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裸足のジャージー

Posted by 高見鈴虫 on 06.2011 ニューヨーク徒然
「裸足のジャージー」

ここのところ、朝5時に起きて、
遠方の客先に通っている。

まだ夜の開け切らぬ街をとぼとぼと歩き、
マンハッタンのアッパーウエスト72丁目から、
地下鉄と長距離バスを乗りついで、
ニュージャージー州のフットボールスタジアムの、その向こうの、
地方空港のその先の倉庫街へと向かう。

ハドソン川をまたぐリンカーントンネルを抜けると、
そこはマンハッタンとはまったく違う世界。
作業の途中で打ち捨てられた工事現場のような、
投げやりでやり場のない荒地が永遠と続く。

摩天楼のジャングル、
高層ビルがこれでもかとひしめきあうマンハッタンのミッドタウンから、
たった五分も立たないうちに地平線が広がるというこの不思議からして、
このアメリカと言う国のダイナミズム、
というよりも滅茶苦茶さに改めて苦笑をせざるを得ない。

言うまでもなく、
車社会たるここアメリカにおいて車は移動手段というよりはむしろ靴に近い。

外の社会と接触を持つためにまず一番に必要なもの。
車がなければ、タバコどころか食べ物も飲み物もトイレットペーパーさえも、
生活に必要なものは何一つとして手にいれることができない。

そんなアメリカの中で、
この長距離バスの乗客たち、
生活必需品たる車、つまりは靴さえも持つことのできない、まさに最貧困層の人々。
まさに裸足。裸足の移民労務者たち。

バスの窓から遥かにのぞむマンハッタンの摩天楼に別れを告げながら、
そう言えばな、と思い浮かぶ光景がある。

昔、クラブ通いで午前様を繰り返していた頃、
ハウスミュージックの爆音に包まれた
狂騒と快楽の大冒険の一夜を終え、
ふらつく足で、枯れた笑い声を震わせながら、
じゃあ、また明日、ディバィーン、と手を振って、
そして黒い壁の中に塗り込められた分厚い扉を開けた途端、
ぽっかりと開いた穴に転がり出たようなあの朝の風景。

白々とした空、そよぐ風と、目覚めたばかりのコンクリート色の街。
まるであっけらかんとした朝のそのあまりの間の抜けた風景に、
毎度ながら唖然としたものだ。

身体中が震えるような強烈なビートに煽られ続け、
マジックライトの中で剥きだしの肌に汗を光らせて踊りまくっていた仲間達のあの美しさに比べ、
この早朝の人々。
まるで人間というよりはむしろ虫。
それが証拠にミノ虫の蓑のようなドブ色の仕事着に身を包み、
これでもかと背中を丸め、眠そうな渋面を思い切りしかめながら足早に歩き続ける人々の姿。
これ以上なく陰鬱で、限りなく貧乏臭く、
まさに世の快楽の全てを諦めきったような、そんな人々の姿に、
俺は貧困という名の不幸の縮図を眼前にしているような気がしたものだ。

見るに忍びなく、というよりは、まさに不吉な物から目をそむけるように、
足早に川沿いの公園のベンチへと向かい、
吸い残したハッパの燃えさしの最後の一服を胸いっぱいに吸い込んで、
そして改めて鮮やかな紅色に燃え上がるマンハッタンの壮絶な朝焼けを見上げる。
美しい、あまりにも美しいその風景。
この風景を、ありのままに美しいと感じる続けるために、
俺は早朝出勤だけはぜったいにしないぞ、
世の中の不幸とは絶対に関わらないぞ、
快楽と冒険の中に一生を終えてやるぞ、
と、心に誓ったものだったのだが。

そしていま、改めて見回す早朝のバスの人々。
打ちひしがれ、疲れきり、疲労と倦怠と投げやりと焦燥と絶望とを
顔中の皺という皺に色濃く刻み込んだ人々。

世の中の全てに大抵にして理由があるように、
この不幸、つまりは貧困にもやはり理由がある。

つまり、貧乏な人は貧乏にされるべく貧乏をさせられているわけで、
しかしそんな貧乏は、一度陥ると中々抜け出ることができない厄介な沼のようなものだ。

世の中の格差、つまり、それこそ一生かかっても使い切れないぐらいの富に溺れる人々の代わりに、
生まれてこのかた貧乏くじばかりを引かされ続けている境遇というものに、
気づかなければそれはそれでも諦めもつくのだろうが、

