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木曜の朝、レミーが噛まれた そのさん

Posted by 高見鈴虫 on 01.2012 犬の事情
という訳で、土曜日の朝、
セントラルパークへの遠征を終えた後、
木曜の朝にレミーが噛まれた、という朝一〇時ぐらいに、
ちょっとドッグランに顔を出して見たわけだ。

同じドッグランでありながら、その時間帯によって、犬たちの顔ぶれが随分と違う。

が、それと同時に、
最近顔をみせないが、あいつなにかあったのだろうか、と気を揉んでいた犬たちが、
俺の姿を見つけるや息せき切って走り寄って来て、飛びついたとたんに顔中を舐め舐め攻撃。
そんな犬たちの中で一瞬のうちにもみくちゃ状態。

あれあれ、お前とお前をお前は知ってるけど・・この一番調子に乗ってるピットブル、
あれあれ、お前はどこの誰だったか、と思いきや、
そんな我が犬の様子に思わず笑い転げる飼い主さんをみて思い出した!
あれえ、お前、前に見た時にはこんなちっちゃな子犬だった筈だぞ~!お前、ちょっと見ないうちに大きくなったな、
なんて言ってるそばからあれよあれよと膝に飛び乗ってくるや長々と寝そべっては首に両手を絡ませて、
いまにもよだれで窒息しそうな程に舐めまくっている。
いまとなってはまるで子牛のような多いさのピットブル。
身体は巨大でも、心はまだまだ子犬のまま。
特に子犬時代に遊んでくれていた俺を見て、身も心もすっかり子犬の時代に戻ってしまっていて、
案の定、耳の当たりをがじがじと甘咬みをしていたかとおもったら、
やにわに俺の首筋をがっちりと咥え込んだ日にはやれやれとさすがに苦笑い。

ほら、ブッチ、覚えてるかよ、こいつ、あの子犬、こんな大きくなって。
今やブッチの三倍四倍はありそうな獰猛な面構えのピットブルが、
ブッチの顔に身を屈めるや、その口元をペロペロと舐めながら甘えかかっている。

そうそう、こいつ、ドッグランに来た時にはまだこんなちっちゃな子犬で、
他の犬に追われるたびに必死の形相で俺の膝の上に飛び込んで来ていたのだ。
冬の寒さに震えているのか、ジャケットの中に入れて温め上げたり。
ボールを追いかけるブッチのあとを必死になって追い掛け回していたものだ。

という訳で、しばらくの間は居並ぶ犬たちが俺の膝のとりあいで押し合いへし合い。
そんな犬たちに揉みしだかれながら、
おい、そんなことより俺にボールを投げろ、お前の飼い犬は俺だぞ、忘れたのか、と不機嫌なブッチ。
なんとか身をよじってボールを投げるたびに、なんだそのへなちょこボールは、とばかりに宙に躍り上がってダイレクトキャッチ。

おいお前ら、いい歳をしてそんなベタベタしてないで、一緒にボールでもやれ、と払い退けるや、
ほら、とってこーい、の一言で一大運動会が始まった、と。

という訳で、
すごすごと寄ってきた飼い主さん。

やあどうも。
珍しいですね、どうしているかと思ってました、
とは、まあこっちのセリフでもある訳なのだが。

と言うわけで、
いやあ、実はね、と切り出さないうちから、
ねえねえ、あんた、たしかレミーのトレーナーさんでしょ?あの気違いプードルの。ねえ、もうちょっとしっかり躾けて貰わなくっちゃ困りますよ。私達本当に迷惑しているんだから、と来た。

いやあ、別にトレーナーって訳じゃなくて、ただ、飼い主のアリーンさんがぎっくり腰だから、その代わりに遊んであげてるってだけの話で、
ともごもごと言っても誰も聞いてはいない。

