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2014全豪 ナダール

Posted by 高見鈴虫 on 26.2014 テニスねた   0 comments   0 trackback
という訳でナダルである。

今年のナダル、なんかちょっとおかしいな、とは思っていた。

例の錦織との対戦が繰り返しテニスチャンネルで再放送されていたのだが、
おおお錦織すげえ!と言うよりは、
なんかこのラファ、おかしくねえか?と目を疑うことがしばし。

普段のラファに似合わず凡ミスが多すぎ。

その後、手のひらに肉刺をこしらえて、とその潰れた血豆を見せていたが。。
いやいや違うでしょう、と。

この猛牛男がまさか肉刺ごときでミスショットをするなど考えられない。

この人はそんな人ではない!と俺は断言してしまう。

つまり、また膝じゃないのかな、と思っていた。

そうミスショットの理由、というよりも、普段のラファのあの超人的ショットの秘密がどこにあるのか、
と言えば、その腕力でも握力でもない。

つまりはぶっちゃけ、その動体能力というか、ぶっちゃけフットワーク。これに尽きる。

その点において、これまでナダールの凄さ、と誰かの批評を読むたびに、
いやいや、違う違う、とずっと思っていた。

これまで幾たびとなくフェデラをそしてこのナダールをまさにコートサイド、
あるいは練習コートの袖から、下手をするとコートの上でも見てきたのだが、

このフェデラとナダールというテニスの黄金時代を創出した二人の天才、

この人たちがこれまでの常人プレーヤーとなにが違うか、と言って、
やれトップスピンだ、バックハンドだ、といろいろと眠たいことを良く聞かされたものだが、
俺から言わせればそれはもう簡単。
つまりは、まさにそのフットワークである。

フェデラのあのまるで宙を舞うような、一瞬軽業師を見るようなあの身体の動き。
かつてのマトリックス、あるいは、そう、クラウチング・タイガーではないが、
あのボールに向かって、すーっと身体が滑っていくようなあの滑らか過ぎる身体の動き。
あれを前にすると、全てのプレーヤーがすべて鈍足のキコリに見えたものだ。

そんなフェデラに比べて、ナダールのフットワークはまさに闘牛であった。

コートサイドにおいてナダールの試合を見ると、まじに恐怖を感じたものだ。

あの巨体がいつこの観客席に突っ込んでくるか、と思うと気が気ではないほど、
そのフットワークがまさに、ど迫力に満ちていた。

こいつは何者だ!と思わず目を見張ってしまう。
こいつは野獣だ、ケダモノだ!
まさにそれは人間というよりは、猛り狂った闘牛に近いものがあった。

あのデビュー当時、左の利き腕ばかりが岩石のように盛り上がったまさに弁慶カニのような体系。

そして、コートに出るやいなや、待ちきれない!とばかりに走り出すあの迸るようなパワー。

がしかし、そんな不自然な体系こそは、それまでの無理なトレーニングの賜物なのだ。

つまりは普段から鉄ゲタではないが、両足にずうっしりとウエイトを縛り付けてきたであろうナダール。
その鎖を解き放たれるのはまさに試合のコートの上だけ。
その姿はまさに、檻を解き放たれた野獣そのもの。
こいつはテニス界のマイク・タイソンか、と思ったものだが、
やはりタイソン同様、それまでのあまりに激しすぎるトレーニングがゆけに、
王座を勝ち得たときにはすでに身体中がボロボロであったのだろうう。

という訳でいまやナダルの生命線となりつつあるこの膝。

そしてその次に来たのがまさにこの腰。
膝を庇おうとするばかりに、その比重が腰に行ってしまった、というところだろ。

という訳で、フェデラの言葉を借りるまでもなく王座をGETすることよりは、
王座を維持することの難しさは並大抵のことではない。

心理的なプレッシャーも然ることながら、まさに怪我との戦いである。

アガシではないが、王冠を勝ち得たとたんに待っているのは、王座を守るための重圧と、
そして、みるみると倒壊していく己の身体と、そしてそれに伴う激痛との闘いな訳だ。

各なる小俺も、テニス狂いであった時分、
テニスエルボーは持病としてあきらめてはいたのだが、
その後、ひょんなことから試合中に足が攣り、
それ以降、このクランピングが癖になり、
試合中、それも最終セットに勝ちが見えてきたとたん、
あるいは、タイブレークなんて時になるときまって太ももやふくらはぎに
このクランピングがぴきぴきと不穏に跳ね始めるのだ。
それを気づかれたとたん、
相手方はチャンスとばかりにやれドロップショットだ、ロブだサイドだ、
と振り回しをはじめられ、そして遭えなく。。。くそったれ。
この悔しさ、思わず本気で硬直した足をラケットで殴りつけてしまったことも何度も。

その後、そのあまりの酷さから、ストレッチから食事療法からサプリメントから、
マイナスイオン水から水泳から鍼からヨガからと、ありとあらゆる手段を尽くしたが改善せず、
その後はお決まりの腰に来て万事休す、とまさに全身倒壊。

そんな俺にとっても、試合中に身体をやられることの辛さは知りすぎるほどに知り抜いてきたつもりなのだが。

今回のナダルを見て思っていたのは、こいつ・・・なんで立っていられるのだ、という訳である。

足の攣り、ならば痛みさえ我慢すればなんとかごまかしごまかし、立っていることもできる。
がしかし。。今回は腰だろう。
ぎっくり腰を一度でもやったことのある者なら、あの超人的な痛み、立っているどころか息を吸うことさえやっと、
というあの殺人的な痛みを知らないわけはないだろ。

がしかし、このナダール。まさに息もできないほどの痛みに襲われている筈であるのに、
なんと、サーブをし、リターンを返し、そして1セットを奪ってしまうのである。

こいつ。。。。

これにはまじで驚いた。

つまり、なにか?ぎっくり腰を起こしても、その気になりさえすればテニスを続けることもできるという訳か?

いや、無理だろう、と思う。

つまり、それができる、ということからして、この人はまさに人間を超えているわけだ。
そんな姿を見て、つくづく、心底、この人はまったく普通の人ではない、まさに化け物。まさに野獣そのものである、
ってな認識を新たにしたわけだ。

がしいて言えば。。。なぜそれが決勝であったのか。。

できることなら、フェデラの試合に、あるいは、錦織の試合中にこれが起こってくれれば。。
などとしょうもないことを思ってしまうわけだが。。

という訳で、我等が錦織。

このナダールに勝つ、ということは、つまりは、普通の人間をやめることになる、ということ。
つまりは、人間である以上はこいつらには勝てない、ということな訳で。。

重々承知されたし、と思うわけだ。


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プロフィール

Author:高見鈴虫
日本を出でること幾年月。
世界放浪の果てにいまは紐育在住。
人種の坩堝で鬩ぎ合う
紐育流民たちの日常を徒然なく綴る
戯言満載のキレギレ散文集

*お断り 
このブログ記事はフィクションであり実在の人物・団体とは一切関係ありません藁

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