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チャーリー・ホースは真夜中に疾る そのに 元はといえばテニスのやり過ぎ

Posted by 高見鈴虫 on 02.2013 チャーリーホースは真夜中に疾る   0 comments   0 trackback
と言う訳でこのチャーリー・ホースである。

付き合いは長い。

この厄介な疫病神に取り付かれたのはかれこれ10年も前。

元はと言えばテニスのやりすぎであった訳だ。

テニス・・・
そもそも俺はテニスをやりたくて始めた訳ではない。
暇で死にそうであったため、死ぬぐらいならテニスでもやってみようか、
とまあそれぐらいの理由であった。

ニューヨークやLAやサンフランシスコ、つまりは観光地、
それ以外のアメリカをご存知の人は、
そこがいかに、清潔な砂漠であるか、
ご存知のことと思う。

青い空、緑の芝生、白い家。

一見まるで夢のような風景であるのだが、
果たしてそれ以外はなにもない訳である。

ほとんど大抵の人々のごく一般的なアメリカ人は、
ほとんど大抵の時間をテレビでフットボールを見ながらビールを飲んで過ごしている。
彼らがあれだけぶくぶくと太るのは実にそれが理由である訳で、
アメリカ人はそれを、幸せ、と呼ぶのである。

そんなアメリカのど田舎に居た時代、
そんなアメリカの幸せに飽きたらなかった俺は、

くそったれ、退屈で死にそうだ、と発破ばかりやっていたのだが、
ふと、アパートの片隅に、
誰も使っているのを見たこともない荒れ果てたテニスコート、
ねえ、らりってばかりいないで、たまにはテニスでもやろうよ、
と誘われるまま、近所の雑貨屋で10ドルもしないで買ったおもちゃのラケット、
と、そんな感じで始めたテニスではあったのだが。

なにより田舎である。徹底的にやることがない。
結果的に暇つぶしに毎日テニスをやることになり、
いつの間にかそれなりに打てるようにもなっていたのだ。

が、しかし、晴れてニューヨークへの転身を遂げた後は、
わざわざこんなところでテニスなどやることもない、
と夜遊びばかりしていたのだが、
ふとした拍子に週末だけの遊びのつもりでかみさん相手にちょっと打ち始めた途端、
あれよあれよと、あちこちから声がかかって、
誘われるままにダブルスだ、シングルだ、ラダーだ、トーナメントだ、と大忙し。

まあなにより友達も増えるし、なまった身体も元通り、
そしてやはりなにはなくとも面白い。

テニスラケットひとつ持ってコートに行けば、
見ず知らず、名前どころか、
どこから来たのか、何人なのか、
いったい何語で喋っているのか、
さえも判らない者同士が、
いきなりコートを挟んでボールを打ち合う。

としたところ、
一言の言葉を交わすこともなく、
まるっきりそのままにその人物の人となりと、
その性格から強さから弱さから、
良いところ悪いところ、
すべて手に取るように判ってしまうのである。

それはまさにこのニューヨークという人種のジャングルの中にあって、
そこに暮らす人々の知る上ではまさに最高の方法だったのだ。

という訳でニューヨークでテニスである。
何故にわざわざテニスなのか、と首を傾げながら、
しかしいつの間にか、誘われるまま、
まさにテニス以外なにもないニューヨークライフになっていた訳である。

という訳でテニスである。

土日は言うに及ばず、
平日でも、仕事の前の朝練から仕事後の夕暮れ前。
下手をすると仕事中にちょっと抜け出して1~2時間、
そのまま帰って仕事、なんてことをやり続けていた訳だが、
ほとんどの場合、ろくにウォーミングアップもやらないうちからコートに直行。
そのままがっついて打ち続けては誘われるままに時間が許す限りは一日中でもプレイ。
その日の疲れが抜けきらないままに朝起きてすぐにテニスコート、
とやっているうちに、そんなこんなで身体中が慢性疲労状態。

始終足がコチコチ状態で鉛のよう。
しまいにはコートにいる連中はみんなペンギンのような歩き方をしていて、
そんな俺たち中年テニサーにとっては、
生きるということはまさしく筋肉痛であった訳だ。

という訳でそう、テニス、ではない、チャーリー・ホース。

そんなテニサー暮らしが5年も続いた頃であろうか、

その暴れ馬はそしていきなりやってきた訳である。


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プロフィール

Author:高見鈴虫
日本を出でること幾年月。
世界放浪の果てにいまは紐育在住。
人種の坩堝で鬩ぎ合う
紐育流民たちの日常を徒然なく綴る
戯言満載のキレギレ散文集

*お断り 
このブログ記事はフィクションであり実在の人物・団体とは一切関係ありません藁

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