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「カーニバル・クルーズ」

Posted by 高見鈴虫 on 08.2013 とかいぐらし   0 comments   0 trackback
朝の定例会議の後、休暇から帰ったばかりの上司から、
カーニバル・クルーズのLINKが送られて来た。

で、自身のバケーション中の写真。

青い海。澄み切った海中にはエンジェルフィッシュの群れ。
楽しいディナーのテーブル。なにやらの豪華絢爛たるディナー・ショウ。
パームツリーと純白と砂浜と弾ける波と大海原。
そしてなんの疑問もなく徹底的に幸せそうな人々。

これぞまさにバケーションといった感じ。

で、改めて聞いてみれば、バハマ諸島への旅。

8日間、バルコニー付きの部屋で、一人きっちり980ドルだった、との話。

で、改めて送られて来たリンクを見れば、
ニューヨーク発着のカリビアンクルーズ8日間が、
一人399ドルから、とある。

なんだこれ!と思わず唖然。

399ドル?まさか・・・

と絶句すれば、いや、そう、そうなんだよ、という上司の話。

でもこれまさか、食事は別でとかじゃないの?
あるいは、缶フードなら込み。
だけどそれ以外のまともな食事は別途、

で、やーい、びんぼーにんはかわいそうだなあ、と思い切り蔑まれる、

なんてやつなんじゃない?

と言えば、すべて、1から10まですべて、込みこみ、らしい。

宿付き。そして全食付き。しかも食べ放題。間違いなし!

まあ、399ドルというのはもちろんバルコニーなどはなく、
つまりは、窓無しの、部屋というよりはむしろ寝床付きの倉庫。
なのだが、いやいやそれで十分。部屋は安いに越した事はない、らしい。

だって一日中、なんらかのエンターテイメントが用意されているから、
まさに、船に乗っている間中、部屋にいる時間なんてほとんどないぐらいだから。

でも、8日間で399ドルってのは安すぎない?
と聞けば、
つまりは、出発直前の空き席を投売りしている、俗に言うLAST MINUTES DEAL という奴。

つまりだ、いつもの散歩の途中、リバーサイド・パークから良く見る停泊するクルーズシップ。

あの船着場にぶらり、と立ち寄って、
で、空き席さえあれば、ほい、と乗りこんでしまえばあとはオートメイション。
399ドルで天国に連れて行って貰える、という話しなのだ。



IMG_2378.jpg





でもほら、
それにまたオプショナルだ、追加料金だ、別料金だ、
で、どんどんお金がかかる、とかなんじゃないの?
と聞けば、

だからお前も疑り深いな。それでこそわがチームメイトってことなんだが、
しかし、今回に限ってこれはまじ、本物。

カジノに通いつめてボロ損をこく、なんてバカをやらない限りは、
とりあえず、喰って寝てれば天国に着く。

天国に着いたら泳ぐ。潜る。日光浴する。

そして喰って寝てる間にニューヨークに着く。
ハッピーハッピー、とまさに簡単すぎるぐらいに簡単な話。

どうもクルーズ会社間の過当競争が激化を極め、
ますます巨大化するクルーズ・シップ。

内部はまさに8階建て。ほとんどカジノ付巨大ホテルがそのまま海に浮かんでいるようなもの。

その空き部屋を埋めるために、値段がまさに倒壊崩壊奇奇怪怪の状態らしい。


うーん、と言う訳で、さすがにちょっと心が揺れたのではあるが。。。

果たしてやはり、犬も一緒に乗れるクルーズというのは、やはり存在していないらしい。。。

カリブ海8日間399ドルかあ・・・ああ、犬さえいなければ・・

という訳で、あらためてブー君である。

ねえ、ブー君。君さえ我慢してくれれば、俺達はカリブの天国で8日間、豪遊できるんだけどな・・

と言えばブー君。え?カリブ?なにそれ。でも行く行く、僕も行く!ととたんに大はしゃぎ。

だから・・君は行けないんだよ。君はお留守番。。

ええええ、お留守番?と聞いただけで、しゅんと頭を垂れてそのまま寝転んでしまう。
なんだ・・・つまんないな、と丸めた尻尾の中から、上目遣いにちらちらと俺を見やる。

なんだよ、なにすねてるんだよ。。。だからたったの8日間だって。
その間は、ほらエレンとかディオンとか、いろんな人が世話をしてくれるから・・

と言いながら、あらためてみやるこの駄犬。

うーん、と思わず。無理だろうな。多分。
買い物の時に5分でもひとりにしておくととたんにひゃんひゃん鳴きをはじめる奴だ。
8日間も放っておけば、飯食わなくなったり、凶暴化したり、ノイローゼになったり、と、
まあいろいろなことをしでかし始めるに決まっている。

これすべて、いままで甘やかすだけ甘やかしてしまったその報いという奴なのだろうが。。

という訳ですねたブー君がまだじっと俺を見ている。
そう、この顔を見せられると、バケーションに行きたい、
などという気持ちはみるみるとしおれてきてしまうんだよな・・・

あーあ、である。やれやれ、である。
カリブの青い海で8日間。しかも食い放題で399ドル、であったのに・・

心の底からやれやれである。

が、しかしだ、まだ方法はある。

つまりは密航である。

特大スーツケースにブーを隠して進入したが最後、
船底のエンジンルームにブーを匿っての8日間、
なんて、なかなかスリルがありそうだな・・

そっちのほうが俺たちらしい、と言えばそう言えないこともないのだが。

ちゃんとお金払うから、船底に隠れていさせて、というのはだめなのだろうか。


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プロフィール

Author:高見鈴虫
日本を出でること幾歳月
世界放浪の果てにいまは紐育在住
人種の坩堝で鬩ぎ合う
紐育流民たちの日常を徒然なく綴る
戯言満載のキレギレ散文集

*お断り 
このブログ記事はフィクションであり実在の人物・団体とは一切関係ありません藁

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