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ぶっちゃけ犬の嫌いな人にとっては

Posted by 高見鈴虫 on 02.2012 犬の事情
ぶっちゃけ犬の嫌いな人にとっては
犬の事情など知ったことではないのだろうが
俺のようにそれこそ犬中心の生活を送っている輩にとっては、
犬の事情が全てにおいて優先するのは当然のこと。

犬の事情で仕事を休む事など朝飯前。
そんな俺にとって犬の命は
その辺りにうじゃうじゃいる人間などよりも
ずっとずっと重いのもごく当然のこと。
通りで人が犬に道を譲るのも当然。
何かの間違いで犬を傷つけようものなら
半殺しではすまない落とし前が待っている訳だ。
まあ
すべての犬の飼い主が俺ほどにハードコアとも言い切れないが、
犬を飼っている者が自身の犬を愛する気持ちは似たり寄ったりだろう。
と言うわけで
たかが犬されど犬。
所詮は犬の事情じゃないか
などとたかをくくらない方が良い。

実はドッグウォーカーはまさしく重労働である

Posted by 高見鈴虫 on 04.2012 犬の事情
気違いプードルのレミーマギーの飼い主であるアリーンさんがぎっくり腰になり、
レミーマギーの散歩をジェニーが引き受けることになったのだが、
さすがに超猛犬のサリーと気違いプードル達を両手に引っ張って、
というのは土台無理な話。
ということで、夜な夜な呼び出されては、
俺がサリーとレミーを、マギーとブッチをジェニーを、
という布陣で対応にあたって居たわけだが、
これがまったく、超いやはや状態である。

ちなみにこの二頭、
サリーは、マスティフのMIX、
レミーは、スタンダード・プードルの超大型版。
2頭そろって、見事なほどの大型犬ぶりである。

それに加えてご存知なように、
まったくもってなんの訓練もされていない野生児そのものの超猛犬ぶり。

場所を構わず飛び回り踊りまわるレミーに加え、
超猛犬のサリーのその手綱を引っ張る力の強いこと強いこと。
運動会の綱引きではないが、
フットボール選手2-3人なら合わせてぶら下げそうな強靭な綱を、
ギリギリと軋ませながら、下手をすると手のひらが擦り切れて血が流れる、
どころか、思わず摩擦で煙が出そうな程である。

その猛犬と気違い2頭が、
通りかかる犬という犬の全てに吠えかかり襲いかかり、
とやるものだから、これはもう洒落にならないどころか、
ドッグウォーカーの命にも関わる大騒動な訳である。
犬というよりはライオンに近い体型のサリーと、
子鹿どころかじゃじゃ馬そのもののレミー、
この2頭が息を合わせて大騒ぎを始めるたびに、
犬の吠え声と俺の怒声と呻き声唸り声と、
ヘタをすると本気で警察を呼ばれそうな勢いで、
それはすでにドッグウォーカーというよりも、まさしく猛獣使いそのもの。

いやあ、ドッグウォーカー、まさしく重労働である。

という訳で、毎晩12時近く、
無事散歩を終え、レミーとサリーを家に送り届けてからの帰り道、
寝静まった住宅街の交差点の前で、
思わず額の汗を拭い、大きなため息。

ふと見ると、足元のブッチ。
あれあれ、おまえ、いつの間にかこんなにちっちゃくなっちゃって。
青いリーシュがまるで紐のように見えるじゃないか。

と思うとき、ブッチは決まって、ふい、と横を向くのでありました。

ここアッパーウエストサイド、 どういう訳だかやたらとでかい犬が多い

Posted by 高見鈴虫 on 04.2012 犬の事情
今年四歳になるオーストラリアン・キャトルドッグのブッチは、
体重から言うと40LB。日本で言えば20キロぐらいの、
まあ典型的な中型犬に当たる訳だが、
ここアッパーウエストサイド、
どういう訳だかやたらとでかい犬が多い。

ゴールデンリトリバーやらピットブルテリアどころか、
マスティフからアナトリアン・シェパードやらセントバーナードやら、
犬というよりは、牛やライオンに近いような超大型犬が、
普通の顔してのっしのっしと歩いているだけあって、
中型犬であるはずのブッチはここではすっかり子犬扱い。

事実、遊び仲間の犬たちも、そのすべてがブッチの二倍三倍あろうかという超大型犬ばかりで、
ボール遊びの最中に思わず跳ね飛ばされてボールのように転がされる、なんてのは日常茶飯事。

それに加えて近頃サリーとレミーを連れ歩くようになってからというもの、
つくづくブッチが小さく見えるようになって、
いやあ、お前はまったく平和でいいな、と思わず頭を撫で撫で。

そんな俺の変化に気づいたのか、

くそ、馬鹿にするな、とばかりに、最近のブッチはちょっと無法者気味。

まあ確かにね、
普段からマフティスやらロットワイラーなんてのと遊んでいれば、
ハスキーやらリトリバーなんてのはお茶の子さいさいとばかりに、
飛びかかって組み伏せて、と完全におもちゃ扱いをしている、という訳で。

傍で見ていて気がきじゃない。
う~ん、夜の無法者パーティ、やっぱり悪影響が強すぎたかな。

牙も角も持たない人類が、自然界で生き延びれた理由

Posted by 高見鈴虫 on 05.2012 犬の事情
自然界において人類は極めて脆弱だ。
角も牙も翼も持たない人類は
武器を持たなければどんな獲物も捕えることは出来ず、
ひとたび他の肉食獣から襲撃を受ければ、
まず助かる見込みはない。
そんな人類が淘汰を生き延びることが出来たのは、何故か。
頼りになる友人がいてくれたからに他ならない。
陽の落ちた後、漆黒の闇の中で身を寄せる人類。
夜目も効かず聴力にも嗅覚にも劣る人類が、
夜行性の猛獣たちからいかにして身を守ってきたのか。
そのそばに犬がいてくれたからであるとおもう。
その聴力と嗅覚により、
いち早く危険を察知した犬が、
♪ オンオンオンオンオン!
と大騒ぎしてくれたからこそ、
人類ははじめて闇の中で眠る事ができ、
そうやって確保した深い睡眠によって、
人類は最大の武器であるその頭脳を、
十二分に発揮できるようになったのだ。

人類と犬のパートナーシップは
原始の時代から既に始まっていた。
犬は人類の生存にとって、
欠かすことのできない重要なパートナーだった、
訳である。

と言う訳で、

夜更けに帰宅した隣人の立てる物音に、
オンオンオン! 曲者くせ者、出合え出合え!!
と大騒ぎする愛犬を、
無闇に叱り付けてはいけない、という訳だ。



誰にでもできる仕事

Posted by 高見鈴虫 on 11.2012 今日の格言
誰にでもできる仕事

それは自己の消滅感

これは俺にでもできるが
誰にでもできる
俺である必要もなく
俺が介在する余地も無い

まあ確かに
自分で勝手にアレンジしてしまう奴もうざいけどね

才能や個性の介在する余地が
余りにも無さすぎる
というのもどうかと思う

犬の事情

Posted by 高見鈴虫 on 12.2012 犬の事情
つまるところそれは結局すべてが犬の事情であって、

W72ST RIVERSIDE PARK DOGRUN 23時

Posted by 高見鈴虫 on 13.2012 犬の事情
先日のサリーとの大喧嘩の末、耳の脇を15CMも切り裂かれる重症を負って以来、
知障ブルドッグのジョージは真夜中のDOGRUNにはとんとご無沙汰状態。

それによって、いつも殺気立った緊張がみなぎっていた真夜中の公園にも、
いつしかまったりと落ち着いた時間が流れるようになっていた。

これまで、ジョージのいる時にはどんなときにもサリーの傍を離れることのなかったジェニーが、
いつのまにかベンチにまったりとすわりこんでおしゃべりにこうじている。

その目の前では超猛犬サリーときちがいプードル・レミーとが、
砂埃をあげて大プロレス大会を繰り広げているのだが、
ジョージの居ない限りはなにがあっても大丈夫。
犬たちを見守る人々にもなんとも大らかな余裕が見える。

その間をやはりボールを追って走り回るロケットドッグ・ブッチ。
ジョージという手ごわい障害物がいなくなってからは、
公園いっぱいに伸び伸びと走り回り、
あるいは、あまりの緊張感の無さに、
投げられたボールをみやるばかりで追う気配も見せず。
で、よっこらしょ、と腰をあげて、尻尾を振りながら歩き歩き取りに行く、
という余裕も見せるようになった。

