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哀愁のラヴァーボーイ ~ アッパーウエストサイドのちょっと洒落にならない朝の光景
起き抜けのシャワーに濡れた髪をタオルで乾かしながら、
なんか、サリーが逝ってしまったこと、
実感が沸かなくてさ、と呟いた途端、
かみさんの顔つきが豹変していた。
なにを言ってるの?
あなたも自分でブッチの散歩させて見れば、
実感どころか、嫌というほど思い知らされるわよ。
そんな謎の言葉を叫びながら、バタンとドアを閉めたきり、
ベッドルームに閉じこもってしまったかみさん。
閉じられたドアの前で、ねえねえ、開けて開けて、とノックを繰り返すブッチが、
やれやれ、とへらへら笑いをしながら俺を振り返る。
あの、どうでも良いけど、俺、会社に行く時間なんだけど・・
だがしかし、かみさんは頑としてドアを開けてくれない。
まったくもう、この強情者が・・
ただそう、昨日も深夜までの残業明け、
このところ、またまた仕事を理由にすっかり犬の散歩を押しつけてしまっている今日このごろ、
連休前のこの間の抜けた金曜日ぐらい、たまには遅出をしても罰は当たるまい。
という訳で、今朝の散歩は急遽、俺が代行仕ることになったのだが、
喜び勇んだ我がブッチ君、アパートを出た途端、意気揚々と、
いつものセントラルパーク、とは逆の方向に勝手に歩き始める。
あれ?パークに行くんじゃなかったのか?芝生の丘でみんな待ってるぜ。
だがしかし、ブーくんは既に、全身から断固たる確信を込めたその足取り。
ああ多分、今日はまたドッグランに向かおうというのか。
だったらそう、そのまま川沿いのカフェで優雅にご朝食、なんていうのも悪くない、
と思いきや、リバーサイドへと向かう角のデリカテッセンに来たところで、
そんな俺の胸算用を嘲笑うかのように、くるりと右に折れては、
振り返りざまに、ニカっといつもの大笑いである。
むむむ、この笑い、絶対になにかあるぞ、と過ぎった嫌な予感。
まるで旗でもおっ立てるように、ピンと空に向かって突き上げた白い尻尾を掲げながら、
さあ、こっちだ、はい、こちらに、と信号を渡り、工事現場の脇を抜け、
とここまで来たところで、いや、まさか、とその嫌な予感、
一歩一歩と歩を進めるごとに、みるみると現実味を帯び始める。
で、この角を、まさかお前、また右に曲がるつもりではないだろうな、
と思ったとおり、はい、着きました、とちゃっかりと座り込んだ、その見慣れたアパートの前。
ああ、なんてこった。
その嫌な予感という奴が、こうもあからさまな的中を見るとは。
そのアパートの前、それこそはまさに、サリーの住んでいたアパート、その場所。
朝の出勤途中の人々に、いちいちありったけの笑顔を振りまきながら、
まだ来ない、まだ出てこない、と、いつまでもいつまでも座り込んだまま。
おい、と呼ぶと振り返る。
なに?と、小首をかしげては満面に笑みを讃えて、
へっへっへ、とこれ以上なく得意そうなその表情。
こいつ、もしかしたら、朝の散歩に出かけるサリーを待ち伏せしては、
じゃじゃーん、サプラ~イズ! へへへ、会いたくて、迎えに来ちゃったよーん、
なんて、そんなことを考えているのではないだろうか。
なあ、ブッチ、と小さく呼びかける。
なあブッチ、あのな・
相変わらずの満面の笑顔で振り返るブッチ。
なになに?ねえ、まだかな、サリーの朝の散歩の時間、もうそろそろだと思うんだけど。
なあ、ブッチ、あのな・・
そう言いかけた途端、思わず熱いものがこみ上げて来て、
おい、ブッチ、もう行こうぜ、と綱を引いた途端、その顔つきが豹変した。
嫌だ、僕はここに残る。
その頑なな顔つき。ああ、また始まった、この強情者め。
そう、根っからのハード・ノーズなオーストラリアン・キャトル・ドッグ。
その強情な気質は、血統からしてお墨付き。
普段からして、こうと決めたらガンとして動かず。
押しても引いてもオヤツで釣っても、叫んでも怒鳴っても
一度言い出したら梃子でも動かない、そんなこいつの性格は知り尽くしている。
ただな、ブッチ、あのな、だから・・
とそんな時、アパートから足早に出てきたご婦人から、
あら、ブッチじゃない、なになに、このハンサム・ボーイ、
朝も早くから、ガールフレンドのお出迎え?
頑張ってね、と投げキッスなどされて、
そして歩き始めたとたん、パタリと立ち停まった。
ブッチくん、確かサリーは・・
だから、ブッチ、おい、もう、行こうぜ、と綱を引く俺に、
いやだ、行かない、僕はここで、サリーを、サリーを・
歩道の真ん中で振り返ったままのご婦人がそんなブッチをじっと見つめながら、
その完璧なまでの朝のお化粧の仮面が、みるみると崩れ始めては、
ブッチ君、サリーは、サリーはね、と言いかけたまま、わなわなと震えては声にもならず。
そしてまた次の住人、そしてまた次の・・
あらブッチ君、おはよう、とその姿を見て取るや、
おいおい、ブッチ君、お前、そういうことなのか?・・
こみ上げてくる涙を隠しながら、足早に歩み去っていく人々、
或いは、そんなブッチの姿を目にした途端に、凍りついたように動けなくなってしまう人々。
やれやれ、いったいどうしたことか、と顔を出したドアマン。
ああ、やっぱりそうか、ブッチ君、また来ちゃったんだな、だから・・
また?またって、どういう意味?
ああ、だから、ここのところ毎朝なんだよ。奥さんもほとほと参っちゃっていてさ。
毎朝?・・
そう、俺ももう、毎朝、こんなブッチの姿を見せつけられて、
と言いながら、無骨を絵に描いたようなそのドアマンの瞳が、
みるみると潤み始めている。
あのな、ブッチ、サリーはな、もう居ないんだよ。
一足早く、虹の回廊を渡っていってしまったんだよ。
そんなドアマンとは既に顔見知りなのか、
くしゃくしゃと頭を撫でられながら、
そんなドアマンの頬を伝う涙を舐めては、
へっへっへ、しょっぱいしょっぱいと、無邪気に尻尾を振るばかり。
俺も辛くてな、とドアマン。
あのサリーには、本当にこれでもか、と厄介をかけられたものだが、
いざこうしていなくなってみると、もう、なんというか、
胸にぽっかり穴が開いちまったようで、
生きる張りあいさえもなくしまったみたいな、そんな気がしてさ。。
ジェニーは?と聞いてみる。
ああ、ジェニーはここのところずっと、イーストサイドのお母さんのところに行ったきりだよな。
ここのところずっと辛そうだったしな。
まあ一人で部屋に篭っていられるよりは、その方がずっと安心なんだがね。
やはりそうか。どうりでいつ見ても部屋に灯りが点いていない筈だ。
という訳で、困ったのはこの強情者の馬鹿犬である。
毎朝毎朝、こんな姿を見せられた日には、ご近所の方々だって堪らないだろう。
という訳で仕方がない、とばかりにいつもの手。
えいやあ、とその白い身体を抱えあげよう、とした途端、
ブッチが、突如、ぐるる、と唸っては身を翻らせた。
なんだ?ブッチが俺に唸った?
そう、猛犬の中の猛犬、と言われながらしかし、この駄犬。
世界でなにが起ころうとも、しかし、飼い主に対してだけは、
例えそれがどれほど理不尽なことであったとしても、
決して牙を向く素振りさえも見せなかった、この筋金入りのワンオーナードッグ。
そのブッチが、俺に・・
あまりのことに狼狽えながら、
しかしブッチ、その頑なな態度はますます硬化するばかり。
ごめんなさい、本当にごめんなさい、
ただ、僕は、例えなにがあっても、この場所を、離れるわけにはいかないんだ。
そのあまりにも一途な眼差しと見つめ合いながら、
あのなあ、お前、どこまで馬鹿なんだよ。
いくら待ってたって、サリーはもう出てこないんだよ。
サリーは死んだんだ。いくら待っていても、もう帰って来ないんだよ。
だから、だから・・
と、思わず、なんとしたことか、俺のこの視界までもが、みるみると曇り初めて。
あんたの奥さんも、毎朝ここで泣いているんだよ。
ただね、そんな奥さんの涙を見ると、ほら、見てご覧、
と、俺の瞳に光った星を見てとったブッチ。
いきなり崩れ落ちるように、がっくりと肩を落としては、
渋々と、本当に渋々と、それはまるで、死ぬ直前のサリーが見せたような、
あの、なんとも覚束ない足取り、そのままに、
一歩一歩、と家路へと向かい始める。
その豹変の様のあまりの残酷さに狼狽えながら、思わず鳴らすかみさんの携帯。
そういうこと?
そう、判った?そういうこと、なのよ。
毎朝?
朝だけじゃないわよ。午後も、そして夜も。
まったく困ったもんだな。
だから言ったでしょ?
ブッチは判ってなんかいないのよ。
犬には「死」なんてものは理解できっこないのよ。
毎朝毎朝、そこでそうやって頑張られて、私だってもう、あまりに辛すぎて・・
という訳で、朝も早くから、心の底からの深い深いため息である。
これまでの長い人生、数限りないほどに、
やるせない状況という奴に付き合わされてきたつもりではあったのだが、
いやはや、これには参った。
正直ちょっと、これには、まったくもって、ちょっと本気で参りきった。
という訳で、ふと、これは潮時なのであろうか、と思っていた。
犬の都合でこのアッパーウエストサイドにやって来たのが7年前。
やって来た途端に喧嘩三昧の鼻つまみ。
そんなブッチが、初めて出会った運命の人、魂の友。
そのサリーへの追慕、その傷心に打ちひしがれながら、
尚の事、この街に暮らし続けることは、
ブッチにとっても、そして多分、俺達、
その為に、バカ高い家賃を払わされている人間様にとっても、
決して良いこととは思えない、そんな気がしていたのだ。
犬の都合でこの街にやって来て、そしてまた、犬の都合で引っ越しか。
ただ、今更ながらこのニューヨークという街、
天井知らずの狂乱地下による家賃の高騰で、
普通の人間、つまりは、1%の超大富豪以外の、
99%の貧民達にとっては、なにがどうあっても、
まともな暮らしを続けることなど不可能であることは、
誰の目にも明らか。
確かに治安こそ良くなったものの、
アートも、音楽も、そして街自体を活性化させていた、
すべてのエネルギーというエネルギーが、
この、すべてが金かねカネ、の仁義なき戦いの中で、
いつのまにか綺麗さっぱりと、洗い流されてしまっていた。
そして、世界のショーウィンドウというだけの存在になってしまったこのニューヨークという街。
そんなショーウィンドウの中で、見世物として暮らすセレブな物好きは別として、
そんな狂乱地価の街で、朝から晩まで働き続けて、
しかしなおも青色吐息の貧乏暮し。
老後の貯金どころか、日々赤字を計上しては貯金を切り崩すだけの毎日。
そんな俺にとっても、そうまでしてまでこの街にしがみつく、その必然性とやらも、
今となってはすっかりと見失っている、そんなことにも疾うの昔に気がついていた筈だ。
潮時なのかな。つまりはそういうことなのか?
改めて立ち寄ったドッグランのベンチで、呆然と見上げるこの摩天楼の街。
俺はいったい、こんなところでなにをしているのだろう、
これ以上なく不機嫌な犬の肩を抱きながら、
改めて、途方に暮れるままの、夏の朝、なのであった。
なんか、サリーが逝ってしまったこと、
実感が沸かなくてさ、と呟いた途端、
かみさんの顔つきが豹変していた。
なにを言ってるの?
あなたも自分でブッチの散歩させて見れば、
実感どころか、嫌というほど思い知らされるわよ。
そんな謎の言葉を叫びながら、バタンとドアを閉めたきり、
ベッドルームに閉じこもってしまったかみさん。
閉じられたドアの前で、ねえねえ、開けて開けて、とノックを繰り返すブッチが、
やれやれ、とへらへら笑いをしながら俺を振り返る。
あの、どうでも良いけど、俺、会社に行く時間なんだけど・・
だがしかし、かみさんは頑としてドアを開けてくれない。
まったくもう、この強情者が・・
ただそう、昨日も深夜までの残業明け、
このところ、またまた仕事を理由にすっかり犬の散歩を押しつけてしまっている今日このごろ、
連休前のこの間の抜けた金曜日ぐらい、たまには遅出をしても罰は当たるまい。
という訳で、今朝の散歩は急遽、俺が代行仕ることになったのだが、
喜び勇んだ我がブッチ君、アパートを出た途端、意気揚々と、
いつものセントラルパーク、とは逆の方向に勝手に歩き始める。
あれ?パークに行くんじゃなかったのか?芝生の丘でみんな待ってるぜ。
だがしかし、ブーくんは既に、全身から断固たる確信を込めたその足取り。
ああ多分、今日はまたドッグランに向かおうというのか。
だったらそう、そのまま川沿いのカフェで優雅にご朝食、なんていうのも悪くない、
と思いきや、リバーサイドへと向かう角のデリカテッセンに来たところで、
そんな俺の胸算用を嘲笑うかのように、くるりと右に折れては、
振り返りざまに、ニカっといつもの大笑いである。
むむむ、この笑い、絶対になにかあるぞ、と過ぎった嫌な予感。
まるで旗でもおっ立てるように、ピンと空に向かって突き上げた白い尻尾を掲げながら、
さあ、こっちだ、はい、こちらに、と信号を渡り、工事現場の脇を抜け、
とここまで来たところで、いや、まさか、とその嫌な予感、
一歩一歩と歩を進めるごとに、みるみると現実味を帯び始める。
で、この角を、まさかお前、また右に曲がるつもりではないだろうな、
と思ったとおり、はい、着きました、とちゃっかりと座り込んだ、その見慣れたアパートの前。
ああ、なんてこった。
その嫌な予感という奴が、こうもあからさまな的中を見るとは。
そのアパートの前、それこそはまさに、サリーの住んでいたアパート、その場所。
朝の出勤途中の人々に、いちいちありったけの笑顔を振りまきながら、
まだ来ない、まだ出てこない、と、いつまでもいつまでも座り込んだまま。
おい、と呼ぶと振り返る。
なに?と、小首をかしげては満面に笑みを讃えて、
へっへっへ、とこれ以上なく得意そうなその表情。
こいつ、もしかしたら、朝の散歩に出かけるサリーを待ち伏せしては、
じゃじゃーん、サプラ~イズ! へへへ、会いたくて、迎えに来ちゃったよーん、
なんて、そんなことを考えているのではないだろうか。
なあ、ブッチ、と小さく呼びかける。
なあブッチ、あのな・
相変わらずの満面の笑顔で振り返るブッチ。
なになに?ねえ、まだかな、サリーの朝の散歩の時間、もうそろそろだと思うんだけど。
なあ、ブッチ、あのな・・
そう言いかけた途端、思わず熱いものがこみ上げて来て、
おい、ブッチ、もう行こうぜ、と綱を引いた途端、その顔つきが豹変した。
嫌だ、僕はここに残る。
その頑なな顔つき。ああ、また始まった、この強情者め。
そう、根っからのハード・ノーズなオーストラリアン・キャトル・ドッグ。
その強情な気質は、血統からしてお墨付き。
普段からして、こうと決めたらガンとして動かず。
押しても引いてもオヤツで釣っても、叫んでも怒鳴っても
一度言い出したら梃子でも動かない、そんなこいつの性格は知り尽くしている。
ただな、ブッチ、あのな、だから・・
とそんな時、アパートから足早に出てきたご婦人から、
あら、ブッチじゃない、なになに、このハンサム・ボーイ、
朝も早くから、ガールフレンドのお出迎え?
頑張ってね、と投げキッスなどされて、
そして歩き始めたとたん、パタリと立ち停まった。
ブッチくん、確かサリーは・・
だから、ブッチ、おい、もう、行こうぜ、と綱を引く俺に、
いやだ、行かない、僕はここで、サリーを、サリーを・
歩道の真ん中で振り返ったままのご婦人がそんなブッチをじっと見つめながら、
その完璧なまでの朝のお化粧の仮面が、みるみると崩れ始めては、
ブッチ君、サリーは、サリーはね、と言いかけたまま、わなわなと震えては声にもならず。
そしてまた次の住人、そしてまた次の・・
あらブッチ君、おはよう、とその姿を見て取るや、
おいおい、ブッチ君、お前、そういうことなのか?・・
こみ上げてくる涙を隠しながら、足早に歩み去っていく人々、
或いは、そんなブッチの姿を目にした途端に、凍りついたように動けなくなってしまう人々。
やれやれ、いったいどうしたことか、と顔を出したドアマン。
ああ、やっぱりそうか、ブッチ君、また来ちゃったんだな、だから・・
また?またって、どういう意味?
ああ、だから、ここのところ毎朝なんだよ。奥さんもほとほと参っちゃっていてさ。
毎朝?・・
そう、俺ももう、毎朝、こんなブッチの姿を見せつけられて、
と言いながら、無骨を絵に描いたようなそのドアマンの瞳が、
みるみると潤み始めている。
あのな、ブッチ、サリーはな、もう居ないんだよ。
一足早く、虹の回廊を渡っていってしまったんだよ。
そんなドアマンとは既に顔見知りなのか、
くしゃくしゃと頭を撫でられながら、
そんなドアマンの頬を伝う涙を舐めては、
へっへっへ、しょっぱいしょっぱいと、無邪気に尻尾を振るばかり。
俺も辛くてな、とドアマン。
あのサリーには、本当にこれでもか、と厄介をかけられたものだが、
いざこうしていなくなってみると、もう、なんというか、
胸にぽっかり穴が開いちまったようで、
生きる張りあいさえもなくしまったみたいな、そんな気がしてさ。。
ジェニーは?と聞いてみる。
ああ、ジェニーはここのところずっと、イーストサイドのお母さんのところに行ったきりだよな。
ここのところずっと辛そうだったしな。
まあ一人で部屋に篭っていられるよりは、その方がずっと安心なんだがね。
やはりそうか。どうりでいつ見ても部屋に灯りが点いていない筈だ。
という訳で、困ったのはこの強情者の馬鹿犬である。
毎朝毎朝、こんな姿を見せられた日には、ご近所の方々だって堪らないだろう。
という訳で仕方がない、とばかりにいつもの手。
えいやあ、とその白い身体を抱えあげよう、とした途端、
ブッチが、突如、ぐるる、と唸っては身を翻らせた。
なんだ?ブッチが俺に唸った?
