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「秘密基地」

Posted by 高見鈴虫 on 29.2013 嘗て知った結末   0 comments   0 trackback


遥かイニシエの昔、
かの、バス停裏の空き地、
建築資材やら馬鹿でかい土管やら
錆びたトラックやらが放置されていた
あの空き地に作り上げた俺たちの基地。

絶対にやられないように二重三重に防御壁を築いて、
中も迷路にして作戦室がどこか判らないようにして、
石とか刀とか盾とかも作って装備して、
とやっていたのに。

こともあろうにあの低脳児のフジタニキヨシが、
あの基地の中にトミザワミキを連れ込んでお医者さんごっこをした、
ってな衝撃のニュースが伝わった訳だ。

よりによって、
この神聖な秘密基地をそんなことに使うとはなんだ!

と怒り狂った俺たちは、
さっそくフジタニキヨシを捕らえて拷問にかけた訳だが、
わかったわかった、だったらまたトミザワミキを連れてくるよ、
と言われて全員が脳停止。

ついさっきまで、
あいつぶっ殺してやるといきまいていた誰もが、
赤い顔してうつむいてもじもじモード。

としたところ、
いきなり走りだすフジタニキヨシ。
へへーん、嘘だよ、ばーか、とそのっま走りさって行く訳で、
つまりフジタニキヨシとはそういう奴であったのだ。




で、そんなある日、誰かいるかなと秘密基地を覗いたら、
なんとその中から、汗びっしょりになったフジタニキヨシが這い出してきて、
やばいよやばいよ、とひとりでパニくっている。

で、どうした、と聞けば、ビー球が出てこなくなっちゃった、
らしいのである。

なんだと、ビー玉が?と思わず訳も分からず正義のヒーローの俺。

よし、そんなことなら俺に任せておけ、と一緒に中に入って、
で、作戦司令部の床に引いたダンボールの上、

フジタニキヨシのテラス懐中電灯の中で、
青白いお尻を晒したまま、えーんえーんと泣いているトミザワミキ。

ビー玉って、まさか・・・

と絶句する俺を前に、
大丈夫、大丈夫、もうこいつ連れてきたから大丈夫、
という訳で、
フジタニキヨシの照らす懐中電灯の中に頭を突っ込みながら、
その大きく開かれたトミザワミキの股間に顔を寄せては、まさに気分はもうお医者さん。

で、おもむろに根本までしゃぶったその人差し指、じわりじわりとその狭き穴に滑り込ませては、

うーん、どこかな、とやっていた訳なのだが・・

だがしかし、その指、いったいどこまで入れたら良いものか、
あるいは、
果たしてこの穴で合っているものなのか、

なんという不穏な疑惑の中で
よし、もうちょっとだから、動くなよ、と指を入れたり出したり。

くっそお、あれ、ないなあ、どこ行ったのかな、と首を傾げながら、
痛い、痛い、と言われるうちにだんだん焦ってきて。。。

で、思わず俺も汗びっしょり。

えーんえーん、どうしよう、死んじゃったらどうしよう。大人になれなくなったらどうしよう、
と人の気も知らないで泣きじゃくるトミザワミキ。

でも、ない、ないものはない、ないんだよ、と困り果てた俺。

くそ、かくなるうえはなんか棒かスプーンみたいなもので掻き出すしか方法はないな、

と、その道具を探そうかと思案していた矢先、
どうした訳か、懐中電灯の明かりが見る見ると揺れ始めるではないか。

なんだよ、フジタニ、と振り返れば、当のフジタニキヨシ。

まさに腹を抱えて笑い転げているところ。

なんだよ、おまえ、と掴みかかろうとすると、

うそさ!とフジタニキヨシ。

ビー球はここさ!

と叫んだ途端、一目散に通路を這いずって表に走り出てしまった。

なんだよ、それ、と思わず呆気にに取られて、
ねえ、大丈夫?とまだ泣いているトミザワミキをあやしながら、
大丈夫だったみたい、ビー球出てきてたみたいだよ、
だから、早く、パンツ履きなよ、とか頭なんて撫でてあげて。

という訳で、この暗く暑く狭いトンネルの中に閉じ込められた俺たち。

ねえ、怖い、というトミザワミキになんとかパンツをはかせて、
で、お尻の泥も払って大丈夫だよ、とかなんとかいいながら、
そう、まさに、妹がいたらそんなことをしたかったな、
なんてことを思いながら、
でも実は、ねえ、今度、俺と二人だけでお医者さんごっこしない?
の一言が言えなくて、実はドギマギ。

