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「ロンドンからテレパシー」

Posted by 高見鈴虫 on 09.2014 犬の事情   0 comments   0 trackback

日曜の夜、ああまた明日から仕事だ、くそったれ、とそのまま不貞寝をしたいところ。
ああ、でも寝る前に犬の散歩に行かねば、と思いながらも、
しかし、そう、ジェニーがバケーションでロンドンに発ってからというもの、
猛犬パーティの誘い電話が来なくなり、ほっとしたのもつかの間、夜の散歩もついつい手を抜き勝ち。
だって、この寒さだぜ。まったく。。
ブー君にしても毎夜毎夜誰もいないドッグランに一人、凍てついた風の中で待ち続けていても面白くないと見えて、夜になってもお散歩をねだることさえしなくなった。

がしかし、どうした訳か、今日に限って、
10時を過ぎた途端に、いきなりソファの上に跳ね上がって、
さあ、行くよ、と突如、準備万端の表情。

ああ判った判った、ちょっとこのページ読んじゃってからね、とラップトップに顔を埋めるかみさん。
ああ判った判った、ちょっとこの番組終わってからね、とソファに寝転んだ俺。

ねえねえ、と必死にせがむブッチ。ねえねえねえ、早く早く。
そのあまりの切羽詰った表情に、なんだよお前、また下痢か?
と慌てて着替えをしてドッグランへ。

生垣でのおしっこちょっちょもなんのその、
早く早く、と赤信号の交差点を突っ切って焦りまくるブッチ。

なんだよいったいどうしたんだ。

としたところ、暗いドッグランに走りこんだ途端、いきなりブッチ~!!と聞きなれた声。

ジェニー!? ええええ!いつ帰って来たの?

いまよ、たったいま。
空港からのタクシーを降りて部屋のドアを開けて荷物を下ろして服を着替えて、
そのまま、よ。まだ荷物も開けてないからあんたたちへのお土産ももって来れなかったわよ。

とそんなブッチは10日ぶりに会うサリーと二人でダンスダンス。

ねえなんで判ったの?もしかして10日間ずっとここで私が帰るの待ってたの?

まさか。いきなりブッチが騒ぎ始めて引っ張ってこられたらサリーとあんたが居たんだよ。

あれまあ、とジェニー。

また例のテレパシーなのかねえ。

と言う訳でロンドンの土産話を聞きながら、夢中ではしゃぎ回る犬たちをホクホクと眺める俺とジェニー。

ニューヨークはまだまだ寒いわね。ロンドンを出るときは65度だったのよ。
これでもまだましな方さ。金曜の夜までここはもうコチコチに凍りついたままだったよ。
元気だった?
相変わらず。寒い寒いって言いながら犬の散歩。
ああ、それでこそニューヨークねえ。ここに来ると本当に帰ってきたと思うわ。やっぱりニューヨークと言えば犬の散歩よねえ。

そういうジェニー。犬たちにボールを投げながら、なんとなく若返ったようだ。
さあ、帰ったわよ。思い切りサリーの散歩するわよ、と元気一杯である。


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プロフィール

Author:高見鈴虫
日本を出でること幾年月。
世界放浪の果てにいまは紐育在住。
人種の坩堝で鬩ぎ合う
紐育流民たちの日常を徒然なく綴る
戯言満載のキレギレ散文集

*お断り 
このブログ記事はフィクションであり実在の人物・団体とは一切関係ありません藁

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