驚喜していたところ、
なんと不幸にもその看板凄テクドラマーが、
こともあろうに他のバンドでのツアーの仕事が入っていてどうしてもスケジュールがつかない、
ということが発覚。

で、急遽、その一日一回限りの一大ステージの為に、
代打ドラマーを探さなくてはいけないってことになってしまった、
というのがまあ大まかなあらすじ。



祭りのあと、のその後。

Posted by 高見鈴虫 on 13.2009 音楽ねた
という訳で、はい、一仕事終わりました。

いやあ、この二週間の七転八倒が、
たったの一時間半であっという間に燃え尽きてしまって、
終わったとたんのタマシイ抜け。

まるで浦島状態、
とことん気力の抜け落ちたままに舞い戻ってきたこの日常生活。

まるで穴から出てきたように、ふとするとなにもかもが新鮮。

朝6時、いきなりベッドに飛び込んで来たブーに急かされて近所の公園でボール遊び。
仕事の後に飛んで帰って夜の散歩。
夕暮れの街を抜けて木立のドッグランから川沿いの遊歩道を抜けるいつもの散歩コース。

おい、ブー、お前、ちょっと見ない間にまたでかくなったな、と。

改めて振り返るブー君。なんだ?なんか言った?とばかりに首を傾げて、
赤い舌を出したまま軽く尻尾を振って見せて。

ただね、ちょっと気がついたこと。

実はドッグランで他の犬をどことなく避けるような仕草を見せていて。
で、ブーの一回りも小さな子犬を相手にいきなり飛びかかって悲鳴を上げさせたり。
かと言って、自分よりでかい相手の前では露骨に尻尾を巻いてベンチの下に逃げ込んで。
いつの間にか無駄吠えが増えて、しかし、それがなんとなく浮ついていて情けない。

一時期は収まっていた道端の拾い食いがいつのまにか復活していて、
ついにで、行きたい方向に綱を引っ張ってがんとして譲らずの我侭も再発状態。
時として地べたにしがみついてはいじけた暗い瞳でいやいやを繰り返す。

なんかこれ、こうして並べてみると、まるでゆとり世代のひっきー君のよう、というか、それそのものと言うか。
なんかお前、ちょっと見ない間に随分とへたれになりやがったな、と。

そうこうするうちにドッグラン、いい気になってちびた子犬を追いかけまわしていたら、
いきなり猛犬ピットブルの兄弟に襲い掛かられて挟み撃ち。
悲鳴を上げる暇も無く、それこそ脱兎のごとく逃げ出して、
死に物狂いの形相でフェンスを飛び越えては、
一目散にベンチに座った俺の膝の上に助けて助けて!と飛び込んで来て。
その瞬間、勢いあまったピットブルが2匹、もんどり打って飛び込んで来て俺の胸に足に大激突。
とっさに胸の中にかばったブッチ、思わず悲鳴を上げては首に足をかけて頭の上にまでよじ登って来て。
その断末魔に思わず大爆笑。

慌てて追いかけてきたピットブルのオーナーと二人、
猛り狂う2匹をようやく取り押さえて羽交い絞め。
あやしてすかして落ち着かせて、ついでにひっくりかえしてお腹を撫で撫で、顔中ベロベロ。
ここまで来るとブーも恐る恐るエールの交換を始めて、
そしていつの間にか2匹のピットブルと大の仲良し。
ひとつのテニスボールを追って公園中を駆け回りながら、
いつのまにかへたれモードもひっきーモードも消えうせていて一安心。

たまに振り返る瞳にあのいつものキラキラとした輝きが充ち初めて元気いっぱい。
久々にウルトラCのベンチ飛び越えを披露したものの、
勢いあまってゴミ箱に頭から激突、そこをすかさずピットブルに襲い掛かられて押さえ込まれ、
目を白黒させて降参の鼻声。
そして再び走り始めて跳ねはじめ飛びはじめてまさに弾けるがごとく。
これこそがブッチ。まさにブッチ切りのブッチ。糞がきブッチの本来の姿。

