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2014全豪 ワウリンカVSナダル

Posted by 高見鈴虫 on 26.2014 テニスねた   0 comments   0 trackback
テニスは好きなのだが、やはり好きな分、嫌いなプレーヤーもいる。

ぶっちゃけそれはジョコビッチ。
そしてバーディッチ。

ナダルも嫌いではないが、
やはりフェデラと当たる時には思わず罵声を浴びせてしまったりもする。

とそして、

この全豪大会において、そんな嫌いなプレーヤーを一網打尽にしてくれたとんでもない輩がいる。

つまりは、スタン・ワウリンカである。

いまとなってはまさに晴れてグランド・スラム・チャンピオンとなったこのワウリンカ。

かつてはフェデラの弟分として練習につき合わされているのを良く見たもので、
あのニキビ面のでくの坊。図体ばかりでかいのだが、フェデラの癖球に目を白黒させては足を取られ、
涙目で悪態をついていたものだ。

そんなワウリンカがついに2014の全豪チャンピオンである。

フェデラの落日以降も、すぐに台頭してきた若手4強の影に隠れて、
このまま行けば一生をMR.QTR FINALとして終わるのだろうな、とは思っていたのだが、
そうは思いながらもフェデラのよしみでスケジュールの許す限り試合があれば応援に行ったものだ。

かの鬼才コーチ・ピーターラングレンが、フェデラのコーチを断ってこのワウリンカのコーチに就いたとき、
あの妖怪おやじはいったいまたなにを考えているのか、とは思ったものだが、
確かにこのでくの坊おぼっちゃまのワウリンカが異彩を放つようになったのもそれから、という気がする。

そしていま、彼はこの2014年全豪大会において、まさになすべきことを全てやり遂げてしまった。

つまりは、フェデラの宿敵・ブラック魔王ジョコビッチをまさにガチンコ試合5セットの末に粉砕。

そしてその次にはバーディッチ。

このの吸血鬼野郎のバーディッチ、記者会見のたびに大口叩いて、

なに?フェデラ?奴の時代は終わりだろ。まさに俺の敵じゃないね、なんてことを平気で言い放っては、
テニス会全体の大顰蹙を買ったこの嫌われ者を絵に描いたようなドラキュラ野郎。

フェデラもこいつにだけはあんまりに頭に来たのか、試合になると逆に頭に血が上って馬鹿打ちを連発してしまうところがあって、
他のプレーヤーも同じ気持ちなのだろう、こいつとの試合はいつも荒れる。
そして、そんな相手プレーヤーの憤怒をあざ笑うかのようなあの皮肉な態度。
まさに、この野郎な訳で、テニスファン多くともこいつのファンだけは見たことがない。
実際にUSOPENの練習コートを回ってみてもこのバーディッチの応援だけは皆無。
人ごみを歩いていても誰一人としてカメラを向けるファンもいず、
どちらかと言えばそのあまりに不釣合いな綺麗過ぎるガールフレンドにばかり注目が集まってしまう。

という訳で、我等がフェデラ弟、じゃなくてワウリンカ、
当全豪の準決勝においてこのバーディッチを完膚なきままに大粉砕。

まさに、やってくれたな、ハイエナのにいちゃん、というところでやんややんやであった。

がしかし。。。

さしものワウリンカも、まさかナダール相手では。。。

と首を傾げていたのも確か。

というのも、実はこのワウリンカとナダールは非常に仲が良い。

ナダールもフェデラの代替として重宝してたんだろうが、
ワウリンカにしてもそんなナダールにほいほい付き合ってしまう気安さがあって、
その間の抜けたところもワウリンカらしいのだが、そんな仲良しのワウリンカとナダール。
練習のたびにナダールにサイドを抜かれまくっては、いやあ、凄い凄い!と実に愉快そうに笑っている姿を見かけたものだ。

ちゅうわけでなんだ、そう、今回のこの決勝。

確かに今年のナダールは調子がいまいちであったのだが、
よりによって決勝のこの檜舞台でそれが出てしまったというのもまさにグランドスラムの決勝におけるとてつもないプレッシャーのなせる業。