そう、猛犬の中の猛犬、と言われながらしかし、この駄犬。
世界でなにが起ころうとも、しかし、飼い主に対してだけは、
例えそれがどれほど理不尽なことであったとしても、
決して牙を向く素振りさえも見せなかった、この筋金入りのワンオーナードッグ。
そのブッチが、俺に・・
あまりのことに狼狽えながら、
しかしブッチ、その頑なな態度はますます硬化するばかり。
ごめんなさい、本当にごめんなさい、
ただ、僕は、例えなにがあっても、この場所を、離れるわけにはいかないんだ。
そのあまりにも一途な眼差しと見つめ合いながら、
あのなあ、お前、どこまで馬鹿なんだよ。
いくら待ってたって、サリーはもう出てこないんだよ。
サリーは死んだんだ。いくら待っていても、もう帰って来ないんだよ。
だから、だから・・
と、思わず、なんとしたことか、俺のこの視界までもが、みるみると曇り初めて。
あんたの奥さんも、毎朝ここで泣いているんだよ。
ただね、そんな奥さんの涙を見ると、ほら、見てご覧、
と、俺の瞳に光った星を見てとったブッチ。
いきなり崩れ落ちるように、がっくりと肩を落としては、
渋々と、本当に渋々と、それはまるで、死ぬ直前のサリーが見せたような、
あの、なんとも覚束ない足取り、そのままに、
一歩一歩、と家路へと向かい始める。
その豹変の様のあまりの残酷さに狼狽えながら、思わず鳴らすかみさんの携帯。
そういうこと?
そう、判った?そういうこと、なのよ。
毎朝?
朝だけじゃないわよ。午後も、そして夜も。
まったく困ったもんだな。
だから言ったでしょ?
ブッチは判ってなんかいないのよ。
犬には「死」なんてものは理解できっこないのよ。
毎朝毎朝、そこでそうやって頑張られて、私だってもう、あまりに辛すぎて・・
という訳で、朝も早くから、心の底からの深い深いため息である。
これまでの長い人生、数限りないほどに、
やるせない状況という奴に付き合わされてきたつもりではあったのだが、
いやはや、これには参った。
正直ちょっと、これには、まったくもって、ちょっと本気で参りきった。
という訳で、ふと、これは潮時なのであろうか、と思っていた。
犬の都合でこのアッパーウエストサイドにやって来たのが7年前。
やって来た途端に喧嘩三昧の鼻つまみ。
そんなブッチが、初めて出会った運命の人、魂の友。
そのサリーへの追慕、その傷心に打ちひしがれながら、
尚の事、この街に暮らし続けることは、
ブッチにとっても、そして多分、俺達、
その為に、バカ高い家賃を払わされている人間様にとっても、
決して良いこととは思えない、そんな気がしていたのだ。
犬の都合でこの街にやって来て、そしてまた、犬の都合で引っ越しか。
ただ、今更ながらこのニューヨークという街、
天井知らずの狂乱地下による家賃の高騰で、
普通の人間、つまりは、1%の超大富豪以外の、
99%の貧民達にとっては、なにがどうあっても、
まともな暮らしを続けることなど不可能であることは、
誰の目にも明らか。
確かに治安こそ良くなったものの、
アートも、音楽も、そして街自体を活性化させていた、
すべてのエネルギーというエネルギーが、
この、すべてが金かねカネ、の仁義なき戦いの中で、
いつのまにか綺麗さっぱりと、洗い流されてしまっていた。
そして、世界のショーウィンドウというだけの存在になってしまったこのニューヨークという街。
そんなショーウィンドウの中で、見世物として暮らすセレブな物好きは別として、
そんな狂乱地価の街で、朝から晩まで働き続けて、
しかしなおも青色吐息の貧乏暮し。
老後の貯金どころか、日々赤字を計上しては貯金を切り崩すだけの毎日。
そんな俺にとっても、そうまでしてまでこの街にしがみつく、その必然性とやらも、
今となってはすっかりと見失っている、そんなことにも疾うの昔に気がついていた筈だ。
潮時なのかな。つまりはそういうことなのか?
改めて立ち寄ったドッグランのベンチで、呆然と見上げるこの摩天楼の街。
俺はいったい、こんなところでなにをしているのだろう、
これ以上なく不機嫌な犬の肩を抱きながら、
改めて、途方に暮れるままの、夏の朝、なのであった。

ベビーメタルのフラストレーション ~ ニューヨークの残念な人々
一足お先に夏本番のニューヨーク。
先の独立記念日の祝日を挟んで、
連日繰り返される大小の野外バーベキュー。
普段から犬の散歩にかまけてばかりいる不義理の落とし前に、
犬の参加が許されることを条件に、
そこかしこへとお礼参りの出没を繰り返しているのであるが、
で改めて、そこで出くわすバンドマン崩れたち。
いまとなっては、見る影もないほどまでに、
その脂ぎった赤ら顔から、
弛んだ腹にどう見ても似合わないその休日仕様のスポーツウエアからと、
押しも押されもせぬうだつの上がらないおっさん風情。
そんな、一見して見るからに温和そうな好々爺、
そのおさんたちの口から、酔いが回るほどに次から次へと飛び出してくる
その、あまりにも凄まじいばかりの武勇伝の数々。
いまとなってはすっかり殿堂入りを果たしたあの歴史的な大御所の、
サポートメンバーとして全米をツアーした、なんて話から、
全人類の文化遺産のような偉人たちと共演した、その稀有な経験談から、
そして、聞いてみれば、今もなお、人知れずにステージに立ち続けている、
そう、そんな輩、ばかり、なのである。
そう、ここはニューヨーク。
たかがバンドマン崩れ、とは言うものの、
日本においてはそれなりに大御所であったり、
あるいはそう、ここニューヨークという、
まさにバケモノ的なまでに、世界中からの才能の密集する、
まさに、パフォーマーたちにとっての聖地。
そんな世界の最高峰に対して、本気の本気でガチンコの勝負を挑んだ、
その気概だけは、歳老いたとは言っても、やはり並々ならぬものがある。
そんな曲者ぞろいのニューヨーカーたち。
いやはや、またまた色々と、面白い話を聞かせて頂いた。
♪
という訳で、まあそう、お裾分け、というのでもないのだが、
そんな、ニューヨークのバンドマン崩れたち、
いまとなっては、ただのうだつの上がらない藻屑的中年と化した輩たち。
休日の公園の片隅の緑の芝生の上、
グリルから立ち上るチャコールの煙に咽びながら、
はしゃぎまわる子どもたちを両手両足にぶら下げ、
あるいは、我が物顔に走り回る犬たちにボールを投げながら、
問わず語りに繰り返される、その苦労話の数々。
実はニューヨークに来る前に、ニューオリンズにしばらく居てね。
アラン・トゥーサンからドクター・ジョンからネヴィル・ブラザーズから、
そんなレジェンド的な偉人たちと夜な夜なにジャムセッションを繰り返していたんだが、
いやあ、あれは本当に面白かったなあ。
なになに、一番好きだったドラマー?
そうねえ、一緒にやった人の中では、やっぱりレニー・ホワイトかなあ。
トニーも、って、ああ、そう、もちろん、トニー・ウィリアムスのこと、
あの人さ、凄く良い人だったんだけど、
真面目過ぎるっていうか、理屈っぽいのよね。
ミュージシャンってより、なんか音楽学校のセンセイみたいでさ。
イギーかあ、イギーねえ。あいつは小銭にせこくてよ。
いつもヤクを集ってきやがる癖に、てめえでガメたらその途端にトンヅラさ。
借りたカネは返さねえ、てめえのものは一切他人に触らせねえ、
つまりはまあ、そう、よくいる、せこい野郎だったよな。
嫌われてたよ、ああ、あいつは嫌な野郎だったよな。
ジェメイカに長く居たよ。そうトレンチタウン、あのボブ・マーリーの故郷。
タフゴングのあたりを毎日うろうろしてさ。色んな奴らと知り合ったな。
ウエイラーズ?ああ、バレット・ブラザーズだろ?知ってるよ。ああ良く知っていた。
上手かったか?まあそうだな。ただみんなラリってたからな。
よく覚えてねえなあ、そんな細かいこと聞かれても。
へえ、ロス・バンバン知ってるんだ。ホアン・フォーメル死んじゃったよね。
うん知ってるよ。よく行ったよ、バンバン。ってか、犬も歩けば、じゃないけど、
ハバナのそこら中であの連中に出くわしたよね、普通に。
ボンボン?あのプピーのところの?あのひと、顔が大きくない?
好きだったのはね、へへへ、実はヒラルド・ピロート。そうクリマックスの。
なにが?え、まあ、ははは、まあ良いじゃない、そんなこと。
とそんな積もりに積もりまくる、ここだけ話の中で、
で、そう、日本、そう、日本なんだよね、と。
あそこってさ、なんかそう、まるでいまだに鎖国してるみたいでさ。
一度、日本、という言葉を上げた途端、
このニューヨークの歴戦の勇士たち、
ジャンルを越え、音楽の中にその一生を費やしてきた面々が、
そう、そうだな、そのとおり、と一同に苦虫を噛み潰したような渋面のまま、
まるで堰を切ったように、我らが母国に向けての苦言を並べ立て始めるのである。
♪
そう、日本ってさ、やっぱり鎖国だよね。
ガラ系って良く言うじゃない?私もよく言われるんだけどさ。
そう、ガラ系、つまりは、ガラパゴス系。
なにからなにまで世界標準からとっぱずれているっていうか、
なんというか、違うところ見ている、というか、
なんかそう、ずれてる、のよね。
ずれてるかどうかってのは、なにが標準にしてるかってのは判らないけど、
まあ確かに、閉鎖的、ではあるよな。なにをするにしても。
この間、実はツアーで行ったんだけどさ。そうこっちの連中と。
で、あっちの雑誌社からインタビュー、なんてのがあってさ。
したら、頼みもしないのに下手な通訳連れてきてて、
まあその英語がまたまた、と言っちゃったらきりがないんだけど。
で、どういう訳だか、私には、私にだけは、なんの話も振らないんだよね。
で、なんか、すごく邪魔者扱いされてるみたいでさ。
なんで日本人のあんたがそこにいるんだ、みたいな。
で、その質問っていうのが、準備周到っていうか、
色々とどうでもいいけどばかり、
なんかややこしい理屈ばかりを並べ立てては、
それに同調するかどうか、ってことばかりなんだよね。その趣旨が。
つまり、頭での思い込みを、必死になって押し付け来ては、
いや、それは違う、とか言われると、ガーンと落ち込んじゃったり。
で、そのときばかりは、なんでですかね?なんて私に聞かれて。
なんか変な人だったよね、あのメディアの人たち。
そうだよな、なんかそう、昔からそうだけど、頭でっかちっていうか。
そう、妄想系なんだよね、揃いも揃って。
そんなものさ、うだうだ考えてないで、さっさと本人に聞きに行けば良いものを、
うじうじして話しかけることもできずに、
で、そのままどんどんn妄想系に走っちゃうっていうか。
コミュ障って言うの?そう、コミュニケーションの下手な人、多いよね。
あの東京のさ、閉鎖感っていうの、どん詰まり方っていうか、
正直、半月も居たらちょっと気がおかしくなっちゃったな。
気がおかしいのはいまに始まったことじゃないけどね。
それはお互いさまでしょ。
つまりは、英語じゃないのかな?
英語を学問として学んじゃったが為に、
で、その英語を話す、という行為そのものが、
コミュニケーションにおける道具、というよりは、
その学問的な、つまりは、ペーパーテストなところでしか、
英語を計れなくなっちゃってる。
それってさ、あの詰め込み的な受験教育のトラウマなんじゃないの?
そう言えば、日本人ってさ、馬鹿ほど英語が上手いっていうか、
そう、お勉強の良く出来るタイプの人、高学歴の人とかに限って英語喋れないよね。
俺、頭も馬鹿だけど英語もろくにしゃべれないぜ。
そう、日本人の英語、酷すぎる。私もひとのこと言えた義理じゃないけどさ。
それもこれも、トラウマでしょ、あの、受験一辺倒の偏向教育の。
という訳で、昔もいまも、海外に長く生活した人々、
それも、海外という中で、その文化的な軋轢に苦労をすればするほどに、
母国である日本というものに対して、妙なぐらいなまでに酷評を繰り返すようになる。
いやあ、この間、日本から来たなんとかさん、とか言う人と、
そうそう、日本では何やってたか知らないけど、それなりにそれなり、とは聞いてたんだけど、
いざこっちの連中と合わせてみたら、そう、合わないんだよ、ぜんぜん。
ビートっていうか、グルーヴっていうかさ、やっぱりぜんぜん違うんだよね。
で、ほら、俺もそうだったしさ。
そう、俺も苦労したよ。特にそう、あの黒人連中とかさ。
合わないんだよ、どうしても。やっぱり違うんだよな、っていうか。
そうよね、それってやっぱり、伝統的というか歴史というか、
つまりは、民族の血、っていうかさ。
まあでも、それを言ったら世界中の人たち、みんなそうでしょ?
みんなそれぞれが違う訳でさ。
ただ、それを、個性、とかと開き直られると、一生、誰とも合わせられないんだけどね。
そう、その個性を、どうやって溶け込ませるかっていうのが問題なんであってさ。
わたしも苦労したな。テンポが軽い、とか、早いとか言われてさ。
メトロノームをONで取るからじゃない?
いやあ、そういう問題だけでもないと思うんだけど。
ドラマー的に言えば、日本人って8分の6拍子が無い民族、なんだよね。
そうそう、八分の六、ないよね。
それこそが基本なんだけどね。
ジャズから、ロックから、八分の六こそが基本。
そう、その基本が欠落してるんだけどさ。
俺、実はあったんだよね。生まれた時から裏取れてたしさ。
二拍三連取れ無い奴が不思議でならなかった。
生まれた時から頭の中ポリリズムだったりしてね。
ってか、そう、日本ってさ、伝統的に言えば、和音の無い人たちだったでしょ?
和音も無ければ、リズムも無い、グルーヴもない。
徹底的にアンサンブルの概念がない人達。
実はわたし、悩んだんだよね。やっぱり日本人なんかに生まれちゃった私が、
わざわざ西洋の音楽なんて、やる意味あるのなか、なんてさ。
俺、いまでも思ってるぜ。日本人の限界かな、とか。
でもさ、日本の和太鼓、あるじゃない?鬼太鼓とか。
なんか妙に、こっちの連中に受けが良いんだよね。
それって、つまり、あのパフォーマンスが、なんじゃない?
つまりは、ふんどしってことか。
もうね、日本人として生まれたからには、ちょんまげとふんどし、それしかないよね。
オイラン、とかね。なんかあるじゃない、最近のバンドで。
和楽器バンド?
そうそう、それそれ。音聴いたら笑っちゃったけどさ。
と、そんな会話、そう、確かに、どこかで聞いたことがある、
というよりは、まさに、これまで、永遠と繰り返されてきた、
この、日本誹謗中傷論。
最近のあの、アベーな方々の、
あのヒステリックなまでの日本美化な方々には、まさに発狂もの、
ではあるのだろうが、
そう、確かに、日本人という民族。
こと、西洋音楽という分野において、アンサンブルとグルーヴ、
つまりはぶっちゃけ、和音と、八分の六拍子の概念の欠落した民族にとっては、
まさに、宿命的といえるまでに、その欠落のあまりの大きさに叩きのめされることになる。
やっぱりさ、俺、これまで本当に色々とやってきたけどさ、
結論としては、日本人は無理。
どんなに苦労しても、努力しても、日本人が日本人である限り、
アンサンブルもグルーヴも、やっぱり、無理。
それって、まさに、民族的な限界って奴・・・
という訳で、この午後の灼熱の中、思わず寒々とした空気が漂ったその時、
ここぞとばかりに叩きつけてやった、この一言。
あの、すみません、先生方、もしかして、ベビーメタルって、ご存知ですか?
ベビーメタル?なにそれ。
あの、オジー・オズボーンとか、メタリカ、とか、ジューダス・プリースト、とか?
ああ、それは、ヘヴィメタル、でしょ?
いや違う違う、ベビーメタル。英語で言うと、ベイビーメトー。
ベイビーメトー?
そう、日本のバンド。アイドルとメタルの融合した。
あああ、その名前、聞いたことある。
で、そのベイビーメトーってのがなんだって?
だから、そう、いままでの話、そのすべての解答、というか。
そのベイビーメトーって言うのが?
そう、先生方のいままでのお話、そのすべてに対する、ご回答、と。
♪
という訳で、改めて、そんな永遠的海外遠征組の強者たちを相手に、
その日本誹謗中傷論への結論としてご紹介申し上げたベイビーメトー。
上手い?
そう、これまで現存した、すべてのバンド、よりも並外れて上手い。
日本人、なんでしょ?
そう、全員が列記とした日本人。
アイドルと、メタル?
そう、ティーンエイジャーの女の子たちと、凄腕のバックバンド。
スタジオの連中?
そう、実はバックはバリバリのスタジオ系。ドラムはあの青山純のご子息。
へえ、青純さんの息子さんがそんなことやってるんだ。
これがもう、凄い。まさしく、世界の誰よりも凄い。
でもさ、アイドルって、あのアイドルでしょ?あのモ~ニング娘とか、AKBなんとかとか。
あんた、なに言ってるのよ。最近は凄いのよ。
乃木坂からなにから、もう雨後の竹の子みたいな人海戦術。
まあそう、そんなアイドルではあるらしいんだけど、
ベビーメタル、そのボーカルが上手い。並外れて上手い。桁違い。
日本人の女の子が?
そう、すぅメタルって云うんだけど、上手い、凄く上手い。涙が出ちゃうぐらい。
ああああ、それ聞いたことがある。
良い歳こいたおっさんがメタルを聴いて泣くって。
なんのこっちゃと思ったけど。
そのアイドルが、ヘヴィメタルをやってるの?
音楽的には、デスメタ、というか、スラッシュメタル、なんだけどね。
そのデスメタに、アイドル歌手?
わりとこう、フレンチポップス系の甘い歌メロを被せてる。
なんか、ぜんぜん、想像もつかないけど。
ねえ、あんたさ、さっきまで言ってたことと、ぜんぜん矛盾してない?
だって、ほら、八分の六から、裏が取れないから、和音の概念が無いから、
頭でっかち過ぎて運動神経が悪くて、リズムが体感できない、
日本人ってそんなどうしようもない人たちばっかりでって。
そう、そのすべての答えが、このベビーメタル。
言って見る意味がまったく判らない。
という訳で、この灼熱のバーベキュー・パーティが、
ますます冷え切った寒々とした空気に包まれた、その時、
そのトドメとばかりに、妙に訳知り顔で、ニヤニヤ笑いを繰り返していたお仁。
ふっふっふ、と不敵な笑いと共に言い放った一言。
ベビーメタル?好きなの?はああ、つまりはそう、あなたも、そんな人、なのですね。
そんな、人?