で、ようやく通路を這い出ると、
なんとそこにはフジタニキヨシを中心に秘密基地の建設隊の面々が勢ぞろい。

な~、だから言ったろ?こいつだよ、お医者さんごっこをしてたのは!
と俺を指差すフジタニキヨシ。

なんだよ、こいつ、と思わず言葉を失う俺。
で、違う、違うよ、違うんだって、
と弁解をしたのだが、なんだよそれ、と舌打ちをする建設隊の仲間たちの白い目。

なんだよ、こいつ、と思わず頭が真っ白。
くそお、もう泣いてしまおうか、あるいは、とまさに断末魔。
で、いや、もう、面倒くさい、とばかりに、
そのままフジタニキヨシに飛び掛ってぼた殴り。

俺がその人生において、初めて人の顔を拳で殴った、
というのはまさにこの時であった訳である。

パンチは当たった。
いきなり鼻血を出したフジタニキヨシ。

ごめんなさい、ごめんなさい、本当は僕です、僕がやりました、
と先生に謝るみたいな謝りかたで泣き喚くフジタニキヨシ。

ああ鼻血が出てる、やばいかな、どうしよう、と思えば思うほどに、
このやろう、このやろうと殴り続けて。
さすがにこれはやり過ぎと判断した仲間達に抑えつけられた途端、
悔し涙に一気に泣き崩れて、くそったれ、フジタニキヨシ、ぶっ殺す、と届かぬ蹴りを放ちながら。

で、鼻血で顔を真赤にしたフジタニキヨシ。
くそ、覚えてろよ、を捨て台詞にふらふらと逃げ去っていったのだが、
その時、俺は生まれて初めて、次やる時には本気で殺してやる、
と、まじめに殺意を感じた訳である。

という訳で、気を取り直して秘密基地の中。

さっきまでトミザワミキが青白いお尻をさらしていたそのダンボールを囲む形で、
誰だよあんな奴にこの基地教えたの、とみんなうんざりモード。
だから、フジタニキヨシなんて入れるべきじゃなかったんだよ。
俺は言ってないぜ。僕もだぜ。
という訳で誰がフジタニキヨシにこの場所を教えたのか。

という訳でふと気がついた。
それは、まさに・・・・ そう、トミザワミキ、その人であった訳だ。

そっか、トミザワミキだったのか。

ってことは、なになに、もしかして、あのお医者さんごっこ、じつはトミザワミキがフジタニキヨシを誘ったってこと?
なんてことにはもちろん良い子の僕たちは気づきはしない。

という訳で、これからは絶対に秘密厳守な、
と誓った矢先のその数日後、

なんとその作戦司令部に誰かがうんこをしたらしい。

これじゃ臭くて入れねえよ。えんがちだな、これは。

で、いったい、これ、誰のうんちだ?

たぶん、フジタニキヨシじゃねえのか?

なんで?

だから、この間の仕返しでさ。

と、言われた俺たち。

うーん、と考えて、いや、と首を振る。

まさかあのずる賢いフジタニキヨシのことである。
まさかうんこをしている最中に俺たちに見つかったりしたら、
つまり、うんこを吹いていないケツを俺たちの前に晒す、
なんて恥をかくような危険をわざわざ犯すであろうか?

答えはNOである。

え?ってことは?。。。

もしかしてこのうんこ。。。まさか・・・トミザワミキの?

え?トミザワがここにうんこしに来たの?

違うよ、あのフジタニキヨシが、トミザワミキにウンコをさせたんだろ・

うへええ、とあらためて俺達。このうんこ、トミザワのか。。。

これは強烈だった。
いまだにそのウンコを前にしたあの時のなんとも言いようのない絶望感を
いったいどう表現したら良いのだろうと考える度に、
再びあの時の絶望感に襲われる訳である。

だが、ただ一つ言えることがある。

あの時、俺達はまさに、エロス、を感じた訳だ。

そうか、これはフジタニキヨシがトミザワミキにさせたウンコ。。
つまりフジタニキヨシはトミザワミキにウンコをさせて、その姿をじっと見ていたのだ。。。

あの野郎・。。。俺達の基地で。。。と言いながら、
そう、俺の胸は、まさに嫉妬。嫉妬の炎で焼き切れそうになっていた訳だ。

くっそ、今度会った時は、ただじゃおかねえ、と俺はその時、まじめにそう思っていた訳である。



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プロフィール

Author:高見鈴虫
日本を出でること幾年月。
世界放浪の果てにいまは紐育在住。
人種の坩堝で鬩ぎ合う
紐育流民たちの日常を徒然なく綴る
戯言満載のキレギレ散文集

*お断り 
このブログ記事はフィクションであり実在の人物・団体とは一切関係ありません藁

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