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あまりに疲れ切って帰宅した夜

Posted by 高見鈴虫 on 02.2011 日々之戯言(ヒビノタワゴト)
あまりに疲れ切って帰宅した夜、
ありあわせ晩飯を食ったとたんそのまま昏睡。
目が覚めて3時。真夜中の部屋。
不思議なぐらいにすっきりと目が覚めて、
がしかし、こんなに頭がクリアなのになんとやることがない。

日ごろから、
仕事などしている場合じゃない、
いま一番しなくてはいけないのは、レジメのアップデートだ、
とは思っていながら、
いざ夜中の3時に目が覚めて、
自身のレジメの書き直しを始めるにはなんとも気が滅入る。

寝静まった部屋、かみさんはもちろん寝ている。
汗ばんだ髪の中から晩飯に使ったたまねぎの残り香がして、
ああ、これがぬかみそ臭い、ということなのか。
やれやれ、歳をとってしまったな、とつくづく思う。
俺はこの女を果たしてどれだけ幸せにしたのか、不幸にしたのか。

若いころだったら、そのまま耳たぶを齧って、
口唇から首筋からを舐め上げてそのままシャツを広げて乳房にむしゃぶりついて、
とはじめたところなのだろうが、
いまそんなことをやったら、股間を思い切り蹴り上げられるのがおち。
もう、いい加減にしてよ、と怒鳴られたが最後、3日も口をきいてもらえないだろう。

と言うわけで、おいおい、なんと信じられないことに、手持ち無沙汰、だ。
つまり、時間をもてあましている、ということなんだな。

暗い天井を見上げながら、ふと、俺のおやじにもこんな時があったのだろうか、と考える。
親父も人間であった以上、あったのだろうな、と考えてみる。

と、ふとすると、うーん、と唸って頭を上げた犬が、
いきなり飛び起きて伸びをした。
散歩?夜中の3時に?とあきれる俺を見上げる目の輝き。
やれやれ、と苦笑いをして頭をなでると、
そのまま、俺の腹の上に寝転がったまま寝息を立て始めた。

これが家族と言う奴なのかな。

かみさんの寝顔を眺めながら、くっそやりてえなあ、と舌打ちをひとつ。

妙なことにならないように、読みかけたまま埃のつもっていた文庫本を手にとってリビングのソファーに移動しよう。

プロフィール

Author:高見鈴虫
日本を出でること幾歳月
世界放浪の果てにいまは紐育在住
人種の坩堝で鬩ぎ合う
紐育流民たちの日常を徒然なく綴る
戯言満載のキレギレ散文集

*お断り 
このブログ記事はフィクションであり実在の人物・団体とは一切関係ありません藁

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