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アクアク ~ イースター島の邪悪

Posted by 高見鈴虫 on 06.2013 読書・映画ねた   0 comments   0 trackback

週末に観たKONTIKIからなぜかヘイエルダールが読みたくて仕方がない。

が、コンチキ号漂流記は映画で見たばかりであるし、
原作そのものもまさに暗記するぐらいに読みつくしてしまっている。

と言う訳で、なんとなくアクアクの方に興味が出た。

そう言えばこのアクアク。買った直後に読みきってからは一度も手にとっていない。

まさか既にブッコフに持っていってしまったか、と焦って探したら、
なんと開高健の全集の間に紛れ込んでいた。

という訳でアクアクである。

コンチキ号からの生還の後、家族と共にイースター島に渡り、
一年かけてフィールドワークをした際のものなのだが、
その大時代的な訳文に慣れてくると、これはこれでなかなか面白い。

が、しかし。。。

なんと寝入りにこのアクアクを読んで寝ると、妙な夢ばかりを見るようになった。

果たして何ゆえに青春溌剌冒険物を読んで寝ると不吉な夢を見るのか。

それはまさに、この舞台であるイースター島に原因がある。

本来イースター島は邪悪な島である。

ヘイエルダールがいったいどういったつもりで家族ぐるみでイースター島を訪れたのか、
と思わず首をかしげてしまいたくなるほどに、
イースター島は邪悪な島な訳である。

人口増加から宗教狂いを暴走させた末に民族間の殺し合いに発展し、
島の資源を全て浪費し食いつぶし挙句に、
互いを殺し合いっては食い合った末に文明は滅亡。
哀れ石器時代に逆戻りした島な訳である。

殺し合いをするぐらいならさっさと逃げ出せばよかったのにとも思うのだが、
悲しいことにいざ逃げ出そうと思った時には、
島にある木という木は全て切り倒してしまった後。

お陰で逃げ場さえも失ってしまった訳だ。

その後、洞窟の中で食うや食わずの石器生活を送っていたところ、
いきなりやってきた文明社会から、奴隷として連行された末に、
命からがら逃げ帰った人々がこともあろうに天然痘を持ち帰り、
あえなく島民は全滅の憂き目。

というまさに踏んだり蹴ったりな島な訳で、
例のモアイ像さえなければもうそのまま島ごと焼き払われてしまっていただろう、
まったくもっていやはやどうしようもない島な訳である。

と言う訳で今更ながらにイースター島の謎である。

モアイ像はまあとりあえず置いておくとしても、
やはり首をかしげてしまうのはその島民の末路である。

木がなくて筏が組めない、のであれば、
なんでまた別の方法でトライをすることを思いつかなかったのか。

互いに殺しあってその肉を喰らいあうぐらいなら、
海で魚を漁っていれば良いものをそれもしなかったらしいし、
そもそも何故に殺しあう必要があったのか。

まさに妄想掛け妄想の中に自分自身を自分自身で地獄の中に封印してしまった訳だが、
その馬鹿バカしさがいかにもこの現代社会の縮図そのものなのがまさしく痛ましい訳だ。

これまでひょんなことから思わず、と言った感じで、
色々な邪悪な場所に足を踏み入れてしまったことも多いのだが、
このイースター島、
まさに島中が邪悪な空気に満ち満ちた場所であるのだろうなあ、と思っていた次第。

ヘイエルダールは学者であったことからその辺りのところに敢えて挑戦を繰り返す訳だが、
子供のいる手前、・・・いやあしまったなあ、という苦笑いが満ち溢れている作品である。

と言う訳で、改めてイースター島の謎である。

相も変わらぬ青春冒険物であるはずながら、
なんとも後味の悪い冒険記であったりもするわけだ。


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プロフィール

Author:高見鈴虫
日本を出でること幾歳月
世界放浪の果てにいまは紐育在住
人種の坩堝で鬩ぎ合う
紐育流民たちの日常を徒然なく綴る
戯言満載のキレギレ散文集

*お断り 
このブログ記事はフィクションであり実在の人物・団体とは一切関係ありません藁

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