そう、聞いてますよ。ベビーメタル。
ちょっと前になるけど、また日本の関係者からね、
これ、どう思うって、送られて来たんですがね、
ファースト・アルバムが。
で?
いやあまあ、そう、ワタシ的には、一回聞いて、もういいや、というか。
一回聞いて、もういいや?
そう、あれ、ゲームの音楽でしょ?
ゲーム?
そう、あれ、ゲームのね、BGM。
それをもっともらしく、生歌っぽく、ボカロの歌を被せて見た、
ただそれだけの話。
正直、こんなものには騙されないぞ、と。
騙される?
あれ、まがい物、でしょ?
そもそも、アイドルって、あのアイドル、でしょ?
で、それにマニピュレータ、って言うか、ぶっちゃけ、シンセのお皿を被せて、
なにもかもを、もっともらしくしただけの・・
と、そこまで聞いて、おお、そうか、と思い当たった。
そうか、そう、そうなんだよ、このにわかピーター・バラカン、
その紛い物的な評価のその元となっているものっていうのが、
つまりはあのCD音源、であった訳か。
と、そんな俺の苦境を気遣うように、
で、あんた、なんで、そのベビーメタル、なんていう紛い物が好きになったの?
え?それは、なにより、ライブに行ったから。
ライブに行ったの?日本まで?
いや、ニューヨークに来たんだよ。去年の春に。
で、その、ライブが、凄かった。
日本のアイドルがニューヨークでライブをやって、凄かったの?
そう、凄かった。
申し上げたように、俺もこれまで色んな人たち見てきたけど、
正直言って、このベビーメタルよりも凄いバンド、見たことがなかった。
まっさかあ、と一同。
あんた言ったよね、ストーンズを舞台の袖で見たって。
ロス・バンバンをバックステージで観たんでしょ?
サイモン・ラトルのベルリン・フィルも、リッカルド・ムーティのウィーン・フィルも。
ウェイン・ショーターも、チック・コリアも、ジョシュア・レッドマンも、
ガンズで、イギー・ポップで、死にかけたって。
ああ、観たよ、そういう人たち。
でも、そういうの全部合わせて、ベビーメタルの方が凄い。段違い平行棒に凄い。
まっさかああ、と一同、ここぞとばかりに声を合わせる。
日本のアイドルが、ストーンズよりガンズよりも凄い?ありえない。
そのあり得ないことが、現実に起こっている。それがまさに奇跡。
思わず顔を見合わせる面々。そして、そのあまりにも微妙な苦笑い。
そして振り返ったその表情の中に、あからさまに浮かぶ、侮蔑と、そして憐憫を込めた、
一種独特な、あの、猜疑の塊り。
それってまるで、そう、新興宗教の勧誘者に対する、その曖昧且つ頑なな拒絶、そのもの。
まあそうね、あんたがそこまで言うのなら、今度聞いてみても良いかな、と思うけどさ、
と言うのも、実はそう、この凍りついた空気を和らげる為のただの社交辞令。
ねえ、そう言えばさ、日本のトランプ、こないだの選挙でボロ負けしたんでしょ?
ああ、読んだ読んだ、そう、都議選で歴史的な大惨敗とか。
あれ、森なんとかから、凶暴罪から、どう考えてもやり過ぎよね。
つくづく、この人達、民主主義がなんなのか、判ってないんだなってさ。
そう、所詮は日本。つまりは極東のガラパゴス。
その閉鎖性の中でのすべてがすべてでっち上げの印象操作ばかりがまかり通る、
嘘と妄想で固められた紛い物も紛い物。
アンサンブルもグルーヴも、すべて外から輸入しただけのただのハリボテ。
で、民主主義も、自由も愛も平等も、すべてがすべて、猿真似の・・
♪
という訳で、改めてこの困った輩たち。
この石頭のおさんおばんのアフォ揃い。
揃いも揃ってその狭い了見に凝り固まっては、
勝手に自称先生に収まってしまった独善の塊。
その何十年も前の美意識の殻の中に閉じ籠もったまま、
新しいものを見分ける、その力も能力もすっかりと失ってしまった、
そんな、生きる屍のような可哀想な人々、
とそんな風に、斬って捨てることは簡単である。
ではあるのだが、
そう、ただこの人達は、列記としたニューヨーカー。
この人種の坩堝の中で、一音楽家として、
四半世紀に渡って、揉むに揉まれてきた、歴戦の勇士たち。
そんな人々が、しかし、
ああ、ベビーメタルか、はいはい、と一笑に付してしまう、
その理由とは、いったいなんなのか。
そして改めて言ってしまえば、かのピーター・バラカン氏を始めとして、
これまで日本の、そして世界の音楽を支えてきた逸材たちの中からも、
このベビーメタルという存在を、敢えて無視を続ける、
その理由と、同根をなすものと思えてならない。
ベビーメタルに対する、このあまりの過小評価。
その謎、その原因について、改めて考えて見るに、
そう、その違いとは、まさしく、ライブに行ったか、それに尽きる、と思う訳だ。
そう言えば、正直なところ、俺は、ベビーメタルのCDはろくに聴いていない。
俺が好きなベビーメタルとは、まさに、ライブにおけるベビーメタルであって、
あの、怒涛のニューヨーク公演、その体験に基づいた上でのライブ映像、
YOUTUBEに氾濫する、海賊映像のベビーメタル、な訳なのであるが、
そのすべてが、やはり、あのニューヨーク公演での姿に帰結されるわけである。
そう、ベビーメタルが舐められている、その理由というのも、
ぶっちゃけ、あのデジ音だけのてんこ盛りとして発表された、
あの、CD音源、それに起因している訳で、
まあ確かに、そう、俺もベビーメタルの二枚のCDを所有してはいるが、
正直言って、まともに聴いたことがない。
そうか、つまりは、そういうことなのか。
♪
という訳で、改めて、それはまさに、先祖返り、という風に、
初心、つまりは、ベビーメタルを知った、あの去年のライブ、
その直後に感じた、あの率直な感想、とやらを、もう一度蒸し返すことにもなる。
ベビーメタルの、あのCD音源、
あのすべてを、神バンド・バージョンで録り直して欲しい。
そう、嘗て何度も言ってきたが、
ベビーメタルを知るまで、俺自身、いまや世界中に氾濫する安上がりなデジタル音源、
ことにあの、デジタル・ドラムの音に対しては、これ以上もないほどに、拒絶反応を持っていた。
あの、薄っぺらなぽこぽん・サウンドが鳴る度に、
思わず、ピンクレディじゃねえんだぞ、と、
その音源のスピーカーに蹴りをぶち込みたくもなる。
そう、世界の音楽家たち、
最近の音楽業界の、ろくに楽器も操れないにわかコンポーザー、
それがアップルの巨大モニターの中で、コピペを繰り返す、
それを音楽と勘違いしたウスラバカたち、なんてのと違い、
本物のミュージシャンは、やはり、生演奏があって、初めて、なのである。
そして改めて、ベビーメタルのその魅力とは、
あのキチガイじみたデジ音源を、執拗なまでに完全再現した、
その、偏執狂的なまでの、スタジオ系演奏技術、その結集、
それを無くしては、ベビーメタルを認めることは、なかったであろう、
とも思う訳で、
確かに、すぅメタルの歌唱力には凄まじいものがあるが、
ただ、あのすぅメタルの歌唱力であっても、
実際にライブでの生声を聞かずしては、
ああ、あの、やたらと手の込んだボカロ、
あるいは、妙に気合の入った児童唱歌みたいな、
と、そんなところで簡単に切り捨てられてしまう、
その可能性も無きにしも非ず。
そう、良い意味でも悪い意味でも、
ベビーメタルの引きずる、そのアイドルという看板には、
負の固定概念がありすぎる。
これまでのアイドル、つまりは、モ~娘から、AKBからの、
一般メディアを通じでこれでもかと垂れ流されて来た、
あの、あまりにも陳腐な音楽性に対しての耐えるに耐え難い拒絶反応、
それと同時に、アイドル、つまりは、口パク、という、常識が、
あまりにも浸透しすぎているのでは無かろうか。
そしてベビーメタルが日本よりも先に、海外で受け入れられた、
と、その理由というのも、
まさにこの、日本特有の文化である、アイドルにつき纏う負の遺産、
その強引な印象操作的刷り込みへの拒絶反応、
そんな負の影響度の少ない海外においての方が、
妙な固定概念的な色眼鏡を持たずしてベビーメタルの魅力に触れられる、
という意味でもあったのではないだろうか。
♪
という訳で、改めて繰り返せば、
ベビーメタルこそは、来るべき未来を担う、
そのあまりにも強烈な光を放つ新星である。
この時代、少なくとも曲りなりにも音楽というものに、
多少ともでもこだわりのある人々が、
しかしこのベビーメタルという存在に目を向けていないとすれば、
それはまさに、音楽というものに対する冒涜にも等しい。
ただ、馬鹿でもボンクラでもない筈の歴戦の勇者たちが、
何故にこのベビーメタルという存在に素直に目を向けることができないのか。
ベビーメタルのそのあまりのクオリティの高さを思えば思うほどに、
そのあまりの過小評価、そして、知名度の低いさに、
時として耐えきれないほどの欲求不満を募らせることにもなる。
ベビーメタル?
ああ、知ってる知ってる、あのアイドルの。
おいおい、どうしたんだよ、お前その歳になってドルオタか?
お前も、加山雄三の仲間入りって奴か?
至る所で突き当たることになる、そんな心にもない中傷を前に、
その嘗ての歴戦の勇者、その、音楽極道を自称した戦友たちに対して、
お前ら、本当に、その目が節穴になっちまったんだな、と、
虚無的なまでの失望を繰り返すことにもなる。
という訳で、改めて、ベビーメタル、
その宣伝戦略に、なにかが間違っている、
あるいは、すれ違いが生じている、と思わざるを得ない。
知る人ぞ知る、というコア的アングラ的な魅力も判らないではないのだが、
一般売りのCD音源がしょぼければしょぼい程にライブの希少価値が上がる、やら、
あるいは、日本すべてに疫病のように蔓延しては鎖国状態に密封して続ける、
あの悪名高き大手広告代理店の印象操作への偏見というのも判らないではないのだが、
それを踏まえた上でも、
ここまでのクオリティを誇るベビーメタルが、
出がらし的な有名バンドのサポーティング・アクト、
或いは、小箱の連チャンで、チケットが完売、ぐらいなところで、
留まっていなくてはいけない理由などないではないか。
ジミ・ヘンドリックスが、しかしその存命中は、それほどまでに知名度も高く無く、
強いては商業的にはまったくと言って良いほどの成功しか持ち得なかったこと、
あるいは、ハノイ・ロックスという逸材中の逸材が、メンバーの不幸の後、
そのお株のすべてを、ガンザンローゼズに奪われてしまったように、
我らがベビーメタルの存在が、うかうかしている間に、
知る人ぞ知るの伝説の中に密封されたまま、
いつの間にかすっかりとコピペされては韓流ポップの紛い物に食われてしまったり、
なんてことが起こらないとも限らないではないか。
という訳で、妙な胸騒ぎの中に晒され続けるこのバーベキュー・パーティ。
思わず、てめえら、すっかり老いぼれやがって。
ベビーメタルこそは、音楽史上の最高峰。
これ以上のバンドは、これまでにも、そして、これ以降も、現れることはない、
と断言しながらも、
だったら、そこまで言うなら、その証拠と言うやつを世界に示してみんかい、
そう言われてしまっては、ふと思い描くベビーメタルの将来像。
マジソン・スクエア・ガーデンにおける歴史的な一大イヴェントを皮切りに、
歴史的な大御所たち、そのオールスター的な面々をゲスト・ミュージシャン、
あるいは神バンドの一員として迎え入れては、
オジフェスト、あるいは、ノットフェストへの殴り込み。
MTVからVH1からのヘヴィーローテーションから、
世界規模でのキャンペーンの中での新規顧客開拓から、
全米規模のアニメショーンのオンエアから始まり、
セントラルパークにおいて、
コミック・コンとコラボした一大ジャアニメ・コスプレ・フェスの中で、
X-JAPANからVAMPSから、
MWMから和楽器バンドからONEOKROCKから、
日本パワーを総結集しての数十万人規模の一大フリーイヴェント。
マドンナからレディガから、強いては、ビヨンセからテイラー・スウィフトを凌ぐ、
押しも押されもしないスーパースターとして
世界中のスタジアムでソールドアウト・ショーを連発する、
その実力が、ベビーメタルにはある、と、そう信じているのである。
ベビーメタルが、ソニーや、トヨタや、ニンテンドーを凌ぐ、
まさに、日本の新しいアイコンとしての存在を世界に知らしめる、
その新たなるジャパン旋風の象徴として、
可愛く美しく、そして真実一路のこの超絶なスーパーバンドが、
世界のスーパースターとして君臨する、
そんな時代が、いますぐにでも、起こって然るべきもの、
ベビーメタルにはその可能性が、十分過ぎるほどにありすぎる。
そして来るべき東京オリンピックに合わせて行われる東京ドーム、
そして、日本中のスタジアムでの連日公演。
世界中からの目が、ベビーメタルのラブラブ・パワーの中に騒然とする、
へへーん、どんなもんじゃあ!
なんてことが、と、夢は膨らむシャボン玉、
そんな妄想をぶち上げれば打ち上げるほどに、
そんな俺を、おやおや、このひと、完全に持って行かれる、
と、憐れみの眼差して見つめる、この残念なニューヨーカーたち。
いまに見てろ、ベビーメタルが世界を席巻しつくす、
その姿を見るまで、俺はお前らみたいに老いぼれるわけにはいかねえんだ、
その志を改にする訳である。
という訳で、いやあ食った食った、と見上げる空に、いつしか広がる夕暮れ。
はしゃぎ過ぎた一日の終りに、すでに寝付いてしまった子どもたちを抱えては、
ああ、楽しかった、また来年、とご挨拶を繰り返しながらも、
そのベビーメタルという人たち、来年の今頃には、いったいどうなっているのかしら、
そんな意味深なお言葉を頂きながら、くそお、ここまで来たら引くに引けないベビーメタル、
来年の今頃には、マジソン・スクエアどころか、ジャイアンツ・スタジアムをソールドアウトぐらい、
して貰わなくては示しがつかねえ、そんなことを呟いては、とぼとぼと家路を辿る、
夏の夕暮れ、なのであった。
先の独立記念日の祝日を挟んで、
連日繰り返される大小の野外バーベキュー。
普段から犬の散歩にかまけてばかりいる不義理の落とし前に、
犬の参加が許されることを条件に、
そこかしこへとお礼参りの出没を繰り返しているのであるが、
で改めて、そこで出くわすバンドマン崩れたち。
いまとなっては、見る影もないほどまでに、
その脂ぎった赤ら顔から、
弛んだ腹にどう見ても似合わないその休日仕様のスポーツウエアからと、
押しも押されもせぬうだつの上がらないおっさん風情。
そんな、一見して見るからに温和そうな好々爺、
そのおさんたちの口から、酔いが回るほどに次から次へと飛び出してくる
その、あまりにも凄まじいばかりの武勇伝の数々。
いまとなってはすっかり殿堂入りを果たしたあの歴史的な大御所の、
サポートメンバーとして全米をツアーした、なんて話から、
全人類の文化遺産のような偉人たちと共演した、その稀有な経験談から、
そして、聞いてみれば、今もなお、人知れずにステージに立ち続けている、
そう、そんな輩、ばかり、なのである。
そう、ここはニューヨーク。
たかがバンドマン崩れ、とは言うものの、
日本においてはそれなりに大御所であったり、
あるいはそう、ここニューヨークという、
まさにバケモノ的なまでに、世界中からの才能の密集する、
まさに、パフォーマーたちにとっての聖地。
そんな世界の最高峰に対して、本気の本気でガチンコの勝負を挑んだ、
その気概だけは、歳老いたとは言っても、やはり並々ならぬものがある。
そんな曲者ぞろいのニューヨーカーたち。
いやはや、またまた色々と、面白い話を聞かせて頂いた。
♪
という訳で、まあそう、お裾分け、というのでもないのだが、
そんな、ニューヨークのバンドマン崩れたち、
いまとなっては、ただのうだつの上がらない藻屑的中年と化した輩たち。
休日の公園の片隅の緑の芝生の上、
グリルから立ち上るチャコールの煙に咽びながら、
はしゃぎまわる子どもたちを両手両足にぶら下げ、
あるいは、我が物顔に走り回る犬たちにボールを投げながら、
問わず語りに繰り返される、その苦労話の数々。
実はニューヨークに来る前に、ニューオリンズにしばらく居てね。
アラン・トゥーサンからドクター・ジョンからネヴィル・ブラザーズから、
そんなレジェンド的な偉人たちと夜な夜なにジャムセッションを繰り返していたんだが、
いやあ、あれは本当に面白かったなあ。
なになに、一番好きだったドラマー?
そうねえ、一緒にやった人の中では、やっぱりレニー・ホワイトかなあ。
トニーも、って、ああ、そう、もちろん、トニー・ウィリアムスのこと、
あの人さ、凄く良い人だったんだけど、
真面目過ぎるっていうか、理屈っぽいのよね。
ミュージシャンってより、なんか音楽学校のセンセイみたいでさ。
イギーかあ、イギーねえ。あいつは小銭にせこくてよ。
いつもヤクを集ってきやがる癖に、てめえでガメたらその途端にトンヅラさ。
借りたカネは返さねえ、てめえのものは一切他人に触らせねえ、
つまりはまあ、そう、よくいる、せこい野郎だったよな。
嫌われてたよ、ああ、あいつは嫌な野郎だったよな。
ジェメイカに長く居たよ。そうトレンチタウン、あのボブ・マーリーの故郷。
タフゴングのあたりを毎日うろうろしてさ。色んな奴らと知り合ったな。
ウエイラーズ?ああ、バレット・ブラザーズだろ?知ってるよ。ああ良く知っていた。
上手かったか?まあそうだな。ただみんなラリってたからな。
よく覚えてねえなあ、そんな細かいこと聞かれても。
へえ、ロス・バンバン知ってるんだ。ホアン・フォーメル死んじゃったよね。
うん知ってるよ。よく行ったよ、バンバン。ってか、犬も歩けば、じゃないけど、
ハバナのそこら中であの連中に出くわしたよね、普通に。
ボンボン?あのプピーのところの?あのひと、顔が大きくない?