そうよ、そうよ、あんたねえ、ほんと、私達あのバカ犬にはひどい目にあってるんだから、と。
そうよ、もうワンワン吠えまくって、うるさいったらありゃしない。気が変になりそう。
うちの@@ちゃんだって、あのプードルが来ると怯えちゃってぜんぜん遊ばなくなっちゃうのよ。
そうそう、うちの子も、あれを見ると出るものも出なくなって、本当に迷惑。
うちの子噛まれたのよ、なんども。本当にもう、やっちゃえ、っておもってるんだけど、ほらうちの子はいい子だから、

とまあそんな飼い主の前で、まるで深海魚の化け物のようなピットブルやら、
犬というよりはクマに近いマウンテン・やら
よっ関取!ごっつあんす!と思わず肩を叩いてしまうますやら
が、押し合いへしあいやってくる訳で、
まさかレミーもこんな強者達相手にまじめに喧嘩をしかけている訳もなく。

つまり、まあ、苦情を言って来てるのは押しなべて小型中型の愛玩犬の飼い主ばかり。

それもブッチのように子供の頃からしっかりとソーシャライズ、というか、
まあ言ってみれば喧嘩慣れさせて置けばレミーのおふざけのいなし方、ぐらいは当然見についている筈なのだ。

あのね、だから、あれは襲いかかっている訳でも、噛み付いてるわけで、ましてや喧嘩を売っている訳でもなくて、
ただ、遊ぼう遊ぼうって言っているだけの話で、
なんて弁明も聞く耳を持たず、聞いたところで揚げ足取りに油を注ぐだけ。

という訳で、説明は諦めていきなりずばりと、
で、どいつがレミーを噛んだ訳?と聞いてみた。

ところ、
それがねえ、相手はサイベリアン・ハスキー。
とてもいい子なのよ、大人しくて。
そう、いつも飼い主さんに寄り添っていて。
ほんと、顔は怖いけど、すごくいい子。
もう歳だからあんまり遊んだりしないけど。

飼い主はどんな人?

物静かな、良い方よ。
最近越していらっしゃったそうなんだけど。
そう、品が宜しくね、とっても良い方。

という訳で、まあ現場の聞き取りはこれで十分。

つまりは、物静かな老婦人を守ろうとした年老いたサイベリアンハスキーが過剰反応した、と、
まあ予想通り。つまり、闘犬崩れではなかっただけでも幸い、というべきか。

という訳で、久々の再開を果たした犬どもとじゃれ合いながら、
レミーへの苦情・苦言をたんまりと頂戴した訳で。

しかしながらそこはドッグオーナー達、
責任の所在はレミーにあらず、という理屈はちゃんとご存知。
つまりは、飼い主の監督不行き届き、子供には罪はない。親の教育が悪い、となるのは当然のこと。

とは言いながら、まあねえ、と声を下げる事情通。
ピーターさんが突然あんなことににゃっちゃって、それであれを押し付けられた奥様も災難と言ったら災難でしょ。
そうよねえ、ピーターさんもまさかあの歳で子犬を引き取ることもなかったろうにねえ。
それもよりによってあんなにとんでもない子犬をねえ。

という訳で、いつしか死人を鞭打つような話にも発展し始める始末。

まあご承知のようにそういう訳なので、みなさんもご協力をおねがいしますよ、子供も犬も人類の宝。
みんなの力で温かい目を持って育てていきましょう~。
ってなことでお茶を濁した訳なのだが・・・・

まあ、やれやれである。
このまま行くと、話の落とし所によっては俺のトレーニング不足、あのインチキドッグウィスパラーのせいで、
なんて話に発展するやもしれず。

まあ俺がなにを言われようが知ったことではないが、それによってブッチが変ないじめにあったり、
なんていう状況は避けなくてはいけない。

うーむ、そうなると、レミーへのトレーニング、下手をすると死活問題だな。

おーすとらりあん、きゃとる、どっぐ、みっくす とは、まさに雑種の王道

Posted by 高見鈴虫 on 03.2012 犬の事情
なんという種類の犬ですか?
と聞かれるたびに、
オーストラリアン・キャトル・ドッグ、
と答えるのだが、
おぉすとれいりあん・きゃとぅる・どっぐ
と答えるたびに、
なんだなんだ?と首を傾げられるか、
ああ、よく知らない犬種だね、といなされるか、
果たして、こいつ英語しゃべれるのか?
と怪しげな顔をされるのが落ち。

