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地下鉄のスケボー野郎に正義の鉄拳を。。

Posted by 高見鈴虫 on 11.2013 ニューヨーク徒然   0 comments   0 trackback
残業の末に乗り込んだ深夜の地下鉄。

おっ、空いてる!ラッキー、と思ったところ、
ラリったガキが電車の中でスケボーをやってやがった。

仕事がはかどらずに超不機嫌なところで
このクソガキどもの馬鹿騒ぎにムカつきまくり。

他の乗客たちもあからさまにど迷惑顏で、
いつとばっちりを食らうかとビクビクしながらガキどもの動向を見据えている。

そんな時、嘗ての俺であれば、
うるせえてめえら!
とすぐさまに文句を言っていたはず。

ガキががたがた言ってきたらその時はその時。
そんな時用に、この鋼鉄入りのブーツ、ケツには飛び出しナイフ、
鋲付きのメリケンサックもポケットの中に。。。。

あり?

そう。そんなものはもう持っていないのである。

いまや俺はもうそういう人ではない。

こうして一流企業で高給待遇を受けるいま、そんな詰まらないことに巻き込まれて、失うものも多い訳である。
なにより俺がいなくなったらあのバカ犬の面倒は誰が見るのか、
なわけである。

とは思いながら、いままさにこの瞬間にも、
はっと気がついたときには
てめえら~、いい加減にしやがれ!
の一言が口から飛び出していて...

なんだとてめえ、とやって来たガキども。
いやはや、しまったなあ、と舌打しながら、
まあ来ちまったものはしょうがねえ。

おい、おっさん、いま何て言った!?

の一言も言わせぬうちに、
そらよ、といきなし向こう脛を安全靴で蹴り上げて、
いてててと屈んだところを顔にチョウパン!
おいてめえ、と掴みかかって来たもう一人の鼻先に、
振り返りざま内側からえぐりこむようなジャブ。
いって、と顔を覆ったところを、
そのまま後ろ髪をひっつかんで、
顔に向けて膝蹴りを一発二発三発。。。

糞ガキが、喧嘩ってのはこうやってやんだよ。



と、そんな姿が、
まさにまさに、まざまざとありありと、
リアルに目に浮かんでくるのであるが・・

いやいやいや!

と思わず頭を振る。

こんなこと、これしきのことぐらいで、俺はこの生活をむざむざ棒に振ることは、
できない!できないんだよ!

というわけで、バッグから44マグナム、
の代わりにそそくさと取り出したIPHONEのイヤパッド。

耳に突っ込めばもう何も見えない聞こえない、

とやっていたところ。。

いきなりガキども、
スケボーもろとも座席の上にジャンプ!を仕掛けたとたんに滑って大コケ。

跳ね飛ばされたスケボーが、知らぬ存ぜぬを決め込んで居眠りをしていたチャイニーズのおっさんの頭を直撃。

いてててて、と悶えるおっさん。

それを見て、
ギャハハハハ、わりいわりい!
と笑い転げるガキども。

大丈夫だよな?おっさん。な?大丈夫だろ?大丈夫だって言えよ、この野郎!
と謝るどころか頭から喧嘩ごし。

怪我したくなけりゃ最初からそんなところにいなきゃいいんだよ、パープー、と罵られる始末。

なんてガキだこのくそ野郎!と思わず目の前にスパーク。

ごるあ、てめえちょっとツラ貸せや!

という言葉がもはや喉を通り越してまさに舌の上から唇の先に顔を覗かせている訳だが。。。

いやいやいやいやいや!

そう!俺はもうそういう人間ではない。

そうこんなところでこんなバカな悶着に巻き込まれている場合じゃないのだ。
仕事だって大変だ。子供はいないがその何倍も手間のかかる犬がいる。
おっさんには悪いが俺はこんなところ正義のヒーローをやっている場合ではないのだ。

ああ、これを小市民と言うのだなあ。。世の中の悪はこうしてはびこって行くのだな。。
と思いながら、思わずiphoneのボリュームをあげるわけだが、
こんな時に限ってかかっている曲は。。BORN TO LOOSE。。

ああああああくそお、あのガキぶちのめしてえ!

