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決して口にしてはいけない言葉を口にだしたとたん・・

Posted by 高見鈴虫 on 13.2013 とかいぐらし   0 comments   0 trackback
その昔、
つまりはずっとずっとその昔から、
いつの日にか、釣りをして暮らしたいな、と思っていた。

俺にとって、釣りとは幸せそのもの。

だって、釣りだぜ。
そう、まさに、のほほん、の象徴なのだ。

つまり、そう、
俺にとって釣りをやって暮らす、とは、
将来に対して、なんの心配もなくなったとき、
もう人生のすべてにけつをまくってしまったとき、
おもいきりのほほん、とした顔で、
いるのかいないのかわからない魚が、
ひっかかってつくるのをひたすらに待ち続ける釣り、
というものをやってみたいのだ。

そして永遠と待ち続けた末に
もしもようやくなにかが釣れたとしても、
急いで針を外してすぐに逃がしてやるのである。

こんなもの、犬でさえあまりに退屈して、早く帰りたい、
と言い出すにきまっている。

が、しかし、それで良いのである。
なんてったって、もうなにも心配することはないのだ。
そう、だから、もう大丈夫なのである。

俺にとって釣りとはまさにそういう物だった。

いつの日か、そうやって暮らせる日が来るのだろうか、
きたらいいな、とは思っていた。

のだが、

どうも俺にとって、釣りをして暮らそうかな、という言葉は、

決して口にしてはいけない禁句のような気がする。

なぜかと言えば、これまで、この言葉を口に出すたびに、

トンでもないことが起こって、
そしてその末に、まさに釣りどころではない自体に追いやられる羽目になるのだ。

という訳で今回である。

これまでのたびたびに渡るどんでん返しやらしっぺ返しから、
よほどに相当のことがないかがいり安心をすることがなかったわけだが、
今度という今度はまさにぜったい大丈夫だろう、
ようやくこれで長い旅が終わったのか、
と思ったやさき、
寝がけに、隣のかみさんに向けて、
ああ、これからは釣りをして暮らそうかな、とつぶやいてしまったのだ。
釣り?あなたが?なんで?いままでそんなこと言ったこともないのに。
そう、言えなかったのである。
が、そう、もう大丈夫。ここまで来ればもう大丈夫だ、
と思った俺が、ついに、
そう、実は、いつか釣りをして暮らしたいってずっとずっと思ってたんだ、
と口にだしてしまったのである。

そしてその翌朝。
いつものようにチームミーティングの最中に、
あれ、なんかいま変なメールが来たぞ、
緊急連絡?なんだろ、これ、とみんなして首をかしげたときにはじまったこの大騒動。

いまになって思えば、つまりは俺のせいなのだ。

俺が、言ってはいけない呪いのことはを言ったがために・・・

という訳で、これから先、どうなるかさっぱり判らず、
まさに釣りどころの騒ぎではないところに逆もどり。

くそったれ、もう一生、釣りをして暮らそう、なんて、
口が裂けても言わないぞ、と心に誓った。


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プロフィール

Author:高見鈴虫
日本を出でること幾歳月
世界放浪の果てにいまは紐育在住
人種の坩堝で鬩ぎ合う
紐育流民たちの日常を徒然なく綴る
戯言満載のキレギレ散文集

*お断り 
このブログ記事はフィクションであり実在の人物・団体とは一切関係ありません藁

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