まあ確かに、
おーすとらりあん・きゃとる・どっぐなど、
俺だってこいつを知るまでは
聞いたことさえなかった筈。

という訳で、
聞いたこともない犬の種類を、
いきなり俺の英語で、
おーすとらりあん・きゃとる・どっぐ、
などと聞かされても、どうせ判るわけがないだろうな、
とは思っているわけで。

という訳で、最近となっては、ただひとこと、
MIX つまり、雑種、
と答えてしまうことにしている。

という訳で、MIX=雑種である訳なのだが、
そもそもオーストラリアン・キャトル・ドッグにしてみたって、
オーストラリアの牧牛犬用に、
ダルメシアンからコリーからブルテリアからに、
最後になってオーストラリア原産のディンゴなんて犬の血を混ぜ合わせた、
まさしくデザイナードッグ。

そのオーストラリアン・キャトル・ドッグの雑種にあたるブッチは、
そういって見ればまさに雑種の中の雑種。
いうなれば、雑種の王道、というに相応しい。

という訳で、ミックス、雑種、と言えども、
それはまさに、ミックスの中のミックス、
純然たる雑種、
という意味で捉えてもらわなくては困る。

なんといってもオーストラリアン・キャトル・ドッグ・ミックス、のブッチ。

どこでどういった具合で偶然が重なったのか、
ここまで最高の犬ができあがったというのはまさに奇跡中の奇跡。

世界でたった一匹のデザイナードッグ。
まさに最高の中の最高の雑種の中の雑種。
つまりは、奇跡的な雑種、という訳だ。

どうだ、思い知ったか。

犬の事情でお尻くんくん

Posted by 高見鈴虫 on 04.2012 犬の事情
良く知られた犬の行為に、
犬同士で互いのお尻の穴の匂いを嗅ぎ会う、
というのがある。
説明をすれば、
犬の肛門のすぐ両脇に、
肛門腺と言われる液を分泌する穴があって、
その肛門腺というのが、己の所在を示すアイデンティティとなりうる匂いとなる訳だ。
なので、
この互いの肛門、つまりは、肛門腺の匂いを嗅ぎあう、という行為は、
犬同士によってはまさに挨拶、および自己紹介にあたるとても大切な行為。

とは判っていながら、
しかし犬に慣れていない人がこの行為を見れば、
おいおい、昼真っから人前でなにをやっているのだ、
と、ちょっとむずむずと恥ずかしくなってしまう、というのも判らないではない。

と言う訳で我が家のブッチであるが、
純然たる犬の中の犬である我が家の駄犬君は、
犬であるからして犬の流儀に付き従いながらも、
こともあろうに犬の事情であるお尻クンクンの挨拶を、
まさか人間に対してもやってしまうという困ったところがある。

犬同士でさえ、強引に、あるいは、あからさまに、
おい、お前何者だ!?ちょっと尻の匂い嗅がせろや、
とやると、失礼に当たるらしく、
互いに割とつつましく、あるいは、替わり番こに、
あるいは、
まあお近づきの印にちょっとひと嗅ぎ、あらやだわ、およしになって、ならこっちもくんくんくん、
という具合に、互いが互いの尻を追いかけてくるくるまわりながら、
なんてことにもなる訳だが、
と言う訳で我が家の駄犬、
人間様に対しても、ふとすると、そーっと、そーっと、という感じで背後から近づいて、
その肛門腺の辺りに向けてそろりそろりと鼻の先を突っ込んでは、
くんくんくん、と熱心に匂いを嗅いだりする訳だ。

