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「壊れ行く街 ~ FIX AND THE CITY」

Posted by 高見鈴虫 on 12.2014 ニューヨーク徒然   0 comments   0 trackback
朝寝坊して慌てて飛び込んだシャワー。
なんと水!
頭に来て温水の栓を思い切り捻ればいきなりの熱湯。

この冷水と熱湯が交互に噴射するシャワー、まったく性質が悪い。

で、石鹸の濯ぎもそこそこにスーツを着こんで慌てて飛び出したドア、
おっと、電気を消すのを忘れた、と玄関のスイッチを切れば、
いきなしバシッと音がして・・・ああ電球がまた切れた。。

どういう訳かここの電球、下手をすると一月に一回は切れている。
電気の配線がおかしいのは、果ては漏電?

おいおい。。これまじでやばくないか。。。

で、次なる障壁はエレベーター。

これがもう、徹底的に壊れきっている。
まさに、呪いのなんとかまで愛想をつかすどファンキーぶり。
毎度ながら、待っても待っても来ない。
ようやくやって来たとしてもドアがなかなか開かない。
うーんと待って待って3分の後にいきなりビーっとアラームが鳴り響き、
そしてようやく半開になったドアから滑り込んで、
したらいきなり上昇を始めるこの糞エレベーター。
だから下だって、と何度ボタンを押しても上昇は止まらず。
でついに到着した最上階。ドアが開かず3分待ってお決まりのアラームブザー。
だが誰も乗ってこない。。で閉まり始めたドア、今度は途中でスタック。
押して引いてひっぱって、とようやくドアをこじ閉めて、
と思えば、なんと次からは各駅停車。
誰もいないフロアにドアが開いては閉じ。そのたびに半閉じのドアを押したり引いたり。
でようやく辿り付いた一階。がドアが開かない。

そして。。。なんといきなり上昇を始める訳だ。。

あのなあ。。

とそして、いきなり音も無く開いたドア。。なんか。。見慣れた風景。
つまりそこは振り出し、つまりは14階。。俺の気配を察した犬が、
ドアの向こうで、オオオーンと吠えていたり。。

あのなあ。。。これ。。まじでやばくないか?・・

と言う訳で、家賃月三十幾万円のこの高級コンド。
まあ建てられたのが戦前。つまり既に100年選手。
天井が高く、間取りも広い、という利点はあるものの、
エレベーターは壊れ、停電は毎度のこと。
シャワーは熱湯と冷水、壁のペンキは剥がれまくってまるっきりお化け屋敷。
床は穴だらけ、でそこから、ゴキブリから始まって、
気味の悪いゲジゲジが夜な夜な這い出して来て。。。

がしかし、こんなことにめげてはやっていけない。

つまりそれがニューヨークの現実。

例え幾ら家賃を払おうとも、一皮剥いてみれば現状はどこも変わらない筈。
つまり古い。
全てが老朽化している。

その上に、年代を越えて好い加減な修繕を重ねてきた結果、
なにからなにまでが修復不全なほどに壊れかけてきている。

そのもっともたるものが地下鉄。
まさにインフラから人間からが末期的に壊れきっている。

最近になってようやく発着予想時間の掲示が出るようになったものの、
それも実は滅茶苦茶。
3分で到着予定がいつのまにか5分に変わりそれが10分、そしてDELAY。
つまりこの掲示板。ただの気休めか。。

いつ電車が来るかどこ行きの列車が来るか、
まったく予想がつかないのは相変わらず。

ふと見ればプラットフォームに溢れた人々。
線路を見ればこれ見よがしにドブネズミが走り回り、
ようやくやってきた地下鉄。
入り口はギチギチ、中はガラガラ。
ドアの前に立った人々が、まさに親の敵とでも言うように決して場所を譲らないからこういうことになる。
で、締め出された人々がドアに挟まり、それを無理やりこじ開けて乗り込んでくる人々。

鳴り響くブザー、アラーム、ドアを押さえるな、と絶叫する乗務員。

まったくもってニューヨーク、人からインフラから、全てがこんな感じ。

と言う訳で、混みいった車内でようやく広げたフリープレスのAMNEWYORK。

「FIX AND THE CITY City's crumbling Infra needs $47B in Repairs」

この壊れかけた街のインフラ整備に、なんと47ビリオン=4兆7千億円の費用がいるらしい。

そんな金を使うくらいなら、こんな街はもう端から放棄して新しい場所に新しい街を作った方が良いのではないか、
とは誰もが思っていながら、かと言ってこの街を離れられないのも皆同じ気持ち。

