Loading…

「人の尻尾」

Posted by 高見鈴虫 on 26.2013 犬の事情   0 comments   0 trackback
犬の何が付き合いやすいかと言って、
その気持ちがまるであけすけに見えてしまう、
ということ。まさにそれである。

ぶっちゃけ、犬のその尻尾、そして耳。

これさえ見れば、
犬どもがなにを考えているか、
まさに手に取るようにすぐに判ってしまう、訳なのである。

おんおん、と吠えながら、ついつい振ってしまう尻尾。
ふん、なにさ、と横を向きながらも、耳だけはくりんくりん。

という訳で、あっそう、ならいいよ、と無視をして横を通り過ぎながら、
ふと振り返って、おいで!と声をかけた途端に、すっ飛んでくる訳で、
これがもう、可愛いっていったらないのである。

そんな犬たち。

慣れてくれば、ちょっと目を見ただけで
何を考えているかすぐに判ってしまう訳で、
ボールを投げて欲しい、腹が減った、
眠い、水が飲みたい、あいつが気に入らない、
あの子が好きだ、頭を撫でて、胸を撫でて、
お尻が痒い、耳が痒い、うんちがしたい、おしっこだ、

と、まあこれ、素直というかなんというか、まさに心が筒抜け。
判りやすいと言ったらない。


という訳で、改めてこの人間、という生き物である。

もしも人間たちが、この犬達のように、
胸に思っていることがあからさまであったら、とふと考えてみる。

あるいは、
なぜ人間の心理はこれほどまでに複雑で、
判りにくくあらねばならなかったのだろうか。

そう、もしも人間に尻尾がついてさえいれば、
もっともっと世の中、わかりやすかったに違いないのだ。

なんてことを考えながら電車に乗っていたら、

いやいや、とまさに閃いた。

そう、人間だってあるのである。

心理があけすけになってしまう、まるで尻尾のようなもの。

つまりは、そう、この股間のそれ、である。

もしも電車に乗っている男たちの股間がすべて丸見えだったら。

と考えてみる。

なんだあいつ、格好つけているけど、ちんちんちっちぇえなあ。

とか、

あの無法者気取りのあんちゃん、実はちんちん縮こまってるじゃないか、実は小心者のこけ脅しか。

とか、

おいおい、にいちゃん朝からおっ立ててなに考えてるんだ?
ああ、その向かいのおねえちゃんか、ああいうのが好みか?

やら、

おっさん、どうした、元気ねえぞ、え?あ、朝にひと仕事してきたのか、隅に置けねえな。

という訳で、そう、男はまさに解りやすくて良い。
まさに、一目瞭然である。

が、しかし、とふと考える。

女はどうなのだ。
女はそれが見えないではないか!!

という訳でふと見る向かいのお嬢さん。
なんかさっきから髪の毛をくりくりと指で弄んで、
あ、そうか、あそこに立っている男の子、あの子が気になってるんだね、

という訳で、
そう、女の子は女の子で、そういうシグナルをしっかりと送っているのである。
それはまさに、視線と、そして指先などの細かい動作、であったりする訳なのだが、
いかんせん、男の俺たちにとっては、その女の子たちのシグナルってのがまた、
ちょっと相当に判りにくい。

あるいは、
人間の女の子という生き物は、そんな自身の本心を隠すのが、とても上手いと見える。

それもまあ、本能という奴なのか、とも思うが、
だがしかし、では果たして何故だろう。

なぜ女は本心を隠すのが上手いのだろうあ。あるいは上手くあらねばならなかったのか。

そしてつまりは、

「何ゆえに、人間はその尻尾をパンツの中に隠してしまったのか」

という事なのである・・・・


なんてことを考えていたら眠くなってきてしまった。

で、ふと夢の中に浮かんだ光景。

犬が文明を持ちえた後に、
スカートの中にすっかり尻尾を隠した女の子。

ねえ、なんで本当のこと言わないんだよ。

え?なにが?

なにがって。。だから言ってるだろ。

だからなによ。

なによって、判ってる癖に。

なにが?ぜんぜん。はっきり言いなさいよ。

はっきりって、それは、その。

なによ、いくじなし。

なんだよ、お前こそ、意地悪ばっかりしやがって。


なんて言う二人。

だが、ふと見れば、男の子の尻尾はしゅーんとして下を向きっぱなし。

ただ、女の子。

ふん、と不機嫌そうに横を向きながら、その背後では、
薄い布地の中では抑えようにも抑えられない喜びのスイング。

その不埒な動きにつれて揺れるスカートがゆーらゆら。

知らぬは本人たち、ばかり、なんてね。

なんとなく、ちょっと色っぽくない?

という訳で、真夏日の7番線。

パンツの中に尻尾を隠し持った人々が、
今日も恋の鞘当てに もない。


  • password
  • 管理者にだけ表示を許可する

trackbackURL:http://shumatsuwotohnisugit.blog.fc2.com/tb.php/1548-f7afdaee

プロフィール

Author:高見鈴虫
日本を出でること幾年月。
世界放浪の果てにいまは紐育在住。
人種の坩堝で鬩ぎ合う
紐育流民たちの日常を徒然なく綴る
戯言満載のキレギレ散文集

*お断り 
このブログ記事はフィクションであり実在の人物・団体とは一切関係ありません藁

©終末を疾うに過ぎて...
無断丸々転載・そのまま転写はご勘弁ちょんまげ

月別アーカイブ

検索フォーム