しかも現金なことに、男には決してやらない。
対象は女性。それも決まって魅力的な女性に限って、
と言うわけで、
ここまで来るとまさに確信犯に近い。

しかしながら、もしもあなたが、交差点の信号待ちの時、
そろりそろりと背後から近づいてきた男に、
いつのまにか、くんくんくん、と尻の匂いを嗅がれていたとしたら、
それはまさに、絶叫ものにびっくりどっきりである筈だ。

そして、もしも、まさか、
それを、事もあろうに飼い主であるこの俺が、
わざと犬にそうさせていた、というのであれば、
これはまさに、
下手をすれば、というよりも、それはただたんに、完全な犯罪行為である筈で。

まあ犬の事情を知っている人であれば、そんな訳があるはずが無いじゃないか、
うちの犬だってたまにやるよ、
とすぐに判る訳だが、
世の中、そうそうと犬の事情に詳しい人ばかりとは限らない。

と言う訳で、
交差点での信号待ちで、ふと目を離した隙に、
ぶー君がまたそろりそろりと隣の人のお尻のあたりをクンクンやっていたりすると、
いつ叫び声を上げられないかと気が気ではない。

きゃー、で済めばそれに越したことはないが、
それがもしも、
ねえ、あんた、わざと犬にやらさせたでしょ、
なんていう変な言いがかりをつけられたら、いったい俺はどう弁解すればいい物か。

一度など、トンプキンスクエアの野外コンサートの際、
アフロ・キューバンの強烈なビートに煽られて、
やおらステージの袖で踊り始めた黒人のおばさん、
己の歳もスタイルもかなぐり棄てて、
体系どころか、尻からパンツから、下手をするとその下まで透け透けに透けてしまう白いタイツという、
ちょっと完全に道を踏み外しつつある、あるいは、はずしたところからやっとこさ戻って来たばかり、
という強烈露出系おばはんが一人、
まるで物に憑かれたか、魔が刺したか、
やおら強烈なアフリカン・ブードゥー・ダンスを踊り始め、
腰を高く突き出してブルブルと尻の肉をブルブルと振るわせるあの独特なバットダンス、
さあどうだ、あたしはどうだ、よし来い、どす来い、とばかりに無我夢中でお尻を震わせていた矢先、
いつのまにかリーシュを振りほどいていたブッチ、
いきなり抜き足差し足でおばはんの背後に忍び寄ったかと思えば、
その突き出したお尻の、その剥きだしの亀裂の、
そのもっとも厳かな部分に向けて、
くんくんくんくん、とはじめた訳で。

ステージを見ていた観客たちも、あれ、おいおい、あれ見ろよ、
と互いの肩を突付き会いながらクスクスやり始めていたところ、
そうとは知らずにおばはん、
まさに天にも上るような絶頂に達したのか、
いきなり、えいやあ、と腰を突き下ろしたとたん、
ブッチの鼻が、その大切な部分を下からずどんと突き上げる形になり・・・

思わず、あひ~! と絶叫を上げて飛び上がるや、いまにも腰が抜けそうな程に驚いてしまった、という訳だ。

見ていた観客たち、思わず、大爆笑。

笑いが笑いを呼んで、それはまさに津波のように、
え、なになに、だから、だから、あのおばはんのお尻の下にさ、あの犬が、そろーって忍びよってお尻くんくんやってたらさ、
うへえ、すっげえ面白すぎる、と身振り手振りで爆笑の嵐。
思わず、ステージの上の演奏が止まるほど。

と言う訳で、観客たちから大喝采を浴びたブッチ。
訳も判らず、あるいは、確信犯か、目をくりくりさせながら得意そうに、はっはっは、と赤い舌を躍らせて、
もちろん、黒人のおばはんからは、この~、悪い子ねえ、と、思い切り抱きすくめられて身体中にキスキスキス。

