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哀愁のラヴァーボーイ ~ アッパーウエストサイドのちょっと洒落にならない朝の光景

Posted by 高見鈴虫 on 01.2017 犬の事情   0 comments
起き抜けのシャワーに濡れた髪をタオルで乾かしながら、

なんか、サリーが逝ってしまったこと、
実感が沸かなくてさ、と呟いた途端、
かみさんの顔つきが豹変していた。

なにを言ってるの?
あなたも自分でブッチの散歩させて見れば、
実感どころか、嫌というほど思い知らされるわよ。

そんな謎の言葉を叫びながら、バタンとドアを閉めたきり、
ベッドルームに閉じこもってしまったかみさん。

閉じられたドアの前で、ねえねえ、開けて開けて、とノックを繰り返すブッチが、

やれやれ、とへらへら笑いをしながら俺を振り返る。

あの、どうでも良いけど、俺、会社に行く時間なんだけど・・

だがしかし、かみさんは頑としてドアを開けてくれない。

まったくもう、この強情者が・・

ただそう、昨日も深夜までの残業明け、
このところ、またまた仕事を理由にすっかり犬の散歩を押しつけてしまっている今日このごろ、
連休前のこの間の抜けた金曜日ぐらい、たまには遅出をしても罰は当たるまい。

という訳で、今朝の散歩は急遽、俺が代行仕ることになったのだが、

喜び勇んだ我がブッチ君、アパートを出た途端、意気揚々と、
いつものセントラルパーク、とは逆の方向に勝手に歩き始める。

あれ?パークに行くんじゃなかったのか?芝生の丘でみんな待ってるぜ。

だがしかし、ブーくんは既に、全身から断固たる確信を込めたその足取り。

ああ多分、今日はまたドッグランに向かおうというのか。
だったらそう、そのまま川沿いのカフェで優雅にご朝食、なんていうのも悪くない、
と思いきや、リバーサイドへと向かう角のデリカテッセンに来たところで、
そんな俺の胸算用を嘲笑うかのように、くるりと右に折れては、
振り返りざまに、ニカっといつもの大笑いである。

むむむ、この笑い、絶対になにかあるぞ、と過ぎった嫌な予感。









ベビーメタルのフラストレーション ~ ニューヨークの残念な人々

Posted by 高見鈴虫 on 09.2017 BABYMETAL☆ベビーメタル   0 comments
一足お先に夏本番のニューヨーク。
先の独立記念日の祝日を挟んで、
連日繰り返される大小の野外バーベキュー。
普段から犬の散歩にかまけてばかりいる不義理の落とし前に、
犬の参加が許されることを条件に、
そこかしこへとお礼参りの出没を繰り返しているのであるが、
で改めて、そこで出くわすバンドマン崩れたち。

いまとなっては、見る影もないほどまでに、
その脂ぎった赤ら顔から、
弛んだ腹にどう見ても似合わないその休日仕様のスポーツウエアからと、
押しも押されもせぬうだつの上がらないおっさん風情。
そんな、一見して見るからに温和そうな好々爺、
そのおさんたちの口から、酔いが回るほどに次から次へと飛び出してくる
その、あまりにも凄まじいばかりの武勇伝の数々。

いまとなってはすっかり殿堂入りを果たしたあの歴史的な大御所の、
サポートメンバーとして全米をツアーした、なんて話から、
全人類の文化遺産のような偉人たちと共演した、その稀有な経験談から、
そして、聞いてみれば、今もなお、人知れずにステージに立ち続けている、
そう、そんな輩、ばかり、なのである。

そう、ここはニューヨーク。
たかがバンドマン崩れ、とは言うものの、
日本においてはそれなりに大御所であったり、
あるいはそう、ここニューヨークという、
まさにバケモノ的なまでに、世界中からの才能の密集する、
まさに、パフォーマーたちにとっての聖地。
そんな世界の最高峰に対して、本気の本気でガチンコの勝負を挑んだ、
その気概だけは、歳老いたとは言っても、やはり並々ならぬものがある。
そんな曲者ぞろいのニューヨーカーたち。

いやはや、またまた色々と、面白い話を聞かせて頂いた。





ベビーメタル 歴史の生き証人たちへ ~ いたたん・いたたんいまこの瞬間を! 

Posted by 高見鈴虫 on 18.2017 BABYMETAL☆ベビーメタル   0 comments
えええ?
BLACK FOX FESTIVALに参戦してきました?
なんだそれ・・

ええ、あ、そうだ、そうそう、もうそういう日付であつたか。

いやあ、前のコーンとのツアーの終わった時のあの虚脱感。
ああ、これでまたしばらくベビメタちゃんたちともお別れか、
あの悲しみに打ちひしがれたまま、で、この次は、と思った7月18日が、
なんとももう、一万光年の彼方のように遠く遠く感じたものであったのだが。

そっか、そうだそうだよ、ベビメタ、遂にツアー再開か。

あのさあ、言っちゃ何だけど、ってまたしょーもない愚痴なんだが、

コーンのツアーが終わってからこの方、まじで、ろっくなことが無くてよ。

仲良しだった犬は死んじゃうし、毎日毎日糞暑いし、
仕事先では悶着続きで崩落寸前。
そろそろ年貢の納め時かと、
毎夜毎夜寝静まった頃になっては人知れずレジメの改竄作業、
まさにこれ、溜息に次ぐ溜息ばかりの日々。
ああ、俺の人生、こんなことが一生続くのかよ、
と踏んだり蹴ったりなところを持ってきて、
挙句の果てに友人の一人が死にかけては救急病院で緊急手術、
なんてことまで起こって・・