とまあ、そういう次第で、
結果的には、ジョージがいなければあれほどに緊張する必要もなかったという事実が、
誰の目にも明らかになってしまった訳で、
まあねえ、ジョージもかわいいんだけどね、確かにね、と長い溜息をひとつ。

確かに知障ブルドッグのジョージ、いつどこでなにをはじめるかまったく検討が付かず、
掃除用具置き場をひっくりかえしてシャベルを加えて走り回ったり、
犬のウンチでいっぱいになったゴミ箱を転がしてドッグラン中をうんこだらけにしたり、
立ち話をする人の後ろから突進して転がすなんてことは朝飯まえ。
ドッグラン中の犬に相手構わず襲い掛かっては口にくわえたおもちゃを奪取して独り占め。
普段は優等生のブッチさえもがあまりに頭に来たのか、
いきなり張り倒してそれこそ耳を引きちぎってしまうかと思うほど怒り狂ったことがあるぐらい。
そんな訳で、超猛犬サリーとの喧嘩も一度や二度では済まず、
そのたびに飼い主のジェニーがおずおずと見舞金を包むことになっていたのだが、
その延長にある先日の大惨事、

元はと言えば、レミーの宝物だったフワフワの白いサッカーボールにちょっかいを出したジョージ、
猛然と抗議をするレミーに向かって、うるせえ、このやろう、とばかりに吼えかかって、
と、その途端、大親友のピンチとばかりに飛んできたサリー、
今度と言う今度はもう許さない、とばかりに、
静止をする間も無く、あっという間にジョージに襲い掛かったが最後、
暴れるジョージを組み伏せたまま、
まるで、首から先を引きちぎってしまうような酷い噛み方をしてしまった訳だ。

あの夜は、血みどろのままノックダウンされて動けないジョージの手当てをする間、
いまだにいきりたつサリーを押さえつけるのだけでも精一杯。
腰の抜けてしまったジョージを大人ふたりがかりで抱えあげ、
公園に一番近いアリーンの家に運び込んでから、
夜中まで止血から包帯からとやっいたそうだ。

その後、飼い主のティナの大騒ぎに引っ張り出された旦那のランディ。
事情もよく知らないうちから一方的にサリーの非ばかりを責めて立て、
今後はサリーは口枷:マズルをしない限り外出できないように警察に報告を出す、
なんてことまで言い出したらしい。
その後、まあ、治療費の肩代わりやらなにやらと、
そこはユダヤ人同士らしく、金で話がついたようなのだが、
人間同士では長く親友であったティナとジェニーが、
飼い犬同士の喧嘩が元で仲たがい、というのも可愛そうな話だ。

という訳で、夏の夜風がそよぐ真夜中のドッグラン。

ジョージという邪魔者が消えてハッピーハッピーな犬たちの大はしゃぎを前に、
やれやれ、とベンチに腰を下ろした飼い主たち。

どうもジョージは、退院してすぐにドッグランでまた大喧嘩をやらかして、
その時には相手の犬を噛んでしまって大騒ぎになったらしい、やらなにやら。

だから俺に任せておけば良かったものの、とは後の祭り。

あれ以来、ティナのアルツハイマーが急速に悪化して、
いまでは電話に出ても何をいっているのかさっぱり判らないらしい。

知障ブルドッグ・ジョージの飼い主であるティナは、
元々は大手広告会社の女CEOだったひと。
業界紙の表紙を飾ったこともたびたびの有名な美人CEOだったらしい。
あのランディにしたってWALLSTREET JOURNALの辣腕記者で、
彼の各記事が株価どころか大統領選挙まで左右する、と言われた人であったらしい。

それが・・・たかだか犬一匹のために完全に調子が狂ってしまったとのこと。

ジョージがあの調子で家中で暴れまわるために、夫婦喧嘩が絶えず、
一人息子はたまらず大学の寮に逃げ込んでしまう始末。

息子が出て行ってしまった途端、いきなりティナにアルツハイマーの兆候が現れ、
仕事を引退したとたんにまるで堰を切ったように症状が悪化してしまったとのこと。

ジョージのため、とは言いたくはないけれどね、
あれが来てからというものあの家庭は見る見ると壊れていってしまったようで・・

という訳で、知障ブルドッグとアルツハイマーの元女CEOが、
今日もアッパーウエストサイドの街中を行くあてもなく彷徨い歩いている。

ドッグウォーカーの苦悩

Posted by 高見鈴虫 on 13.2012 犬の事情
超野生児・きちがいプードルのレミーとマギーの飼い主であるアリーンがぎっくり腰になった。
理由と言えば、公園の階段でいきなり暴れ始めた犬どもに足を取られてて転倒、その拍子に、
と言うわけで犬の散歩もなかなか楽ではない。

成り行きからレミーとマギーのトレーニングに手をつけてしまっていた俺は、
これも成り行き上、とりあえずの間はレミーとマギーの二匹も一緒に連れ歩くことになった訳だが、
これがこれが、なかなか大変である。

ここ数ヶ月のトレーニング、といっても、
ドッグランで一緒に遊んでいる際、なにか悪さを始めたら、あるは、しそうになったら、
呼びつけておやつをあげ、しばらくお茶を濁す、
と、まあ、それだけなわけなのだが、
飼い主にとっては、呼んだら来るようになっただけでも、思わず、奇跡だ!
と叫んでしまほどの大躍進。
まあこの際、それ以外のことは、目を瞑ろう、という気にもなっていたのだが。

と言うわけで、このレミーとマギー、おやつ攻撃の成果で最近少々おとなしくなって来たか、
とたかを括っていたのが、いざ実際に連れ歩いてみると、これがもう大変なわけである。

レミーはと言えば、赤信号でも通行人の間でもかまわずぐいぐいとひっぱりまくり、
すれ違う犬のすべてに過剰反応を起こして吠え立てる、飛び掛る、踊り回る。
対照的に、マギーはと言えば、いつももじもじと足踏みしては尻込みばかりしてしまって、
まったくすんなりと動いてくれない。
下手をすると、走り出したレミーと足を踏ん張ったマギーとの間で、
まさに八つ裂き状態に相成る訳で、
挙句の果てに普段は優等生のブッチまでが悪乗りして一緒に騒ぎ始める始末。
これが一頭づつであれば、なだめたりあやしたりしかりつけたり、も楽なのだが、
両手で引いてしまうともう目も当てられない。
まさか子供にでも飛びつかれたら大変とばかりに、これはもうほとんど筋肉トレーニングに近いものがある。

いやはや。

この世でもっとも気楽な商売、と見受けられていたドッグウォーカーが、
実ははたから見るよりも苦労が多いことが身にしみて分かったという次第。

知能障害ブルドッグ・ジョージを見ながら、教育の本質について考える

Posted by 高見鈴虫 on 16.2012 犬の事情
このところご無沙汰の知障ブルドッグのジョージ。
確かに奴がいなくなってからというもの、
ドッグランは平和平和。
思わず犬ども、ベンチで居眠りをしてしまうほどに
のどかな時間が過ごせるようになったのだが、
しかし、
やはり一度は一緒に遊んだ友達。
知障とは言え、それなりに情も移るわけで、
まあ端的に言って、寂しいと言う奴だ。

今から思ってもあの知障ブルドッグのジョージ、
まったくもって本当に困った奴ではあったのだが、
大いなる欠落を抱えている奴に限って、
実は、その分、その穴を埋めてもあまりある、
大いなる才能を隠し持っていることが多い。

あのやることなすこと半端じゃなく滅茶苦茶であった知障のジョージも、
その例に漏れず、実は飼い主どころか、YOUTUBEを通じて世界中をひっくり返すような、
とてつもない才能を隠し持っていたことを俺は知っている。

ジョージのあの突進癖と、何者をも恐れない我武者羅さと、疲れることを知らないあのパワー、
奴がサッカーに目覚めた時にはさすがの俺もやばいと思ったものだ。
あのボール裁き、ドリブルの巧妙さ、フェイントを交わす判断力、
とすべてが実は、物を突き動かすことへの情熱から来ていたのだ。
この、ものを突き動かすことは、すなわち、自らの身体をより疾走させたい、
という要求に基づいていた筈だ。
ブルドッグという、生まれながらにして大きな頭と短い手足、
その運動量を支えきれない心臓、という、まさに欠陥だらけの身体に生まれ付いてしまったかれは、
しかしその欠陥こそをも大きな武器にし得るパワーにあふれていた。

