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「どうしようもなくなってしまった奴らに」

Posted by 高見鈴虫 on 05.2014 日々之戯言(ヒビノタワゴト)   0 comments   0 trackback
日本にもどうしようもなくなってしまった奴らが沢山いる、と聞いた。

つまり、

金も無く職もなく学歴もなく技術もなく親の資産もコネもなく、女どころか住処さえなく。

この先の人生になんのとっかかりもなく、突破口も見つけられず。
自暴自棄になり、生きる気力を失い、眼に映るものがつくづくバカバカしく、やるせなく。
世の中は不条理に満ち、自分は全ての快楽から見放され、
いったい全体この先、どうしたらよいのかまったく見当が付かない。

30を過ぎてそんなことを言ってる奴はしかたがない。諦めなさい。

20代、つまりはまだガキで、なにも持っていない代わりに、
性欲や食欲や、苛立ちやら怒りやら、
あるいは、まだどうにかしようという気のある奴、への話だ。

一番手っ取り早い方法は、日本を捨てることだ。

そしてそのためには英語の使い方を覚えろ。

いかにして英語が使えるようになるか。

まずは手っ取り早く、
外人の女をひっかけるのも良い。
道端で麻薬を売るケチなディーラーを話相手に暇つぶしをするのも良い。
拾った英字新聞を読みちぎるのも良い
CNNやFENを聞きまくるのもよい。
旅行中のヒッピーの観光ガイドをやってお友達になるのいい。

とりあえずはまずは日本を捨てることだ。

日本に期待せず、日本を諦め、そして世界で一人きりで生きていくためにはどうしたらよいか、
についてまじめに考えることだ。

まだまだ日本が鎖国中である以上、英語が使える、というだけでもなんらかの武器になり得る。

改めていう。

俺が言っている英語が使えるとは、英語のお勉強がよく出来る、なんてことじゃない。

そこのところを日本は徹底的に間違えている。
それが日本が鎖国中である、という理由だ。

いまの日本が求められるのは、実はそんなお上品な英語の点数云々などではない。
つまりは、外人にびびらない、ということなのだ。

ビビらないだけなら英語の点数などなにも問題ではない。

英語のお勉強をするよりも先に、まずは外人にビビらないためにはどうしたらいいか、
その方法を学べ、ということだ。

そしてそれは、その昔、俺がまったくどうしようもなくなってしまったとときに取った方法でもある。

たまたま米軍キャンプの近くに育った俺は、外人が友達、というよりは敵だった。

お友達になりたい、ということよりも、どうやってこの牛のようなゴリラのような米兵たちの手から、街の女を取り戻すか、という現実に直面しながら育った。’

そしてそれはつまりは、アメリカという日本の占領主とどうやって立ち向かうか、という問題に直結した。

がしかし、悲しいかなわが祖国日本は、学校やテレビでどれだけ偉そうなことを言っても、
現実問題として、そんな外国=アメリカに対してはまったくどうしようもないぐらいにみっともない奴隷であった。

自分の国、つまりは日本という国がそれほどまでにまったくどうしようもない国である以上は、
俺一人ででも立ち向かう以外には方法がない、と思っていた。

がしかし、現実問題として、アメリカにどう立ち向かうか、と考えた時、
そこらへんの低脳右翼のように、愛国だ、鬼畜米英だなどと、
日本人にしか判らないところで吼えていてもなんの意味もない、
なんてことはどんな馬鹿でもすぐに判る。

本気でアメリカが気にいらねえ、
本気でぶちのめしてやりたい、と思っていた俺は、
それを英語で言わないうちは駄目だ、と気づいていた。

アメリカと立ち向かうには、まずは彼らにきっちりと対峙し、
そして彼らに判るように、彼らの言葉で、それを判らせなくてはいけない。

まあぶっちゃけ、日本の女が米兵に遊ばれるのが気に入らず、
そして、そんな哀しい日本の女より、
プレイボーイやスクリーンなんてところに乗っている、
金髪青眼の爆乳のほうがずっと魅力的だった、
というだけの話なのだが。

で、そんな女たちを取り戻すには、
あるいはゲットするには、
そんなアメリカの懐に飛び込まなければ、
いつになっても変わらない、と思った訳だ。


がしかしながら、
学校時代、一番きらいな教科は英語だった。
なにが嫌いと言ってその教師たちであった。

教師たちは英語を教えながら、
しかし、外人ときっちり対峙した経験がないどころか、
実際に外人と話をしたことすらなかった。
これを職務怠慢と言わずしてなんと言おう。
そんな中途半端などうしようもない教師などに、
口をきくどころか顔を見るのも嫌だった。

