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チャーリーホースは真夜中に疾る そのきゅう ユダヤの母

Posted by 高見鈴虫 on 03.2013 チャーリーホースは真夜中に疾る   0 comments   0 trackback
そんな時、きっかけはまさにまたしてもユダヤの母であった。

夜更けのドッグランで、
ユダヤの母どもを相手に、
いやあ、足が攣っちゃってさあ、と苦笑いをしたところ、
あれまあ、チャーリー・ホースならアップル・ヴィネガーよ、
とぽろりと言われたのだ。

アップル・サイダー・ビネガー。つまりリンゴ酢?

そうそう、あたしも妊娠中に毎晩毎晩のチャーリー・ホースで眠れなくてね。
そしたら、そう、リンゴ酢。これをあしたのおばあちゃんに聞いてね。
で、飲んでみたら、一撃よ。
チャーリー・ホースにはアップル・サイダー・ヴィネガー。
アメリカでは知らない人はいないわよ。

という訳で、アップル・サイダー・ビネガー。つまりリンゴ酢である。

俺はアメリカ人でもないし、妊娠中ではない訳だが、
仕事中にふとそれを思い出し、
試しにアップル・サイダー・ヴィネガーとチャーリー・ホース、と検索を駆けたところ、
出るわ出るわ、おばあちゃんの豆知識。

それによるとやはり、ユダヤの母の言う通り、
アメリカでは、古くから妊婦=チャーリー・ホースにはリンゴ酢、
という習慣があるそうなので、
妊娠中はいつも枕元にリンゴ酢を置いて、という記事が多数並んでいる。

で、ためしに、うちのかみさんに、
ねえ、リンゴ酢って知ってる?と聞いてみたところ、
うちにあるよ、と一言。

なんでそんなものが家にあるのか、と言えば、
前にリンゴ酢ダイエットっていうのが話題になって試してみたが効果がなかったから、
との事。

ならばそのリンゴ酢、家にあるのならば試してみようか、と。

と言う訳で仕事帰り。
夜にチャーリー・ホースに襲われた左の脹脛はいまだにコチコチ。
鈍い疼痛をもたらし続け、
ふとするうちに地下鉄の中でまた足の指がピクピクと引き攣り始め。
72丁目の駅の階段ではすでに新たなチャーリー・ホースの予兆。
家まで持つだろうか、とは思いながら、
家に帰ったからと言ってなにができよう、
と途方にくれたままの帰宅。
いきなり、おかえり!と飛び掛ってくるブー君。
はいはい、お前のその笑顔だけが俺の余生を支える唯一の礎。

スーツを脱いでとりあえずベッドに横になり、
ブー君の嘗め嘗め攻撃を受けながら
下半身を跳ね回るチャーリー・ホースの予兆を耐え忍ぶ。
まあしばらく寝ていれば収まるだろう、
と犬に嘗められたあとをぽりぽりと掻いていたら、
ようやく帰宅したかみさん。

あれまあ、また足が攣ったの?
ああ、なんかまたおかしくて。
ああ、そうだ、リンゴ酢、ほら、これ。

と言う訳でそのリンゴ酢である。
そのあたりのスーパーで、2ドルそこらで売っているやつ。
日本の米酢のように、アメリカの家庭では極一般的なただのリンゴ酢である。

まさかこんなのが効くのかな、とは思いながら、
もうここまできたら毒でもなんでも食らってやる、
というつもりで、半ばやけくそになったまま、
手渡されたアップル・サイダー・ビネガー、
キャップを外してそのままラッパ飲み。

ぐええ、酸っぱい!
と咽ながら、ふとその瞬間、あれ、と思わず。

アップルビネガーが胃袋に降りた瞬間、
一瞬だが、左足の先の痙攣の痛みがすっと和らいだのである。

ねえそんなの直接飲んで大丈夫?またお腹痛くなるんじゃない?
とは言われて差し出された水をまたがぶ飲み。

そうしたところ、まさにあれあれあれ、である。

あれ、なんかなんか、といっているそばから、
なんと両足で跳ね回っていたチャーリー・ホース、いつのまにか、
まるで紅茶に浸した角砂糖が溶けるように、
みるみるうちに掻き消えて行く。

あれあれあれ、と思わず。
なんだこれは!

と言う訳で、かみさんがあらたに作ったリンゴ酢ジュース。
つまり水で薄めて砂糖を加えた奴を改めて一気飲み。

効いた!これは効いた!

まさにてき面、という奴である。

なんだよ、頼みの綱はうちのキッチンの戸棚の中に寝ていたのか。

と言う訳で、ここに来て新たな展開である。

アップル・サイダー・ビネガー、つまりリンゴ酢。
フェアウエイのオーガニック売り場で、
1PT(473ML)で、まさに3ドル99セント。

これにはまさに大驚愕である。

その夜、ふとブー君の寝相の悪さに起こされた夜更け。
あれ、と思わず。
まさに、足が、この糞足が、まさに軽いのである。
普段からそれほど足の重みを感じていた訳でもないのだが、
ここに来てこのすっと軽くなった足。
まさに、汚れが洗い流された、という感じ。
で、ふと思えば、左足の先の痙攣の痛みも掻き消えている。

なんとまあ、と思わず。

とりあえずこのリンゴ酢。もしかしたらチャーリー・ホースの天敵、
ともすれば俺の人生を変える特効薬になるやも知れず。
思わず会社用のバッグに入れて普段から持ち歩くベースになりつつある。


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プロフィール

Author:高見鈴虫
日本を出でること幾年月。
世界放浪の果てにいまは紐育在住。
人種の坩堝で鬩ぎ合う
紐育流民たちの日常を徒然なく綴る
戯言満載のキレギレ散文集

*お断り 
このブログ記事はフィクションであり実在の人物・団体とは一切関係ありません藁

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