という訳でジョージの意外な才能である。
それはまさに、スケートボードな訳だ。

冬のある日、大雪の降った後の公園に潜り込んで、
真夜中の雪遊びにこうじていた際、
子供たちが置き忘れていった橇を見つけた俺が、
ブッチを抱え込んでひゃっほーとやっていたところ、
いきなりまたジョージが突進。
俺にもやらせろ、と襲い掛かってきたかと思うと、
俺とブッチをはじき飛ばしていきなり橇に飛び乗ったかと思うと、
そのまま大速力で滑り始めるや、終点のる雪の山まで大滑走。
そのまま雪のなかに橇もろともに頭から突っ込んでしまった。。
おお、あいつさすがに首の骨でも折ったか、と思えば、
雪まみれのまま弾けるように飛び出したジョージ、
橇の取っ手をくわえたままよいしょよいしょと雪の坂道をのぼり始めて、
その頂点からいきなりひょいと橇に飛び乗るや、
なんのブレーキもなしの大速力アゲイン。
あまりにも見事なスピード滑走の後に再び雪山に激突。
えいやあと飛び出しては雪の中から橇を掘り出すと、
しょうこりもなくよいしょよいしょと坂を登り始める。
と、これを実に永遠と繰り返していた訳で。

はたからみていてもこれはちょっと凄い。

橇のスピードにびびらないどころか、
橇の上で巧妙にバランスを取っては一直線、
前傾姿勢で加速して行く。
坂の上から滑るものに飛び乗ってその加速を楽しむ、
という橇遊びの原点を完全に理解している。

そうこうするうちに夜も更けて、
さあ帰るぞ、となったときには、渋々、という感じで橇を圧し始め、
そこでまた新しい遊びに気づいたのか、
押しては乗り、乗っては滑り、を繰り返した挙句、
前足を橇に預けたまま後ろ足で加速して、
というまさにスケボーの原理そのものを体得しては夢中になって遊び始めた。

こいつ、ただの知能障害かと思っていたら、実は生まれながらのスケボー野郎だったのか。

という訳で、いつかジョージにスケボーを与え、
深夜のバスケットボールコートから川沿いの自転車道からを、
気の済むまで思い切り滑らせてやりたい、と思いながら、
実は、ネットオークションで中古のスケボーなどを探し始めていたのだ。

あいつがもしももう一度ドッグランに戻ってくることがあれば、
ぜひともスケボーをやらせてやりたいものだ。
それなくしては、あいつはただの知能障害の烙印を押されたまま、
ティナの病院送りと同時にシェルター行き、の末路を辿ることは目に見えている。

という訳で、今度ランディーに会ったらまた説得を続けてみるつもりだ。

こいつは馬鹿じゃない。馬鹿かもしれないが、馬鹿は馬鹿なりにとんでもない才能を隠しもっているのだ。
頼むからこいつにスケボーを与えてやってくれ。

餓鬼のころから物をぶっ叩いてばかりいる糞餓鬼、扱いされていた俺が、
実はドラマーとしての才能があったのかもしれない、自身で気づいた時にはすでに完全に手遅れだった。
あの物を叩いて音を出す喜びに目覚めた5歳の頃に、
もしやこいつはジャズドラマーとしての才能があるのではないか、
と親が気づいていれば、今頃は押しも押されもしないジャズドラマーの巨匠として
セントラルパークを望む高級コンドミから世界を見下ろしていた筈だ。

教育のもっとも大切なこととは、
才能の芽生えと適正の判断を探して出してやる大人の目なのだ。
下らないしつけばかりを押し付けることが教育ではない。
教育者の役目は、
こいつはなにをやりたがっているのか、なにをやらせたら幸せになれるのか、
を探して出してやることなのだ。

という訳で、いまだにジョージを知能障害扱いしているジョージの両親はまったくの大馬鹿ものだ。

こんな両親に育てられたらピカソだてアインシュタインだってただの知能障害児だったろう。

神よ、頼むからジョージにスケボーを与えてやってくれ。

犬にとってのUPPER WEST SIDE

Posted by 高見鈴虫 on 18.2012 犬の事情
人種の坩堝、喧騒と雑踏に包まれたこの世界の中心都市ニューヨーク・マンハッタン。
24時間眠らぬ街はどこにいっても地獄の魔女の鍋の底状態であるのだが、
そんな中にあってここアッパーウエストサイドは今日も穏やかな静寂に包まれている。
ブロードウエイを越えるとそこは重厚なアパートが並ぶ住宅街。
目障りな観光客の姿もなく、車のクラクションもめったに聞かれない。
パリの街並みを模した通りには夜ともなると耳鳴りがするほどに静かで、
真夜中でも川沿いの公園を犬の散歩をする人々の姿が必ず見受けられる。
ハーレムから来た黒人もクラブ帰りの餓鬼どももホームレスでさえこの辺りに来るとその表情は穏やかだ。

西のハドソン川沿いに続く公園にはドッグランが散在していて、
朝と夕方と夜中にも犬たちが元気に走り回っている。
週末はセントラルパーク。
早朝9時までと夜の9時以降、この広大な公園は犬を放し放題というわけで、
よく晴れた休日の朝などは、犬を連れた人々が続々とセントラルパークへ向かう。
朝日に照らされた見渡す限りの広大な芝生の上を、
思い切り投げたテニスボールを追って全力疾走する犬たち。

そのどれもが心の底から幸せいっぱいの笑顔で満ちている。

世界一の都会・ニューヨークの犬たち、それは実は、割と幸せに暮らしているようである。

子ブタのチワワ

Posted by 高見鈴虫 on 19.2012 犬の事情
朝、アパートの前の交差点で、
子ブタを連れている人にあった。
なんだこいつ、と思わず顔を寄せると、
いきなり鼻先を舐められた。

それは子ブタのように太ったチワワだった。

かわいすぎる

犬は俺のファッションに関心があるとも思えない

Posted by 高見鈴虫 on 19.2012 犬の事情
ちょっと前までは俺でさえ
それなりに着る服にはちょっとぐらいは気を使っていたものだ
ガキのころはパンカーを気取っていたし
周りにもそれなりに見映えのいい奴が多かった。
そんなわけでまあ
服代のローンで首が回らなくなる
なんてほどではなかったにしろ
最低限の美学と言うか
超えてはいけない一線は保っていた気がする。
それがここに来て
それはもう一種の反逆といぐらいに
徹底的に見なりがどうでも良くなってしまった。
まあ興味の対象が女の子から犬に移ってしまったからで
確かに犬は俺のファッションに関心があるとも思えない

犬の表情は人々の心の鏡

Posted by 高見鈴虫 on 19.2012 犬の事情
昔、世界を旅していたころ、
知らない町についたら、まずは犬の顔を見ろ、
と言われたことがある。
犬の表情は住民の心の鏡。
包み隠さない人々の表情がそこにある。

犬がやばければ住民もやばい。
が、犬が幸せな顔をしているぐらいであれば、
住民もそうそうと無茶はしない、という意味であった訳なのだが。

インドの犬は昼の間はこれ以上なくシニカルな顔をして寝そべっているが、
夜になると徒労を組んで人を襲い、川岸の死体を食い漁っていた。
日本の犬は、狭い庭の隅につながれたままの軟禁状態。
いつもストレスアウトしてイライラと吠え立ててばかりいた。
タイの犬は暑さにやられてグダグタと寝てばかり。
そのダレ切った表情がまさに街の人々の諦めの象徴だった。

と言うわけでここアッパーウエストサイドである。

通りかかる犬、ドッグランの犬、公園の犬、
そのどれもが見事なほどにニカニカと笑っている。

ここ一年以上、犯罪発生率が0に近い、
さすが世界の高級住宅街、という訳か。

そんな中、ひょんなことで他の街からやってきた犬は、
これはもうその表情を見ればすぐによそ者、と判る。

ついこの間まで、びくびくと怯えて、
あるいは、牙を剥き出していた犬どもが、
いつのまにか、目をとろーんとして、口はへらへらと笑い始めて。
いまではすっかりアッパーウエストサイドの犬である。

かくいう我が家のブッチ。

来たばかりの頃は、居並ぶ大型犬たちに驚いたのか、
やたらめったらと喧嘩ばかりしていたのが、
いまではすっかりとリラックス。
牛のような巨犬たちの間でこれでもかと走り回って過ごしている。

