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UNSATISFACTORY

Posted by 高見鈴虫 on 13.2014 とかいぐらし   0 comments   0 trackback
考えうる限り、この世で最高のボス、なんてのに知り合って一年、
考え得る限り、まったくもって考えられないぐらいの幸運に幸運が重なって、
まるでこれまでの不遇の借りを一挙に倍返しにしてもらっている、
というつもりだったのだが。。。

その後、思わぬことから会社自体が大転覆。
結果、お家取り潰しの末に、
考えうる限りこの世で最悪のマネージャーの下で働くことになり、
そしてこの春を前にした不機嫌な午後に、
そんな考えうる限りこの世で最悪のマネージャーから、
まさしく、社内でも例を見ないほどの最悪のレビューをつけられた。

UNSATISFACTORY

思わず笑ってしまった。

こいつとはこれまで一度や二度ぐらいしかまともに顔を合わせたこともないはずなのだが。。
いったいどうやって俺の評価なんかつけられるものなのだろう、とは常々思っていたが、
そう、まあ予想はしていた。
そしてその予想は、思ったとおり、嘘のようにまるっきり実現してしまったという奴。

あとな、やりたくはねえが、ボーナスもつけてやった。ありがたく思え。
と珈琲代ぐらいのボーナス。

うれしいか?
うれしいわけねえだろう、とは思いながら、
うれしいよ、すごく、と答えてやった。

これでてめえのその不細工な面を拝まされることもねえってことか。せいせいしたぜ。

という訳で、このこの世で考え得る限り最悪のマネージャー。

普段から虫も殺さねえような良い子面していてやったのを下手に勘違いして、

ろくに英語もしゃべれねえ、ヘタレのジャップ、とでも思っていたのだろう。

馬鹿な奴だ。

という訳で、ダチに相談した。

最悪のマネージャーにはまさか想像もつかないのだろうが、
俺は日本人だが普通の日本人ではない。
そしてそんな普通の日本人ではない俺は、
果たして、ある種の人々にとって、実はとてもおもしろい男。
つまりは使える奴であったりもするのだ。

そんなある種の人々がよってたかって俺のこの不幸を面白がり、そして恩を売りつけてきやがる。

俺に任せろ、と奴らは言う。

なんでも言え、力になってやる。 このいけすかねえ糞野郎をぎゃふんと言わせてやろうぜ。

あたしに任せなさい、なんでもやってあげるから。その気なら弁護士でもなんでも呼んであげる。

もしお前がその気なら。。サントドミンゴから俺の舎弟を呼び寄せるが、

なんてのまで出てきて。。。

まあなんだかんだ言いながらそんなうるさい連中のありがた迷惑、
まあそう言ってくれるだけでもうれしかった。

という訳で、HRの連絡先から、その交渉方法から、
提出するクレームレターから、糞マネージャーへの絶縁状から、
どういう訳だか、誰もが喜々としてはりきりはじめた。

弁護士が、医者が、大学教授が、
新聞記者からテレビのレポーターから
VPがEVPが、社長が専務が、
大金持ちからヤクザ者まで。

俺のこの悶着を心から楽しんでいるようだ。

人の不幸は蜜の味、という訳でもないのだろが、
まったく、このアメリカ人という人種、というか、まあ、そうニューヨーカーなのだが、
なんともおかしな奴らである。

結局さあ、あんたのこの悶着を利用して、普段の鬱憤を晴らそうとしているんじゃないの?
とかみさんも呆れ顔。

という訳で、どうせ辞める会社だ、失うものなどなにもねえし、とケツをまくってしまっている以上、
そんなダチたちの好きにさせてやるつもりだ。

が、しかし。。。
あらためて、どうして?と思う。
どうしてこの豚やろうは、誰も幸せになれないはずのこんな糞のような嫌がらせをしやがったのか。

多分、あんたの猫被りにすっかり騙されて、あんたが何をされてもへーへー言ってるへたれと思ってたんじゃないの?というのがまあ一般的意見。

あるいは、俺を叩いてせびりきった銭を掠め取ろうとしてるのか、とまあその程度のちんけなタマ。

つまり、素直で従順で、上司には徹底服従の日本人、
なにをされても文句は言わないだろう、ぐらいに思ってたんだろうね。

この新任のマネージャー、俺が実はぜんぜんそんな奴でないことぐらい、前任者の世界最高のボスに聞けばすぐにわかるはずであったのに。
つまり、そんな情報さえもなにもないところを持ってきて、一度二度、顔をみかけたぐらいのところで、
日本人ならきっとこの程度、と舐めきった結果なのだろう。

ただ、俺としても実は心の底から面倒くさい。
どうせ辞める会社なのだ。どうでもこうでも勝手に好きなようにやってもらってもまったく結構なのだが。

がしかし。。。そう、まあ売られた喧嘩、買わずにすますというのもつまらない。

たとえ負けたとしても、こんな俺の失うものなどたかが知れているし、そんなもの惜しくもなんともない。

がしかし。。こんな野良犬同然の俺に喧嘩をふっかけて、奴が得るものと言えば、
服が泥だらけ、噛まれて血だらけ、ぐらいならまだいいが、
下手をすればまさに狂犬病を染つされてお陀仏、なんて危険もあるわけで。。
つくづく、君子危うきに近寄らず、ではないが、
下手に藪をつついたらトラが出てきたなんてことになる。

余計な喧嘩はしてはいけない、ということなのだろうがな。


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プロフィール

Author:高見鈴虫
日本を出でること幾年月。
世界放浪の果てにいまは紐育在住。
人種の坩堝で鬩ぎ合う
紐育流民たちの日常を徒然なく綴る
戯言満載のキレギレ散文集

*お断り 
このブログ記事はフィクションであり実在の人物・団体とは一切関係ありません藁

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