試合中にぎっくり腰を起こしたナダールを気遣うように、トロフィーの授賞式でもなんとなく不満げに映っていたワウリンカ。

そう第一セットを見る限り、ナダールがぎっくり腰を起こそうが起こすまいが、実力的にもワウリンカが勝っていた、というのは周知の事実。

がしかし。。そう決勝におけるマジックとは技術的な実力も去ることながらまさにメンタル。

勝ちを目前にしたアンダードッグがもしかして俺があの王冠を!と思ったところでいきなり全身が硬直。その一瞬の隙に付け入られていきなりのメンタル総倒壊という様を何度も見てきただけに、
まさか、ここまで来て、と正直あの第三セットはかなりやきもきさせられた。

そう、パトリック・マッケンローも言っていたが、いまから10年前、2004年のフレンチオープンの男子決勝。

前日の女子の決勝の、ミスキーナとデメンティエバの試合があまりにしょぼかったものだから、
この男子決勝で当たったアルゼンチン人同士、ギジェルモ・コリアとガウディオの試合。
試合がコリアのワンサイドになってきたところで客が悪ふざけを始めた末にその異様な雰囲気に飲まれたコリア、
勝ちを目前にしながらまさかの両足痙攣。
結果、その一生に一度の稀に見る大チャンスを棒に振ってしまった訳だ。
ちなみにこのコリア。ルックスからプレースタイルからまさに俺は大ファンであった訳だが、
その翌年からまさに彗星のように現われたナダールによって後の10年間は完全に姿を掻き消された状態。
挙句の果てにドーピング疑惑にひっかかっては泣かず飛ばずのうちに選手生命を終えることになった訳だ。

という訳でそう、このナダルとワウリンカ。
ぎっくり腰を起こして立つのもやっとのナダールを前に、
ナーバスショットを連発するワウリンカ。
全身に流れていた汗が冷え切ってしまい、まさに肌には鳥肌が立つほどのパニック状態。
そうだよな、確かに。判る判る、判るんだよこの気持ち、とは思いながら、
このワウリンカが、あのコリアと同じ運命を背負い込むことになるのはあまりにも可愛そうだ。

それは観客も同じだったのか。
あるいはこの試合が、やはり前の試合のフェデラの弔い合戦であるという意味合いを十分に承知してい訳なのか、
その後、顔にパンチを入れながらなんとか気を取り直したワウリンカが、
ようやくとそのトロフィーを手中にすることができたわけだ。

くそったれ、こんな試合で勝ったからと言ってうれしくもなんともねえ、
という不貞腐れた態度、それも判る判る。
が、しかし、そう、貰っておけ!と思わず。

なにがあろうが、これで押しも押されもせぬグランドスラマー。
その名前は今後もテニス史上に燦然と輝き続ける筈。

という訳で、あのニキビ面のでくの坊がついにチャンピオントロフィーを手に入れた。
ランキングもいまやフェデラを抜いて第三位。

このナダルとの試合はまさに不完全燃焼であっただろうが、
しかし、この先、本当に本当のガチンコ試合のチャンスはまだまだ何度でも回ってくるはず。

次回は、多分、ローランギャロス、あるいは、ウインブルドン、そしてフラッシングメドウでは、
まさに、追われるもの、つまりは勝って当然のチャンピオンとしてコートに立つことになるのだから。

という訳で、ナダルファンのかみさんでさえ、ワウリンカの晴れ姿に思わず拍手拍手。

へええ、あのニキビ小僧がねえ、フェデラにおちょくられて悔し涙浮かべてたのにねえ。。

と思わず感無量である。

という訳でこのワウリンカ。

ジョコビッチ、バーディッチ、そしてナダール。

兄貴の仇を、まさに見事なぐらに立派に成し遂げた訳だ。

そしていま、その兄貴フェデラの落日を前に、再びスイスの国旗を上げるのはあなたしかいない!

フェデラ用に買ったあの赤地に白十字のTシャツは、次はワウリンカの応援に着ていってあげよう。





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プロフィール

Author:高見鈴虫
日本を出でること幾年月。
世界放浪の果てにいまは紐育在住。
人種の坩堝で鬩ぎ合う
紐育流民たちの日常を徒然なく綴る
戯言満載のキレギレ散文集

*お断り 
このブログ記事はフィクションであり実在の人物・団体とは一切関係ありません藁

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無断丸々転載・そのまま転写はご勘弁ちょんまげ

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