好きだったのはね、へへへ、実はヒラルド・ピロート。そうクリマックスの。
なにが?え、まあ、ははは、まあ良いじゃない、そんなこと。
とそんな積もりに積もりまくる、ここだけ話の中で、
で、そう、日本、そう、日本なんだよね、と。
あそこってさ、なんかそう、まるでいまだに鎖国してるみたいでさ。
一度、日本、という言葉を上げた途端、
このニューヨークの歴戦の勇士たち、
ジャンルを越え、音楽の中にその一生を費やしてきた面々が、
そう、そうだな、そのとおり、と一同に苦虫を噛み潰したような渋面のまま、
まるで堰を切ったように、我らが母国に向けての苦言を並べ立て始めるのである。
♪
そう、日本ってさ、やっぱり鎖国だよね。
ガラ系って良く言うじゃない?私もよく言われるんだけどさ。
そう、ガラ系、つまりは、ガラパゴス系。
なにからなにまで世界標準からとっぱずれているっていうか、
なんというか、違うところ見ている、というか、
なんかそう、ずれてる、のよね。
ずれてるかどうかってのは、なにが標準にしてるかってのは判らないけど、
まあ確かに、閉鎖的、ではあるよな。なにをするにしても。
この間、実はツアーで行ったんだけどさ。そうこっちの連中と。
で、あっちの雑誌社からインタビュー、なんてのがあってさ。
したら、頼みもしないのに下手な通訳連れてきてて、
まあその英語がまたまた、と言っちゃったらきりがないんだけど。
で、どういう訳だか、私には、私にだけは、なんの話も振らないんだよね。
で、なんか、すごく邪魔者扱いされてるみたいでさ。
なんで日本人のあんたがそこにいるんだ、みたいな。
で、その質問っていうのが、準備周到っていうか、
色々とどうでもいいけどばかり、
なんかややこしい理屈ばかりを並べ立てては、
それに同調するかどうか、ってことばかりなんだよね。その趣旨が。
つまり、頭での思い込みを、必死になって押し付け来ては、
いや、それは違う、とか言われると、ガーンと落ち込んじゃったり。
で、そのときばかりは、なんでですかね?なんて私に聞かれて。
なんか変な人だったよね、あのメディアの人たち。
そうだよな、なんかそう、昔からそうだけど、頭でっかちっていうか。
そう、妄想系なんだよね、揃いも揃って。
そんなものさ、うだうだ考えてないで、さっさと本人に聞きに行けば良いものを、
うじうじして話しかけることもできずに、
で、そのままどんどんn妄想系に走っちゃうっていうか。
コミュ障って言うの?そう、コミュニケーションの下手な人、多いよね。
あの東京のさ、閉鎖感っていうの、どん詰まり方っていうか、
正直、半月も居たらちょっと気がおかしくなっちゃったな。
気がおかしいのはいまに始まったことじゃないけどね。
それはお互いさまでしょ。
つまりは、英語じゃないのかな?
英語を学問として学んじゃったが為に、
で、その英語を話す、という行為そのものが、
コミュニケーションにおける道具、というよりは、
その学問的な、つまりは、ペーパーテストなところでしか、
英語を計れなくなっちゃってる。
それってさ、あの詰め込み的な受験教育のトラウマなんじゃないの?
そう言えば、日本人ってさ、馬鹿ほど英語が上手いっていうか、
そう、お勉強の良く出来るタイプの人、高学歴の人とかに限って英語喋れないよね。
俺、頭も馬鹿だけど英語もろくにしゃべれないぜ。
そう、日本人の英語、酷すぎる。私もひとのこと言えた義理じゃないけどさ。
それもこれも、トラウマでしょ、あの、受験一辺倒の偏向教育の。
という訳で、昔もいまも、海外に長く生活した人々、
それも、海外という中で、その文化的な軋轢に苦労をすればするほどに、
母国である日本というものに対して、妙なぐらいなまでに酷評を繰り返すようになる。
いやあ、この間、日本から来たなんとかさん、とか言う人と、
そうそう、日本では何やってたか知らないけど、それなりにそれなり、とは聞いてたんだけど、
いざこっちの連中と合わせてみたら、そう、合わないんだよ、ぜんぜん。
ビートっていうか、グルーヴっていうかさ、やっぱりぜんぜん違うんだよね。
で、ほら、俺もそうだったしさ。
そう、俺も苦労したよ。特にそう、あの黒人連中とかさ。
合わないんだよ、どうしても。やっぱり違うんだよな、っていうか。
そうよね、それってやっぱり、伝統的というか歴史というか、
つまりは、民族の血、っていうかさ。
まあでも、それを言ったら世界中の人たち、みんなそうでしょ?
みんなそれぞれが違う訳でさ。
ただ、それを、個性、とかと開き直られると、一生、誰とも合わせられないんだけどね。
そう、その個性を、どうやって溶け込ませるかっていうのが問題なんであってさ。
わたしも苦労したな。テンポが軽い、とか、早いとか言われてさ。
メトロノームをONで取るからじゃない?
いやあ、そういう問題だけでもないと思うんだけど。
ドラマー的に言えば、日本人って8分の6拍子が無い民族、なんだよね。
そうそう、八分の六、ないよね。
それこそが基本なんだけどね。
ジャズから、ロックから、八分の六こそが基本。
そう、その基本が欠落してるんだけどさ。
俺、実はあったんだよね。生まれた時から裏取れてたしさ。
二拍三連取れ無い奴が不思議でならなかった。
生まれた時から頭の中ポリリズムだったりしてね。
ってか、そう、日本ってさ、伝統的に言えば、和音の無い人たちだったでしょ?
和音も無ければ、リズムも無い、グルーヴもない。
徹底的にアンサンブルの概念がない人達。
実はわたし、悩んだんだよね。やっぱり日本人なんかに生まれちゃった私が、
わざわざ西洋の音楽なんて、やる意味あるのなか、なんてさ。
俺、いまでも思ってるぜ。日本人の限界かな、とか。
でもさ、日本の和太鼓、あるじゃない?鬼太鼓とか。
なんか妙に、こっちの連中に受けが良いんだよね。
それって、つまり、あのパフォーマンスが、なんじゃない?
つまりは、ふんどしってことか。
もうね、日本人として生まれたからには、ちょんまげとふんどし、それしかないよね。
オイラン、とかね。なんかあるじゃない、最近のバンドで。
和楽器バンド?
そうそう、それそれ。音聴いたら笑っちゃったけどさ。
と、そんな会話、そう、確かに、どこかで聞いたことがある、
というよりは、まさに、これまで、永遠と繰り返されてきた、
この、日本誹謗中傷論。
最近のあの、アベーな方々の、
あのヒステリックなまでの日本美化な方々には、まさに発狂もの、
ではあるのだろうが、
そう、確かに、日本人という民族。
こと、西洋音楽という分野において、アンサンブルとグルーヴ、
つまりはぶっちゃけ、和音と、八分の六拍子の概念の欠落した民族にとっては、
まさに、宿命的といえるまでに、その欠落のあまりの大きさに叩きのめされることになる。
やっぱりさ、俺、これまで本当に色々とやってきたけどさ、
結論としては、日本人は無理。
どんなに苦労しても、努力しても、日本人が日本人である限り、
アンサンブルもグルーヴも、やっぱり、無理。
それって、まさに、民族的な限界って奴・・・
という訳で、この午後の灼熱の中、思わず寒々とした空気が漂ったその時、
ここぞとばかりに叩きつけてやった、この一言。
あの、すみません、先生方、もしかして、ベビーメタルって、ご存知ですか?
ベビーメタル?なにそれ。
あの、オジー・オズボーンとか、メタリカ、とか、ジューダス・プリースト、とか?
ああ、それは、ヘヴィメタル、でしょ?
いや違う違う、ベビーメタル。英語で言うと、ベイビーメトー。
ベイビーメトー?
そう、日本のバンド。アイドルとメタルの融合した。
あああ、その名前、聞いたことある。
で、そのベイビーメトーってのがなんだって?
だから、そう、いままでの話、そのすべての解答、というか。
そのベイビーメトーって言うのが?
そう、先生方のいままでのお話、そのすべてに対する、ご回答、と。
♪
という訳で、改めて、そんな永遠的海外遠征組の強者たちを相手に、
その日本誹謗中傷論への結論としてご紹介申し上げたベイビーメトー。
上手い?
そう、これまで現存した、すべてのバンド、よりも並外れて上手い。
日本人、なんでしょ?
そう、全員が列記とした日本人。
アイドルと、メタル?
そう、ティーンエイジャーの女の子たちと、凄腕のバックバンド。
スタジオの連中?
そう、実はバックはバリバリのスタジオ系。ドラムはあの青山純のご子息。
へえ、青純さんの息子さんがそんなことやってるんだ。
これがもう、凄い。まさしく、世界の誰よりも凄い。
でもさ、アイドルって、あのアイドルでしょ?あのモ~ニング娘とか、AKBなんとかとか。
あんた、なに言ってるのよ。最近は凄いのよ。
乃木坂からなにから、もう雨後の竹の子みたいな人海戦術。
まあそう、そんなアイドルではあるらしいんだけど、
ベビーメタル、そのボーカルが上手い。並外れて上手い。桁違い。
日本人の女の子が?
そう、すぅメタルって云うんだけど、上手い、凄く上手い。涙が出ちゃうぐらい。
ああああ、それ聞いたことがある。
良い歳こいたおっさんがメタルを聴いて泣くって。
なんのこっちゃと思ったけど。
そのアイドルが、ヘヴィメタルをやってるの?
音楽的には、デスメタ、というか、スラッシュメタル、なんだけどね。
そのデスメタに、アイドル歌手?
わりとこう、フレンチポップス系の甘い歌メロを被せてる。
なんか、ぜんぜん、想像もつかないけど。
ねえ、あんたさ、さっきまで言ってたことと、ぜんぜん矛盾してない?
だって、ほら、八分の六から、裏が取れないから、和音の概念が無いから、
頭でっかち過ぎて運動神経が悪くて、リズムが体感できない、
日本人ってそんなどうしようもない人たちばっかりでって。
そう、そのすべての答えが、このベビーメタル。
言って見る意味がまったく判らない。
という訳で、この灼熱のバーベキュー・パーティが、
ますます冷え切った寒々とした空気に包まれた、その時、
そのトドメとばかりに、妙に訳知り顔で、ニヤニヤ笑いを繰り返していたお仁。
ふっふっふ、と不敵な笑いと共に言い放った一言。
ベビーメタル?好きなの?はああ、つまりはそう、あなたも、そんな人、なのですね。
そんな、人?
そう、聞いてますよ。ベビーメタル。
ちょっと前になるけど、また日本の関係者からね、
これ、どう思うって、送られて来たんですがね、
ファースト・アルバムが。
で?
いやあまあ、そう、ワタシ的には、一回聞いて、もういいや、というか。
一回聞いて、もういいや?
そう、あれ、ゲームの音楽でしょ?
ゲーム?
そう、あれ、ゲームのね、BGM。
それをもっともらしく、生歌っぽく、ボカロの歌を被せて見た、
ただそれだけの話。
正直、こんなものには騙されないぞ、と。
騙される?
あれ、まがい物、でしょ?
そもそも、アイドルって、あのアイドル、でしょ?
で、それにマニピュレータ、って言うか、ぶっちゃけ、シンセのお皿を被せて、
なにもかもを、もっともらしくしただけの・・
と、そこまで聞いて、おお、そうか、と思い当たった。
そうか、そう、そうなんだよ、このにわかピーター・バラカン、
その紛い物的な評価のその元となっているものっていうのが、
つまりはあのCD音源、であった訳か。
と、そんな俺の苦境を気遣うように、
で、あんた、なんで、そのベビーメタル、なんていう紛い物が好きになったの?
え?それは、なにより、ライブに行ったから。
ライブに行ったの?日本まで?
いや、ニューヨークに来たんだよ。去年の春に。
で、その、ライブが、凄かった。
日本のアイドルがニューヨークでライブをやって、凄かったの?
そう、凄かった。
申し上げたように、俺もこれまで色んな人たち見てきたけど、
正直言って、このベビーメタルよりも凄いバンド、見たことがなかった。
まっさかあ、と一同。
あんた言ったよね、ストーンズを舞台の袖で見たって。
ロス・バンバンをバックステージで観たんでしょ?
サイモン・ラトルのベルリン・フィルも、リッカルド・ムーティのウィーン・フィルも。
ウェイン・ショーターも、チック・コリアも、ジョシュア・レッドマンも、
ガンズで、イギー・ポップで、死にかけたって。
ああ、観たよ、そういう人たち。
でも、そういうの全部合わせて、ベビーメタルの方が凄い。段違い平行棒に凄い。
まっさかああ、と一同、ここぞとばかりに声を合わせる。
日本のアイドルが、ストーンズよりガンズよりも凄い?ありえない。
そのあり得ないことが、現実に起こっている。それがまさに奇跡。
思わず顔を見合わせる面々。そして、そのあまりにも微妙な苦笑い。
そして振り返ったその表情の中に、あからさまに浮かぶ、侮蔑と、そして憐憫を込めた、
一種独特な、あの、猜疑の塊り。
それってまるで、そう、新興宗教の勧誘者に対する、その曖昧且つ頑なな拒絶、そのもの。
まあそうね、あんたがそこまで言うのなら、今度聞いてみても良いかな、と思うけどさ、
と言うのも、実はそう、この凍りついた空気を和らげる為のただの社交辞令。
ねえ、そう言えばさ、日本のトランプ、こないだの選挙でボロ負けしたんでしょ?
ああ、読んだ読んだ、そう、都議選で歴史的な大惨敗とか。
あれ、森なんとかから、凶暴罪から、どう考えてもやり過ぎよね。
つくづく、この人達、民主主義がなんなのか、判ってないんだなってさ。
そう、所詮は日本。つまりは極東のガラパゴス。
その閉鎖性の中でのすべてがすべてでっち上げの印象操作ばかりがまかり通る、
嘘と妄想で固められた紛い物も紛い物。
アンサンブルもグルーヴも、すべて外から輸入しただけのただのハリボテ。
で、民主主義も、自由も愛も平等も、すべてがすべて、猿真似の・・
♪
という訳で、改めてこの困った輩たち。
この石頭のおさんおばんのアフォ揃い。
揃いも揃ってその狭い了見に凝り固まっては、
勝手に自称先生に収まってしまった独善の塊。
その何十年も前の美意識の殻の中に閉じ籠もったまま、
新しいものを見分ける、その力も能力もすっかりと失ってしまった、
そんな、生きる屍のような可哀想な人々、
とそんな風に、斬って捨てることは簡単である。
ではあるのだが、
そう、ただこの人達は、列記としたニューヨーカー。
この人種の坩堝の中で、一音楽家として、
四半世紀に渡って、揉むに揉まれてきた、歴戦の勇士たち。
そんな人々が、しかし、
ああ、ベビーメタルか、はいはい、と一笑に付してしまう、
その理由とは、いったいなんなのか。
そして改めて言ってしまえば、かのピーター・バラカン氏を始めとして、
これまで日本の、そして世界の音楽を支えてきた逸材たちの中からも、
このベビーメタルという存在を、敢えて無視を続ける、
その理由と、同根をなすものと思えてならない。
ベビーメタルに対する、このあまりの過小評価。
その謎、その原因について、改めて考えて見るに、
そう、その違いとは、まさしく、ライブに行ったか、それに尽きる、と思う訳だ。
そう言えば、正直なところ、俺は、ベビーメタルのCDはろくに聴いていない。
俺が好きなベビーメタルとは、まさに、ライブにおけるベビーメタルであって、
あの、怒涛のニューヨーク公演、その体験に基づいた上でのライブ映像、
YOUTUBEに氾濫する、海賊映像のベビーメタル、な訳なのであるが、
そのすべてが、やはり、あのニューヨーク公演での姿に帰結されるわけである。
そう、ベビーメタルが舐められている、その理由というのも、
ぶっちゃけ、あのデジ音だけのてんこ盛りとして発表された、
あの、CD音源、それに起因している訳で、
まあ確かに、そう、俺もベビーメタルの二枚のCDを所有してはいるが、
正直言って、まともに聴いたことがない。
そうか、つまりは、そういうことなのか。
♪
という訳で、改めて、それはまさに、先祖返り、という風に、
初心、つまりは、ベビーメタルを知った、あの去年のライブ、
その直後に感じた、あの率直な感想、とやらを、もう一度蒸し返すことにもなる。
ベビーメタルの、あのCD音源、
あのすべてを、神バンド・バージョンで録り直して欲しい。
そう、嘗て何度も言ってきたが、
ベビーメタルを知るまで、俺自身、いまや世界中に氾濫する安上がりなデジタル音源、
ことにあの、デジタル・ドラムの音に対しては、これ以上もないほどに、拒絶反応を持っていた。
あの、薄っぺらなぽこぽん・サウンドが鳴る度に、
思わず、ピンクレディじゃねえんだぞ、と、
その音源のスピーカーに蹴りをぶち込みたくもなる。
そう、世界の音楽家たち、
最近の音楽業界の、ろくに楽器も操れないにわかコンポーザー、
それがアップルの巨大モニターの中で、コピペを繰り返す、
それを音楽と勘違いしたウスラバカたち、なんてのと違い、
本物のミュージシャンは、やはり、生演奏があって、初めて、なのである。
そして改めて、ベビーメタルのその魅力とは、
あのキチガイじみたデジ音源を、執拗なまでに完全再現した、
その、偏執狂的なまでの、スタジオ系演奏技術、その結集、
それを無くしては、ベビーメタルを認めることは、なかったであろう、
とも思う訳で、
確かに、すぅメタルの歌唱力には凄まじいものがあるが、
ただ、あのすぅメタルの歌唱力であっても、
実際にライブでの生声を聞かずしては、
ああ、あの、やたらと手の込んだボカロ、
あるいは、妙に気合の入った児童唱歌みたいな、
と、そんなところで簡単に切り捨てられてしまう、
その可能性も無きにしも非ず。
そう、良い意味でも悪い意味でも、
ベビーメタルの引きずる、そのアイドルという看板には、
負の固定概念がありすぎる。
これまでのアイドル、つまりは、モ~娘から、AKBからの、
一般メディアを通じでこれでもかと垂れ流されて来た、
あの、あまりにも陳腐な音楽性に対しての耐えるに耐え難い拒絶反応、
それと同時に、アイドル、つまりは、口パク、という、常識が、
あまりにも浸透しすぎているのでは無かろうか。
そしてベビーメタルが日本よりも先に、海外で受け入れられた、
と、その理由というのも、
まさにこの、日本特有の文化である、アイドルにつき纏う負の遺産、
その強引な印象操作的刷り込みへの拒絶反応、
そんな負の影響度の少ない海外においての方が、
妙な固定概念的な色眼鏡を持たずしてベビーメタルの魅力に触れられる、
という意味でもあったのではないだろうか。
♪
という訳で、改めて繰り返せば、
ベビーメタルこそは、来るべき未来を担う、
そのあまりにも強烈な光を放つ新星である。
この時代、少なくとも曲りなりにも音楽というものに、
多少ともでもこだわりのある人々が、
しかしこのベビーメタルという存在に目を向けていないとすれば、
それはまさに、音楽というものに対する冒涜にも等しい。
ただ、馬鹿でもボンクラでもない筈の歴戦の勇者たちが、
何故にこのベビーメタルという存在に素直に目を向けることができないのか。
ベビーメタルのそのあまりのクオリティの高さを思えば思うほどに、
そのあまりの過小評価、そして、知名度の低いさに、
時として耐えきれないほどの欲求不満を募らせることにもなる。
ベビーメタル?