いやさあ、やっぱさ、ゆとりだ、ひっきーだって、いろんなこと言われているけどさ、
それってなにも子供たちや人間に限ったことじゃなくて、
父親の存在に触れることも無く、母親の身勝手な溺愛に沈殿して育つと、
馬鹿で我侭で社会性に欠ける根性なしのへたれた餓鬼になるのは自明の事実。

そんなこんなで、舞い戻ってきた日常生活。

日曜の午後、木立の公園のドッグランのベンチ。
この二週間読めなかったペイパーバックの文字がまるで乾いた脳みそに染み込むように広がり初めて、
或いは、この間に聴けなかった音楽、
ジャズやらサルサやらボサノバやら、そう、そんなやさしい音楽がいつのまにか脳内に満ち満ちて溢れだして。

ああ、終わったんだな、と改めて。
そう、終わったんだな、と。

という訳で、安心したのもつかの間、このタマシイ抜け状態、
実はもう早々に飽き飽きして来ていて。
まるで戦争帰りのPSDのように、次のライブが待ち遠しくてならない、と。

そうこうするうちに先のバンドからメールが届いて、
ライブの後から方々からの問い合わせがひっきりなしで嬉しい悲鳴。
早々に次のライブの予定が目白押し。
こんな状態なので、ドラマーもこのバンドに本腰を入れることに決めたらしく、
他でやっている仕事はすべてキャンセルしてくれました、とのこと。
つまりは、めでたしめでたし。
ちょっとした達成感に思わず腹の底を擽られるようで。
ただ、
おまけについてきたライブの実況録音。
これだけは聴けない、聴かないでおこう、と。
そう、ライブは水物。その時が良ければそれでいいじゃないか、と。

という訳で、ああ、神様、また会いたいな、と。
くそったれ、早く次のライブ決まらねえかな、と。

この空白、この退屈、これを埋めるにはちょっと相当にでかいヤマじゃないと収まりがつかないぜ、と、
平和な日曜日の平和な午後、ドッグランのベンチで人知れず舌打ちをひとつ。


            ~遠方の友に宛てたメールより


「MARLEY & ME」 マーリー 世界一おバカな犬が教えてくれたことこの映画を観て泣かない奴は人間じゃない!

Posted by 高見鈴虫 on 15.2009 犬の事情


生まれてこのかた泣いたことがない、とは言わないけれど、
そう、自慢じゃないがぜんぜん泣かない。
これまでの人生、まじ泣きたくなるようなことばかりで、
よって泣いている暇なんかなかった、というのが本当のところかも。

或いは、そう、ずっと昔、
親友というよりは大恩人、
俺をバンドマンの世界に引きずり込み、
鍛え上げ、そして、置き去りにして死んでいった友、
彼が死んだとき以来、もう決して泣くことはないだろう、と誓った涙。
だってさ、これ以上悲しい思いなんて、俺の人生ではもうあり得るはずもないから、と。

だから俺は、ほとんどたいていのこと、というか、もうまったく泣かない。
どんな映画を見てもドラマを見ても本を読んでも、
たとえ隣りで相方が大泣きしていたとしても、俺は、まあ、そ知らぬ顔、というか、
なんか泣きたくても涙が出てこない。
悲しいという感情が涙に結びつかない、ような気さえしていて、
もういい加減、涙腺自体が詰まって消えてしまったのか、と思っていたのだけれど。

ふとしたことで友人に教えてもらった映画。

「MARLEY & ME」

  

プロフィール

Author:高見鈴虫
日本を出でること幾年月。
世界放浪の果てにいまは紐育在住。
人種の坩堝で鬩ぎ合う
紐育流民たちの日常を徒然なく綴る
戯言満載のキレギレ散文集

*お断り 
このブログ記事はフィクションであり実在の人物・団体とは一切関係ありません藁

©終末を疾うに過ぎて...
無断丸々転載・そのまま転写はご勘弁ちょんまげ

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