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スポイルド・ドッグオーナー

Posted by 高見鈴虫 on 17.2013 犬の事情   0 comments   0 trackback
またいつもの奴で、犬の飼い主から、
うちの犬をトレーニングしてくれないか、
と請われて、ああ、いいよ、と引き受けたのだが、

では、よろしく、とばかりにベンチに座って知らぬ顔の飼い主。

あのなあ、と。

俺は犬のトレーニングなどしない。

犬のトレーニングとはつまりは、飼い主のトレーニングなのである。

もう一度言う。馬鹿な犬はいない。馬鹿なのは飼い主なのだ。

つまり、トレーニングを受けるのは、飼い主、その本人なのだ。

という訳で、また一からの繰り返しである。

犬は言葉は喋らない。代わりにカーミングシグナル、という犬だけの言語があるのだが、
それは人間では理解できない。

ので、お互いの間に、相互理解、つまり、約束が必要なのだ。

で、ハンドシグナル。

これが、お座り。これが待て。これがダウン。これが来い。
必ず目を見て。命令に答えてくれたら必ずご褒美のトリート。
そしてお礼を言うことを忘れずに。

四六時中、絶対に犬から目を離さない。
命令の言葉はなるべくシンプルに解りやすく。
トレーニング中は余計な言葉は離さない。
命令に従わなかったら従うまでやる。決して諦めてはいけない。
そして従った時には必ずトリート。
よく出来ました!と大げさに褒めてあげることを忘れては行けない。

リーシュは必ず短めに持って、膝より前は歩かせない。
名前を呼んだらすぐに振り返らせて、
目があったら、トリート。はいよく出来ました。
唐突に停まって、Uターン。
犬に進路を予測させない。
そして目があったらトリート。
必ず高い声で、良く出来た~ありがと~!とお礼を言って褒めてあげる。

これをただひたすらに繰り返す。
そしてそれを何度でもやる。いつでもやる、どこでもやる。

改めて言う。

もしも人間が、なんの躾も教育も与えられることなく、
そのまま放ったらかしにして育てられたら・・・

まさにそれはいくつになっても野獣のまま。
糞の始末、どころか、言葉どころか、
下手をすると直立歩行だってできないかもしれない。

あるいは好き勝手に暴れまわって、
人の物を奪っては殴りつけて噛み付き、
怒れば走って逃げて、を繰り返すにきまっている。

どうだ、まさに、あなたの犬のやってること、そのままだろう。

犬も同じこと。

犬にだって、まっとうの教育を受ける権利がある。
そしてそれを与えるのは親、つまりは飼い主の責任。

つまりだ、と改めて。

俺の言うドッグトレーニングとは、
犬の訓練ではない。飼い主の訓練なのだ。

なので、俺に訓練を頼んだ以上、
俺に怒鳴られるのは飼い主の方。

という訳で、大抵の飼い主はそれで諦めてしまう。
犬にトレーニングを頼みながら、
自分でトレーニングを受ける気はさらさらないのだ。
すべて人任せ。
なんでも人がやってくれる、とでも思っているのだろう。
まさに、スポイルドドッグそのものの飼い主たち・・

そして犬が俺のところにやってくる。

あの・・うちの飼い主、ちょっとお馬鹿なんですが、なんとか教育して貰えませんかね。


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プロフィール

Author:高見鈴虫
日本を出でること幾歳月
世界放浪の果てにいまは紐育在住
人種の坩堝で鬩ぎ合う
紐育流民たちの日常を徒然なく綴る
戯言満載のキレギレ散文集

*お断り 
このブログ記事はフィクションであり実在の人物・団体とは一切関係ありません藁

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無断丸々転載・そのまま転写はご勘弁ちょんまげ

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