ああ、知ってる知ってる、あのアイドルの。
おいおい、どうしたんだよ、お前その歳になってドルオタか?
お前も、加山雄三の仲間入りって奴か?
至る所で突き当たることになる、そんな心にもない中傷を前に、
その嘗ての歴戦の勇者、その、音楽極道を自称した戦友たちに対して、
お前ら、本当に、その目が節穴になっちまったんだな、と、
虚無的なまでの失望を繰り返すことにもなる。
という訳で、改めて、ベビーメタル、
その宣伝戦略に、なにかが間違っている、
あるいは、すれ違いが生じている、と思わざるを得ない。
知る人ぞ知る、というコア的アングラ的な魅力も判らないではないのだが、
一般売りのCD音源がしょぼければしょぼい程にライブの希少価値が上がる、やら、
あるいは、日本すべてに疫病のように蔓延しては鎖国状態に密封して続ける、
あの悪名高き大手広告代理店の印象操作への偏見というのも判らないではないのだが、
それを踏まえた上でも、
ここまでのクオリティを誇るベビーメタルが、
出がらし的な有名バンドのサポーティング・アクト、
或いは、小箱の連チャンで、チケットが完売、ぐらいなところで、
留まっていなくてはいけない理由などないではないか。
ジミ・ヘンドリックスが、しかしその存命中は、それほどまでに知名度も高く無く、
強いては商業的にはまったくと言って良いほどの成功しか持ち得なかったこと、
あるいは、ハノイ・ロックスという逸材中の逸材が、メンバーの不幸の後、
そのお株のすべてを、ガンザンローゼズに奪われてしまったように、
我らがベビーメタルの存在が、うかうかしている間に、
知る人ぞ知るの伝説の中に密封されたまま、
いつの間にかすっかりとコピペされては韓流ポップの紛い物に食われてしまったり、
なんてことが起こらないとも限らないではないか。
という訳で、妙な胸騒ぎの中に晒され続けるこのバーベキュー・パーティ。
思わず、てめえら、すっかり老いぼれやがって。
ベビーメタルこそは、音楽史上の最高峰。
これ以上のバンドは、これまでにも、そして、これ以降も、現れることはない、
と断言しながらも、
だったら、そこまで言うなら、その証拠と言うやつを世界に示してみんかい、
そう言われてしまっては、ふと思い描くベビーメタルの将来像。
マジソン・スクエア・ガーデンにおける歴史的な一大イヴェントを皮切りに、
歴史的な大御所たち、そのオールスター的な面々をゲスト・ミュージシャン、
あるいは神バンドの一員として迎え入れては、
オジフェスト、あるいは、ノットフェストへの殴り込み。
MTVからVH1からのヘヴィーローテーションから、
世界規模でのキャンペーンの中での新規顧客開拓から、
全米規模のアニメショーンのオンエアから始まり、
セントラルパークにおいて、
コミック・コンとコラボした一大ジャアニメ・コスプレ・フェスの中で、
X-JAPANからVAMPSから、
MWMから和楽器バンドからONEOKROCKから、
日本パワーを総結集しての数十万人規模の一大フリーイヴェント。
マドンナからレディガから、強いては、ビヨンセからテイラー・スウィフトを凌ぐ、
押しも押されもしないスーパースターとして
世界中のスタジアムでソールドアウト・ショーを連発する、
その実力が、ベビーメタルにはある、と、そう信じているのである。
ベビーメタルが、ソニーや、トヨタや、ニンテンドーを凌ぐ、
まさに、日本の新しいアイコンとしての存在を世界に知らしめる、
その新たなるジャパン旋風の象徴として、
可愛く美しく、そして真実一路のこの超絶なスーパーバンドが、
世界のスーパースターとして君臨する、
そんな時代が、いますぐにでも、起こって然るべきもの、
ベビーメタルにはその可能性が、十分過ぎるほどにありすぎる。
そして来るべき東京オリンピックに合わせて行われる東京ドーム、
そして、日本中のスタジアムでの連日公演。
世界中からの目が、ベビーメタルのラブラブ・パワーの中に騒然とする、
へへーん、どんなもんじゃあ!
なんてことが、と、夢は膨らむシャボン玉、
そんな妄想をぶち上げれば打ち上げるほどに、
そんな俺を、おやおや、このひと、完全に持って行かれる、
と、憐れみの眼差して見つめる、この残念なニューヨーカーたち。
いまに見てろ、ベビーメタルが世界を席巻しつくす、
その姿を見るまで、俺はお前らみたいに老いぼれるわけにはいかねえんだ、
その志を改にする訳である。
という訳で、いやあ食った食った、と見上げる空に、いつしか広がる夕暮れ。
はしゃぎ過ぎた一日の終りに、すでに寝付いてしまった子どもたちを抱えては、
ああ、楽しかった、また来年、とご挨拶を繰り返しながらも、
そのベビーメタルという人たち、来年の今頃には、いったいどうなっているのかしら、
そんな意味深なお言葉を頂きながら、くそお、ここまで来たら引くに引けないベビーメタル、
来年の今頃には、マジソン・スクエアどころか、ジャイアンツ・スタジアムをソールドアウトぐらい、
して貰わなくては示しがつかねえ、そんなことを呟いては、とぼとぼと家路を辿る、
夏の夕暮れ、なのであった。

ベビーメタル 歴史の生き証人たちへ ~ いたたん・いたたんいまこの瞬間を!
えええ?
BLACK FOX FESTIVALに参戦してきました?
なんだそれ・・
ええ、あ、そうだ、そうそう、もうそういう日付であつたか。
いやあ、前のコーンとのツアーの終わった時のあの虚脱感。
ああ、これでまたしばらくベビメタちゃんたちともお別れか、
あの悲しみに打ちひしがれたまま、で、この次は、と思った7月18日が、
なんとももう、一万光年の彼方のように遠く遠く感じたものであったのだが。
そっか、そうだそうだよ、ベビメタ、遂にツアー再開か。
あのさあ、言っちゃ何だけど、ってまたしょーもない愚痴なんだが、
コーンのツアーが終わってからこの方、まじで、ろっくなことが無くてよ。
仲良しだった犬は死んじゃうし、毎日毎日糞暑いし、
仕事先では悶着続きで崩落寸前。
そろそろ年貢の納め時かと、
毎夜毎夜寝静まった頃になっては人知れずレジメの改竄作業、
まさにこれ、溜息に次ぐ溜息ばかりの日々。
ああ、俺の人生、こんなことが一生続くのかよ、
と踏んだり蹴ったりなところを持ってきて、
挙句の果てに友人の一人が死にかけては救急病院で緊急手術、
なんてことまで起こって・・
いや、ただ、それが、ベビメタとなんの関係があるのか、
と言えば、ぜんぜん関係ない筈なのだが、
改めて言わせて貰えば、ベビーメタルのON時とOFF時、
そのエナジーレベルの差と言ったらなくてさ。
ベビメタがライブやってる時にはもう連日連夜、
寝ても覚めても超絶ハイパー状態で、
うるせえどら猫も腐った黒人も跳ね飛ばしては、
セイヤ・ソイヤのおはようウエイカップ。
いたたん・いたたん、今この瞬間を、
と、調子の良いことこの上ないのだが、
それが、そう、シーユー、とされてしまった途端に、
どおおおおおおん、とばかりの穴の底。
これはもう、立派な躁鬱というよりは、
まさにバイポラ・ディスオーダー:双極性障害。
で、その特効薬は、と言えば・・・
という訳で、おおお、やって来たか、救いの神!
いやあ、もうねえ、このベビーメタルの新たなニュース、
これが飛び込んで来た途端に、元気百万倍!
つまりはそういうことか。
俺はもう、ベビーメタル無しでは駄目なんだな、ということなのだが、
いや、そう、だったら、尚更、
ベビーメタル、ずっとずっと、演っていて欲しい。
そうすれば一生に渡って元気億万倍、
棺桶入るまで思い切りぶっ飛ばせるじゃねえか、と。
という訳で、この長き洞窟の底から、
一挙に土砂崩れが起こっては頭上にぽっかり空いた眩い閃光に包まれ、
これぞまさに、ベビーメタル DIVINE!
思わず、帰ってきたぜ!と。
という訳で、改めて、某掲示板とやらにうごめく糞虫共、
その戯言に思い切りのガチンコ米をぶつけさせて頂く。
ベビーメタルのライブが短い?一曲幾らか?
あのなあ、旦那、なにもこんなところまで、
そんな糞意地の悪い嫌われ者の上司ヅラ、
そのセコイい打算主義やら減点主義を持ち込むこともねえだろうが。
芸術は金で計れないからこそ意義があるんだぜ。
すべてがすべて、そんなコスパでぶった切られちまったら、
世の中に愛するものなどなくなってしまうじゃねえか。
で、なに?曲が10曲で短か過ぎる?
あのなあ、瞬殺してやるよ。
俺の行ったニューヨークのライブ、
記録によればあの時の公演は、全14曲、であったのだが、
それでも、それでも、尚、短い! と思ったんだよ。
あの怒涛のような一時間半の後に、
ええええ、もう終わっちゃったの?
それこそが、まさに、心からの本心、その紛れもない感想であった、と。
だがしかし、その時の俺達の格好と言ったら、
頭の先から爪の先まで、まさに汗でぐっしょぐしょ。
着ているものはすべてボロ雑巾状態で、
まさに立っているのもやっとなぐらいのゾンビー状態。
でありながら、もしも再びベビーメタルがステージに両腕を広げたとすれば、
そのゾンビ達がいきなりモッシュだハイプだ、と大暴れになったことは当然のこと。
賭けても良い。
ベビーメタルが一晩中やっていたら、
まじで死人が出てまで、あるいは自分が死んだことにさえ気づけずに、
まじのゾンビーになりながらモッシュだハイプだが繰り返される筈。
そう、そうなんだよ、ベビーメタルは曲数や時間では計れない、
まさに、時空を越えた存在なんだぜ。
それに加えて小箱だろが。
やっぱり、ライブハウスってロックの正念場、
ステージが近いと、その分、客席のパワーをモロに受けるからさ。
手は抜けない、誤魔化しも効かない、とまさに、ガチンコ土壇場の真剣勝負。
そこで思い切り、生歌一本の全力疾走だろ?
あの暗い海を前に忽然と立ち尽くすような大箱とくらべて、
小箱のそのエネルギーだけでもとんでもないものがあると思うんだよ。
つまりは大箱に比べてその御利益が違い過ぎると。
で、今日はどうした、なんかやけに元気なんで、
ついでに前回の俺の綴った駄文への自己レスであるのだが、
そう、活動が少なすぎる?なんで?
で、いまになってこの暑いさなかに連日のハードスケジュール、
ベビーメタルのこの妙なスケジュール、いったいどうなってるのか?と。
とそんなことを思った時、つまりはこれ、夏休み、だろ?と。
俺、実はさ、と思い浮かべる遥か時空の果ての我が高校時代。
それでなくても、連日連夜、ライブ続きで、
それに加えてバイトと不良活動が重なっては、
まじ高校なんて行っている隙なんか全然無かった、のであるが、
で、そんなことならもうとっと高校なんざ辞めちまって、
箱バンでも、ツアー用のトラ専にでもなっちまえば、
とりあえずはいまよりはもうちょっとぐらいは寝る時間が増えるかも、
なんてことは常々思っていた、のであるが・・
ただね、高校中退、という現実が目の前に迫る度に、
なんとなく、将来への不安、というよりも、
どことなく、寂しい、気がしたもので・・
それはどうしてなのだろう、
人並みの、普通な人生、なんてものには、
これっぽちも未練も魅力も糞も無かった筈なのに、
ただそう、高校中退、なんてものになった日には、
多分、そう、あのオールナイト・フジのハマトラの女子大生への道が、
ますます遠のいてしまう、それへの哀惜であったのかもしれない。
まあな、いまから思えば、ハマトラなんて誰にでも、
それこそコスプレでもなんでもさせればよかった訳なのだが、
そう、17歳はそこまでは考えつきもしなかったのである。
まあそう、それを言ってしまえば、
あの時、あのクソ野郎にとどめを刺さずに年少入りを免れた、
あるいは、それを言ってしまえば、あの大学入試の前夜に、
アレが来ないの、なんて電話さえかかってこなければ、
その後の人生もかなり変わったものになっていただろうし、
あるいはあの入社面接の日に、天気も良いし単車で行こう、
なんて馬鹿なことを考えなければ・・・
とまあそれを言ってしまえばまさに、
人生の局面、そのどれもこれもがインシャアッラーであるわけなのだが、
まあそう、そんな経験も踏まえた上で、
ベビーメタルの可愛い可愛い可愛い小娘たち、
せっかくここまで頑張ってきたのだ、
高校ぐらい、出させてあげたいじゃないか、
と思うのも親心、というものであらう。
という訳で、本心を言えば、ベビーメタル、
是非とも世界制服、じゃない征服か、の野望を一日も早く成し遂げて欲しい、
とは思いながらも、そんな爺の戯言はうんと飲み下して、
望むところと言えば、三姫に幸せになって欲しい、
俺が望むのはそれだけ、なんて、
そのぐらいのやせ我慢を吐いたとしても、罰は当たるまい。
という訳で、一曲幾らだったか、そのコスパが良いの悪いの?
おさん、あの美女たちを前にしてこの期に及んでダセえことを抜かすんじゃねえよ、と。
男が銭を払う時には、枚数も数ずに釣りはいらねえよ、と振り返りもせず、
あるいは、財布ごと放っては、好きなだけ取りな、とやって、やらせて貰うのが、
せめてもの意地ってものじゃねえのかい、と。
という訳で、くどくどと申し上げて来たのは、
一重に、今の時期、このベビーメタルの姿を間近に見れる方々は、
まさに、果報者、世界一の幸せ者である、という事実を忘れてほしくない、という、
僻地在住者の羨望、あるいは、ヒガミであるわけなのだが、
しかもなんだよ、ボーさん、青神さん、から、大小神さんから、
神バンドもまさにベストメンバーじゃねえか。
こんな凄いステージ、その後10年20年経っても、語り継がれることになることは確実。
いまこの時点で、これほどまでの名声が轟いているのである。
この先、伝説が伝説を呼ぶ雪だるま状態。
あのベビーメタルを、生で観た、それも、小箱で目の前で観た、
それだけで、末代まで讃えられること、必至である。
そう言えば、近所に住むエレイン婆さん。
ジミヘン?ジミ・ヘンドリックス?観たわよ、感想?うるさくてさ、なにやってるか全然わからなかったから途中で帰った、やら、
ジョン・レノン?ジョン・レノンがどうしたって?あのクソ野郎、どこに行っても文句ばっかり言って、あのだみ声が聞こえてくる度にみんな辟易としてたのよ、やら、
ウッドストック?行ったわよ、でもさ、車止める場所ないし、ぬかるみばかりで音は聞こえないし、最低最悪、全然つまらなかった、やら、
ストーンズなんかねえ、待って待ってようやく始まったと思ったら出てきた途端に催涙弾打ち込まれて機動隊と大喧嘩、なにしに行ったか判ったもんじゃなかったわよ、
と、そう、伝説なんて、実際にその目で観た人々にはそんなものであった、筈なのである。
ただ、そう、その真価は、歴史が証明してくれる。
そして、我らがベビーメタルは、その歴史に名を残すことが宿命点けられた、
まさに、神の恵み給うた奇跡。
改めて言う、ベビーメタルは日本が世界に誇る、なんてちゃちなことは言わない。
まさに、世界に燦然と輝く、人類史上最高の逸材中の逸材。
世界一ってものがいったいどう言うものなのか、良いことも悪いことも、
その歴史的な瞬間を、その目でしかと見届けて欲しい、と、そう思う訳であるまんす。
でさ、なんとなく、決まりきったルーティーン化して、とか言う戯けたお言葉も拝見したが、
俺的に言えば、
ベビーメタルのあのとてつもないぐらいの難曲中の難曲を、
ルーティーンでこなせるなんて人々は、世界でも、
この神バンドとそしてベビーメタルを置いて他には無し。
そう、ベビーメタルの楽曲は、通常の人間技ではとてもじゃないが弾きこなせない。
んなもの、あのDC公演を見ただけで、立証済みだろ。
鍛えに鍛え上げられた本物のプロフェッショナルが、
鍛錬に鍛錬を重ねて初めて奏で得る超絶難曲の数々。
これをルーティーンと言わしめるだけ、
どれだけあの神バンドの実力が凄まじいものであるのか、
その確かな証明であろうが。
少なくとも、現存のバンドで、ベビーメタル+神バンド程に凄まじい音圧を奏でられる楽団は、
この世には存在しない。
そんなベビーメタルに良いの悪いの言うのは、
ベルリン・フィルとウィーン・フィルしか見たことのなかった俺が、
クラッシックってこんなものなのか、と嘯いたその愚、そのもの。
そんなアフォを繰り返してはいけない。
その事実をよーく噛み締めて欲しい、と思う訳だ。
ちゅうわけで、小箱参戦の日本の方々、重ね重ね羨ましい限りでございます。
この小箱公演、まさに、筋金入りのメイトの方々に対しての、特別の中の特別なプレゼント。
短いの長いの、曲目がどうの、なんてことより、そこにベビーメタルが居る、
その空間を、時空を、共有する、ということの喜びに打ち震えて欲しいものであると、
ニューヨークの遠い空から、切に切に、思いを込める訳であります。
なので参戦した皆様、あなたのその感動を、少しだけでも、
この僻地在住の憐れなドッグウォーカーにも分け与えてやっておくんなさいまし。
ご感想、お待ちしておりまする。
ちゅう訳で、へえ、二曲目にメタ太郎で、KARATEを外した、と。
ってことは、多分、連戦ではまた、次々と、選曲を変えて来るってことでしょうね。
ってことは・・もしかして、いきなり、こんな曲?なんて・・
まさにベビーメタルの小箱、びっくり宝石箱のようじゃねえか。
その世界最高のカレイドスコープ、四の五の言わずに思い切り楽しんできてくださいね。
BLACK FOX FESTIVALに参戦してきました?
