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チャーリーホースは真夜中に疾る そのじゅうなな 奇跡のマッサージ師はブルックリンの奥地の

Posted by 高見鈴虫 on 22.2013 チャーリーホースは真夜中に疾る   0 comments   0 trackback

くっそ、とは言うものの、
ここクイーンズからブルックリン、
地図で見れば隣り街なのだが、
地下鉄で行くとなるとわざわざマンハッタンを回りこんで、
だから・・下手をすると2時間以上かかるぞ、

などと毒づいていたのだが、
なんてことはない、抜いた飯の時間をかけて
やっつけるだけやっつけて急な仕事を片付けた後、
ようやく走りこんだ地下鉄、
くそ、また足が攣ってやがる、とは思いながら、
なあに、もうこのまま、攣ったままの状態で医者に見せれば、
症状を説明する手間が省けるってもんだろう、
といきなり大余裕モード。

空いた座席に座った途端にそのまま眠りこけてしまって、
ふと気付けば列車はすでに地下の世界を抜け出して明るい陽光の中。
開いたドアから吹き込んできた風に、
あれ、海の匂いがする。

という訳で、その駅に降りついた時、
金曜日の午後の春の陽光の中で、
そう言えば昔から海の近くに住みたい、
なんて思ってたんだよな、などと
なんとも長閑な気持ちになっていた訳だ。

と言う訳で、奇跡のマッサージ師である。

IPHONEのMAPは当てにならないぜ、と言われて、
ジェームスに書いてもらった地図を頼りに歩けば、
そこはまさにブルックリン。
黒人、ラテン、アラブ人に印度人に、
中国人、コリアン、タイ、
東欧系にロシア人、とまさにここはオリンピック村か、
とばかりに全人種のオンパレード。

しかも、隣近所で外面する必要もなし、
とばかりに、その民族色がまるで手加減なしに生のまま、
まるっきりの民族ぶり。

そんな人々が、春の日差しの中を、
のほほんと生あくびをしながらサンダルのかかとを引き摺って、
スラム街もそのど真ん中にまで入ってしまえばなんとも長閑な風景そのもの。

と言う訳で、地図に導かれて歩くうちに、いつしか人通りは絶え、
そして目の前には、人呼んでプロジェクト、
つまり低所得者及び生活保護者を対象にした集合アパートの一群。

つまりは、その大先生はこのプロジェクトにお住まいという奴で・・・

思わずそのまま帰ろうか、とは思ったものの、
春の日差しの魔力か、あるいは、どうせここまで来たのだから、
もうどうにでもなれ、というあまりに捨て鉢な気持ちがないまぜになり、

もしかしたら、そのままきゅっと首をひねられて裏の海にドボン、
なんてこともありなのかな、ははは、
と笑えない冗談にひとりでほくそえんでいたのであった。


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プロフィール

Author:高見鈴虫
日本を出でること幾年月。
世界放浪の果てにいまは紐育在住。
人種の坩堝で鬩ぎ合う
紐育流民たちの日常を徒然なく綴る
戯言満載のキレギレ散文集

*お断り 
このブログ記事はフィクションであり実在の人物・団体とは一切関係ありません藁

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