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物凄く久しぶりに馬鹿に会った

Posted by 高見鈴虫 on 21.2013 とかいぐらし   0 comments   0 trackback
この会社に入って初めて馬鹿に会った。

よりによって、やはり米系企業に働く日本人がいる、
と紹介された日本人であった訳だが、

予想はしたが、予想どうり、やはりそいつは徹底的に典型的な日本人リーマン、
つまりは、馬鹿であった訳だ。

この馬鹿。
馬鹿は馬鹿らしく馬鹿な顔をして馬鹿なことを馬鹿みたいに言う。
そんな馬鹿の姿を見ながら、

俺はまるで不思議なものにでも出くわしたように思わず目を見張ってしまって、
そしていつしか、俺の心はなんとも言えぬ甘いく郷愁に包まれてしまった。

そう、つまり、
なんかこういうバカを見るのはとても久しぶりだ、なんかすごく懐かしいぜ、
と思っていた訳だ。

その馬鹿の馬鹿面によって蘇がらされた記憶の中に、
俺は唐突にこんなバカに囲まれバカと過ごしてきた日々の中で、
俺がどれだけパワーを殺がれ脱力させられてきたかをまざまざと思い出した。

そして新たにこの目の前の現実。

つまり今、俺のまわりにバカはこいつ一人。
つまりこいつ以外にはバカは存在しないのである。

ああそういう訳か、と思わず膝を叩いた。

俺がこの職場を気に入っていた理由は、なによりもつまりは馬鹿と付き合わなくて良かったからなのだな。
この突然やってきたひとりの馬鹿は俺にその幸福を思い出させてくれたのだ。

そう、俺はいままでそんな馬鹿に囲まれて、
そしてどうせどいつもこいつも馬鹿なんだろうと思いながら、
そんな馬鹿に囲まれ馬鹿に同化することを強要され、
馬鹿と妥協して行く自分に対するとてつもない嫌悪感。
ついこの間まで俺の現実とはつまりは馬鹿との鬩ぎ合いそのものであった訳だ。

がしかしいまこの職場は違う。

俺の周りの人間は少なくとも俺よりは徹底的に頭がよい。
頭が良いというのはつまりは合理的であり目的論的であるということだ。
そしてそんな優秀な人々に囲まれる中で、突然出現したこの馬鹿を眺める時、
俺は余裕を持ってその馬鹿の本質を見定めようとしている。

馬鹿とはその論理性の無さ、極度の情緒性、
精神論、と、その感情抑制の欠如、
その思考にゴールが設定されていないことにある。

まあ端的に言ってつまりは甘いのだ。
個人としての方法論を持ちあわせていないわけなのであろう。

改めて言う。

日本の本質はまさに甘え。甘えあいの精神なのだ。
甘えも時には良いのだろうが、しかし甘えていない人間にはそれてとても迷惑なものだ。

やる方も甘え。やらされる方も甘え。
甘えた経営者と甘えた管理職が己の甘えを社員に押し付けては、
会社に甘えろ甘えろとしがみついてくるのだ。

そして改めて思い出したのは、俺はこれまで周りがバカだ、
ということに腹を立て続けていたのだな、と改めて思い至った。

まわりのバカを観るたびに馬鹿だなこいつらと、思わず脱力し続けながら
しかしバカを仕切ろうともバカ同士のせめぎあいで勝ち抜こうともしなかった訳だ。

とそういう訳で久しぶりにみた馬鹿である。

俺を首にしてやる、と言っているが、この馬鹿にそんな力はない。

しかもこの馬鹿はそういっているいまこの時点で、
HRに報告されたらクビどころか刑務所に入りそうな大きな間違いを犯し続けている。

つまりその超感情的な態度、を恫喝的、と判断されればもうそれだけで社会生命はおしまいなのである。
そう昭和の時代にはこんなのばかりだった。
一通り怒鳴りまくって自分のストレスを発散した後に、さあ喧嘩は終わりだ、みんなで飲みに行こう、
とでも言うつもりなのだろうか。

やれやれ、よりによってこいつは、俺に甘えさせて欲しい、と言っている訳なのか。

なんで君は僕を応援してくれないの?
もっとがんばって僕を甘やかさないと駄目じゃないか、という訳だろうか。

その姿はまさにスポイルド・ドッグ、そのものである。

そしてそんな甘えた気持ちのままこのグローバル社会を生きているこの馬鹿が
ちょっとうらやましくもあるのだが。

と言う訳でこの会社に入って始めて遭遇した馬鹿の姿に、
俺は改めて、日本を出て本当によかった、と思ったのである。


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プロフィール

Author:高見鈴虫
日本を出でること幾年月。
世界放浪の果てにいまは紐育在住。
人種の坩堝で鬩ぎ合う
紐育流民たちの日常を徒然なく綴る
戯言満載のキレギレ散文集

*お断り 
このブログ記事はフィクションであり実在の人物・団体とは一切関係ありません藁

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