散歩中、道行く人々がいちいちブッチを振り返って笑いかけていくのは、
ふと見るとブッチがすれ違う人々をいちにち見やってはニカニカと笑っているせいのようだ。

アッパーウエストサイド、とりあえず犬にとっては最高の場所のようだ。

2012年6月21日 UWSのあまりにもありふれた朝

Posted by 高見鈴虫 on 21.2012 犬の事情
6月21日

朝5時半、
なぜかこんな時間に目が覚めたと思えば
それはベッドの上で大騒ぎをしている奴がいる訳である。
これはもちろん我が妻がバイブで悶絶、している訳などではなく、
我が家の三歳になる駄犬がベッドの上でボール遊びを始めた訳である。

どこでみつけてきたのかオレンジ色のスクイーカーボール。
これをシーツの中からほじくり出して口にくわえるのはいいのだが、
どうも最近こやつはボール遊びのし過ぎで牙の先が丸くなってきてしまったようで、
銜えたとたんにボールがぴょんと飛び出してしまう。
それを追ってまたボールを銜えまたピョン、こなくそ、というのを一人で繰り返していたわけだが、
ふと、俺の顔を振り返る。
慌てて目を閉じて寝たふりをするのだが、
鼻や口のあたりをふんふんとかぎまわった挙句、
恐れていたように、いきなり顔をの上に、
涎に濡れ濡れたゴム製のスクイーカーボールを落とされた訳だ。
やれやれ、判った判った、と首を上げた途端に飛び掛ってきて後はもみくちゃ、
まあいつもの奴なのだが、どうも今日に限ってそれが一時間早い。
飯の時間と散歩の時間だけは一分一秒の間違いもない鋭敏な神経を持つこの駄犬、
まさか時計が狂っているのか、あるいは、もしかして、また下痢でも起こしているのか、
とそそくさとあるものを着込み、はだしの上にそこに縫いであったスニーカーをつっかけては慌てて外に走り出た訳だ。
という訳でニューヨークの朝の6時である。
朝6時と言っても夏時間の影響で日はすでにさんさんと射している。
今日は暑くなりそうだ、また記録的な暑さ、になるそうだ、
と昨日寝る前に我妻の話していたことを思い出す。
やってきたエレベーターの中に犬の写真が一枚。
コニー 5/21/99 - 6/20/12 とある。
ああ、あのふとっちょの老犬、昨日死んだのか。
朝にこうして散歩にでるたびに、アパートをでてすぐのジャコモベイカリーのベンチの前で
飼い主のRICKがコーヒーを飲んでいたっけな。
どうしてこんな近くでコーヒーなど飲んでいるのか。どうせなら公園にでも行って走らせてやればいいのに。
それほど犬の散歩が面倒なのか、見ろ、この犬の太った様を。まるで樽ではないか。
と、朝の散歩の度に思っていたのだが。
そうか、あのふとっちょの老犬、この暑さが耐えられなかったのかな。
という訳で足元のブッチであるが、どういう訳か今日はいきなりハイパーである。
眠気覚ましにタバコでもと思った手をいきなり引っ張って赤信号の交差点をそのまま突っ切ろうと言う気か。
という訳で走りこんだリバーサイドパーク。
着いた途端にドッグランからの犬たちの吼え声が響いてくる。
やれやれ、あの声はラルフィーとハンターと、それにアビーとローズを居るみたいだぞ、
と思ったとたんに走り出した我が家の駄犬。
もはや手にひっかけたリーシュを振りほどき一目散にドッグランへの扉へと走って行く。
扉を開けた途端、走りこんで来たのはハンターだ。
既に体中がびしょ濡れの砂だらけでもはやボロ雑巾状態。
これが胸をめがけて思い切りジャンプしてきて、おおおお、きったねえ、と叫びながらも思わず抱え上げ、
途端に地面にひっくり返って腹を出したハンターが、撫でろ撫でろと大催促、
このやろー、このボロ雑巾や労、おまえは、モップか、便所のタワシか、
とやっていたらいきなり、背中から、飛び掛るというよりは、覆い被さるようにしてラルフィーが圧し掛かってくる。
承知の通りこいつも全身ずぶ濡れ泥だらけでボロ雑巾状態。
ちょうど座ったまま子供をおんぶした状態で、さあ、行け、さあは知れ、とばかりに首から耳から頭からを舐めまくって、
一瞬のうちに涎れまみれ。
あのなあ、お前ら、という前にいきなり我が家の駄犬のブッチ。
泥団子のように真っ黒になったテニスボールを放り投げては、さあ投げろ、と飛びはね始める。
途端に跳ね起きたハンターとラルフィー。
いきなり遠吠え一発響かせるや一目さんに走り始める。
高く投げ上げたボール、まずはダイレクトキャッチを狙ったブッチ、惜しくもタイミングが合わず、
バウンドした玉が花壇のフェンスにぶつかって再びバウンド。
すかさず走りこんだハンター、がしかし、突進してきたラルフィーに弾かれて転がされ、
訳もわからず踊り込んだアビーとローズとそれに訳のわからないラブラドルとシェパードとピットブルとパグとチワワとマルチーズが、
うなり声を上げながらもみくちゃのスクラム状態。
しばらくしてドッグラン中にもうもうと立ち上った砂煙のなかから、
得意そうにボールを銜えたブッチが踊るように駆け寄ってくる。
飼い主たちの笑い声とそして溜息。
やっぱブッチよね。
という訳で、帰って来たとたんにさあ投げろ、とボールを手の中に押しつけてきて、
その時にはすでにドッグラン中の犬と言う犬が俺の前に勢ぞろい。
押すな押すなとやっているうちに、てめえ、なにすんだ、ととたんに喧嘩。
おい、てめえら、やめろ、と振りかざしたボール、
といきなり上から水しぶきが降ってきて。
犬が喧嘩を始めたと思った飼い主がホースで水をかけ始めた、
という訳で、俺も犬も頭からびしょ濡れ。
あのなあ、と苦笑いしながらもボール投げ、
泣き声遠吠えうなり声、立ち上る砂埃り。
お前ら朝から元気だな、まったく。
犬だものな、そうこなくっちゃな。

という訳で7時のアラームが鳴り出した時には
肩で荒い息をする犬たちがごろごろと砂場に転がっていて、
その上から再び水のシャワー。
はしゃいで飛びついてくるやつ、逃げ回る奴、諦めて目をしばしばさせている奴、
とりあえず、みんな並べて水をぶっ掛けて。

その中で、巧みなステップで水をよけ続けたブッチ、
いきなり手元のホースめがけて飛びついてくるや、
走る水めがけて噛み付いてくる。
とたんにブッチに跳ね返った水が視界いっぱいに弾け飛び、
哀れ俺も頭からびちゃびちゃ。
こうなればついでだ、砂を流してしまえ、と頭から水を被って、
いつしか俺も犬同然。
と、自身の犬を迎えに来た飼い主、
さあ、おいて、とリーシュをかけようとしたとたん、目も前でぶるぶるとやられたものだから、
これもいっしゅんのうちに顔中が身体中が水まみれ砂まみれ。
飼い主たちの悲鳴にはしゃいだ犬が再びじゃれ始め転がり始め、
みるみるうちに元の木阿弥のボロ雑巾状態。

という訳で、2012年6月21日 朝7時。
ウェスト72丁目のドッグランは犬と飼い主たちの嬌声を後に、
遅刻だ遅刻だ、と家に急ぐ人々。
どの人も、いま起きてきたばかりのダラダラのTシャツにでろでろの短パンか伸びたスエット姿。
それに加えて身体中がびしょ濡れ砂だらけ泥だらけ。
見下ろす犬どもは既に生き物であることが信じられぬほどに頭から尻尾まで
どろどろの泥人形状態。
がしかし、大きく開いた口から長く伸びた赤い舌。
どいつもこいつも思い切り心の底からゲラゲラと笑っている。
そして飼い主たち、
じゃね、また明日、あるいは、あとで、と挨拶をする顔、
これも一様に、ゲラゲラ笑い。
このホームレスも避けて通るような泥だらけの人々。
まったくどいつもこいつも朝の6時からご苦労なこった、
と思わず苦笑い。