あまりにも人々の愛着が深すぎて、その愛憎劇の体積が半端じゃなくて、
どこもかしこも思い入れがたっぷり過ぎて。

そして街は今日もどこかが壊れどこかが修理され。
憎まれ口を叩かれながらも、人々はなにゆえかこの壊れ切った街にしがみ付いている訳で。

なんてことを思いながら辿り付いた会社。

朝のメールをやっつけた後、知人の机を尋ねてやあやあ、とやっていたところ。。。

いきなりイーストハーレムでビルが爆発!なんてニュースが飛び込んできて。。。

まさかテロ?また飛行機か?果ては爆弾か。。

慌てて知っている限りの知人にテキマを送り始める人々。

でふと見れば、俺のIPHONE、メールからVMからMSGから、
それこそ世界中から、

イーストハーレムでビル爆発だって、あんた大丈夫?

ってなメッセージが続々と。。。

と言う訳で、イーストハーレムのビル爆発倒壊。

どうも壁の裏側に漏れていたガスに漏電が引火したらしい。

まさに洒落にならない。

そう言えば前に住んでいたアパート。
入居して早々、キッチンがどう考えてもガス臭い。

で、CONEDISONを呼んでガス漏れメーターなる探知機でいろいろ調べて貰ったのだが一向に発見できず。

なんで、まあ、気のせいなんじゃない、人騒がせな、と不機嫌に帰られたのだが。。

がしかし、なんと言っても犬人間の俺。
この嗅覚をなまじの人間並みと思ってもらっては困る。

という訳で、ビーグルよろしく、クンクンクン、と嗅ぎまわったところ、
それはオーブンではなく、なんと、窓際を走るパイプがその匂いの根源と嗅ぎつけた。

で、さっそくCONEDISONを呼んでみたところ、まさにBINGO!

いきなりガス漏れメーターの針が跳ね上がってピーっと非常事態のアラーム音。

おい、おっさん、さっきは気のせいとかぬかしたよな?
なんならここにタバコの火をかざしてやってもいいんだぜ、と悪い冗談を言った途端、
バカタレ!といきなり飛び上がったおっさん。
そんなことしたら。。このビルごとふっ飛ぶぞ!

という訳で、管理人のおっさんによくよく聞いたところ、
どういうわけだかこの部屋、毎度毎度人の入れ替わりが激しくて、
たぶんなんかあるのだろうとは思っていたが。。
とおいおい、今更になってなにを言いやがる、と。

がしかし、それが多分、幽霊やらではなくて、つまりはこのガス漏れ。
ってことは、相当に長い間、このガスはここでシューシューと漏れ続けていた訳だ。

という訳で、このガス漏れのパイプ。修理するには工事が必要と言われて、
そんなことはしゃらくさい、とガムテープでぐるぐる巻きにしてはい一丁上がり、と言われた訳で。

そうたぶん、あのアパートだってもしも俺が入居しなければ。。今頃同じようなことになっていた筈なのだ。

そしてそんなアパートが、この街にはまさに無限に存在する訳で。。

つまり今住んでいるビルだって、あるいはこの会社のビルであっても、
いつ似たようことになるか、誰が知り得ようか。。。。

という訳で今更ながら、果たしてこの21世紀、いったいどうなってしまっているのだ、

空飛ぶ自動車どころか、どこでもドアどころか、タイムマシーンどころか、

その反対に次々とビルが壊れ始めているというこの体たらく。。

まさに、21世紀こそは、壊れたインフラに玩具にされる時代。

そして俺たちは、このままいったいどこに連れて行かれるのだろう。。。

そう、そんなこと誰も知らない訳で。。

そんな俺たちにできることと言えば、
とりあえずは愚痴をこぼしながら今日一日をやり過ごすだけ。

でも、世界中どこにいたってそんなもんなんだろ?

と見上げる空には摩天楼。

なんだよ、まだビル建ってんじゃん。


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プロフィール

Author:高見鈴虫
日本を出でること幾年月。
世界放浪の果てにいまは紐育在住。
人種の坩堝で鬩ぎ合う
紐育流民たちの日常を徒然なく綴る
戯言満載のキレギレ散文集

*お断り 
このブログ記事はフィクションであり実在の人物・団体とは一切関係ありません藁

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無断丸々転載・そのまま転写はご勘弁ちょんまげ

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