金属バットがあれば金属バットで、
金槌があれば金槌で、
バールのようなものがあればバールのようなもので。

取り敢えず手に持ったもの何でも使って
この目障りな糞ガキどもを、滅多矢鱈にぶちのめしてくれたい。

と思わず固く目を閉じたまま奥歯を噛み締め続け。。。

という訳で家についてからも気分が悪い。

で、思わず遅い晩飯を食いながら、実はさ、とかみさんに。

あんたあ、まさか、といきなり血相を変えるかみさん。

いやいやいや、やらないやらない、まさかやらない。俺もそれほどバカじゃない、
と弁解するも、あんたねえ、あの時は、と今までの狼藉に話が飛ばないうちに、
だからしてねえって!と思わず声を荒立てて。

あのねえ、あんたがそんなんだからうちのブーも喧嘩ばっかりしてんのよ、
と妙な方向に話が進み始めて、くそしまったな、こんな話しなけりゃよかった、
と思いきり舌打ち。

あのねえ、バカなのはそのチャイニーズのオヤジよ。
そのスケボーの言うとおり。関わり合いになりたくなかったらさっさと別の車両に移ればいいのよ。

まあな、と俺。まったくもって女らしい意見だ。
が、しかし、
果たして男の子という生き物は、なかなか早々とそう簡単にはお利口さんになりきれないところがあってさ、

とは勿論言わなかったのだが。。

というわけで、いまだに気分が悪い。

飯も途中に早々とベッドルームに引き上げて、
くそったれ、こんなことならつべこべ考えずにさっさと殴っちまえば良かった、
とくさくさしていたところ、

ぎーっとドアが空いて、その隙間からひょっこりと顔を覗かせたブー。
いつになく怪訝な表情で俺の顔を伺っている様子。

何だよおまえ、どうした?

と声をかけたとたん、いきなり満面にがははは笑い。
ひらりとベッドに飛び乗って来るや、俺の胸の上に乗っかって、顔中を舐め舐め。

おいおい、なんだよいきなり、

悲鳴を上げるのだが、まるで憑かれたように一心不乱に俺の顔を舐めまくる。

思わず悶えまくっては抱きかかえ、お返しにと身体中をくすぐり攻撃。

そっかあ、お前、もしかして俺を慰めにきたつもりなの?

というわけで、そんなブーを腹の上に乗せたまま思わず深いため息。

そうだよな、そう、こいつのこの笑顔に比べたら、世の中における大抵のことは、まさに取るにたらない事なのだ。

それにあのチャイニーズの親父だって、今頃は犬なり猫なりあるいは愛孫なりを膝の上に乗せて、
いやあ今日は大変な目にあったんだよ。次からはさっさと車両を移ろう、
と思っているに違いない。

誰もが愛する誰かのために生きてるのだ。
あのガキどもだっていつかそれがわかるだろう。

暴力に立ち向かうのは暴力ではない。
まさにそれは愛なのだ。

おいブー、判ったか?だからおまえもせこい喧嘩にかまったりするなよな。

というわけで、そう俺はもうそういう人ではない。

今の俺は犬の愛に生きる小市民。

それの何が悪い。それだけで十分ではないか、と思ったわけだ。


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プロフィール

Author:高見鈴虫
日本を出でること幾年月。
世界放浪の果てにいまは紐育在住。
人種の坩堝で鬩ぎ合う
紐育流民たちの日常を徒然なく綴る
戯言満載のキレギレ散文集

*お断り 
このブログ記事はフィクションであり実在の人物・団体とは一切関係ありません藁

©終末を疾うに過ぎて...
無断丸々転載・そのまま転写はご勘弁ちょんまげ

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