とふと見ると、ジャコモベイカリーの前のベンチ、
一人呆然とコーヒーを飲むリックの姿。

ああ、リック、とその姿に思わず言葉を失う。

やあ、とリック。
思わず見つめあい、そしてうなづき合い、肩に手をかけようとして
泥だらけの手を慌てて引っ込めて。

と、いきなりブッチ、銜えたボールをリックの膝の上にポトリと置いた。

静かに微笑むリック。泥だらけのボールを見つめるその目がみるみる膨らみ始め、
思わずもらい泣きをしそうになったところで、またブッチの奴めが膝に飛びついてきた。

判った判った、と泥だらけの頭を撫でる。

じゃあ、とRICKに挨拶をして、泥だらけのままエレベーターへ。
エレベーターの扉が閉じた途端、思わずブッチを見つめ涙がじわー。

RICKの奴、いつもあそこに座っていたのは、
犬の散歩が面倒くさいからではなくて、
あの老犬はあそこまで行くのが精一杯だったってことなんだな。

と、それに引き換えこのブッチ野郎。
ドアが閉じた途端に、さあ、ボール投げろ、と暴れ始める。

あのなあ、こんな時間に廊下でボール投げなんかやってると、
マジでアパート追い出されちまうぞ。

と、そんな騒ぎが聞こえたのか、アパートのドアが開いて顔を出した我妻、

おっと、気をつけろ言う暇もなくボールを加えたまま飛び込んだブッチ、

きゃーなにこれ、泥だらけ、と我妻の悲鳴が響き渡る。
ああ、やめてやめて、という声、あっちゃ、やっちゃった~。

まあね、犬なんてものは苦労かけられているが花。

これからもそしてこの先も末永く、じゃんじゃん苦労をかけて欲しいものだ、
と今日は妙に寛容な俺であった。

アイソーセキ

Posted by 高見鈴虫 on 22.2012 読書・映画ねた
199ドルで買えるIPAD、
つまりは、アマゾンのKINDLEな訳だが、
うーん、あれで日本の本は買えないのかな、
したら、BOOKOFFで無駄な時間を費やすことも、
紀伊国屋で思い切りぼったくられることもなくなるに、
とずっと思っていたのだが、
IPHONEで読める携帯小説で我慢しなさい、
と言われても、ギャル語で書かれた文章などを、
手のひらサイズでちまちまと斜め読み、
なんてのはあまりに惹かない。

Eメールちぇっくするみたく、気楽に斜め読みできる小説?
笑わせるぜ、というやつ。
まるでブンガクがジョーホーになっちゃったみたいだな。
ので、
やっぱ俺は、紙の本のほうがいいな、
などと勝手に納得していたら、

ふとしたことから、青空文庫なるWEBSITEの存在を聞きかじり、
つらつらとリストを眺めていると、
漱石から鴎外から坂口安吾から梶井基次郎から、
まあわざわざ買う気はないが、ちょっと読み返してみたいな、
とわくわくしていたところ、
河口 慧海のチベット旅行記、
ええええ、俺、この本、全巻揃えるのに100ドル近く払ったんだぜ、
と思わず大地団駄。
となるともう、居てもたってもいられず。
がしかし、まさか会社で仕事中にブンガクする訳にもいかず、
と思っていたら、
ふとみるとIPHONEアプリまであるではないか。
で、試しに林檎屋でひっかかったただアプリをダウンロードしてみたのだが、
フリーズばかりを繰り返してまともに動かず。
がしかし、そこに並ぶ、本来なら読めて居た筈の作品リストたるや、垂涎たらたらもので、
思わず、えいやあ、と4ドル払ってI文庫Sなるものを買ってしまった。

IPHONEアプリに金を払ったのはこれがはじめてなのだが、
実際使ってみて思わず口があんぐり。
手のひらサイズの画面に縦書きの文章が、
まさに文庫本のページをめくるように流れ流れるではないか。

という訳で、手のひらサイズの日本純文学。
さっそくダウンロード、それも一瞬、ゲットしたチベット旅行記。
文庫だったらまさに5冊分。
もちろん挿絵もそのまま。
これはこれは。

ってことは、
と、メールを読むふりしてほくほくと他の作家を眺めていたところ、
夏目漱石。我輩は猫である。
ああこんなのも昔読んだよな、と思わず遠い目。
で、トイレに行った折、ふと読み始めたとたん、
どっぷりともってかれてしまった。

気がついた時には尻も足も痺れまくり。
便座に尻がべったりと張り付いていたのさ。

という訳で、I文庫S、読める。

携帯であろうが手のひらサイズであろうが、指先でちょいとページを捲るだろうが、
これは読める。読み耽れる。

しかも本で読むよりも、親しみやすく、すっきりと頭に入ってくる。

あの漱石がまさに友達のメールを読むように、すらすらと。

面白いな、と改めて。

うーん、これはすごいそ、アイソーセキ I-SOSEKI

目からうろことはまさにこのことだった。

プロジェクト・ニム

Posted by 高見鈴虫 on 23.2012 読書・映画ねた
先日NY市立図書館で借りた猿の惑星・創世記が面白かったので、
似たような映画ってことで紹介されていたこいつも一緒に図書館で借りてみた。

頭の良いサルが主人公である筈が、
出てくる人間が片っ端から馬鹿に見える、
というパラドックス映画。
最初からギャグとして見ていればそれも面白かったのだろうが

コロンビアって本当に馬鹿ばかり、
とそれが主題って訳だったのか。

なんてことを思っていたら、

ふと、このニムの姿、
もしや、コロンビア大学のあの利口そうでいてどこか間の抜けた学生たちを
揶揄するものだったのかな、と考えてみた。

我侭放題に育てられ、
大学の研究室では、実生活では糞の役にも立たないことばかりを覚え込まされ、
アカデミックなんて看板に踊らされていい気になっているのは自分ばかりで
実は教授たちの良い玩具、あるいはただの金蔓。
学費を払い終えたら、もういらない、とばかりに放りだされて、
あとは、どこに行っても持て余され、
挙句の果てに、独房に押し込められて放置プレー。

最後の最後に救い出されて、
名も無い檻の中で短い生涯を終える。

コロンビア出身者、なんか思い当たるところないか?

便所の落書きにも署名捺印が義務付けられる

Posted by 高見鈴虫 on 23.2012 技術系
生来物覚えが悪いもので
人から聞いた話どころか
自分の言ったことやったことさえも
すぐに忘れてしまうような輩であったわけだが、

ここニューヨークという人間のごった煮の中で十年を過ごすうちに、
そんな健忘症がますます悪化。
下手をすると自分の過去さえもまったくどうでもよくなってきて、
旅先や飲み会の席やドッグランのベンチやらでたまたま居合わせた輩に、
その場で適当におもしろおかしくでっち上げた己の過去を
そのまま流用したりただ乗りをしてしまったりとしているうちに
果たして自分がどこからきたのかなにものなのか
まったくもってさっぱりとどうでもいいものになってしまった訳だ。

そんなわけで日記というのではないのだが
まあとりあえずいつかは話のネタにもなろうか
というたぐいの独り言やら、
あるいは人から聞いたちょっと面白い話なんてのを
適当にメモにして置こう
と思ったのがそもそもの走り。

それがいつのまにか
愚痴の掃き溜め化したり、創作化したり、
あるいは人の話を当人の口調を真似て
そのまま一人称で書いてしまったりもしたものだから
ますます訳が判らなくなった。

という訳で、そんな殴りがかれた雑記帳を、もし他人が見れば
俺は、大金持ちのホームレスの不良の優等生の
男の女のおかまのアーティストの金融屋のドッグウォーカーのやくざ、
というとんでもない人間になってしまう。

がまあ、
もともと俺は過去を忘れるような輩でありからして、
別に本当の人格なんてもにははなからどうでもよくそんなものが実際にあるともおぉってはいない
ので人のカバンのなかをかっての盗み見ているやつには
勝手に勘違いをさせておけ、と思っていた訳だ。

たけしではないが、WEBなどたかが便所の落書きなのだ。

匿名投稿など、愚痴と妄想と揚足取り、つまりは、居酒屋のカウンターの酔っ払いのタワゴト、
あるいは、ウンコをしながらの溜息、それ以上でも以下でもない。

などと思っていたわけだが。
いつしかグーグルやらFACEBOOKなるもにがそんな便所の落書きを紡ぎ始め、まとめ始め、
いつしか、それは勝手につなげられ纏められ、
しまいには、
この人は、この便所とこの壁とこの机にこんな落書きを書きました、愚痴を履きました、
ちなみにこのひとの今日のウンコはこんなかんじ。過去のウンコを見たい人はこちらをクリック、
とやり始めたわけだ。

便所の落書きやら、ウンコをしながらの溜息をも、
勝手に署名捺印が押されてブロードキャストさるようになっては、
おちおちと糞もできない、というわけか。

ツイートとは独りつぶやき、であって、独り言を大声で言うのは勝手だが、
はたからすればそれはただのきちがいだ。
電車の中で一人大声で訳のわからない自分の話をしている泥酔者のそれではないか。
その泥酔者のつぶやきを盗み聞きして言いふらす、というのが、まあ最近の流れなのだろう。

馬鹿か、と言いたい。


インド人だインド人だ

Posted by 高見鈴虫 on 24.2012 ニューヨーク徒然
地下鉄にインド人が乗っていても
目の前で、インド人だインド人だ、
と言ってはいけない

新型食堂

Posted by 高見鈴虫 on 24.2012 日々之戯言(ヒビノタワゴト)
食堂のテーブルにみんなばらばらに座って
みんなが大声で会話をするようにしたら
ちょっとはげんきが出るんじゃない?

