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21世紀のネオ・東京音頭 THE TOKYO ONDO

Posted by 高見鈴虫 on 21.2013 音楽ねた   0 comments   0 trackback
良く晴れた5月のニューヨークの朝。

朝7時15分。
72丁目の駅の階段を駆け下りて、
閉まりかけたドアの隙間から混みあった地下鉄の中に滑りこむ。

一様に迷惑そうな客達。響く舌打。ふん、気になどするものか。

臭い黒人、太った白人、ナードと、トラッシュと、そしてWALL街のエリート達。

この地下鉄2番線、通称赤線、

ハーレムを始点にニューヨーク一の高級街であるアッパーウエストサイドを通るルート。
億万長者のユダヤ人とゴミのような黒人たちが一様にひしめき合う車内。

身体をよじりながら駅でピックアップしたフリープレス・AMNEWYORKを斜め読みしながら、
今日オフィスに着いた後の今日のスケジュールを反芻する。

今日も8時半に提出される朝一レポートを下地にして、
インパクト・レコーディングのプロシージャに関してJENからのレクチャーがある。
午前中一杯、また例の長い話に付き合わされることになる以上、
それまでにあいつとこいつとそいつとどいつにメールを出しておかなくては。

その後11時からボスとのミーティング。
アジェンダは昨夜のうちに書いておいたが、
具体的な資料の提出を求められた時の為に、
下準備をしておかなくてはいけない。

昼にGYMに行き、1時に戻って午前中に届いていたメールをチェックしながら遅めの朝食。

午後は2時からは全体会議。まあこれは聞いているだけ、の筈だが。

その後、再びJANとのレクチャー。

その後今日のメールをチェックして、調査資料の提出依頼を、
どいつとどいつとどいつに。

下手をするとまた夜の8時以降に日本との会議があるかもしれない。
その時にはそれまでの間に資料に目を通しておかねばならない。

やれやれ、である。

やれやれである、とは言いながら、つまりこれがニューヨークのごくありふれた朝なのである。

つまりは、おいそこのくせえ黒人、
こう見えてもお前の前で新聞読んでるちんちくりんなチャイニーズは、
実はお前の年収を半月で稼ぐんだぞ。分かったか。分かったら早くそのくせえケツをどけるんだ!

という訳で42丁目で乗り換えて、7番線のホームに降りたとたんに空気が変わる。

そう、ここはQUEENSライン。つまり、貧民街のどまんなかを行く移民列車。

やってきた列車に乗り込んだ途端に、車内は朝からはじけまくった
褐色の少女達の嬌声で溢れかえっている。

8時を前にしてまるで夏の盛りのような気温。

学校へ向かう途中に早々とシャツを脱ぎ捨ててタンクトップ一枚。
ラテン系と黒人とチャドイのイスラム娘とチャイニーズと白人と。
どいつもこいつもこのあまりに無防備なたわわなおっぱい。

高校生にしてはあまりに発育が発育が。

いやいや、そんなことを、と逸らせぬ視線を思わず逸らさねば、逸らせない、
逸らさんでか、とやっていながら、
ふと見れば向かいの席の少女たち。
身を寄せあってはくすくすくすくすと笑い合っては、
これ見よがしに白い歯を剥きだしてスティング攻撃である。

この小娘、見るからに処女じゃないな。
そうなんだな。処女じゃないならもうおじさんは手加減せんぞ!

よし、お前たち、おじさんにその電話番号を寄越しなさい!

などとやっていた矢先、

ふと、天啓を受けた。

ONDO = 音頭 ではないのか?

つまりだ、

これまで、日本人はリズム感が悪いの、
音を身体に還元する能力が欠如している、などと
のたまっていたが、

日本のダンス・ミュージックの根源とは、
まさしく、ONDO = 音頭、なのではないか、ということだ。

端的な話、あのこの世でもっとも刺激的なリズム、
8分の6拍子で、音頭を踊ることは、まさしく可能、
というよりも、
音頭こそが、8分の6拍子であった訳なのだ。

つまりは、なんてことはない、これなのだ。

電線マン電線音頭
https://www.youtube.com/watch?v=2bB9v7b20Fg


で、日本人の魂の歌とは、
まさに、

東京音頭
https://www.youtube.com/watch?v=qxEQHNC5osY


そして、極めつけは、これ。

ちゃんちきおけさ
https://www.youtube.com/watch?v=dPPqmkIOSRk

あるいは、これ。

おまんた囃子
https://www.youtube.com/watch?v=s1rFF0FY2E8


どうだ。

これは十分に、というよりは、既に完全に完成されたダンス・ミュージックなのである。

なぜそれに気が付かなかったのだろう。


ドドンガド~ン、ヨヨイノヨイ!のリズムに、
6/8 あるいは、無理やり16分を上乗せしてしまえば、

まさしくこれ、ポリリズムではないか。

そう言えば数年前、
高円寺の阿波踊りに、アフリカのタイコ部隊が乱入して、
とてつもなく面白かった、ってな話を聞いたのをすっかり忘れていた訳だ。

つまりはそうなのである。

つまりは、そう、それはすでにずっとあったのだ。

それを忘れて居たのだ。

なぜか、つまりはPOPSが音頭を淘汰してしまったからである。

という訳で、そう、つまり、ある意味、
POPSこそが、音楽の退化させた、ということにもなりうる訳である。

まあ良い、とりあえずは、そう、日本にだってあったのだ。

つまりは、音頭である。

東京音頭であり、阿波踊りであり、ちゃんちきおけさであり、
そして、電線マン音頭である訳だ。

なぜそれをやらないのだろう。なぜそれにチャレンジしないのか。

ROCKを音頭にするのではない。

音頭をファンクに、ハウス、ポリリズムにするのである。

すぐにでもできる。せねばならない。

ああ、世界をぶっ飛ばす、とてつもない「音頭」が頭の中に広がり初めた。

これは行ける、世界をとれる、21世紀のネオ・東京音頭、TOKYO ONDOである。

という訳で、

良く晴れた5月のニューヨークの朝、
午前8時のオフィスの机についた時には、
すでに仕事頭は完全にどこかにぶっ飛んでいたのであった。

やれやれ、である。


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プロフィール

Author:高見鈴虫
日本を出でること幾年月。
世界放浪の果てにいまは紐育在住。
人種の坩堝で鬩ぎ合う
紐育流民たちの日常を徒然なく綴る
戯言満載のキレギレ散文集

*お断り 
このブログ記事はフィクションであり実在の人物・団体とは一切関係ありません藁

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