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ビクラムヨガでニューヨークの体臭を実体験

Posted by 高見鈴虫 on 28.2013 ROCKを葬り去る前に ~ 大人のダイエット奮戦記   0 comments   0 trackback
クリスマスから年末年始をまたいでせっかくの大型連休というのにさしたるイベントも無い。
まあ朝昼晩と犬の散歩に出かけるというのはあるが、予定としてはただそれだけである。
とりあえずダイエットねたを中心にはしているものの、究極のダイエットとはつまりは食べなければよい訳で、
暇で家でごろごろしていたりするとついつい口が寂しくなって、とまるで逆効果。

とそんな暮らしぶりに業を煮やしてか、かみさんがいろいろと企画を持ってくる。
ぶっちゃけかみさんが普段やっていることに付き合わされる訳なのだが、
先日もそそのかされてビクラム・ヨガなるものに連れて行かれた。



ホットヨガなるこのビクラム・ヨガ。
ドライサウナの中でインストラクターの指示に従って妙な体勢を強いられる訳で、
例えば、片足立ちして背伸びをしたり、
あるいは、それを猟師が鉄砲で撃ってさ、おっとっとっと、の形をしたり。
ヨガというぐらいだからもっとなんというか優雅にというか、座禅の姿勢で3時間、
とかやるのかと思えば、やれ前を向け後ろを向け上だ下だ右だ左だ、となかなか忙しい。
そうこうするうちに全身に汗が流れ始めて頭は朦朧。
そんなこんなで2時間もすると、いやあすっきりした、となる訳なのだが、
ぶっちゃけ、真夏の東南アジアを貧乏旅行していた俺にとってはこのぐらいの暑さは別に屁でもない。
あるいは、剣道部時代の暑中稽古の地獄とは言わずとも、
テキサスであるいはニューヨークで、このぐらいの気温の中でテニス、
身体中にかいた汗の塩が結晶になって全身がダイアモンドダスト、なんてことをやっていた俺にとっては、
まあなんというか、へえそれしきのことなの?で終わってしまったりもした。

がこのビクラムヨガ。新しい体験とあってまあいろいろと発見があった。

俗に言う身体のバランス、というか、ここ数年の座り仕事がいかに背骨や骨盤を歪めているか、
という事実を改めて身に抓まされるというのもあって、確かにこのヨガを終わった後には、
その全身の疲労感が、例の奇跡のマッサージ師・レイモンド氏の入念な治療を受けた後と、
まったく同じ鈍痛を感じたのも事実。

あらためて、へえ、そうなんだ、というか、たまには片足立ちもしなくちゃいけないのね、と思い知らされてた。

が、そうそう、ここではダイエットねたなのである。

そうそう、でダイエットである。

果たしてこのビクラム・ヨガは痩せるのか?という確証を得るべく、なんとなく周りの生徒さんのひとりひとりに目をやったりもするのだが、
はっきりいって千差万別である。

生徒さんのほとんどが女性であるわけで、中にはそれこそ絵に描いたような絶世の美女が、
まるで人間とは思えないほどのゴム人間ぶりを発揮しているわけだが、
これはもうただたんにその道のプロ。つまりプロのダンサーやらバレリーナの人々であって、
そう思うとなんとなく商品の展示物をみているようであまり色気がない。

そんなプロな人々の合間にいる健康目的、あるいはダイエット目的のかたがた。
なかにはいかにもヨガ、まるでインドの修験者のように骨と皮ばかり、みたいなひともいるにはいるが、
そのほとんどは普通のアメリカ人、というか、ぶっちゃけデブである。
当のインストラクターでさえ、ヨガの先生というよりはなんというかまあ普通の小太りさんであったりもして、
妙な体勢をとられるとその胸のたわみやら突き出した尻やらがむんと目の前に迫ってきたりして、
なかなか目の保養にもなる、というか正直目のやり場に困ってしまったりもする。

その中で男もいるにはいる。
ほとんどがゲイであったりもする訳だが、それでも同族としてなんとなく安心して眺めていられるところが無いわけではない。
がしかし、その男たちにしても、普段ジムで見慣れているこれ見よがしのビルダー系マッスル男がいないのは、
つまりはプロテインやらステロイドやらの薬品を使用していないからだろう。
つくづく近年のこのマッスル男たちが見栄えをよくするためにどれだけ身体を薬漬けにしているか気づかされる訳だが、
しかし、普段そういう不自然なマッスル系に見慣れている分、なんとなくこのヨガ男たちの体系はどうにもだらしなく、
心もとない気がしないでもない。

と言うわけでそんなニューヨーカーたちに囲まれて汗を流す訳であるのだが、
正直最初のうちは、知らず知らずのうちに呻き声を発していたらしく、正直、暑さやまわりの半裸の女性陣、
なんかよりも、自分の足がいつ攣るか、ばかりが心配で気が気ではなかった。

がしかし、そうとばかりは言ってられない苦行がここには存在する。

ぶっちゃけ匂い、つまりは様々な生徒さんたちのその個々から発する体臭である。

このドライサウナ。高温の温度を保つために密閉している中、30人もの人々がいっせいに滝のような汗をかく。

そしてこの汗がまさに、普段食べているもののまさにエキスそのものような匂いを発する訳である。

ユダヤ人のおばはんからはまさにピクルスの酸っぱい匂い。これに各種のチーズがまざり、思わず顔を背けたくなる。
白人娘からはハムからワインからそしてフルーツ系の甘味料の凝縮されたゼリー系の甘ったるい香り。
ロシア系美女からはやむにやまれぬような濃厚な腋臭の中からまるで腐った牛乳のような酸臭。
黒人種のあの機械油のようなねっとりとした匂いとそして例のクサヤかイカかという不穏な匂い。

その昔、東南アジアを貧乏旅行していた際にいつも感じていたあの街の体臭。
香港では八角とラード油の匂い。
タイではニョクマムとパクチー。
インドネシアではそれにココナッツオイルが加わり、
インドではまさにカレー。
パキスタンからイランを経て辿り着いたトルコのイスタンブール。
久々に学生客中心のユースホステルに足を踏み入れたとたん、
その文明国のうららかな香りの中にあって自身の身体から発せられる濃厚なマトンの香りに自分でもうっとしてしまった覚えがある。
それが日本に帰ったとたんに松の匂いの中に明らかに醤油とサラダ油の匂い。
大阪ではもちろんウスター・ソースであった。

つまり体臭とは食したものの匂いなのであるとつくづく感じ入ったしだい。

と言うわけでこの人種の坩堝のニューヨーク。
いくら日本がその表層ばかりを真似てみても、この世界各国の人々からの体臭だけは真似出来まい。

と言うわけで我輩である。

汗にぐっしょりとしたシャツをビニール袋に入れて持ち帰ったのだが、
その袋から得も言えぬ強烈な玉ねぎ臭である。

つまりは最近常食としている脂肪燃焼スープの匂いなのである。

これが脂肪燃焼スープのデトックス効果という奴か。

これで悪いものから始まって、ついでに悪い運も、悪い頭も、悪い性格も直っていればいいけどな。



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プロフィール

Author:高見鈴虫
日本を出でること幾年月。
世界放浪の果てにいまは紐育在住。
人種の坩堝で鬩ぎ合う
紐育流民たちの日常を徒然なく綴る
戯言満載のキレギレ散文集

*お断り 
このブログ記事はフィクションであり実在の人物・団体とは一切関係ありません藁

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