はははは、照れるなあ、と、まさにそんな感じのブッチ君。思わず目をくりくりさせながら、得意のがははは笑い。

とまあ、そう、それはここがニューヨークであるから許される話。
あるいは、それがトンプキンスクエアで、
しかもその時の演奏がまさに最高のグルーブで、ステージも観客ものりのりの大ハッピー。
おまけにその黒人の露出系おばはんが、
いかにも、いかにも、あそこの臭そうなおばはんであったからなお更おかしかった訳だが、

そう、世の中そうそうと、洒落の通じる人だけとは限らない。

たとえそれが犬の事情であるとは言え、
もしやそれが、
バッドな場所でバッドな人々とバッドなタイミングで、
と考えると、うーん、そう、それはまさに、あまりにも危険すぎる、と言わざるを得ない、

なんてことを考えていた矢先、恐れていたことが現実になった。

事もあろうに、
セントラルパークで散歩中に、ばったりと会ってしまった会社の女の子ふたり。
あれえ、偶然ですねえ、こんちにはあ。
あれまあ、どうしたの?どうもどうも、
なんて挨拶話をしている最中に、
こともあろうにブッチ君、その会社の女の子二人の、
切れ上がったぴちぴちブルージーンの股間のまさにその部分に、
思い切り鼻先をくっつけて、
くんくんくんくん。
で、ひとりが済んだら、もう一人の股間もくんくんくんくん。
あまりのことに俺も愕然。
女の子ふたりも、思わず唖然、というか、あまりの驚愕に声も出ず、と言ったところ。
で、こともあろうにブッチ君、股間の匂いを嗅いだ末に、二人の顔を見比べて、
じゃあ、ぼく、こっち、とばかりに、一人の子に向けて、ジャンプ、と腿に手を置いて、へっへっへっへ、とやってみたものだ。
はははは、と氷ついた笑いが暫し。
かわいいわんちゃんですね、はははは、とこわばった声。
なんか、まあ、馬鹿で・・と俺も返す言葉もなく。

じゃあ、また、と別れたとたん、全身から脂汗がどばー。
まるで逃げるように歩き始めながら、ふと見ると、
あれ、ぶっち、いまだにあの会社の女の子ふたりの前で、はっはっは、と笑いながら尻尾を振っている。

おい、ぶっち、帰るぞ、
といくら言ってみても、
こんな時に限ってぶっちのやろう、振り返りもしない。

くそったれ、もうこうなれば自棄だ、とばかりに、じゃあなブッチ、といきなり走り始めたとたん、
さすがのブッチもあきらめたのか、後ろ髪、じゃなくて、尻尾をひっぱられるような思いで、
俺の後を追い始めた、という訳で。

と言う訳で、木陰に逃げ込んで思わずタバコを一本。

ふと見ると、膝の上に顎を乗せたブッチ。

はっはっは、とはちきれんばかりの笑顔。

あのなあ、と改めて。
あのなあ、ぶっち、と。

さしもの俺も、その時ばかりは完全に言葉を失っていた。

ぽかーん

Posted by 高見鈴虫 on 06.2012 日々之戯言(ヒビノタワゴト)
元気ですかい?
猫の具合はどうにゃ?

こちらは相変わらず。

犬の散歩ばかりやっている場合じゃない、
とは判っていながら、
かと言って、
犬の散歩だけはやらぬわけにはいかず、、
結局、犬の散歩だけですべてが終わってしまう今日この頃。
結果、犬にだけはいちおう感謝されているようだが。

あらためて、
こんなことでいいのだろうか、と、ふとぽかーんとしてしまったりもする。

では

BWAY72NDストリート 微笑みに満たされる街

Posted by 高見鈴虫 on 07.2012 犬の事情
ぶーと歩いていると、
すれ違う人々の表情が違う。
人々はみなまるでちょっとはにかむように微笑んで、
そして俺ににこりと笑いかける。
どうした訳か。
犬の散歩をする俺がそれほど魅力的なのか、
と思うがそれは間違いだ。