なんだそれ・・
ええ、あ、そうだ、そうそう、もうそういう日付であつたか。
いやあ、前のコーンとのツアーの終わった時のあの虚脱感。
ああ、これでまたしばらくベビメタちゃんたちともお別れか、
あの悲しみに打ちひしがれたまま、で、この次は、と思った7月18日が、
なんとももう、一万光年の彼方のように遠く遠く感じたものであったのだが。
そっか、そうだそうだよ、ベビメタ、遂にツアー再開か。
あのさあ、言っちゃ何だけど、ってまたしょーもない愚痴なんだが、
コーンのツアーが終わってからこの方、まじで、ろっくなことが無くてよ。
仲良しだった犬は死んじゃうし、毎日毎日糞暑いし、
仕事先では悶着続きで崩落寸前。
そろそろ年貢の納め時かと、
毎夜毎夜寝静まった頃になっては人知れずレジメの改竄作業、
まさにこれ、溜息に次ぐ溜息ばかりの日々。
ああ、俺の人生、こんなことが一生続くのかよ、
と踏んだり蹴ったりなところを持ってきて、
挙句の果てに友人の一人が死にかけては救急病院で緊急手術、
なんてことまで起こって・・
いや、ただ、それが、ベビメタとなんの関係があるのか、
と言えば、ぜんぜん関係ない筈なのだが、
改めて言わせて貰えば、ベビーメタルのON時とOFF時、
そのエナジーレベルの差と言ったらなくてさ。
ベビメタがライブやってる時にはもう連日連夜、
寝ても覚めても超絶ハイパー状態で、
うるせえどら猫も腐った黒人も跳ね飛ばしては、
セイヤ・ソイヤのおはようウエイカップ。
いたたん・いたたん、今この瞬間を、
と、調子の良いことこの上ないのだが、
それが、そう、シーユー、とされてしまった途端に、
どおおおおおおん、とばかりの穴の底。
これはもう、立派な躁鬱というよりは、
まさにバイポラ・ディスオーダー:双極性障害。
で、その特効薬は、と言えば・・・
という訳で、おおお、やって来たか、救いの神!
いやあ、もうねえ、このベビーメタルの新たなニュース、
これが飛び込んで来た途端に、元気百万倍!
つまりはそういうことか。
俺はもう、ベビーメタル無しでは駄目なんだな、ということなのだが、
いや、そう、だったら、尚更、
ベビーメタル、ずっとずっと、演っていて欲しい。
そうすれば一生に渡って元気億万倍、
棺桶入るまで思い切りぶっ飛ばせるじゃねえか、と。
という訳で、この長き洞窟の底から、
一挙に土砂崩れが起こっては頭上にぽっかり空いた眩い閃光に包まれ、
これぞまさに、ベビーメタル DIVINE!
思わず、帰ってきたぜ!と。
という訳で、改めて、某掲示板とやらにうごめく糞虫共、
その戯言に思い切りのガチンコ米をぶつけさせて頂く。
ベビーメタルのライブが短い?一曲幾らか?
あのなあ、旦那、なにもこんなところまで、
そんな糞意地の悪い嫌われ者の上司ヅラ、
そのセコイい打算主義やら減点主義を持ち込むこともねえだろうが。
芸術は金で計れないからこそ意義があるんだぜ。
すべてがすべて、そんなコスパでぶった切られちまったら、
世の中に愛するものなどなくなってしまうじゃねえか。
で、なに?曲が10曲で短か過ぎる?
あのなあ、瞬殺してやるよ。
俺の行ったニューヨークのライブ、
記録によればあの時の公演は、全14曲、であったのだが、
それでも、それでも、尚、短い! と思ったんだよ。
あの怒涛のような一時間半の後に、
ええええ、もう終わっちゃったの?
それこそが、まさに、心からの本心、その紛れもない感想であった、と。
だがしかし、その時の俺達の格好と言ったら、
頭の先から爪の先まで、まさに汗でぐっしょぐしょ。
着ているものはすべてボロ雑巾状態で、
まさに立っているのもやっとなぐらいのゾンビー状態。
でありながら、もしも再びベビーメタルがステージに両腕を広げたとすれば、
そのゾンビ達がいきなりモッシュだハイプだ、と大暴れになったことは当然のこと。
賭けても良い。
ベビーメタルが一晩中やっていたら、
まじで死人が出てまで、あるいは自分が死んだことにさえ気づけずに、
まじのゾンビーになりながらモッシュだハイプだが繰り返される筈。
そう、そうなんだよ、ベビーメタルは曲数や時間では計れない、
まさに、時空を越えた存在なんだぜ。
それに加えて小箱だろが。
やっぱり、ライブハウスってロックの正念場、
ステージが近いと、その分、客席のパワーをモロに受けるからさ。
手は抜けない、誤魔化しも効かない、とまさに、ガチンコ土壇場の真剣勝負。
そこで思い切り、生歌一本の全力疾走だろ?
あの暗い海を前に忽然と立ち尽くすような大箱とくらべて、
小箱のそのエネルギーだけでもとんでもないものがあると思うんだよ。
つまりは大箱に比べてその御利益が違い過ぎると。
で、今日はどうした、なんかやけに元気なんで、
ついでに前回の俺の綴った駄文への自己レスであるのだが、
そう、活動が少なすぎる?なんで?
で、いまになってこの暑いさなかに連日のハードスケジュール、
ベビーメタルのこの妙なスケジュール、いったいどうなってるのか?と。
とそんなことを思った時、つまりはこれ、夏休み、だろ?と。
俺、実はさ、と思い浮かべる遥か時空の果ての我が高校時代。
それでなくても、連日連夜、ライブ続きで、
それに加えてバイトと不良活動が重なっては、
まじ高校なんて行っている隙なんか全然無かった、のであるが、
で、そんなことならもうとっと高校なんざ辞めちまって、
箱バンでも、ツアー用のトラ専にでもなっちまえば、
とりあえずはいまよりはもうちょっとぐらいは寝る時間が増えるかも、
なんてことは常々思っていた、のであるが・・
ただね、高校中退、という現実が目の前に迫る度に、
なんとなく、将来への不安、というよりも、
どことなく、寂しい、気がしたもので・・
それはどうしてなのだろう、
人並みの、普通な人生、なんてものには、
これっぽちも未練も魅力も糞も無かった筈なのに、
ただそう、高校中退、なんてものになった日には、
多分、そう、あのオールナイト・フジのハマトラの女子大生への道が、
ますます遠のいてしまう、それへの哀惜であったのかもしれない。
まあな、いまから思えば、ハマトラなんて誰にでも、
それこそコスプレでもなんでもさせればよかった訳なのだが、
そう、17歳はそこまでは考えつきもしなかったのである。
まあそう、それを言ってしまえば、
あの時、あのクソ野郎にとどめを刺さずに年少入りを免れた、
あるいは、それを言ってしまえば、あの大学入試の前夜に、
アレが来ないの、なんて電話さえかかってこなければ、
その後の人生もかなり変わったものになっていただろうし、
あるいはあの入社面接の日に、天気も良いし単車で行こう、
なんて馬鹿なことを考えなければ・・・
とまあそれを言ってしまえばまさに、
人生の局面、そのどれもこれもがインシャアッラーであるわけなのだが、
まあそう、そんな経験も踏まえた上で、
ベビーメタルの可愛い可愛い可愛い小娘たち、
せっかくここまで頑張ってきたのだ、
高校ぐらい、出させてあげたいじゃないか、
と思うのも親心、というものであらう。
という訳で、本心を言えば、ベビーメタル、
是非とも世界制服、じゃない征服か、の野望を一日も早く成し遂げて欲しい、
とは思いながらも、そんな爺の戯言はうんと飲み下して、
望むところと言えば、三姫に幸せになって欲しい、
俺が望むのはそれだけ、なんて、
そのぐらいのやせ我慢を吐いたとしても、罰は当たるまい。
という訳で、一曲幾らだったか、そのコスパが良いの悪いの?
おさん、あの美女たちを前にしてこの期に及んでダセえことを抜かすんじゃねえよ、と。
男が銭を払う時には、枚数も数ずに釣りはいらねえよ、と振り返りもせず、
あるいは、財布ごと放っては、好きなだけ取りな、とやって、やらせて貰うのが、
せめてもの意地ってものじゃねえのかい、と。
という訳で、くどくどと申し上げて来たのは、
一重に、今の時期、このベビーメタルの姿を間近に見れる方々は、
まさに、果報者、世界一の幸せ者である、という事実を忘れてほしくない、という、
僻地在住者の羨望、あるいは、ヒガミであるわけなのだが、
しかもなんだよ、ボーさん、青神さん、から、大小神さんから、
神バンドもまさにベストメンバーじゃねえか。
こんな凄いステージ、その後10年20年経っても、語り継がれることになることは確実。
いまこの時点で、これほどまでの名声が轟いているのである。
この先、伝説が伝説を呼ぶ雪だるま状態。
あのベビーメタルを、生で観た、それも、小箱で目の前で観た、
それだけで、末代まで讃えられること、必至である。
そう言えば、近所に住むエレイン婆さん。
ジミヘン?ジミ・ヘンドリックス?観たわよ、感想?うるさくてさ、なにやってるか全然わからなかったから途中で帰った、やら、
ジョン・レノン?ジョン・レノンがどうしたって?あのクソ野郎、どこに行っても文句ばっかり言って、あのだみ声が聞こえてくる度にみんな辟易としてたのよ、やら、
ウッドストック?行ったわよ、でもさ、車止める場所ないし、ぬかるみばかりで音は聞こえないし、最低最悪、全然つまらなかった、やら、
ストーンズなんかねえ、待って待ってようやく始まったと思ったら出てきた途端に催涙弾打ち込まれて機動隊と大喧嘩、なにしに行ったか判ったもんじゃなかったわよ、
と、そう、伝説なんて、実際にその目で観た人々にはそんなものであった、筈なのである。
ただ、そう、その真価は、歴史が証明してくれる。
そして、我らがベビーメタルは、その歴史に名を残すことが宿命点けられた、
まさに、神の恵み給うた奇跡。
改めて言う、ベビーメタルは日本が世界に誇る、なんてちゃちなことは言わない。
まさに、世界に燦然と輝く、人類史上最高の逸材中の逸材。
世界一ってものがいったいどう言うものなのか、良いことも悪いことも、
その歴史的な瞬間を、その目でしかと見届けて欲しい、と、そう思う訳であるまんす。
でさ、なんとなく、決まりきったルーティーン化して、とか言う戯けたお言葉も拝見したが、
俺的に言えば、
ベビーメタルのあのとてつもないぐらいの難曲中の難曲を、
ルーティーンでこなせるなんて人々は、世界でも、
この神バンドとそしてベビーメタルを置いて他には無し。
そう、ベビーメタルの楽曲は、通常の人間技ではとてもじゃないが弾きこなせない。
んなもの、あのDC公演を見ただけで、立証済みだろ。
鍛えに鍛え上げられた本物のプロフェッショナルが、
鍛錬に鍛錬を重ねて初めて奏で得る超絶難曲の数々。
これをルーティーンと言わしめるだけ、
どれだけあの神バンドの実力が凄まじいものであるのか、
その確かな証明であろうが。
少なくとも、現存のバンドで、ベビーメタル+神バンド程に凄まじい音圧を奏でられる楽団は、
この世には存在しない。
そんなベビーメタルに良いの悪いの言うのは、
ベルリン・フィルとウィーン・フィルしか見たことのなかった俺が、
クラッシックってこんなものなのか、と嘯いたその愚、そのもの。
そんなアフォを繰り返してはいけない。
その事実をよーく噛み締めて欲しい、と思う訳だ。
ちゅうわけで、小箱参戦の日本の方々、重ね重ね羨ましい限りでございます。
この小箱公演、まさに、筋金入りのメイトの方々に対しての、特別の中の特別なプレゼント。
短いの長いの、曲目がどうの、なんてことより、そこにベビーメタルが居る、
その空間を、時空を、共有する、ということの喜びに打ち震えて欲しいものであると、
ニューヨークの遠い空から、切に切に、思いを込める訳であります。
なので参戦した皆様、あなたのその感動を、少しだけでも、
この僻地在住の憐れなドッグウォーカーにも分け与えてやっておくんなさいまし。
ご感想、お待ちしておりまする。
ちゅう訳で、へえ、二曲目にメタ太郎で、KARATEを外した、と。
ってことは、多分、連戦ではまた、次々と、選曲を変えて来るってことでしょうね。
ってことは・・もしかして、いきなり、こんな曲?なんて・・
まさにベビーメタルの小箱、びっくり宝石箱のようじゃねえか。
その世界最高のカレイドスコープ、四の五の言わずに思い切り楽しんできてくださいね。

青年よ大志を抱け! 金狐たちよベビーメタルたれ!
そっか、初日の黒狐から一転、赤いキツネではまさに、
会場中を美味しそうな香りがむんむん蒸れ蒸れであったさうな。
ってことは、その会場において、コバメタルはいつたい、どこでなにをしていたのか。
もしやもしやまさかまさかこの老若男女の隔離策は、
もしかしてあのそのこの赤いきつねさんたちをモッシュピットで独り占め?
それがそれがそれが目的であつたのでごじゃるかコバメタル殿、
とは穿った見方であることも百も承知でござるのではあるが、
いやはやはや、羨ましい、羨ましいのは神バンドの面々でごじゃる。
そう言えば、吾輩はどういう訳か昔から、
ことに女性ファンに人気のあるバンドというものには妙に縁が無かった、
のではごじゃるが、
実は実は実は嘗ての遠い昔、当時人気絶頂の頃のオエイシス、
日本語で言うところのオアシスをヌーヨークはローズランドという小箱に観に行った際、
またまた訳もわからずステージの目の前までしゃしゃり出た途端、
遥か英国からの遠征組、そのブリブリブリティッシュなうら若き女性ファンの親衛隊たちに囲まれては、
いきなり壮絶なモッシュの渦に巻き込まれては青色ならぬ桃色吐息。
その耳をつんざく黄色い歓声に両の鼓膜を破られながら、
それがもう右も左も前も後ろも上から下から肉肉肉、肉の横波縦波大嵐。
そのたわわたわわなこれ以上なく柔らかいお肉お肉お肉の圧縮の中で、
揉み揉み揉みしだかれては掻きむしられるだけ掻きむしられ、
いやはや、肉布団とは良く言ったものだわい、と妙なところで関心しながら、
そのバターやらチーズやらジェロやら訳の判らないフルーツ風味のコロンから錠剤から、
つまりはその若きフェロモンの濡れそぼつ汗の中で全身上から下までぐっしゅぐしゅ。
とまあそんなこんなで肝心なるオエイシスがなにをやっていたのか、
さつぱりとなにひとつとしてなにも記憶がなかったのだが、
もしやもしやコバメタル殿、あの赤いキツネの夜には、
まさかまさかそんな地獄ならぬ超極楽的なご経験をされておられたのかどうなのか。
とまあそんなしょうもない妄想に打ちひしがれながら、
いやあ羨ましくも恨めしいのは神バンド殿方。
がしかし、その真相はと言えば、
思わず頭から観客席に飛び込んで、どころか、
もしかしてそれってまさに赤面に赤面を重ねる苦行のような照れくささ、
ではなかったろうかというのは想像に難くなく、
まさに、幾千の若いお嬢様がたの熱い視線に晒されながら、
ともすればまるでステージの上で丸裸にされてしまったような透明感覚。
そんなご経験をされていたとすれば、
それってもしかして、ベビーメタルの三姫方も、
実は実は、あの黒狐の夜においてまつたく似たような状況にあつた筈なので、
うーん、考えれば考えるほどにこの企画、なんともなんとも、
いやはや妙な具合に、その本来のまーけってぃんぐ的な目的から、
ともすれば社会学はおろか生態学生理学的な領域にまで足を踏み入れる、
画期的な企画であつたのではと思うわけなのだが各方はどうお考えになられるのかと。
で、そう、言いたかったのはそういうことではない。
そう、言いたかったのはそんなゲスの極みの戯言ではないのである。
つまり、例の某掲示板に不満タラタラの声の並んでいた黒狐に比べ、
この赤いキツネにおけるこの神々しいまでに清廉な手放しの賞賛の声はいつたいなんだ、と。
つまりはそう、男はいつも理屈っぽくて文句ばかり言っては愚にもつかない知ったかぶりばかり。、
あの某掲示板に羅列されたあのしょうもない戯言の数々こそは、
おさんという生物の醜さのこれ以上無い露呈。
一曲幾らだ?馬鹿も休み休み家、と苦笑いを噛み殺しながら、
改めておさんってさあ、ほんとどうしようもなくも醜い生き物であるやうだな、と。
と、それに引き換え女、それも、うら若き女神の方々は、
まさに、頭の先から爪の先までディフォルト・ポジティブ。
誰がどう考えたって、爺むせえおやじどもに、野太い怒声を浴びるよりは、
良い香りに満ち満ちたディフォルト・ポジティブなイケイケの嬌声に包まれていた方が、
良いに決まっているではないか、と。
ちゅうわけで、なぬ?そんな黄色い歓声の中で、最愛っちが、涙ぐんでいた?