いや、ただ、それが、ベビメタとなんの関係があるのか、
と言えば、ぜんぜん関係ない筈なのだが、

改めて言わせて貰えば、ベビーメタルのON時とOFF時、
そのエナジーレベルの差と言ったらなくてさ。

ベビメタがライブやってる時にはもう連日連夜、
寝ても覚めても超絶ハイパー状態で、
うるせえどら猫も腐った黒人も跳ね飛ばしては、
セイヤ・ソイヤのおはようウエイカップ。
いたたん・いたたん、今この瞬間を、
と、調子の良いことこの上ないのだが、
それが、そう、シーユー、とされてしまった途端に、
どおおおおおおん、とばかりの穴の底。

これはもう、立派な躁鬱というよりは、
まさにバイポラ・ディスオーダー:双極性障害。

で、その特効薬は、と言えば・・・

という訳で、おおお、やって来たか、救いの神!

いやあ、もうねえ、このベビーメタルの新たなニュース、

これが飛び込んで来た途端に、元気百万倍!

つまりはそういうことか。
俺はもう、ベビーメタル無しでは駄目なんだな、ということなのだが、
いや、そう、だったら、尚更、
ベビーメタル、ずっとずっと、演っていて欲しい。
そうすれば一生に渡って元気億万倍、
棺桶入るまで思い切りぶっ飛ばせるじゃねえか、と。

という訳で、この長き洞窟の底から、
一挙に土砂崩れが起こっては頭上にぽっかり空いた眩い閃光に包まれ、
これぞまさに、ベビーメタル DIVINE! 

思わず、帰ってきたぜ!と。









青年よ大志を抱け! 金狐たちよベビーメタルたれ!

Posted by 高見鈴虫 on 21.2017 BABYMETAL☆ベビーメタル   0 comments
そっか、初日の黒狐から一転、赤いキツネではまさに、
会場中を美味しそうな香りがむんむん蒸れ蒸れであったさうな。
ってことは、その会場において、コバメタルはいつたい、どこでなにをしていたのか。
もしやもしやまさかまさかこの老若男女の隔離策は、
もしかしてあのそのこの赤いきつねさんたちをモッシュピットで独り占め?
それがそれがそれが目的であつたのでごじゃるかコバメタル殿、
とは穿った見方であることも百も承知でござるのではあるが、
いやはやはや、羨ましい、羨ましいのは神バンドの面々でごじゃる。
そう言えば、吾輩はどういう訳か昔から、
ことに女性ファンに人気のあるバンドというものには妙に縁が無かった、
のではごじゃるが、
実は実は実は嘗ての遠い昔、当時人気絶頂の頃のオエイシス、
日本語で言うところのオアシスをヌーヨークはローズランドという小箱に観に行った際、
またまた訳もわからずステージの目の前までしゃしゃり出た途端、
遥か英国からの遠征組、そのブリブリブリティッシュなうら若き女性ファンの親衛隊たちに囲まれては、
いきなり壮絶なモッシュの渦に巻き込まれては青色ならぬ桃色吐息。
その耳をつんざく黄色い歓声に両の鼓膜を破られながら、
それがもう右も左も前も後ろも上から下から肉肉肉、肉の横波縦波大嵐。
そのたわわたわわなこれ以上なく柔らかいお肉お肉お肉の圧縮の中で、
揉み揉み揉みしだかれては掻きむしられるだけ掻きむしられ、
いやはや、肉布団とは良く言ったものだわい、と妙なところで関心しながら、
そのチーズやらジェロやら訳の判らないフルーツ風味のコロンから、
つまりはその若きフェロモンの濡れそぼつ汗の中で全身上から下までぐっしゅぐしゅ。
とまあそんなこんなで肝心なるオエイシスがなにをやっていたのか、
さつぱりとなにひとつとしてなにも記憶がなかったのだが、
もしやもしやコバメタル殿、あの赤いキツネの夜には、
まさかまさかそんな地獄ならぬ超極楽的なご経験をされておられたのかどうなのか。
とまあそんなしょうもない妄想に打ちひしがれながら、
いやあ羨ましくも恨めしいのは神バンド殿方。
がしかし、その真相はと言えば、
思わず頭から観客席に飛び込んで、どころか、
もしかしてそれってまさに赤面に赤面を重ねる苦行のような照れくささ、
ではなかったろうかというのは想像に難くなく、
まさに、幾千の若いお嬢様がたの熱い視線に晒されながら、
ともすればまるでステージの上で丸裸にされてしまったような透明感覚。
そんなご経験をされていたとすれば、
それってもしかして、ベビーメタルの三姫方も、
実は実は、あの黒狐の夜においてまつたく似たような状況にあつた筈なので、
うーん、考えれば考えるほどにこの企画、なんともなんとも、
いやはや妙な具合に、その本来のまーけってぃんぐ的な目的から、
ともすれば社会学はおろか生態学生理学的な領域にまで足を踏み入れる、
画期的な企画であつたのではと思うわけなのだが各方はどうお考えになられるのかと。

で、そう、言いたかったのはそういうことではない。



  

プロフィール

Author:高見鈴虫
日本を出でること幾年月。
世界放浪の果てにいまは紐育在住。
人種の坩堝で鬩ぎ合う
紐育流民たちの日常を徒然なく綴る
戯言満載のキレギレ散文集

*お断り 
このブログ記事はフィクションであり実在の人物・団体とは一切関係ありません藁

©終末を疾うに過ぎて...
無断丸々転載・そのまま転写はご勘弁ちょんまげ

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