で、ふと散歩の途中に果たしてぶーがどんな顔をしているかと見るや、
来る人来る人の顔を、それこそ穴の開くようにじーっと見つめながら、
幸せいっぱいの顔でにかにかと笑っているのだ。

うーん、これはこれは。
街を行く人たちにとっては、それこそ最高にご機嫌なプレゼントだ。

こうしてぶーが街を行くとき、
ブロードウエイ72丁目は、
幸せな微笑みに満たされて行くのである。

なんだかんだ言いながら、
ぶーもしっかりと人のためにはなっているんだな。

準備して待つものに

Posted by 高見鈴虫 on 11.2012 ニューヨーク徒然
準備して待つものに
チャンスは必ず訪れる

そのチャンスを
待ち時間にこしらえたしがらみのために
みすみす棒に振ることもある

そしてまたため息ばかりの日常がやってくる
夜明けにみた夢の続きを追うように
くそ、あの時どうして、
としたうちしながら
次のチャンスを待つ日々が始まる。
そうやって埋れてゆくことを
人は人生と呼ぶのか

男やもめの週末

Posted by 高見鈴虫 on 19.2012 ニューヨーク徒然

いまに始まったことではないが
かみさんがいないとさっぱり食欲が失せる

いや腹が減っていないわけではないのだが
一体何を食べたいのか途方に暮れてしまうのだ

というわけで、寝ていた犬を起こして散歩に付き合ってもらっているわけだが
街をふらふらするばかりで一向に食べたいものが浮かんでこない。

ここニューヨークは人種の坩堝というだけあって
大通りには所狭しと上等そうなレストランがならんでいる。

季節は夏。
歩道に並んだテーブルはどこも人でいっぱい。
イタリアン、グリーク、メキシカン、寿司にチャイニーズ、
これだけの料理が並びながら
食べたいものがないというのはいったいどうしたことなのだ。

カフェのテーブルから響く笑い声。
様々なBGMと、時には調子はずれの歌声まで
みなさん楽しそうですね。
幸せですか?

そんな中、
いまだに空き腹を抱えたまま、犬と二人彷徨い続ける。

あのなぁ、とつくづく苦笑い
俺っていったい、なにをやっている訳?

改めて、
一人で食う飯は、食事とは言わず。
男が一人で飯を食う時、それは、ただの餌、
であったりするという事実を、
骨身にしみて実感するこの男やもめの週末

そう、
こんな俺にだって淋しいと思う時ぐらいあるんだよ。

ああもうパンのみみでも梅干しにたくあんでも、なんでもいい。
俺はただ、誰かといっしょに飯を食べたい、
それだけ、それだけなのだよ。


アメリカ大陸風

Posted by 高見鈴虫 on 20.2012 ニューヨーク徒然
ニュージャージには今日も風が吹いている。
マンハッタンのビル街を吹きすさぶ
気まぐれなつむじ風などではなく、
それはまさに地平を吹く風である。
風の厚みが違う。
そんな風に吹かれるたびに
どうしようもない無力感とともに、
なにかどこか吹っ切れた気がしてくるものだ。
このアメリカ大陸風こそが、
アメリカ人気質の源というやつなのか。



犬は旅行好きなのだろうか

Posted by 高見鈴虫 on 20.2012 犬の事情
俺もかみさんも、これまで本当にいろいろなところを旅してきたわけだが、
果たしてこいつ、この犬のブッチも、いろいろなところを旅行してみたい、
と思っているのだろうか?
犬は縄張り意識に敏感な動物だから、
そんな見ず知らずの土地どころか、
砂漠やらジャングルやらエメラルド色の海とか、
果たしてそういうものに喜びを感じるのだろうか?
やっぱり休暇の旅行には一緒に連れていきたいものだな。

