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お掃除おばさん

Posted by 高見鈴虫 on 02.2013 とかいぐらし   0 comments   0 trackback
米系の企業においてはあまり毎晩残業、という人はいない。
がしかし、この長く染み付いた残業体質。
例え5時と同時に周りに誰もいなくなってしまったとしても、
早々と抜けきれるものでもない。

という訳で
誰もいなくなったオフィスでだらだらとメールなんぞを読み返していると、
そうこうするうちに6時を過ぎるとやってくるお掃除おばさん。

あら今日も大変ねえ、なんて感じで話をするようになって、
今日も大変ねえ、どっから来たの?ご飯は食べたの?お腹空いてる?
と、話をするうちにすっかりお友達。

そのうち掃除仕事のあいまにちょくちょく訪ねて来ては、
会議室にサンドイッチが残ってたけど食べる?やら、

どこぞでみつけたクッキーやらチップスやら。
果てはタバコからコーラからとことあるごとに贈り物の山。

でお礼に日本茶を淹れて上げたり、
聞き飽きたCDをプレゼントしたり、
あるいは壊れたデジカメのデータを取り出してDVDに焼いてあげたり、
とやっていたら、
いつのまにか夜更けのデスクで二人きり。

甘いボサノバなんて聞きながら、
あたしも若い頃はもてたのよ、いまでも捨てたもんじゃないでしょ、
やら、
あんた結婚してるの?そんな仕事ばかりしてたら彼女もできないわよ、
やらと意味深なことを言い始める。
がしかしいくらなんでも、
樽のように太ったその貫禄ではちょっとさすがに俺の手には余る、
と思っていたところ、
なによあんた何考えてるのよお、といきなり小娘のようにはにかんで、
やっだもーとばかりにスキップらんらんとどこかに消えてしまった。


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プロフィール

Author:高見鈴虫
日本を出でること幾年月。
世界放浪の果てにいまは紐育在住。
人種の坩堝で鬩ぎ合う
紐育流民たちの日常を徒然なく綴る
戯言満載のキレギレ散文集

*お断り 
このブログ記事はフィクションであり実在の人物・団体とは一切関係ありません藁

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無断丸々転載・そのまま転写はご勘弁ちょんまげ

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