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ニューヨークのトイレの匂い

Posted by 高見鈴虫 on 01.2013 とかいぐらし   0 comments   0 trackback
会社のトイレに行くたびにかなり臭い思いをする。
さすがに世界の人種が集まるニューヨーク。
つまり食っている物も千差万別ならば、
出てくる物の匂いもまさに千差万別。
結果、
こいつら本当にいったい何を食ってるんだ!
と思わず両隣の壁にパンチを入れたくなるぐらいに
それはそれはとてもつもなく臭いうんこをする奴もいる、ということ。
それに加えて、
出す物が出たらすぐに流せば良いのに、
それもせずひりっぱなしのままにIPHONEなどいじっているから、
この様にトイレ中、思わず気を失いそうになるほどの臭気が立ち込めてしまう訳だ。
トイレはすぐに流せ!
など、今更そんな公衆道徳について言ったみたところで始まらない。
やる奴はやる。やらぬ奴はやらぬ。
全ての人々をひとつの決まり文句で従わせるなんて、
そんな甘いことはこのニューヨークでは通用しない。

という訳で、文句があったら人に言うよりは自衛手段を講じるのが手っ取り早い。

トイレの臭い対策にはまさにマッチ。
ポケットのタバコにはさみこんだマッチを一本。
しゅっと摺ったとたんに匂いが消えうせてくれる。
のだが、
トイレの中から火薬の臭い、と警察やらテロ対策特殊部隊とかが突入してきたら
それはそれで厄介だ。

がしかし、そう、糞の匂いなどはまあしかたがない、としてもだ、
これだけは許せないのは、便座の上から小便をする奴。

下手をすると便座に座ったとたんにじっとりと濡れているなんて
まさにとんでもない事態が起こる可能性がある。

なので便座に座るまえにちぎったペーパーで存分に吹くことになるのだが、
この忙しいのに、お前らの小便をなんで俺が掃除しなくっちゃいけないんだよ、
とまじめに腹が立ってくる。

で、こうして念入りに拭き拭きしても、
いざ座ったとたんにツンと来るアンモニア臭。

さては昨夜のうちに便座にぶっかられた小便が乾いていただけだったのか。

あのなあ、と思わず。
お前ら、本当に人間としての教育を受けて来たのかよ、と。
が、そう、ここはニューヨークである。
人種も違えば常識も違う。
つまり、
ケツが他人の小便のアンモニア臭い、なんてことを気にしないような所からやってきた人々も沢山いる訳だろう。

お前それは甘いぜ。
うちの会社なんか、便所どころか廊下にうんこするやつまでいるぐらいでよ、
ぐらいな話なら、某赤い旗の国に行けばいくらでも出てきそうではないか。

という訳で、そんな千差万別の人々を相手に、
いくらトイレをきれいに使え、とどれだけ貼り紙をしようが社内報が回ろうが、
やるやつはやる、のである。
という訳でやはりこの多民族都市の公衆道徳の規定化は
とても難しいものがあると言わざるをえない。

という訳でトイレに備え付けの使い捨て便座カバーをすることになるのだが、
実はね、うちの会社のトイレ、
どういう訳か水が自動になっていて、
そう、この便座カバーを敷いた後に、
さあ、と座ろうとした途端にジャーと水が流れてしまって、
せっかく敷いた便座カバーも同時に水に流されている、と。

いやはや、なかなか難儀なわけである。
という訳で、
そうまでして会社でうんこをする必要性があるのかと改めて首をひねらざるを得ないことになり、
いつしかうんこはすっかりと引っ込んでいる、という訳だ。

なんてことを考えながら、
そう言えばこの公衆トイレ、あのエグゼクティブの方々もお使いになっているのだろうか。
誰かが小便をぶっかけた便座の上に、あの上層部の方々も鎮座増しましてらっしゃるとすれば
それはそれでちょっと小気味が良い気がしないでもない。

お偉いさんこの惨状をごらんになってどう思われ?
と改めて聞いてみたくもなるのだが。

がしかし、そう、もしもエグゼクティブであれば個室にトイレがあったり、
あるいはエグゼクティブ専用トイレなんてものもあったりもするのか。
いやあるべきなのではないのかとも思ったりする。
うんこしながらうっかり電話で話したことをとなりでやはり糞していたエグゼクティブが聞いていたり、
あるいはその逆も、なんてちょっとなかなか面倒くさい。

という訳で、そう、もしも俺がエグゼクティブの部屋を与えられた暁には、
もしかして自室に俺専用のトイレを作ってもらうだろうか。

でもさ、そうなると、
そのトイレの臭いはまさに俺以外の誰でもない、ということになって、
したら部屋に入ってきた奴が、うっぷあの部屋はいつも臭い、
などと変な陰口を叩かれそうでそれはそれで難儀である。

が、そう、ここはニューヨーク、
他人の糞の匂いなど、気にしているのは多分俺ぐらいなものなんだろうな。

なんてことを考えながら便座に座ってIPHONEを弄っていたら、
おっとまたミーティングに遅れそうだ。


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プロフィール

Author:高見鈴虫
日本を出でること幾年月。
世界放浪の果てにいまは紐育在住。
人種の坩堝で鬩ぎ合う
紐育流民たちの日常を徒然なく綴る
戯言満載のキレギレ散文集

*お断り 
このブログ記事はフィクションであり実在の人物・団体とは一切関係ありません藁

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