あるいは、ばらばらに座わらされた客たちが、
みんなむっつりと黙ってIPHONEを見ながら、
メッセージで会話していたら不気味だな。

犬に噛ませて懲役刑

Posted by 高見鈴虫 on 24.2012 犬の事情
仕事が早く終わって、で、家に帰り次第にすぐにブッチを連れてドッグラン。
陽はまだ高い。晩御飯までかなり遊べる筈、と思いきや、
ドッグランに着いたとたん、いきなり可笑しな風景が目に飛び込んだ。

まるで正月の新巻鮭のように、
人の腕から犬がぶら下がっている。

ぶら下がっているのは、以前ブッチに噛まれたキチガイジャックラッセルのキング。
で、ぶら下がられているのは、サイベリアンハスキーのレイラの飼い主。

犬をぶら下げたままHELP HELP とやっている。

と、したところ、なにを間違えたのかサイベリアンハスキのレイラ、
主人にぶら下がったジャックラッセルに飛び掛るや、
雑巾でも引きちぎるように後ろ足を銜えて思い切り引っ張った。

まるで砂埃でも立ちそうなぐらいに、ばたん、と思い切りの音がした。

悲鳴の変わりに、うぐっと低いうめき声、と、そしてピクリとも動かなくなった。

で、大慌てのレイラの飼い主、ああ、神様、とばかりにジャックラッセルを抱えあげようとしたとたん、
いきなりボールに飛びついたキング、そのまま掠め取ったボールを銜えて、走り回る、逃げ回る。

で、飼い主はといえば、相変わらず億のベンチでiphoneに夢中。

噛まれた?
ああ、ちょっと。
俺もこないだやられた。
あいつに?
そう。
狂犬病大丈夫かな?
いや、そう言えば聞いてなかったな。

という訳でレイラのパパ。

つかつかとキングの飼い主のおばさんに歩みよるや、

あなたの犬が私と私の犬を噛みました。
念のため、狂犬病の予防接種を受けているか確認させて頂きたいのですが、ときた。

で、キングの飼い主、こんなトラブルもすでに慣れっこなのか、
iphoneから顔を上げぬままに、大丈夫、大丈夫、子犬なのよ、勘弁して、と言い訳三昧。

いや、医者からの証明書を見せてください。

だから、大丈夫だって、とここまできてもいまだにiphoneから顔を上げない。
メールの途中なんだから邪魔しないでよ、とそんな感じ。

と、レイラの飼い主、自分のiphoneを出して、写真を撮り始めた。

キングと、キングの首輪のタッグ。ボール。自身の犬。
で、すみません、と俺、と、ブッチ。
で、すみません、と他の飼い主、の手首のところ、と、犬の写真。

ねえ、ちょっと、といきなり顔を上げた、キングの飼い主。
ねえちょっと、なにやってんのよ、あんた。

私の要求に応じる気がない、ようなので、正式に手続きをしようかと。
手続き?なんの?
はい、あなたを訴えます。
この犬を?まだ子犬なのよ。
いいえ、子犬に罪はありません。訴えられるのはあなたをです。これだけ証人も被害者もおりますので、まあ確実でしょう。
あなたはXX年間の懲役、あるいは、??万ドル以下##万ドル以上の罰金を払うことになります。
ちょっと待ってよ。
待てません。あなたの犬は私を噛み、あなたは飼い主としてその責任を取る意思を見せなかった。狂犬病の注射についても情報をよこさなかった。つまりは、あなたの犬を使って、私と私の犬を狂犬病に感染させようとした。

といきなり立ち上がったキングの飼い主、やにわにドッグランを駆け抜けるや、キングを置いたまま通りの向こうに消えていった。

馬鹿な女だ、とレイラの飼い主。
この犬かわいそうにな。
ああ、でもそれは俺のせいじゃない。
いや、そういう問題じゃなくてさ。この犬がとても可愛そうだ。
こいつは俺を噛んだ。君のことも噛んだんだろ?事情酌量の余地もないよ。
でも子犬だろ?
いやもう4歳だ。
4歳?
そう。子犬でもなんでもない。
やれやれ。あの飼い主、この犬を引き取りにくるつもりかな?
まともな人間なら、このままにしたら今度は遺棄罪になることぐらい考えるだろ。
考えるかな、あの馬鹿が。
それはしかし俺の責任じゃない。

どこにでもいるありふれた雑種の一匹

Posted by 高見鈴虫 on 25.2012 犬の事情
ブッチは今年で4歳になる。
朝のセントラルパークや72丁目のドッグランではもうすっかり常連だ。

子犬の頃は、ロケット・ドッグ、
あるいは、
ピンボール・ブッチと異名をとった札付きの暴れん坊が、
いまではどこに行ってもリーシュなんて必要が無いほど、
おりこうさんの名犬で通っている。

これまでいろいろあったけど、
君の足がどんなに速くても、
グレーハウンドのオスカルにはかなわないと思い知った筈。
君がどれほど喧嘩が強いつもりでも、
まさか3階に住むピットブルテリアにはかなわないし、
君がどれだけ虚勢をはったとしても、
まさかあのグレートデンのサムソンの前ではまるで形無しだ。

幾たびかの手痛いしっぺ返しと、
身体中が朱に染まるほどの大恥を経た今、
いつのまにかブッチはどこにでもいるような、
ありふれた雑種の一匹に納まっていたようだ。

ただ

青い空の下に青く輝くその白銀の毛並みと、
どってっぱらの黒いまん丸模様。
どこにいってもどんなときでも、
雄雄しくもピンとおっ立てた長く白い尻尾と、
そのキラキラと光る
アーモンド形の大きな瞳だけは相変わらず。

じーっと見つめるのだけは

Posted by 高見鈴虫 on 25.2012 犬の事情
ブッチ君、
君がなにをしても決して怒らないつもりだけど、

頼むからブロードウエイを歩くときに、
すれ違う女の子の、それも若くてセクシーないけてる女の子たちの顔を、
それこそまるで穴の開くほど、
じーっと見つめるのだけはやめてくれないかな。

妙に好みが似ている分、
さすがの俺もちょっとこっ恥ずかしい時もある。

お尻くんくん

Posted by 高見鈴虫 on 25.2012 犬の事情
それからブッチ、

女の子の背後からそぉぉぉぉっと忍び寄って、
そのお尻の一番大切なところを、
くんくんくんくん
と嗅ぎまわるのだけはやめたほうがいいよ。

俺だってどんな顔していいか困ってしまう時もある。

ブッチをブッチと名づけた訳は

Posted by 高見鈴虫 on 25.2012 犬の事情
ブッチをブッチと名づけた訳は、
レスキューシェルターの書類を書き込む際に、
もともとの名前であったRANGERのRが、
俺たちにはどうもうまく発音できなかったからで、
うーん、まあ、もういいや、ぶち犬だからブッチ、ってことにしちゃおう、
とまあ、そういういきさつがあった訳だ。

だから君が後になって、
ビッチ=メス犬。嫌な奴の代名詞
あるいは、
ブッチー=筋肉野郎。得てしてレズビアンの男方を指す
グッチ=いわずとしれたカバン屋。成金の百姓の代名詞
なんてのとは程遠い、
手足のすらりとした、
見るからにお利口そうなスマートな貴公子君に成り代わるなんて、
あの時にはまったく想像もできなかった、という訳なんだよね。

という訳で、
いまになってもどこにいっても、
名前は?
と聞かれるたびに、ブッチ、と答えて笑われてしまう君だけど、
まあ、銀色の身体のど真ん中に、
黒い大きなまん丸模様をつけたブッチは、
世界のどこにもいないここだけのブッチなので、
まあそんな名前をしていたからといって、
別に恥ずかしがることもないんだよ。

