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バンドマンたちの不敵な態度の理由

Posted by 高見鈴虫 on 22.2013 音楽ねた   0 comments   0 trackback
バンドマンたちの、誰をも恐れぬあの不敵な態度はなんなのか。

理由はと言えば、
バンドマンは疲れている、のである。

そのだらだらとした身のこなしは、
まさに世の中そのものを舐め切ったような、
不敵な傲慢さに溢れているように見えながら、
しかしその投げやりな態度のその理由は、
つまりは疲れきっているのである。

なぜならば、バンドマンはついさっきまで、
全身全霊の集中力を研ぎ澄ませながら、
全身を震わせる轟音の中、
リズムとメロディの狭間に身をすり減らしていたのだ。

改めて言えば音楽は疲れる。
ROCKと言えば尚更だ。
まさに、肉体派、つまりはドカタ的音楽な訳だ。

そのドカタ的音楽にはしかし、
尋常ではありえない集中力を必要とし、
しかも、そこに譜面には表現できないなにか、
を創出するために、
まさに、魂を削り続ける訳なのだから。




という訳で、ひとたびスタジオを出たバンドマンは、
まさに魂抜け状態である。

まるで鉛のように疲れきった足。
全身を流れた汗、そして耳鳴り。

がしかし、そんなバンドマンの頭の中には、
さっきまでプレーが生々しく再現を繰り返され、
聞こえる音、聞こえてはいけない音、聞こえるべき音、
そのイメージを追っては、やはり神経を研ぎ澄ませているのだ。

話しかけられたバンドマンが、え?なんだって?
と、見るからに不作法な、投げやりかつ、
不機嫌な返事を返すのは、まさにこれが理由なのだ。
未だにぐわんぐわんと鳴り響く耳鳴りに、
言っていることが良く聞こえない、
というのもあるが、
集中した思考を妨げられたための、
あるいは、いま始めて目の前の現実に気づいた、
とまあそういう訳なのである。

演奏中はあれだけしなやかであった全身の筋肉が、
汗が冷えると同時に緊縛をはじめ、そしてそれは重い疲労感となtって全身を包み始める。

がしかし、その背骨のそして脳髄の中心には、
あのROCKのリズムが、
限りなく暴力的で、限りなくエナジリックで、
自殺マシンをぶっ飛ばす時のあのスピード感とドライブ感が、
いつ何時でもうねりまくっているのだ。

地下鉄の中で、ロビーのソファーで、
街を歩きながら、あるいは、ベッドの中でも、

バンドマンの脳内に流れる、このリズムを止めることはできない。

バンドマンとはつまりはそういう人種なのである。

あの、馬鹿面をさげて、こいつまたドラッグでもやっているのか、
と心ここにあらず、という風情のその理由は、
まさに24時間、脳みそをオーバーヒートさせ続けている、
まさにそれが理由なのである。

それがつまりバンドマンというものなのだ。

心されたし


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プロフィール

Author:高見鈴虫
日本を出でること幾年月。
世界放浪の果てにいまは紐育在住。
人種の坩堝で鬩ぎ合う
紐育流民たちの日常を徒然なく綴る
戯言満載のキレギレ散文集

*お断り 
このブログ記事はフィクションであり実在の人物・団体とは一切関係ありません藁

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