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「ああ風が甘い」

Posted by 高見鈴虫 on 26.2013 ニューヨーク徒然   0 comments   0 trackback
4月を前にして曇り空にちらつく雪に唖然としたその翌日。
いつものように川沿いの遊歩道をドッグランへ。
あれ、なにかが違うぞ。
それはまさに風の匂い。
いままでこの道を歩く時には、顔に向けてまともに吹きつけてくる凍えた風に、
まるで顔に向けて冷水をぶっかけられているような、そんな気がしていたのだが。

ふと頭に被ったフードを取ってみれば、
緩んだ風がふっと首筋を撫でる。

ああ風が甘い。

ようやく、ようやくこのニューヨークにも春の訪れか。
おお木立の向こうから犬どもの吠え声が響いて、

待ちきれないようにブッチ君、
いきなりリーシュを振りほどいて走り始めてしまう。

見上げる空に満月。

春か、春なんだな、
とそれだけで、ちょっとスキップをしそうになってしまった。


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プロフィール

Author:高見鈴虫
日本を出でること幾年月。
世界放浪の果てにいまは紐育在住。
人種の坩堝で鬩ぎ合う
紐育流民たちの日常を徒然なく綴る
戯言満載のキレギレ散文集

*お断り 
このブログ記事はフィクションであり実在の人物・団体とは一切関係ありません藁

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