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AMERICAN BITE その八

Posted by 高見鈴虫 on 16.2014 日々之戯言(ヒビノタワゴト)   0 comments   0 trackback

ジャンキーになったビリーがアパートを追い出されるのと時期を同じくして、
同じアパートの隣りの部屋に、アナスタシアという白人の若い女が越して来た。

まるで長靴下のピッピをそのまま大人にしたような人で、くしゃくしゃの赤い巻き毛にドビン眼鏡。
やせぎすの身体にまんがのような出っ歯、とお世辞にも美人とはいえなかったのだが、
どういうわけだかなんだかんだと遊びに来てはご近所付き合いをしていた。

でこのアナスタシア、朝から晩まで徹底的にはっぱばかり吸っていて、
そしてどういう訳かいつもノーブラのTシャツ一枚にパンツ一丁で遊びに来る。

パンツの下から金髪の剛毛がもじゃもじゃとはみ出していたりして、思わず目のやり場に困ったが、
背中にできたおできに薬を塗ってくれないか、とシャツを脱いだ時には、痩せた身体に似合わぬ見事な乳房とそのピンク色の乳首に思わず理性を失くしそうにもなったのだが、本人はまったくその気はなかったようで、下手をすればトップレスのままでアパート内をうろついていたりもした。

このアナスタシア。俺はかってにアナタスシヤ、あなた寿司屋、と呼んでいたのだが、
彼女はそう呼ばれるのが気に入ったらしく、自分でもアナタスシヤと言い始めていたりもした。

この寿司屋、彼女も実にカナダの人であったらしく、南部訛りがないのはうれしかったが、
もともとはフランス語圏の人であったらしく、ハッパが廻り始めるといつのまにかフランス語とちゃんぽん。
がしかしそのフランス語の甘い響きは妙に耳に優しく、ねえ、フランス語でしゃべってよ、と頼んでは、
他人の前では絶対に言ってはいけないフランス語特集とやらを山ほど教えてもらった。

俺たちがアパートの裏にあった荒れ果てたテニスコートに集まるようになってから、
ちょくちょくとそのテニスコートにも顔を出すようになって、その後そこで知り合ったレズビアンのガールフレンドができてからと言う物、朝といわず昼と言わず、ドアを開けたまま、窓を開けたまま、二人分のあえぎ声をアパート中に響かせるようになり、アパート中の顰蹙を買うようにもなったのだが、
そのカナダ人気質の大らかさでいつも天真爛漫。

仕舞いには二人して裸のままで俺の部屋に遊びにくるようになって、裸の女ふたりに挟まれてテレビを見ては葉っぱを回したりしていたのだが、妙なことにならなかったんのはやはり俺が男として見られていなかったのか、と思っていたのだが。。

まあなんだかんだ言って、彼女にもよく英語を教わっていたな、と今になって思いだす。


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プロフィール

Author:高見鈴虫
日本を出でること幾年月。
世界放浪の果てにいまは紐育在住。
人種の坩堝で鬩ぎ合う
紐育流民たちの日常を徒然なく綴る
戯言満載のキレギレ散文集

*お断り 
このブログ記事はフィクションであり実在の人物・団体とは一切関係ありません藁

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