Loading…

ニューヨークの春 2013

Posted by 高見鈴虫 on 09.2013 とかいぐらし   0 comments   0 trackback
三月を過ぎ、季節外れの大雪の三日間の後
その週末はいきなりやってきた。
雲一つない青空の下、気温はみるみる50度まで上昇。
いきなり転がり込んできた春の訪れに
待ちきれなかったように人々が街に繰り出す。
疑わしげに羽織ってきた冬物のコートを持て余した人々の間を、
これ見よがしに白い肌をさらけ出した気の早い若い女たちがすり抜けてゆく
それはまるで泥炭にちりばめられたダイヤモンドのように目に眩しい。
真夏と真冬の交差する街角。
遠いビル街にこだまするパレードの喧騒。
ニューヨークである。
ニューヨークがいま目を覚ましたのだ。

という訳で改めて思う先日知らされた会社側の発表。

家賃高騰のニューヨークを離れ、
オフィスがNCに移転するらしい。
こちらが物怖じしてしまうほどの破格値の待遇も
このニューヨークを離れてまで保持しなくてはいけないものとも思えない。
あるいは例え百万ドルの金があっても
このニューヨークを離れてしまっては
一文の価値もない筈。
ニューヨークを知らぬものは
このニューヨークという街の魅力を知らな過ぎる。
様々な事情からニューヨークを離れる決断をした同僚を職を失って
明日をも知れぬ身の上になった我々は可哀想に
とお悔やみの心をもって送り出すことになる。

というわけでまた失業である。

またレジメを片手に町中を駆けずり回るのか、
とため息をつきながら、
このタフでビッチな都市に改めて戦いを挑むことになるのだ。
ああたかがニューヨークされどニューヨーク。


  • password
  • 管理者にだけ表示を許可する

trackbackURL:http://shumatsuwotohnisugit.blog.fc2.com/tb.php/1308-7379d140

プロフィール

Author:高見鈴虫
日本を出でること幾年月。
世界放浪の果てにいまは紐育在住。
人種の坩堝で鬩ぎ合う
紐育流民たちの日常を徒然なく綴る
戯言満載のキレギレ散文集

*お断り 
このブログ記事はフィクションであり実在の人物・団体とは一切関係ありません藁

©終末を疾うに過ぎて...
無断丸々転載・そのまま転写はご勘弁ちょんまげ

月別アーカイブ

検索フォーム