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「お化けの秋」

Posted by 高見鈴虫 on 14.2013 大人の語る怖い話   0 comments   0 trackback
ニューヨークは秋である。

日に日に枯葉の積もる公園。
その上を吹き抜ける冷たい風。
夏の間にあれほど華やいでいた町並みが、
いまは高い空に音を吸い込まれてしまったかのようにしんと静まりかえり、
街行く人々もどこかひっそりと息を潜めているようなところがある。

と言う訳で、ここアメリカでは秋と言えばお化けである。

日本では食欲から始まって読書からスポーツからと、
なんでもかんでもな秋である訳なのだが、
ここアメリカでは秋と言えばハロウィン。
つまりは、お化けの秋 な訳である。

と言う訳で、なんとなく怖い話が読みたくなったのだが、
かと言ってアメリカの怖い話、どういう訳だか全然怖くない。

アメリカの怖い話というと、ついつい血潮が飛び散り、とか、
ゾンビーの大群が襲い掛かってきて、やら、
そういった物理的な方向に走ってしまうわけで、

日本のようなあのじっとりと重く湿った、
親の因果が子に報い、やら、先祖の祟りの、因縁の、呪いの、
なんていう、そんなおどろおどろしい深みのようなものが、
徹底的に足りない気がするのである。

と言う訳で、
ふとそんな日本の陰気な怖い話が無性に読みたくなって。
トイレに座ったついでに、ちょっとIPHONEをつついて見れば、
出るわ出るわ、怖い話のオンパレード。

おお、盛り上がってるねえ。
日本人、怖い話好きだよなあ。
やっぱねえ、怖い話、と言えば日本。
これはまさに日本の伝統。
幽霊話は立派な日本文化なんだよね、確かに。

と言う訳で、つらつらと斜め読みを始めたのだが。。。。

が、しかし。。。。

読めども読めども、ひとつも、たった一つとして、
怖い気分させてくれるような話ってのが、まったく見当たらない。

何が「霊」だ。
見える人?見えない人?
友達と肝試しに行きました?
有名な心霊スポットで?

なんかこれ、ファンタジーというか、はなから受け狙いというか、
まあつまり、最初から最後までただの妄想、あるいは作り話。
下手をするとただのメンヘラ薬中の病気自慢か。

しかもその話の設定そのものが、
どいつもこいつもあまりにもいくらなんでも
まったくもってちょっと陳腐すぎねえか?

しまいには出だしを読むだけでパターンというか、
後の落とし所さえも見えてきてしまって、
まったくどれもこれも似たような話、
どこで聞いた話の焼き直しばかり。

読み始めたとたんに、
んだよまたこれかよ、という訳で、
思わずそこに描かれた怨霊やら悪霊やらにむけて、
だからどうしたってんだよ、と怒鳴ってしまいたくもなる。

まあね、そう、幽霊話なんてそもそもその程度のもの。
つまりははなから子供を驚かす子供だましに過ぎないわけでさ。
がしかし、それにしてもだ、と、
そのつまらなさに思わず首を傾げるどころか、悲しくさえなってくる。

と言う訳で、改めて、
なぜこの幽霊話がこうも面白くないのだろう、と考えてみたのだが。。。

まあ言ってみれば、そう、つまりはそこに描かれた話が、
テレビででっちあげられた再現VTRの焼きなおしの域を出ていない、
TVで作られた世界をただただ堂々巡りしているだけ。

人々の想像力がすでにテレビを超えられないどころか、
テレビの前に完全に屈してしまっているわけである。

これはまさに、あまりの興ざめであった。


で、改めてこのクズ幽霊話の山を前にして、

現代において本当に恐ろしい話、というのは、
つまりはこの氾濫する糞のような怖い話に見られるような、
想像力のあまりの欠如、及び、妄想の陳腐化、思考のTV化、にあるのではないのだろうか。

だって見ろよ、
まったく、これ書いてる奴、ほんと、なんというか、
蚤程度の想像力もないんじゃねえのか?
というこのくずのような怖い話ばかりじゃねえか。。。まるでそれこそお経のよう。

はなから洒落まじりの作り話ならまだ笑えるが、
もしもそれを本人が実際に体験している、と勘違いしているのだとすると、
それはまさに、テレビで見た世界が現実を侵食してしまっているわけで、
そんな浅はかなキチガイがうろうろしているような世界。
まさにそこらの怪談以上に気味が悪いよな。

というわけであらためて、

おいおい、日本中、こんなのばっかりかよ・・・

想像力の枯渇してしまった国・・

これはまさに、本当の本気で怖い話、なわけである。


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プロフィール

Author:高見鈴虫
日本を出でること幾年月。
世界放浪の果てにいまは紐育在住。
人種の坩堝で鬩ぎ合う
紐育流民たちの日常を徒然なく綴る
戯言満載のキレギレ散文集

*お断り 
このブログ記事はフィクションであり実在の人物・団体とは一切関係ありません藁

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