ほらブッチ、通りの向こうで誰かがまた呼んでるよ。
お前、本当に有名人なんだな。

木曜の朝、レミーが噛まれた そのいち

Posted by 高見鈴虫 on 29.2012 犬の事情
木曜の朝、レミーが噛まれた。

ドッグランでまたはしゃぎまわっていたところ、
いきなり、ギャンと、悲鳴を上げて飼い主の元に駈け戻ってきたらしい。
まあ小さな喧嘩ぐらいならいつものこと、と気にも留めず、
とそのまま家に帰ったのだが、
よくよく見ると血が出ている。
で、医者に連れていったところ、
肩に大きな穴が開いている、とのこと。

幸い傷は縫うほどでは無かったらしいが、
入り口は小さいものの奥に深く、
これからしばらくの間は、
開いた傷口に抗生物質の軟膏をすりこむ必要があって、
傷がふさがるまでの間はしばらくは安静に、とのこと。

という訳で、しばらくドッグランはお預け。
あんたもわざわざ迎えに行く必要はなくなったのよ、
とジェニーが皮肉に笑う。

と言う訳で、今晩はサリーとブッチ、たった2人だけのドッグラン。
静まりかえったベンチにジェニーと二人。
ブッチはボールを咥えたままじっとして動かず。
サリーは砂の上に寝転がって暗い空を眺めている。

ついこの間までサファリパークのようであったドッグラン、
ジョージが去り、レミーは静養中。
なんだか気が抜けたわね、という話。
ああ、夜風が気持ちのいいこと。

あんたの言うとおりになったわね、とジェニー。
そのうち他の犬に噛まれるぞ、と言っていたでしょ?
まあねえ、でもやっぱりちょっとショックだな、と俺。
さっきアリーンに電話したら、すっかり酔っ払っててね。
あれまあ、また飲み始めちゃったの?あのおばあさん。
まあレミーが噛まれたのもショックだったんだろうけどね。今晩ぐらいはいいんじゃない?少しぐらい酔っ払っても。
ちゃんと傷の手当てしてるかな。

と言う訳で、ドッグランに来たのはいいものの、
誰も走らず、誰も騒がず。
犬の人間、2対2、でただ風に吹かれて帰ってきた、と。

が、しかし、俺が静かにしている、というのは、
うるさいやつらがいなくなってほっとしたのか、
というともちろんそんなことはない。

正直言って、はらわたが煮えくり返っていたのだ。

くそったれ、俺のレミーを噛みやがって。
やりやがった奴は誰だ。ただじゃおかねえぞ。

思わず交差点のよっぱらいを突き飛ばして、
ゴミ箱を蹴り上げたい気分だった。

そしてそれは、レミー自身なら尚更のこと。

傷の痛みに耐えながら、くっそお、きっちりと落とし前つけてやるから、と思っているに違いない。

やれやれ、よりによってこんな時に・・・

ようやく、飼い主との信頼関係が深まって、
来い、ができるようになり、
さあ、これから、駄目、を教え始めようか、
と思った矢先だったのに。

ああ、先が思いやられるな、と思わず奥歯をぎりぎりと噛み締めてしまった夏の夜。

猛暑続きのニューヨークでもっとも幸せなあいつ

Posted by 高見鈴虫 on 29.2012 犬の事情
いまさらだが今年のニューヨークは暑いな。
まだ6月だというのに、
連日35度を越す猛暑続き。
JULY4THの花火も見ないうちから、
夏はもう結構、といいたくなってくる。

先日の記録的猛暑の日には、
このアパートの中でも2匹の老犬が、息を引き取った、らしい。

という訳で、それが理由でもないのだが、
犬しかいないアパートの中で、しかしクーラーはフル稼働。

人が汗水垂らして駆けずり回っている頃、
キンキンに冷房の効いた部屋のソファーで、
のうのうと腹を出しているあいつの姿が目に浮かぶようだ。

くそったれ、犬の分際でありんがら、
まさに貴族暮らしも極まれりだな、
とは言いながら、ついついニヤニヤしてしまうな。

まあいいや、お前だけは幸せにいてくれ。

書を捨て、IPHONEを持って、街に出よ。

Posted by 高見鈴虫 on 29.2012 技術系
ガキの時分から、
表に出るときには必ずカバンの中に文庫本を2-3冊放りこんで、
ついでにカセット、後にCDの束を、あらん限りにガチャガチャ詰め込んで、
というのが習慣になっていたのだが、
この職についてからは、現場に出るときなど、
マニュアルからネタ本から、
ヘタをすると広辞苑クラスを三冊四冊、
カバンはそれだけではち切れそうで、
ヘタをすると両手で足りずバックパックを担いで、
あるいは、旅行用のスーツケースで、
なんてのが日常化していた訳なのだが、

はたして21世紀、
まさしくIPHONEの時代である。

IPHONEアプリのIBUNKOSをGETしてからというもの、
犬の散歩の時にも休日の外出時にも、
家を出る際の悩みが一挙に解決してしまった。

なんといっても、その日のテーマを選ぶ必要が無いわけである。

その日のCDから、文庫本の上巻下巻から、
面白系から熟読系から勉強系からの一式と、
これ面白くなかったらどうしよう、の際のつぶし系、二軍系、
JAZZにROCKにSALSAにOPERAに、
の一切合財が、IPHONEの中に凝縮されている訳で。

これはこれは、
まさに、
長きに渡る負の轍からついに開放されたような気分だ。

という訳で、ポケットにIPHONEひとつを放りこんで行ってきまーす。

と調子こいて地下鉄に乗った途端、
おっと、しまった、イヤフォンを忘れてしまった。
となるわけだ。

イヤフォン内蔵型のIPHONE、できねえかな。



IPHONE時代のバックパッカー

Posted by 高見鈴虫 on 29.2012 技術系
昔はそう言えば、
旅行に出る際、と言えば、
有り金全部を腹巻に巻いて、
着替えと手ぬぐいと石鹸と歯ブラシと、
に加えて、
それこそ山のような本と、そしてカセットテープ。
ヘタをすると、防寒着から非常用なんとかを捨ててまで、
文庫本と音楽、だけは決して手放せなかった筈なのだが。

ここに来て、
本から音楽から、下手をすると財布まで、
すべてがIPHONEの中に収まってしまえば、
まさに、手ぶら+IPHONEいっこで世界旅行、なんてこともぜんぜん平気な訳だ。

そのうち、運転免許からパスポートからもすべてIPHONEのなかに入ってしまったら、
まさしく、己のすべてがIPHONEの中に内蔵されてしまう、ということもありか。

CRAGSLIST CULCUTTAみたいのができれば、
旅行者同士の情報交換どころか、
こちらカトマンズ帰り、ダウンジャケットとサンダルを交換したし、
なんてこともありかな、とか。

IPHONEのデータはすべてクラウドのサーバに放り込んであるから、
例え盗難にあってもなくしても、
サダールストリートのAPPLE STOREですぐに新しいIPHONEをゲットできて、
おまけにIPHONEを盗んだ犯人も一撃でGET。

人間、ますます身軽になるな。



木曜の朝、レミーが噛まれた そのに

Posted by 高見鈴虫 on 30.2012 犬の事情
このところ珍しくも、どういう訳だか気が塞いでいる、
と思っていたのだが、
理由はと考えてみるに、それはまさしくレミーのことだ、と思い当たった。

レミーは噛まれてから、その静養というのではないが、
飼い主のアリーンさんと一緒にアップステイトのサマーハウスに出かけている。

牧場のような広大な平原に囲まれているとのことで、
車もなければ他の犬が通りかかることもなく、
傷が塞がるまでの間はそこで静養する、とのこと。

移動中の車の中のことから、
症状が悪化した時に獣医が近くにいないが大丈夫だろうか、
と俺が心配をしていたのだが、
まあ家に閉じ込めておいて、外を車が通るたびにわんわんとやられるよりは、
無理をしてでもサマーハウスに出かけたほうがずっとまし、
という判断であったらしい。

くれぐれも無理な遊ばせ方はしないように、と釘をさして、
包帯から抗生物質から山のように持ったせて送り出した。

と言いながら、
やはり残された身としてはなんとなく手持ち無沙汰。
そして、
この塞いだ気分のその原因がどこにあるか、と言えば、
言わずもがな、怒り、であることには気がついていた。

くそったれ、俺のレミーを噛んだ奴は、どこの畜生だ、
できることなら、
俺がその敵をとってやりたい、などと不謹慎なことさえ考えずにはいられない。

まあ確かに、レミーの態度には問題があった。
それは俺が一番よく知っている。

ドッグランで手頃な犬を見つければ、
問答無用にじゃれついて離れず、
その耳元で、しつこい、を通りこして気がおかしくなるぐらいにワンワン、と吠え立てる。

他の飼い主にしてみれば、あまりにも巨大なプードルが、
まるで暴れ馬のように襲いかかってきては、
身体中に噛み付きながら、恐ろしい声で吠えまくる、という訳で、
まあ気が気じゃなかったのは判るのだが、