ええええ?つまりは、最愛っち、そっちの毛、ならぬ、気があるのかないのか、
とかそんなことを言うからまたおやじは嫌われる訳なのだが、
でもそれ、なんとなく判るような気もするのであるのである。
つまりは、それ、シンパシーであろう。
つまりは、それ、共感、あるいは、親近感、果ては同属意識という奴であろうか。
だってそうだよな。
ティーンエイジャーなんだぜ。
普段からあの訳の判らないおさんたちが、
いまにも泡を吹かんばかりの不気味な歓声を張り上げては狂喜乱舞する様に、
んだよこいつら、いつたい、なにを考えているんだ、と、思わなかったら嘘であろう。
ってことはもしかして、ベビーメタルの三姫たち、
日夜そんな訳の分からないおさんたちの阿鼻叫喚の狭間で、
まるでステージの上で丸裸にされるような視線に晒されながら、
健気に健気に、神様お願い、私達をお守りください、と、
そんなお心持ちであつたのかなかったのか。
という訳で、改めてこのベビーメタルにおける世代格差、
その特異性に今更ながら妙なこっ恥ずかしさを覚えながら、
とそんな中、蘇る金狼、ならぬ、金狐祭り、でごじゃるか。
つまりは、ティーンエイジャー限定。
つまりは、それなんというか、三姫たちと同世代の若者たち、ばかりの、
言ってみればそれ、まさに、クラス会、ならぬ、同窓会、
下手をすれば、放課後の乱痴気パーティ、
これぞまったく本ちゃんのヘドバンギャーという奴でごじゃろうか。
兼ねてより、ベビーメタルの三姫は、そんな訳のわからないおさん連中に囲まれながら、
しかし果たして、同世代の同時代的な方々に、いつたいどんな思いを抱いているのであろうか、
そんなことを考えみなかったわけではない。
->ハンドメイドのベビーメタル ~ 中元すず香が自身の詩を歌う時
その揺れるティーンエイジャーの熱い胸、その奥底の底、
その思いのたけをぶち撒けては、同世代の連中と、
思い切りその愛を夢を不満を不安を痛みを悩みを、
分かち合いたいとは思わないのか、どうなのか、と。
そう、なんてたってティーンエイジャーなのである。
私達の気持ちを、大人になんて判られてたまるか、
なんてところで、熱い共感に結ばれる、そういうお年頃なのである。
ただ、そう、そう言った意味から言えば、
ベビーメタルは、そんな同時代的な共感性から、まさにかけ離れ過ぎてしまった、
今や、伝統芸能とも並び称されるほどの、生きる芸術品にまで昇華させられてしまった方々である。
つまりはそれこそが、姫様、と称される所以であるのだが、
だがだがしかし、そんなアンタッチャブルなお姫様たち、
来る日も来る日も、おさんおばんに囲まれては世界巡業の旅。
同世代の共感性どころか、果ては、日本語さえも通じない、
まさにバイキングかゴリラかゾンビーか、なんて異国の蛮族共を前に、
かかってこいや~!と声を張り上げながら、
その孤軍奮闘の旅を、三人ぼっちの絆だけが頼りに続けてきたのである。
うーん、そう言ってしまうと、たしかに、そう、もしかしたら、辛いこともあつたのかな、
と思わないでもない、そんな気もしてしまうこのお狐祭りの妙な企画。
で、そう、ここまでくだらない戯言を続けていれば、
もうまともな人間は誰も読んでいないだろう、ということを前提に、
またまた、超絶な暴言を吐いてくれよう。
ベビーメタルが紛い物、扱いされていたその本当の理由とはなにか。
ぶっちゃけ、それって、つまりはアイドル、いこーる、
その歌も、言葉も、自分のことでは無いわけでしょ?
つまりは、ジムショのこわーいおさんおばん、
そんなそろばんずくな連中から命じられては、
他人の作った曲に他人の作った詩をのせて、
他人の作った振りで踊らされてるだけ、なんでしょ?
という前提があってのこと、なのである。
つまりはなんというか、そのメインの支持層がおさんばかり、
で、企画をたてたのも、おさんばかり。
で、ツアーを共に回るバックバンドの方々も、揃っておさんばかり。
つまりはそこには、同時代的な共感性から隔絶され過ぎている、ということなのである。
ベビーメタルの歌詞が、得てしてあまりにも抽象的すぎてなにがなんだか判りまセブン、
というその理由も実はそこに起因している、というのは考えすぎであろうか。
ただただ、だからと言って、
俺はただお前とやりたいだけ、やら、
いい女ってなんで、こっちへこないの、やら、
日本の歴史は犯罪、血塗れの豚が今でも肥えくさりきって腹立つ、やら、
貂脳ピー どどんどどんどんドーン!やらやらやら、
つまりは、普段から思ったり言ったりやったりしている、
その同時代的同世代的な日常会話の断片を、
そのまんまに歌詞に載せてしまうことが良いのか悪いのか、
というのもまあ考えようではあるのだが、
そんな同時代的なものからあまりも隔絶されすぎて
ともすれば世間一般からはあまりにも超然とした
まさに超人然とした神憑り的な存在として畏怖されるまでに至ってしまったというところが、
まさにベビーメタルの良いところでもまたもしかしたアキレス腱にも成り得る訳で、
と果たしてなにが言いたかったか、と言えば、
そう、ぶっちゃけ、つまりは、お友達、なのである。
そう、おさんにはお友達がいない。
そんなお友達のいないおさんと、そして、同世代から隔絶された三姫、
その間にあったものとはもしかして「孤独」ではなかったのか。
そう、改めて言えば、ロックの魅力の真髄とは、そのお友達性である。
かつて、胸の内から腹の底から、下手をすればパンツの中まで、
なにからなにまでを共有していたあの、仲間、という存在。
あの、熱く固い絆、その同時代性こそがロックの真髄であった筈。
その、ロックの真髄たる共感性が、三姫、の中だけに閉塞させられては、
そのトライアングルの中で発光し発熱し爆発するパワーというのも、
実は、バックバンド、そして、客席との、隔絶がその理由なのではないか、と。
という訳で、改めて、あの遠い過去の記憶をたぐりながら、
あの青き胸を震わせたロックという時代に思いを馳せるに、
そう、ロック。ロックなんだぜ。そして、日本のロックなんだぜ。
俺達の日本のロックってなんだったんだ?
それって、つまり、俺達の、この時代の、代弁者、ってことだろ?
ロックという音楽が、あの時代のあのくそガキ共にあれだけ愛された理由というのも、
憧れや、尊敬、と同時に、やはりそこに、同時代的な共感があったから、ではなかろうか、と。
という訳で、このベビーメタルという摩訶不思議なバンド。
そんなおさんたちのアイドルから、ついには伝統芸能だ芸術品だ、
なんてところまで祭り上げられてしまったこのティーンエイジャーたち。
そんな彼女たちが実は一番求めているものは、
ぶっちゃけ、お友達、つまりは共感であろう、と。
とそんな時、俺の体験したベビーメタルのライブにおいて、
ふと、心に湧いたすごく素朴な疑問という奴。
なぜ、フロントの三姫と、そしてバックバンドの間には、掛け合いや、メンバー紹介やらの、
コミュニケーションが無いのか、と。
つまりはそれ、ベビーメタルはロックバンドではなく、
アイドル+バックバンドだから、
やら、
それはギグやライブではなく、レビュー、つまりは、劇だから、
なんてところで納得を試みてはいたのだが・・
そう、ここに来て、金狐フェスティバル、なんてところで、
同世代のティーンエイジャーたちに囲まれて、
三姫がまさに、水を得たお魚さんのように元気ハツラツにしていた、
なんてご報告を聴いてしまったりすると、
うーん、やっぱり、そうなんだよな、と思わざるをえないのであるが、
それはおさんとしての後ろめたさ、あるいは、嫉妬であったりもするのか、
とは思いながらも、
ベビーメタルに足りないもの、とは、まさにその、同世代性。
強いては、ステージにおける、共感性、なのである。
で、そう、なにが言いたいか、
うーん、言ってしまって良いのか、
そう、これは凄い凄い、希望的な観測、あるいは、ただの妄想でもあろうが、
ぶっちゃけ、ベビーメタルの真のバンド化構想。
つまりは、神バンドの、同世代化、というのはいかがでごじゃろうか。
そう、三姫と、同世代の若手ミュージシャンたちが、
熱い共感と同時代性の中で奏でるベビーメタル組曲。
そのためには、こばさん、そして、アミューズの方々、
ベビーメタル、あるいは、さくら学院の、神バンド版、
という奴を企画してはくれまいか。
それはあの、イカ天やら、勝ち抜きエレキ合戦、なんてのではなく、
まさに、本気の本気の、ミュージシャン虎の穴、
ぶっちゃちゃけ、神バンド養成所。
つまりは、日本中から才能のある若手ミュージシャンを集い、
その子どもたちに、早いうちから徹底的な英才教育。
現場を知る、世界を知る、筋金入りプロ中のプロのような連中から、
現場で叩き上げられたプロ中のプロでしか知り得ない、
現場=ステージのノウハウから極意からその心意気からを、
絶対的な愛情の中で育んでやる、
その、虎の穴、のようなミュージシャン養成学校の設立である。
あわよくば、あの神バンドの面々を講師に迎え、
ベビーメタルの演奏の極意、を徹底的に叩き込んでは、
いつの日にか、三姫と同世代のミュージシャンたちによる、
まさに、バンドとしてのベビーメタル。
ベビーメタル+神バンドではなく、三姫+ミュージシャンたちの、
筋金入りのバンド、としてのベビーメタル、その創設。
もしもそれが実現した時、ベビーメタルはまさに、アイドルでも紛い物でもない、、
鋼鉄の塊としての、押しも押されもしない、本物のロックバンド、と成り得るのではなかろうか、と。
という訳で、ふと、思ったその、金狐祭りの光景。
ラブラブ萌え萌えのステージの袖で、
何故か一人、思い切り不機嫌に苛つきまくっては、
不穏な舌打ちを繰り返すクソ生意気な面を下げた不良少年が一匹。
神バンドを、そして三姫の姿を睨めつけながら、
くそったれ、くそったれ、くそったれ、と舌打ちを繰り返すその鬼のような渋面。
くそったれ、このクソドラム、このぐらい俺にだってできる、
俺にだって、これぐらいできる筈なのに、
なんでなんで、俺にはチャンスが回ってこねえんだ。
毎日毎日、死ぬ気でベビーメタルばかり練習しながら、
くそったれ、どうしてもどうしても、ここが判らねえ、ここが足りねえ。
それにしてもこの三姫、このすぅめたるのまぶい姿。
くっそお、俺はなにがあってもどうしてもこの女をゲットしてえ。
ああ、くそお、俺はすぅが好きで好きで好きでたまらねえ。
だがしかし、いまの俺ではまだまだ足りねえ。
まだまだあのすぅめたると五分の付き合いには程遠い。
俺が愛してやまないすぅめたるにガチで告る、その為には、
いつか必ず、あの神バンドの座を、俺が、この俺が、俺の実力でゲットしてみせる、
それ以外は考えられない。
くっそ、教えてくれ、なんでそのドラム、そんなにシャープなんだ。
なんでそこまでスリリングに、それでいてこの安定感はなんなんだ。
判らねえ、なんで、ツーバスがあそこまでぶれないのか。
俺にだって音符ぐらいなら拾える、拾えるのだが、だがしかしまだまだ足りねえ。足りなすぎる。
それがなんなのか判らねえ。
くそったれ、こいつら、みんなアフォじゃねえのか?
なんてこんなベビーメタルに腹が立たねえんだ?
くそったれ、俺はベビーメタルが好きな訳じゃねえ。
俺は、ベビーメタルになりたいんだよ。
俺が、この俺が、ベビーメタルになりてえ、あの三姫と同じステージに立ちたい、
その為にはなにをすれば良いのか。
くっそお、誰か教えてくれ、くそったれのベビーメタル。
いつか見てろ、絶対に俺もベビーメタルになってやる!
そう、ロックってさ、そんなもんだっただろ?
その神をも恐れぬ傲慢さこそがロック野郎の原点、だったよな。
無茶苦茶格好良いバンドを見るたびに、喜ぶどころかくそったれ、と荒れ狂っては、
いつか、俺もいつか必ずあのステージの上で、って、そう思ってゴミ箱蹴飛ばしてたよな。
そう、あの金狐の夜に、そんな不穏な苛立ちに奥歯を噛みしめる不届き者。
いつか絶対に、俺は俺の才能と実力で、
あのすぅめたるに結婚を申し込んでやる!
そんなどうしようもない情念に身を焦がしながら、
日夜、飯を食うのも眠ることさえも忘れては、
BMDからRORまで、ウェンブリーのライブを一日中コピーしまくっている、
そんな奴らが、いったいどれだけ忍び込んでいたのだろうか。
そんなことを思いながら、ガキ共、ベビーメタルに憧れている場合じゃねえぞ、と。
腐ったおさん達の並べ立てる戯言、
そんな憧れも、賞賛も、賛美も、崇拝も、くそくらえだ。
お前が、いつか、あの、神バンドの座を奪い取る、その夢を果たすために、
ベビーメタルを恐れるな、ベビーメタルを信じるな、ベビーメタルを遠ざけるな。
目の前にみたベビーメタル、その姿、まさに生身の人間。ただの人間じゃねえか。
そう、金狐の夜に血迷ったガキ共が、汗に濡れたその脚でスタジオに直行しては、
深夜割引の個人練習スペシャルで朝までドラムを叩き続ける、
そんな姿が東京中の音楽スタジオに展開されていることを望むばかりである。
コバさん、そして、さくら学院、そして、アミューズの方々、
日本のガキ共に、夢を希望を、チャンスを与えてやってくれ。
そんなガキ共が、妄想大国日本の限界をぶち破っては、
そしていつの日にか、神バンドの面々が糞ガキどもにその座を奪い取られる、
そんな夢のような下克上が起こることを信じてやまない、そんな気がするのである。
練習スタジオの帰り道、汗みどろの身体を夜風に吹かれながら、
深夜の歩道をトボトボと歩いた、あのバンド仲間たち。
あの瞬間に感じていた、あの、得も言われぬ一体感。
あの互いの血を分け合ったような運命共同体の絆こそが、
バンド、と言えるものなのだとしたら、
ベビーメタルの三姫が、バックバンドの連中に、そんな共感と愛情を分け合える、
一本のタオルで互いの汗を拭き合い、見つめ合い、笑い合い、支え合い、
そんな姿が見られるのだとしたら、それはそれで、とても幸せなことではないのか、
と思う訳だがどうだろうか。
と、そんな時、ふと、それが日本人である必要があるのか?とも思ったりもする。
コバさん、もう、日本のミュージシャンたちにこだわる必要もねえんじゃねえか?
そう、世界中から、我こそは神バンドの後継者なり、
そんな連中がしのぎを削る一大オーデション大会。
それも、インターネットで世界にブロードキャストする公開オーデションなんてのをやってみねえか?
なんてことを思ったりもする、この倒錯気味の狐祭りの夜。
ベビーメタル・オーデション大会に向けて、世界中の猛者たちが寝る間も惜しんでしのぎを削る、
なんて世界がやってきたら、と思うと、思わず、くそったれ、生まれる時代間違えたかな、
なんてことを思ったりもしている今日このごろ。
という訳で、ガキ共、なにをやってもやらなくても、
素直にはいはいお利口に過ごそうが、間違いばかり遠回りばかりでも、
札びら見せびらかして大口ばかり叩いて総スカン食おうが、
愚痴ばかり言ってようが、寝てばかりいてようが、
あるいは、どこぞの匿名掲示板に、根も葉もない戯言を並べていようが、
人生は一回きり、だぜ。
ベビーメタルを崇めたりするな、拝むな、盲信するな、崇拝なんてするんじゃねえぞ。
お前も、小箱でベビーメタルを見ただろ?
ベビーメタルは神なんかじゃねえ。ただの人間じゃねえか。
そう、ただの人間。生身の人間なんだぜ。
それが判っただけでも、この金狐祭り、とてつもない意義があった、
そう思ってくれる糞ガキどもが、日本中に溢れてくれていることを望むばかりである。
青年よ、大志を抱け!
金狐たちよ、ベビーメタルたれ!
会場中を美味しそうな香りがむんむん蒸れ蒸れであったさうな。
ってことは、その会場において、コバメタルはいつたい、どこでなにをしていたのか。
もしやもしやまさかまさかこの老若男女の隔離策は、
もしかしてあのそのこの赤いきつねさんたちをモッシュピットで独り占め?
それがそれがそれが目的であつたのでごじゃるかコバメタル殿、
とは穿った見方であることも百も承知でござるのではあるが、
いやはやはや、羨ましい、羨ましいのは神バンドの面々でごじゃる。
そう言えば、吾輩はどういう訳か昔から、
ことに女性ファンに人気のあるバンドというものには妙に縁が無かった、
のではごじゃるが、
実は実は実は嘗ての遠い昔、当時人気絶頂の頃のオエイシス、
日本語で言うところのオアシスをヌーヨークはローズランドという小箱に観に行った際、
またまた訳もわからずステージの目の前までしゃしゃり出た途端、
遥か英国からの遠征組、そのブリブリブリティッシュなうら若き女性ファンの親衛隊たちに囲まれては、
いきなり壮絶なモッシュの渦に巻き込まれては青色ならぬ桃色吐息。
その耳をつんざく黄色い歓声に両の鼓膜を破られながら、
それがもう右も左も前も後ろも上から下から肉肉肉、肉の横波縦波大嵐。
そのたわわたわわなこれ以上なく柔らかいお肉お肉お肉の圧縮の中で、
揉み揉み揉みしだかれては掻きむしられるだけ掻きむしられ、
いやはや、肉布団とは良く言ったものだわい、と妙なところで関心しながら、
そのバターやらチーズやらジェロやら訳の判らないフルーツ風味のコロンから錠剤から、
つまりはその若きフェロモンの濡れそぼつ汗の中で全身上から下までぐっしゅぐしゅ。
とまあそんなこんなで肝心なるオエイシスがなにをやっていたのか、
さつぱりとなにひとつとしてなにも記憶がなかったのだが、
もしやもしやコバメタル殿、あの赤いキツネの夜には、
まさかまさかそんな地獄ならぬ超極楽的なご経験をされておられたのかどうなのか。
とまあそんなしょうもない妄想に打ちひしがれながら、
いやあ羨ましくも恨めしいのは神バンド殿方。
がしかし、その真相はと言えば、
思わず頭から観客席に飛び込んで、どころか、
もしかしてそれってまさに赤面に赤面を重ねる苦行のような照れくささ、
ではなかったろうかというのは想像に難くなく、
まさに、幾千の若いお嬢様がたの熱い視線に晒されながら、
ともすればまるでステージの上で丸裸にされてしまったような透明感覚。
そんなご経験をされていたとすれば、
それってもしかして、ベビーメタルの三姫方も、
実は実は、あの黒狐の夜においてまつたく似たような状況にあつた筈なので、
うーん、考えれば考えるほどにこの企画、なんともなんとも、
いやはや妙な具合に、その本来のまーけってぃんぐ的な目的から、
ともすれば社会学はおろか生態学生理学的な領域にまで足を踏み入れる、
画期的な企画であつたのではと思うわけなのだが各方はどうお考えになられるのかと。
で、そう、言いたかったのはそういうことではない。
そう、言いたかったのはそんなゲスの極みの戯言ではないのである。
つまり、例の某掲示板に不満タラタラの声の並んでいた黒狐に比べ、
この赤いキツネにおけるこの神々しいまでに清廉な手放しの賞賛の声はいつたいなんだ、と。
つまりはそう、男はいつも理屈っぽくて文句ばかり言っては愚にもつかない知ったかぶりばかり。、
あの某掲示板に羅列されたあのしょうもない戯言の数々こそは、
おさんという生物の醜さのこれ以上無い露呈。
一曲幾らだ?馬鹿も休み休み家、と苦笑いを噛み殺しながら、
改めておさんってさあ、ほんとどうしようもなくも醜い生き物であるやうだな、と。
と、それに引き換え女、それも、うら若き女神の方々は、
まさに、頭の先から爪の先までディフォルト・ポジティブ。
誰がどう考えたって、爺むせえおやじどもに、野太い怒声を浴びるよりは、
良い香りに満ち満ちたディフォルト・ポジティブなイケイケの嬌声に包まれていた方が、
良いに決まっているではないか、と。
ちゅうわけで、なぬ?そんな黄色い歓声の中で、最愛っちが、涙ぐんでいた?