たかが捨て犬のために人生を棒に振るという事態

Posted by 高見鈴虫 on 25.2012 犬の事情
たかが捨て犬の健全な育成のために、
大の大人が人生を棒に振る、
という事態がまさにいま起きようとしている。

はーい、犬の事情でオファーを断りました~ん。

やれやれ。。

ピットブルと街を歩くということ

Posted by 高見鈴虫 on 25.2012 犬の事情
土曜の夜、超猛犬のサリーと連れ立ってセントラルパークに出かけた。

俺たちにとってはセントラルパークは庭のようなものだが、
他の犬とすれ違うたびに気が触れたように暴れはじめるサリーは、
その素行が災いしておちおちと散歩にも連れていってもらえず、
という訳で、このセントラルパーク、普通に歩けばものの15分の道のりが、
サリーにとってはまさに生涯始まって以来の大冒険旅行な訳である。

しかしながら、さすがに何をしでかすか判らない超猛犬を連れて、
街の目抜き通りを突っ切るというのは至難の業。
しかも、土曜の夜、調子こいた酔っ払いがまさかなにをしでかすかも判らず、
という訳で、サリーは俺が、ブッチはサリーの飼い主であるジェニーが、
という布陣でこの大冒険を敢行することになったわけだ。

で、結果といえば、超猛犬のサリー、
まるで魔が落ちたように、まさに良い子。
さすがに俺の膝の脇にぴったりと寄り添って、
という訳にはいかないが、
大きな目をきょろきょろとさせながらも、
まさに全身が幸せで一杯。

信号で立ち止まるたびに俺を振り返るその瞳は、
まるで星をちりばめたようにキラキラと輝いていて、


な、そうだろ?良い子にしてればどんどん人生が面白くなるんだぜ。

そんな夕焼けあんな夕焼け

Posted by 高見鈴虫 on 25.2012 旅の言葉
いままで世界中で幾たびも、
壮絶な夕焼けの情景を見てきたが、
やはりどれだけの夕焼けをみても、
目の前の夕焼けには思わず目を奪われる。

そんな夕焼けあんな夕焼け。

夕焼けはどの街で見ても
それなりに美しいもの。

夕焼けが美しい限り
その街は俺の街だ。

こんな夕焼けを見逃すなんて

Posted by 高見鈴虫 on 25.2012 ニューヨーク徒然
今日の夕焼けはこんなに美しいというのに
あいつはセントラルパークの人の坩堝の中で、
METOPERA なんてものを観ている。
やれやれよりによってこんな夕焼けを見逃すなんて
ほとほとついてない奴だ。

フォーリン・レイン

Posted by 高見鈴虫 on 26.2012 旅の言葉
昔、タイに暮らしていた頃、
夕方のスコールが来るたびに、
なぜ人々が、雨の降る前に洗濯物を取り込まないのだろう、
と不思議に思っていた。

空に黒雲が立ちこめ、冷たく湿った風が足元をすり抜けて行けば、
ああ、もう5分で雨が降り出すな、と誰でも判りそうなものを。

という訳で、頼んだ洗濯物はいつになっても届かず、
今日もじっとりと湿っていい加減に臭い始めたシャツに首を突っ込むことになる。

とそんなとき、今日に限って、いや、まだあと10分は大丈夫だ、
と余裕をかましていたとたん、いきなり降り始めた豪雨に、
ホテルまであと一歩のところで捕まってしまったのだが、
雨宿りの軒先で、湿ったタバコに火をつけていると、
白く煙った水のベールの中から、
おかっぱ頭の女の子が、ケラケラと笑いながら飛び込んで来た。

とふと見ると、アパートのお手伝いの女の子。
やれやれ、この子がそんな風なら、
いつまでたっても洗濯物は雨ざらしのままだろう、とため息をつきながら、
髪のバンダナを解いて、そのおかっぱ頭をごしごしと拭いてやることになったりする訳だ。