おかげ様で中学高校を通じ英語の成績はすべて最低であった。

が、
アメリカという国が心底きらいであった関係上、
外人にびびらないことにだけは自信があった。

そしてこの世間知らずの糞度胸だけを武器にして、
その後、ほとんど無一文のままに日本を飛び出した俺は、
その後の人生をどこに言っても唯一の日本人として生きる覚悟をした。

確かに世界中のどこに行っても日本人はいた。
が、世界の中の日本人は、どこに行ってもうじうじと便所虫のように日陰で群れたがり、
人の目を盗んではこそこそと愚痴ばかりを言い合っているような、
まったくもって本当にどうしようもない奴らばかりであった。

お前なあ、と俺はまじめに首を傾げた。

この期に及んで、外人の女を引っ掛けようという、そんな気概さえないのかよお前らは。

外人どもをぶっ飛ばすためには、
あるいは、外人の女をひーひー言わせてやるには、
まずはそんな外人の中に飛び込む以外に方法はない。

という訳で、敢えて、外人どもの群れる場所を探しては、
ロックが好きで、麻薬とセックスが好きで、
運動神経とリズム感にはちょっとした自信があって、
あつかましく恥知らずだが元気と好奇心だけは人一倍、
という、
なんてことはない世界のどこにでもいうどうしようもないただ普通の若者、ならぬ馬鹿者、
その共通性だけを頼りに旅を続け、
おかげ様でそこに行っても必ず俺と似たようなバカなチンピラとだけはすぐにお友達になれて、
つまりは、そう、セックスドラッグスロックンロールは世界の言葉、
でぶっ飛ばした訳だ。

という訳で、そしてどうにかこうにか、いまでもこうして生き延びてきた。

そしていま、日本を捨ててすでに20年になる。

この先もどんなろくでもないことになるか検討も付かないが、
少なくともまだ、こんなどうしようもない説教を垂れようと思えるぐらいの元気は保っている。

もう一度言う。

どうしようもなくなってしまった奴等。

現実問題として、お前らはつまりは、日本に棄民されたのだ。

そしてお前らを棄民した日本という国は、世界と言う尺度から見ればまったく取るに足らない、
まったくもってどうしようもない国であったりもする訳だ。

その現実を良く見極めろ。自分自身の目でそれを見極めるのだ。

そして、そんな、世界の片隅の島国に密封されたまま、
そんな日本のゴミとして生きたくなければ、
まだ元気のあるうちに、そんな糞の人生に見切りをつけろ。

そしていますぐにでもたった一人で世界に旅立つ準備を始めろ。

とりあえずは、無一文でも構わない、なんとかして日本を出る方法を考えろ。

日本を出た後にどうしたらよいのか、それについてはまたゆっくりと教えてやる。

ただ俺のやり方を周到する限りは、喧嘩と逃げ足と、そして誰もがうっとりする魅力的な笑顔、
だけでも今のうちに練習しておけ。

しばらく日本を離れることになるだろう。あるいはもう帰れなくなるかもしれない。

が大丈夫、世界中どこに言っても日本食ぐらいにはありつける。

そして女など世界中どこにいってもうじゃうじゃしている。

食うものがあって女がいれば世界中どこにいってもそれなりに暮していけるものなのだ。

心配するな。

そしてたぶん、そうやってたった一人で世界を渡り歩いた人間こそが、
この先、まったくもってどうしようもなくなってしまうであろう日本という土地を支えられる唯一の人材になり得る筈だ。

いつか日本に帰れる日には、それまでの想いを倍返しにしてやろう。

あんなあ、便所虫じゃあるまいし、そんな狭いところでうじゃうじゃしてるんじゃねえ。

たったひとりで世界に立ち向かった人間しか、もう日本を救うことはできねえんだ。

かつて日本でどうしようもなくなってしまった奴らが、そういうことをのたまう日がいずれ来ると俺は思っている。


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プロフィール

Author:高見鈴虫
日本を出でること幾年月。
世界放浪の果てにいまは紐育在住。
人種の坩堝で鬩ぎ合う
紐育流民たちの日常を徒然なく綴る
戯言満載のキレギレ散文集

*お断り 
このブログ記事はフィクションであり実在の人物・団体とは一切関係ありません藁

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