ええええ?つまりは、最愛っち、そっちの毛、ならぬ、気があるのかないのか、
とかそんなことを言うからまたおやじは嫌われる訳なのだが、
でもそれ、なんとなく判るような気もするのであるのである。
つまりは、それ、シンパシーであろう。
つまりは、それ、共感、あるいは、親近感、果ては同属意識という奴であろうか。
だってそうだよな。
ティーンエイジャーなんだぜ。
普段からあの訳の判らないおさんたちが、
いまにも泡を吹かんばかりの不気味な歓声を張り上げては狂喜乱舞する様に、
んだよこいつら、いつたい、なにを考えているんだ、と、思わなかったら嘘であろう。
ってことはもしかして、ベビーメタルの三姫たち、
日夜そんな訳の分からないおさんたちの阿鼻叫喚の狭間で、
まるでステージの上で丸裸にされるような視線に晒されながら、
健気に健気に、神様お願い、私達をお守りください、と、
そんなお心持ちであつたのかなかったのか。
という訳で、改めてこのベビーメタルにおける世代格差、
その特異性に今更ながら妙なこっ恥ずかしさを覚えながら、
とそんな中、蘇る金狼、ならぬ、金狐祭り、でごじゃるか。
つまりは、ティーンエイジャー限定。
つまりは、それなんというか、三姫たちと同世代の若者たち、ばかりの、
言ってみればそれ、まさに、クラス会、ならぬ、同窓会、
下手をすれば、放課後の乱痴気パーティ、
これぞまったく本ちゃんのヘドバンギャーという奴でごじゃろうか。
兼ねてより、ベビーメタルの三姫は、そんな訳のわからないおさん連中に囲まれながら、
しかし果たして、同世代の同時代的な方々に、いつたいどんな思いを抱いているのであろうか、
そんなことを考えみなかったわけではない。
->ハンドメイドのベビーメタル ~ 中元すず香が自身の詩を歌う時
その揺れるティーンエイジャーの熱い胸、その奥底の底、
その思いのたけをぶち撒けては、同世代の連中と、
思い切りその愛を夢を不満を不安を痛みを悩みを、
分かち合いたいとは思わないのか、どうなのか、と。
そう、なんてたってティーンエイジャーなのである。
私達の気持ちを、大人になんて判られてたまるか、
なんてところで、熱い共感に結ばれる、そういうお年頃なのである。
ただ、そう、そう言った意味から言えば、
ベビーメタルは、そんな同時代的な共感性から、まさにかけ離れ過ぎてしまった、
今や、伝統芸能とも並び称されるほどの、生きる芸術品にまで昇華させられてしまった方々である。
つまりはそれこそが、姫様、と称される所以であるのだが、
だがだがしかし、そんなアンタッチャブルなお姫様たち、
来る日も来る日も、おさんおばんに囲まれては世界巡業の旅。
同世代の共感性どころか、果ては、日本語さえも通じない、
まさにバイキングかゴリラかゾンビーか、なんて異国の蛮族共を前に、
かかってこいや~!と声を張り上げながら、
その孤軍奮闘の旅を、三人ぼっちの絆だけが頼りに続けてきたのである。
うーん、そう言ってしまうと、たしかに、そう、もしかしたら、辛いこともあつたのかな、
と思わないでもない、そんな気もしてしまうこのお狐祭りの妙な企画。
で、そう、ここまでくだらない戯言を続けていれば、
もうまともな人間は誰も読んでいないだろう、ということを前提に、
またまた、超絶な暴言を吐いてくれよう。
ベビーメタルが紛い物、扱いされていたその本当の理由とはなにか。
ぶっちゃけ、それって、つまりはアイドル、いこーる、
その歌も、言葉も、自分のことでは無いわけでしょ?
つまりは、ジムショのこわーいおさんおばん、
そんなそろばんずくな連中から命じられては、
他人の作った曲に他人の作った詩をのせて、
他人の作った振りで踊らされてるだけ、なんでしょ?
という前提があってのこと、なのである。
つまりはなんというか、そのメインの支持層がおさんばかり、
で、企画をたてたのも、おさんばかり。
で、ツアーを共に回るバックバンドの方々も、揃っておさんばかり。
つまりはそこには、同時代的な共感性から隔絶され過ぎている、ということなのである。
ベビーメタルの歌詞が、得てしてあまりにも抽象的すぎてなにがなんだか判りまセブン、
というその理由も実はそこに起因している、というのは考えすぎであろうか。
ただただ、だからと言って、
俺はただお前とやりたいだけ、やら、
いい女ってなんで、こっちへこないの、やら、
日本の歴史は犯罪、血塗れの豚が今でも肥えくさりきって腹立つ、やら、
貂脳ピー どどんどどんどんドーン!やらやらやら、
つまりは、普段から思ったり言ったりやったりしている、
その同時代的同世代的な日常会話の断片を、
そのまんまに歌詞に載せてしまうことが良いのか悪いのか、
というのもまあ考えようではあるのだが、
そんな同時代的なものからあまりも隔絶されすぎて
ともすれば世間一般からはあまりにも超然とした
まさに超人然とした神憑り的な存在として畏怖されるまでに至ってしまったというところが、
まさにベビーメタルの良いところでもまたもしかしたアキレス腱にも成り得る訳で、
と果たしてなにが言いたかったか、と言えば、
そう、ぶっちゃけ、つまりは、お友達、なのである。
そう、おさんにはお友達がいない。
そんなお友達のいないおさんと、そして、同世代から隔絶された三姫、
その間にあったものとはもしかして「孤独」ではなかったのか。
そう、改めて言えば、ロックの魅力の真髄とは、そのお友達性である。
かつて、胸の内から腹の底から、下手をすればパンツの中まで、
なにからなにまでを共有していたあの、仲間、という存在。
あの、熱く固い絆、その同時代性こそがロックの真髄であった筈。
その、ロックの真髄たる共感性が、三姫、の中だけに閉塞させられては、
そのトライアングルの中で発光し発熱し爆発するパワーというのも、
実は、バックバンド、そして、客席との、隔絶がその理由なのではないか、と。
という訳で、改めて、あの遠い過去の記憶をたぐりながら、
あの青き胸を震わせたロックという時代に思いを馳せるに、
そう、ロック。ロックなんだぜ。そして、日本のロックなんだぜ。
俺達の日本のロックってなんだったんだ?
それって、つまり、俺達の、この時代の、代弁者、ってことだろ?
ロックという音楽が、あの時代のあのくそガキ共にあれだけ愛された理由というのも、
憧れや、尊敬、と同時に、やはりそこに、同時代的な共感があったから、ではなかろうか、と。
という訳で、このベビーメタルという摩訶不思議なバンド。
そんなおさんたちのアイドルから、ついには伝統芸能だ芸術品だ、
なんてところまで祭り上げられてしまったこのティーンエイジャーたち。
そんな彼女たちが実は一番求めているものは、
ぶっちゃけ、お友達、つまりは共感であろう、と。
とそんな時、俺の体験したベビーメタルのライブにおいて、
ふと、心に湧いたすごく素朴な疑問という奴。
なぜ、フロントの三姫と、そしてバックバンドの間には、掛け合いや、メンバー紹介やらの、
コミュニケーションが無いのか、と。
つまりはそれ、ベビーメタルはロックバンドではなく、
アイドル+バックバンドだから、
やら、
それはギグやライブではなく、レビュー、つまりは、劇だから、
なんてところで納得を試みてはいたのだが・・
そう、ここに来て、金狐フェスティバル、なんてところで、
同世代のティーンエイジャーたちに囲まれて、
三姫がまさに、水を得たお魚さんのように元気ハツラツにしていた、
なんてご報告を聴いてしまったりすると、
うーん、やっぱり、そうなんだよな、と思わざるをえないのであるが、
それはおさんとしての後ろめたさ、あるいは、嫉妬であったりもするのか、
とは思いながらも、
ベビーメタルに足りないもの、とは、まさにその、同世代性。
強いては、ステージにおける、共感性、なのである。
で、そう、なにが言いたいか、
うーん、言ってしまって良いのか、
そう、これは凄い凄い、希望的な観測、あるいは、ただの妄想でもあろうが、
ぶっちゃけ、ベビーメタルの真のバンド化構想。
つまりは、神バンドの、同世代化、というのはいかがでごじゃろうか。
そう、三姫と、同世代の若手ミュージシャンたちが、
熱い共感と同時代性の中で奏でるベビーメタル組曲。
そのためには、こばさん、そして、アミューズの方々、
ベビーメタル、あるいは、さくら学院の、神バンド版、
という奴を企画してはくれまいか。
それはあの、イカ天やら、勝ち抜きエレキ合戦、なんてのではなく、
まさに、本気の本気の、ミュージシャン虎の穴、
ぶっちゃちゃけ、神バンド養成所。
つまりは、日本中から才能のある若手ミュージシャンを集い、
その子どもたちに、早いうちから徹底的な英才教育。
現場を知る、世界を知る、筋金入りプロ中のプロのような連中から、
現場で叩き上げられたプロ中のプロでしか知り得ない、
現場=ステージのノウハウから極意からその心意気からを、
絶対的な愛情の中で育んでやる、
その、虎の穴、のようなミュージシャン養成学校の設立である。
あわよくば、あの神バンドの面々を講師に迎え、
ベビーメタルの演奏の極意、を徹底的に叩き込んでは、
いつの日にか、三姫と同世代のミュージシャンたちによる、
まさに、バンドとしてのベビーメタル。
ベビーメタル+神バンドではなく、三姫+ミュージシャンたちの、
筋金入りのバンド、としてのベビーメタル、その創設。
もしもそれが実現した時、ベビーメタルはまさに、アイドルでも紛い物でもない、、
鋼鉄の塊としての、押しも押されもしない、本物のロックバンド、と成り得るのではなかろうか、と。
という訳で、ふと、思ったその、金狐祭りの光景。
ラブラブ萌え萌えのステージの袖で、
何故か一人、思い切り不機嫌に苛つきまくっては、
不穏な舌打ちを繰り返すクソ生意気な面を下げた不良少年が一匹。
神バンドを、そして三姫の姿を睨めつけながら、
くそったれ、くそったれ、くそったれ、と舌打ちを繰り返すその鬼のような渋面。
くそったれ、このクソドラム、このぐらい俺にだってできる、
俺にだって、これぐらいできる筈なのに、
なんでなんで、俺にはチャンスが回ってこねえんだ。
毎日毎日、死ぬ気でベビーメタルばかり練習しながら、
くそったれ、どうしてもどうしても、ここが判らねえ、ここが足りねえ。
それにしてもこの三姫、このすぅめたるのまぶい姿。
くっそお、俺はなにがあってもどうしてもこの女をゲットしてえ。
ああ、くそお、俺はすぅが好きで好きで好きでたまらねえ。
だがしかし、いまの俺ではまだまだ足りねえ。
まだまだあのすぅめたると五分の付き合いには程遠い。
俺が愛してやまないすぅめたるにガチで告る、その為には、
いつか必ず、あの神バンドの座を、俺が、この俺が、俺の実力でゲットしてみせる、
それ以外は考えられない。
くっそ、教えてくれ、なんでそのドラム、そんなにシャープなんだ。
なんでそこまでスリリングに、それでいてこの安定感はなんなんだ。
判らねえ、なんで、ツーバスがあそこまでぶれないのか。
俺にだって音符ぐらいなら拾える、拾えるのだが、だがしかしまだまだ足りねえ。足りなすぎる。
それがなんなのか判らねえ。
くそったれ、こいつら、みんなアフォじゃねえのか?
なんてこんなベビーメタルに腹が立たねえんだ?
くそったれ、俺はベビーメタルが好きな訳じゃねえ。
俺は、ベビーメタルになりたいんだよ。
俺が、この俺が、ベビーメタルになりてえ、あの三姫と同じステージに立ちたい、
その為にはなにをすれば良いのか。
くっそお、誰か教えてくれ、くそったれのベビーメタル。
いつか見てろ、絶対に俺もベビーメタルになってやる!
そう、ロックってさ、そんなもんだっただろ?
その神をも恐れぬ傲慢さこそがロック野郎の原点、だったよな。
無茶苦茶格好良いバンドを見るたびに、喜ぶどころかくそったれ、と荒れ狂っては、
いつか、俺もいつか必ずあのステージの上で、って、そう思ってゴミ箱蹴飛ばしてたよな。
そう、あの金狐の夜に、そんな不穏な苛立ちに奥歯を噛みしめる不届き者。
いつか絶対に、俺は俺の才能と実力で、
あのすぅめたるに結婚を申し込んでやる!
そんなどうしようもない情念に身を焦がしながら、
日夜、飯を食うのも眠ることさえも忘れては、
BMDからRORまで、ウェンブリーのライブを一日中コピーしまくっている、
そんな奴らが、いったいどれだけ忍び込んでいたのだろうか。
そんなことを思いながら、ガキ共、ベビーメタルに憧れている場合じゃねえぞ、と。
腐ったおさん達の並べ立てる戯言、
そんな憧れも、賞賛も、賛美も、崇拝も、くそくらえだ。
お前が、いつか、あの、神バンドの座を奪い取る、その夢を果たすために、
ベビーメタルを恐れるな、ベビーメタルを信じるな、ベビーメタルを遠ざけるな。
目の前にみたベビーメタル、その姿、まさに生身の人間。ただの人間じゃねえか。
そう、金狐の夜に血迷ったガキ共が、汗に濡れたその脚でスタジオに直行しては、
深夜割引の個人練習スペシャルで朝までドラムを叩き続ける、
そんな姿が東京中の音楽スタジオに展開されていることを望むばかりである。
コバさん、そして、さくら学院、そして、アミューズの方々、
日本のガキ共に、夢を希望を、チャンスを与えてやってくれ。
そんなガキ共が、妄想大国日本の限界をぶち破っては、
そしていつの日にか、神バンドの面々が糞ガキどもにその座を奪い取られる、
そんな夢のような下克上が起こることを信じてやまない、そんな気がするのである。
練習スタジオの帰り道、汗みどろの身体を夜風に吹かれながら、
深夜の歩道をトボトボと歩いた、あのバンド仲間たち。
あの瞬間に感じていた、あの、得も言われぬ一体感。
あの互いの血を分け合ったような運命共同体の絆こそが、
バンド、と言えるものなのだとしたら、
ベビーメタルの三姫が、バックバンドの連中に、そんな共感と愛情を分け合える、
一本のタオルで互いの汗を拭き合い、見つめ合い、笑い合い、支え合い、
そんな姿が見られるのだとしたら、それはそれで、とても幸せなことではないのか、
と思う訳だがどうだろうか。
と、そんな時、ふと、それが日本人である必要があるのか?とも思ったりもする。
コバさん、もう、日本のミュージシャンたちにこだわる必要もねえんじゃねえか?
そう、世界中から、我こそは神バンドの後継者なり、
そんな連中がしのぎを削る一大オーデション大会。
それも、インターネットで世界にブロードキャストする公開オーデションなんてのをやってみねえか?
なんてことを思ったりもする、この倒錯気味の狐祭りの夜。
ベビーメタル・オーデション大会に向けて、世界中の猛者たちが寝る間も惜しんでしのぎを削る、
なんて世界がやってきたら、と思うと、思わず、くそったれ、生まれる時代間違えたかな、
なんてことを思ったりもしている今日このごろ。
という訳で、ガキ共、なにをやってもやらなくても、
素直にはいはいお利口に過ごそうが、間違いばかり遠回りばかりでも、
札びら見せびらかして大口ばかり叩いて総スカン食おうが、
愚痴ばかり言ってようが、寝てばかりいてようが、
あるいは、どこぞの匿名掲示板に、根も葉もない戯言を並べていようが、
人生は一回きり、だぜ。
ベビーメタルを崇めたりするな、拝むな、盲信するな、崇拝なんてするんじゃねえぞ。
お前も、小箱でベビーメタルを見ただろ?
ベビーメタルは神なんかじゃねえ。ただの人間じゃねえか。
そう、ただの人間。生身の人間なんだぜ。
それが判っただけでも、この金狐祭り、とてつもない意義があった、
そう思ってくれる糞ガキどもが、日本中に溢れてくれていることを望むばかりである。
青年よ、大志を抱け!
金狐たちよ、ベビーメタルたれ!

自堕落族の逆襲
地下鉄に乗るたびに、
これは自堕落族の逆襲なのだ、と気付かされる。
自堕落族の逆襲
私たちはただ、自堕落に生きたい、ただそれだけなのだ
自堕落に生きる権利、
敢えて自堕落であることに拘る美徳。
地下鉄システムそのものが、そんな自堕落族のマニフェストなのだ、
と思えば、このなにからなにまで無茶苦茶な運行状況が、
なんとなくも、小気味よくさえ思えてくるではないか。
頑張れ自堕落族、我らが代弁者。
俺たちだって、本当だったら、心置きなく自堕落に生きていたいんだ。
ただ君たちほどの幸運に恵まれず、
そんな自堕落を許せて貰えない職にしかありつけない、
ただそれだけの話しなのだけれど。
そして世の全ての人々が、そんな自堕落族の逆襲の中で、
心の底から思い切り、辟易として自暴自棄。
自堕落族め、いまに見ていろ、自暴自棄族の逆襲が始まるその日まで。
これは自堕落族の逆襲なのだ、と気付かされる。
自堕落族の逆襲
私たちはただ、自堕落に生きたい、ただそれだけなのだ
自堕落に生きる権利、
敢えて自堕落であることに拘る美徳。
地下鉄システムそのものが、そんな自堕落族のマニフェストなのだ、
と思えば、このなにからなにまで無茶苦茶な運行状況が、
なんとなくも、小気味よくさえ思えてくるではないか。
頑張れ自堕落族、我らが代弁者。
俺たちだって、本当だったら、心置きなく自堕落に生きていたいんだ。
ただ君たちほどの幸運に恵まれず、
そんな自堕落を許せて貰えない職にしかありつけない、
ただそれだけの話しなのだけれど。
そして世の全ての人々が、そんな自堕落族の逆襲の中で、
心の底から思い切り、辟易として自暴自棄。
自堕落族め、いまに見ていろ、自暴自棄族の逆襲が始まるその日まで。
プロフィール
Author:高見鈴虫
日本を出でること幾歳月
世界放浪の果てにいまは紐育在住
人種の坩堝で鬩ぎ合う
紐育流民たちの日常を徒然なく綴る
戯言満載のキレギレ散文集
*お断り
このブログ記事はフィクションであり実在の人物・団体とは一切関係ありません藁
©終末を疾うに過ぎて...
無断丸々転載・そのまま転写はご勘弁ちょんまげ
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