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「今日が人生最後の日?」

Posted by 高見鈴虫 on 30.2014 犬の事情   0 comments   0 trackback
朝、家を出ようとするといきなり走り出てきた我駄犬。
いきなり玄関のドアの前に立ちふさがると、
妙に切なそうな顔をしてしつこく絡み付いてくる。

なんだよ、ご飯あげたろ?お散歩もしたしおしっこもうんちもしたし。。
と言っても、どうした訳か今日に限って、
嫌々をするように盛んに飛び掛って来てはまるで、

「今日は外に出ないで」と言っているような。

なんだよ、どうした?

と顔を覗き込むと、さかんに顔を舐めたがり、
そして妙に必死なその表情。

むむむ、なにかあるな。

と言う訳で、家を出た後もなんとなくそんな犬の表情が気にかかる。

どこか具合が悪いのか、
あるいは....具合が悪いのはもしかしてこの俺?

嘘か本当か、犬の予知能力の話がある。

つまり・・・・

そう言えばそう、あの人が事故にあった朝、
うちの犬が騒いでね。まるで行くな行くなって言っているみたいに。
なんで、なんか嫌な予感がしてたんだよ。

という、まあ良くあるそういう話をふと思い出して・・・・

もしかして・・・・今日が俺の人生最後の日?まさか・・・・

とは言うものの、なんとなくどうしても気になるあの犬の顔。

と言う訳で、今日一日は「守り」とすることに決めた。

つまり、地下鉄ではなるべくホームの近くを歩かない。
いちいちぶち当たってくる失礼な輩からも率先して身を避ける。
赤信号では無理せずに止まり、
おっとと目を見張る美女の姿にも、
その後ろ姿のキュートなおしりを追うのもそこそこに、
会社においてもなるべく大胆なアクションは避け、
誰と会っても当たり障りのない話題に終始し、
食事も控えめ、ジムでも無理をせずに、
つまりは、守り守りの慎重モード。

腹の立つことも、面倒くさい案件も、気に障るメールも、
思わず、んだよこのやろ、とやるところを、
いやいや、待て待て、、
とあの犬の表情を思い出しては、思い直して慎重モード。

と言う訳で、なんとも物静かに終えた今日一日。

帰り着いたアパート。
ドアを開けたとたんにお帰り!お帰り!と迎えに出たそのあっけらかんとはしゃいだ表情。

おおお、なんだよお前、無事だったか?

恐る恐る部屋の中を見回すも、下痢便が撒き散らされていたり、
読みかけの本が噛みちぎられていたり、食器棚が倒壊していたり、
ということもなさそうだ。

なんだ。。。結局、あの朝の行かないではいったい何だったのか、と。

がしかし、そう、人の運気はささいなことで変化をするもの。

つまりはあの犬の警告によって、一日慎重モードを守ったことによって
俺がその悪い気から逃れられたってことなのか、
と勝手に解釈することにしよう。

ありがとな。お前のお陰で今日も一日生きさらばえることができたよ。

と言う訳で今日も今日とてお陰様でお散歩に出かけられるという訳なのである。


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プロフィール

Author:高見鈴虫
日本を出でること幾年月。
世界放浪の果てにいまは紐育在住。
人種の坩堝で鬩ぎ合う
紐育流民たちの日常を徒然なく綴る
戯言満載のキレギレ散文集

*お断り 
このブログ記事はフィクションであり実在の人物・団体とは一切関係ありません藁

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無断丸々転載・そのまま転写はご勘弁ちょんまげ

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