まあそれは犬の言葉にしてみれば、遊ぼう、遊ぼう、と誘っている訳で、
だから、それほど、つまりは周りの人間達の思うほどに深刻に考えることじゃない、とは思っていたのだ。

事実、そのレミーの誘いがあまりにも鼻についた時には、
振り返り際にうるさい!と一言怒ってみせれば、
はしゃいだ気分に水をぶっかけられたレミーは、
いつも、きょとん、と目を丸くして、
そして、傍から見ていても可哀想になるぐらいにしょげ返って、
とぼとぼとドッグランの隅でいじけてしまったりもするのだ。

が、まあ、ものの5分としないうちに、新しい獲物を見つけてはまた走り寄って、ワンワンワン、と始める訳だが。

まあね、子犬の頃はみんなそうなんだよ。
そうやってじゃれ合いながら、取っ組み合いをして遊んでいるうちに、
遊びと本気の区別がつくようになって、
こうしたら嫌われる、こうされたら本気で痛い、ってのが分かってきて、
で、自然と社会性を身に着けていくものなんだよ。

現にうちのブッチにしたってパピークラスでは札付きの鼻つまみで、タイムアウトの常連。
部屋に居る子犬という子犬、大きいのからちっちゃいのから先輩から後輩から見極め無しに、
かったぱしからじゃれかかってはプロレスごっこ。
あまりの酷さに他の飼い主から苦情が来てパピーの部屋を追い出された強者。

その頃、パピークラスのスタッフが、
オタクのブッチは実はこんな感じなんですよ~的に報告してきた携帯動画なのだが、
その恐れを知ら無すぎる暴虐武人ぶりに飼い主の俺が開いた口がふさがらず。
あやや、こりゃ、滅茶苦茶だ。俺が相手の犬の飼い主ならドタマにきて怒鳴りこんでいたろうに、
というぐらい壮絶なものであったわけなのだが、



それではついに、という訳で大きな犬の部屋に移された途端、
居並ぶ成犬、それも、ハスキーやらシェパードやらグレートデン、なんてのを相手に、
おっしゃあ、こいつらちょっと遊びがいがありそうだ、とばかりに飛びかかって、
で、結果、コテンパンにやられまくった挙句、
うーん、どうもこの世には俺よりもちょっとばかし強いやつもいるのかもな、
と骨身に染みたご様子。

そんな訳なので、
ぶ~はいつの間にか、そんなやんちゃもすっかりと影を潜め、
ドッグランにおいても他の犬とじゃれあうよりは飼い主とボール遊びをする方が好み、
という至って従順な犬になっていた。
という訳で、いまではほとんど他の犬とプロレスにこうじることもない。
追いかけっこをすることも極稀だ。
いまになってあの子犬の頃の動画を見るたびに、
いやあ、お前にもこういう時期があったなんて信じられない、
とほっとするやらちょっと寂しいやら。

という訳で、いまやすっかり孤高の優等生が板についた感のあるブッチ。
道端で喧嘩を売られても表情も変えずに軽く受け流すのみ。
あるいはこいつ面倒くさそうだな、と思うと、自分から道を開けてやったりもする。
たまに、礼儀を知らない不届き物に、思い切り鼻先で睨みを利かすか、こら!と一喝。
あるいは、それでも判らなければ、目にも止まらぬ一撃をくれて相手を竦ませることはあるものの、
喧嘩という喧嘩は少なくともここ1年は見たことがない。

現にレミーも、最初の頃はブッチにしつこくじゃれついた挙句、
鼻の頭に擦り傷を作った上にドッグラン中を追いかけまわされた訳だが、
それ以来、さすがのレミーも、このチビにはちょっと要注意だな、と一目置いた、という次第。

だからさ、と、レミーの飼い主であるアリーンさん、
今日もドッグラン中の飼い主に吊し上げを食って、
頼むからこの馬鹿犬を外に出してくれ、もう来ないでくれ、こんな猛犬をドッグランに入れるなんて、
あんたは飼い主として不謹慎だ、無責任だ、非常識だ、と徹底的にやられたらしいのだが、
大丈夫だって、ほら、他の犬、対してソーシャライズされた経験もない不幸な犬と、
その馬鹿な飼い主には判らないだけで、
レミーは、素直でとても優しい奴なんだしさ。ちょっとお茶目が過ぎるのは確かだけど、それもまあ愛嬌って訳で。
現にレミーがいくらワンワンとじゃれついても、それで怪我をしたなんて聞いたことないだろ?
レミーは噛んでないよ。噛んでるふりをしているだけ。
ほら、こうやって、腕をとって、遊ぼうよ~、遊ぼうよ~とやってるだけなんだから。

だから、大丈夫、
レミーもそのうちに、年頃になったら自然とセトルダウンするから心配ないって、と慰めていたのだ。

とは言うものの、
そう、レミーはすでに2歳半になろうとしている。
人間で言えば、二四歳。
大学を出たぐらいの成人女性から、
いきなり腕を掴まれて、おい、プロレスやろうぜ、とヘッドロックされて、
おいおい、ちょっとちょっと、と言っているそばからコブラツイスト、どうだ、まいったか!?
とヤラれた日には、普通ならちょっと驚くかもしれない。

だから、普通の犬なら問題ないよ。
最初はちょっと驚くけど、うっし、ならやっちゃろうか、逆にやり返すか、
頼むからほっといて!と怒鳴り声を上げて、
いずれにしろレミーはそうやって学習しているんだから。

ただ・・
そう、ただ・・相手が普通の犬でなかった時、が問題。

犬の攻撃性、それもシリアスな喧嘩に発展する場合の原因は、
闘争心、よりも、むしろ恐怖心。
レミーの場合、この恐怖心の無さが一番の問題であって、
しかし、レミーの行動にその恐怖心が微塵もないことが分かっているから
俺も安心して見ていられたのだ。

だから、他の犬にしても、そんなレミーに絡まれながら、
やれやれ、迷惑な女の子だなあ、で済んでいた筈。

がしかし、それが、まさしく、そんな犬同士の会話が、心の動きが判らない奴だったら、
それはまさしく、とてつもなく大きな犬が、ぴょんぴょんと飛び跳ねながらいきなり吠えかかり、
暴れ回り始める、という訳で、これを恐怖と言わずしてなんと言おう。

だから、
相手の犬には十分注意しなくちゃだめだよ。
犬同士のソーシャライズに慣れていない奴、
つまり、このドッグランであまり見かけない奴にレミーがかかっていってしまった時、
その犬に怯えの表情が見えたら、
あるいは、その犬が飼い主にべったりと寄り添っていた場合、
訳の判らない猛獣から主人を守ろうとして、
そいつはレミーに反撃を仕掛けてくる筈。
で、しかも、それは必死の防御である以上、かなりきついものになる筈。

だから、見知らぬ犬、怖がった犬には気をつけなくっちゃいけない。

そして、起こるべきことが起こった。

という訳で俺としては、噛まれたレミーがどうしているか、
と同時に、噛んだそいつがいったいどんなやつだったのか、
を、見極め無いわけには行かなかった。

もしそいつが、例えば怯えて、あるいは、怯えた飼い主を前に過剰防衛に走った、
のではないとしたら、
つまり、遊び半分にレミーに噛み付いたのだとしたら、
問題はむしろそいつにある。つまり確信犯的な傷害犯、あるいは、障害の過去のある喧嘩屋、
つまりは闘犬崩れである可能性もある。

とすれば、
今のうちにその問題児を見極めて置かなければ、
次は他の犬が犠牲になることは目に見えている。
今回は相手がレミーだったから驚きのあまりすごすごと引き返したが、
それがブッチだったとしたらそうそうと簡単にことを済まないだろし、
まさかそれがサリーやオスカルだったりしたら・・
まさに噛み合いを通り越して引き裂き合い、に発展しかねない。
いずれにしろどちらに転んでも、誰もが不幸になる結果しかありえないのだ。
  

プロフィール

Author:高見鈴虫
日本を出でること幾年月。
世界放浪の果てにいまは紐育在住。
人種の坩堝で鬩ぎ合う
紐育流民たちの日常を徒然なく綴る
戯言満載のキレギレ散文集

*お断り 
このブログ記事はフィクションであり実在の人物・団体とは一切関係ありません藁

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