え、なに?タバコ?タバコが欲しいって?お前まだ未成年だろ、
と指差されたタバコ。
フォーリン・レイン。タイで唯一のメンソール煙草。
そうだね、この煙草、いつもしけっていて、そういえば雨粒を吸い込んでいるような気にもなるよな。

雨に塗れた肌を風に煽られて、褐色の肌に鳥肌が浮いているのに気づいて、
おれはちょっと照れながら、そんな少女の肩をそっと抱いてやると、
身をよじりながら笑い始めた少女。
なんだよ、くすぐったいって?
と言ったとたん、じゃね、と手を振って再び雨の中に飛び出して行ってしまった。

やれやれと眺める雨。
タイの雨はいいな。雨があってこそのタイなのだな。
と思わず俺も、そんな雨の中に足を踏み出してみる。

とたんに全身の熱が冷めて、思わず大笑いしたくなるような爽快が押し寄せてくる。
屋上の洗濯物が、俺が、そして町中の人々が、
そんな恵みの雨に洗われ叩かれ、
ますますタイの匂いが染み込んでいく。

えーい、どうにでもなれ、と水溜りの泥をわざと跳ね上げながら思わずひと踊り。

胸のポケットのフォーリンレイン。買ったばかりなのにもうぐしゃぐしゃだろう。

なあに、窓際に並べて干しておけばじきに乾く筈だ。

フォーリンレインとはつまりはそういう煙草という意味なのか。


今回限りのオリンピック

Posted by 高見鈴虫 on 29.2012 日々之戯言(ヒビノタワゴト)
ロンドン・オリンピックが始まったな。

金曜の夜に残業をちょっと早めに切り上げて開会式の放送を観に帰ったのだが、
こちらの放送、NBCで7時半から。あれおかしいな時差はないのか、
まさか開会式の開始をアメリカ時間に合わせるなんて、
とは思ったが、そんなわけはないつまりは録画。
という訳でこちらNBCのオリンピック中継はすべて録画。
つまり結果はすべてインターネット上では判っているものを
わざわざ一日中TVで流し続けている訳で、おそまつにも程があるのだが、
そんな風だから当然のことながらここアメリカではオリンピックへの関心は薄い。


アメリカ流親切

Posted by 高見鈴虫 on 30.2012 ニューヨーク徒然
床に落ちていたメガネを
拾ってくれたのは嬉しいのだが
なにもそれを、椅子の上におく事は無いだろう。

座る前によく見ないお前が悪い、
メガネを置くには机が散らかりすぎていた、
とまあ、言い分はあるにしてもだ。

苦笑いの午後。

似たもの同士のカモメ

Posted by 高見鈴虫 on 31.2012 日々之戯言(ヒビノタワゴト)
見捨てられた空港跡地を思わせる、
だだっ広い駐車場のはしっこの
錆びたガードレールに座ってiPhoneでメールを打っていたら
いつのまにか隣りにカモメが一羽とまっていた。

まるで肩と肩をすり寄せるような、
その妙な近さに、一瞬あれ、とは思ったのだが、
カモメはカモメで、今更驚くのもしゃらくさいという風に素知らぬ顔。
俺は俺でいまさらカモメごときにうろたえてなるものかと、
そのままメールの続きを打ち続けていた。

なんとなく通じ合うものがあった


  

プロフィール

Author:高見鈴虫
日本を出でること幾年月。
世界放浪の果てにいまは紐育在住。
人種の坩堝で鬩ぎ合う
紐育流民たちの日常を徒然なく綴る
戯言満載のキレギレ散文集

*お断り 
このブログ記事はフィクションであり実在の人物・団体とは一切関係ありません藁

©終末を疾うに過ぎて...
無断丸々転載・そのまま転写はご勘弁ちょんまげ

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