ここニューヨークの残酷さは、
その格差があまりにもあからさまに、まさに眼前に目の当たり、見えてしまう、ということ。
朝日に輝くマンハッタンの光景を背中に、
殺伐茫漠たる荒地の中へと向かう人々の姿は、
まさにそんな貧乏くじ人生の果てのまた果て、
まさに、敗北者の姿そのものにさせ見えてくる。

そんな訳で、早くも裸足の労務者の達のなかに埋没し、
いまにも溶け込みつつある俺のこの姿。
物珍しげにあたりを見回していたのは最初の一日目だけ。
二日目からはすでになにも見ないなにも聞かない、とばかりに、
思い切り目を閉じ耳をふさいで過ごすことが朝の習慣となりつつある。

って、訳で、みんなの家族・知人はどう?

Posted by 高見鈴虫 on 13.2011 日々之戯言(ヒビノタワゴト)

って、訳で、みんなの家族・知人はどう?

実は俺の親が横浜に住んでいて、
ずっと連絡が取れなかった時にはさすがに煮詰まったんだけど、
ようやくSKYPE!!経由で連絡が取れてひとまずホッとした。

*その節には、いろんなひとたちにパニックメールを出してしまいました。
お騒がせしました。ありがとうございます。

が、喜ぶのはまだ早い。

お邪魔していた客先のお客さんの中に、
東北出身でまだ連絡が取れない人がいて、
SKYPE!SKYPE!とやっていたらようやく連絡がついたみたい。

で、本当に、本当に、心の底から一安心。
それで思わず脱力してしまって、ごめんなさい、半日ぜんぜん仕事にならなかった・・


外に出るな!誰も信じるな。これは戦争です。どんな方法を使っても生き延びてくれ

Posted by 高見鈴虫 on 15.2011 日々之戯言(ヒビノタワゴト)
外に出ないで!

東電=>政府の発表は、うそばかりだぞ!

この後の訴訟問題を睨んで、発表するデータをすべて改ざんしていると思われ。
海外のニュースソースから指示をうけた外人連中はすでに東京脱出>日本脱出に動きだしてる。

この騒ぎがいつまで続くのかはわからないが、
少なくともこの1-2週間はなるべく外にでないほうがいいよ。
どうしてもの時はゴミ袋を頭からかぶり、服はすべて捨てる!

この先、もっとひどくなるようなら、
原発の爆発が落ち着くのを待ってから、
早めに西に向かったほうがいいと思う。

これは戦争です。
なので、
どんな方法を使っても生き延びてください。

がんばれにっぽん! 

Posted by 高見鈴虫 on 18.2011 日々之戯言(ヒビノタワゴト)


日本の皆さん、ニューヨークにおりますが、とても心配しております。

恐縮ながら911の経験者として申し上げれば、

非常時にもっとも大切なものは、「プライド」です。

ひとりの人間として、そして日本人として、
「プライド」を持ってこの窮地と、力の限り立ち向かいましょう。

このときこそ、人間の「プライド」が試される時です。

デマに惑わされず、
恥ずかしげもなくパニックに陥ってエゴに走る人々に惑わされることなく、
人間として、日本人として、己の「プライド」を示しましょう。

救助の方々、自衛隊の方々、行政の方々、がんばってください。

皆さんもそれぞれにご不満・ご不安はあるかと思いますが、
今は互いの非をなじりあっている場合ではありません。

お互いの「プライド」を称え合い、
窮地に立ち向かういち日本人として、
すべての人々と互いのプライドを讃え会いましょう。

だから、今こそ作業に関わっていらっしゃる方に、
その一人一人に、心からの感謝の言葉を伝えて下さい。

日本人として誇りを持って、この窮地と戦ったことを歴史に残しましょう。

俺たちは日本人です。絶対に負けない。

がんばれニッポン!



  

プロフィール

Author:高見鈴虫
日本を出でること幾年月。
世界放浪の果てにいまは紐育在住。
人種の坩堝で鬩ぎ合う
紐育流民たちの日常を徒然なく綴る
戯言満載のキレギレ散文集

*お断り 
このブログ記事はフィクションであり実在の人物・団体とは一切関係ありません藁

©終末を疾うに過ぎて...
無断丸々転載・そのまま転写はご勘弁ちょんまげ

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