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愛しのチャーリー・ワッツ ~ その1 ブラック・アンド・ブルー 

Posted by 高見鈴虫 on 28.2014 音楽ねた   0 comments   0 trackback
実はかみさんがまた里帰りである。

ここ一昨年の出張以来、というか、その前は実に十数年に渡って日本を省みなかった俺とは対照的に、かみさんは毎年一回は必ず休みを取って親元に帰る。
まあ男なんてそんなもの、そして女なんてそんなもの、と勝手に考えてはいるのだが、いざかみさんの居なくなった我が家。毎度ながらこの空虚感はいったいなんなのか。

という訳で静まり返った部屋にいきなり響き渡るローリング・ストーンズである。

かみさんがいなくなったとたんにストーンズが帰ってくる。
それまでどこに行っていたのか、というぐらいまで、徹底的にストーンズである。

あまり音楽に興味のないブッチはまたしても大迷惑顔で、さっさと寝室に引きこもってしまう。

がそう、ブッチには悪いが男なんてそんなものなのである。

という訳で、しょっぱなはやはり、ブラック・アンド・ブルーである。







このアルバム、まさにチャーリーワッツの最高峰。まさに神業に次ぐ神業。超絶プレーの連発である。

なに?チャーリーワッツの超絶プレー?なんだそりゃ、と思う奴はど素人。糞して死んでろ。

ドラムなんてものは、ツーバスでドカドカやれば、音数が多けりゃ、それでいい、なんてことはまったくない。
思い切りぶったたけばでかい音がでるか、でかい音が出れば良いのか、音楽におけるパワーとはなんなのか、
このアルバムを聞くたびに、その大原則に立ち返ることになる。

パワーとは緊張。つまりは、タメだ。抜け、なのだ。

このアルバムにおけるチャーリーワッツのスネアドラム。まさにタメ、その超絶的なバランス。まさに気合の産物。その叩き込まれるスネアの一発一発がまさに神業なのである。

タトゥーユーを最期に、そんなチャーリーの神業プレーもすっかり影を潜めてしまうのであるが、そうチャーリーワッツと言えばこのスネアのタメ。そして音の抜け。

音数を増やすだけ増やしてタムをべろべろと嘗め回して、コネコネと焼きそばこねて、なんてことは、はっきりいって誰にでもできる。
多分、そのぐらいのことはチャーリーでもお茶の子サイサイの筈だ。
だが、やらない。決してやらない。
そんな小ざかしい、小手先だけの、女々しい自己満足を、チャーリーは許さない。

ドラムとは、リズム、とは、そしてロックンロールとは、ファンキーとは、つまりは、スネアの抜け、それのみ、なのである。

格好よい。格好よすぎる。そんなチャーリーがあってこそのストーンズ。そんなチャーリーがあってこそのキースリチャーズであり、そしてミックジャガーなのだ。

そのことを、チャーリーが、そして生涯の相棒であるキースリチャーズが一番良く知っている。

ストーンズがここまでやってこれたのは、つまりはチャーリーのこのストイシズムなのである。

キースリチャーズのソロアルバム参加を断ったチャーリーの言い放った言葉がその全てを物語っている。

お前のソロアルバムで俺がドラムを叩くだって?だったらソロにならないじゃねえか。お前のギターと俺のドラムこそがストーンズなんだぜ。

まさにチャーリーワッツである。それでこそチャーリーワッツなのである。

たかがロックじゃねえか、から始まって、俺はなにもしていないさ。ただ、ただ、キースのギターを聴いてるだけだ。

このチャーリーの一見投げやり、しかし、そうつまりは気合の入り切ったこの姿勢、その姿こそがロックドラマーの真髄、それ以外になにが必要だろうか。

俺はやはりチャーリーワッツが好きだ。

デイブ・ウェックルもビニー・カリウタも確かに凄いが、
ジョン・ボーナムもジム・ケルトナーもアンディ・ニューマークも確かに凄いが、
だがしかし、やはりこのチャーリー・ワッツには誰も敵わない、という気がする。

という訳で、クレイジー・ママである。

ああああ、と思わず悶えてしまう。このドラム、このスネア、このバスドラ、あああ、まさにチャーリー・ワッツである。




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プロフィール

Author:高見鈴虫
日本を出でること幾年月。
世界放浪の果てにいまは紐育在住。
人種の坩堝で鬩ぎ合う
紐育流民たちの日常を徒然なく綴る
戯言満載のキレギレ散文集

*お断り 
このブログ記事はフィクションであり実在の人物・団体とは一切関係ありません藁

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