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アッパーウエストサイド・ストーリー ~ 10023

Posted by 高見鈴虫 on 07.2013 犬の事情   0 comments   0 trackback
聞くところによると全米においてすべてを含めた上でも、
ここアッパーウエストサイドのZIP CODE:10023のエリアは、
なんと犬の比率が全国で断トツでナンバーワンなのだそうだ。

つまりこの地域こそが全米のドッグラバーの聖地、と言ったところ、であるらしい。

このご近所、確かに犬は多い。
街を歩けば次から次へと犬の散歩の人々に出くわす。
公園に下りればそれこそ24時間、いつ何時でも犬の散歩をする人々をみかける訳で、
まったくこの辺りに住んで犬を飼っていない人がいるのか、
というぐらいに犬ばかりである。

がその理由も頷ける。
なにはなくともニューヨークを代表する2大公園、セントラルパークとリバーサイドパークに挟まれたこのエリア。
ドッグランの数も多く、お散歩には事欠かず、
そしてそんなエリアに住んでいる犬も、若干の例外はあるにはあるが、
たいていがよく躾けられた、優等生ばかり。

ざっと見渡すだけでも、グレートデンから始まってセントバーナードのような超大型犬から、
ラブラドル、ゴールデンリトリバー、サイベリアンハスキー、
プードル、ボクサー、ロットワイラー、ジャーマンシェパード、
ポメラニアン、ジャックラッセル・テリア、
チワワからポメラニアンからアキタからシバイヌまで、

まさに毎日がDOGSHOWといったところ。

と言う訳でこのエリア。
ニューヨークで犬を飼うものたちの間ではまさに垂涎の地、ということになる。

西にワンブロックでリバーサイドパーク。
72丁目から始まり、ハーレムの125丁目まで四季を通じて見事な街路樹の続く公園の中には
そこかしこにドッグランから犬用の水のみ場からとまさに至れり尽くせり。
ハドソン川沿いには、ジョガーやサイクリングの人々が集う遊歩道がマンハッタンの果てのブロンクスまで永遠と続き、
早朝から夜更けまで、そんな人々が絶えることがない。

東に行けば言わずとしれたセントラルパーク。
この広大な公園が、早朝と夜の9時以降は犬が離し放題。
観光客の一団が訪れる前までの間は、緑の芝生を駆け回る犬達の姿がそこかしこで見受けられる。

治安的にもニューヨークの中では安全な地域で、たとえ夜更けに下痢だ、と起こされて、
あわててサンダルひとつつっかけて公園に駆け込んでもなんの問題もない。
24時間、いつどんなときでも必ず犬の散歩をする人に会うことになるからだ。

そんなドッグラバーの聖地に暮す人々。
犬同士が友達ならば人間同士も友達。
アパート中のドッグラバーと顔見知りで、通りを歩いても次から次へと知り合いが、そしてその犬が挨拶に訪れる。
どの犬達もまさに幸せ一杯。そんな犬を連れた人々の表情も当然のことながらいまにも溶け出してしまいそうなほどに和やかだ。
まさに街中が犬たちの愛に満ち溢れているといったところ。

休日の午後、犬を連れて公園を散歩する人々。
三頭の見事なアフガンハウンドを連れた、シャーロックホームズ張りにパイプをくゆらせた紳士。
カラフルなスポーツウエアに身を包んでブラックラブラドルと共にジョギングをするカップル。
片手に5頭づつの犬たちを引き連れたドッグウォーカー。
この辺りの人はリッチなんで金払いはいいし、犬も良く躾されているから何頭連れていてもまったく問題ない。
まさにドッグウォーカー天国だね、とホクホク顔である。

と言う訳で、連休の間は今日も今日とてそんな公園を一日中散歩して過ごす。

犬を置いてはバケーションにも行けず、たずねて来た友人も犬の散歩につき合せるこの犬狂いの人々の聖地。

ここアッパーウエストサイドは、その住人たちから言わせれば、まさにドッグラバーのための街、なのである。



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プロフィール

Author:高見鈴虫
日本を出でること幾年月。
世界放浪の果てにいまは紐育在住。
人種の坩堝で鬩ぎ合う
紐育流民たちの日常を徒然なく綴る
戯言満載のキレギレ散文集

*お断り 
このブログ記事はフィクションであり実在の人物・団体とは一切関係ありません藁

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