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裸足のキース・リチャーズ ~ 史上最強のチンピラの美学

Posted by 高見鈴虫 on 04.2014 音楽ねた   0 comments   0 trackback
というわけで、改めての独身貴族ぐらし。

とは言うものの、ぶっちゃけこれはただたんに男やもめ。

かみさんが里帰りした途端に、なんとなく犬さえもがちょっと薄汚れた感じで、
金曜の夜に男二人で肩を並べてぼんやりとテレビを見てる、なんて図が出来上がるのである。

という訳で男が一人と言えばローリング・ストーンズである。

かみさんが旅立ったその夜から、すでに一週間ぶっ続けでストーンズばかり。

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スタジオ・レコーディング版、ファースト・アルバムであるThe Rolling Stonesから始まって、
Tatoo Youまで、それに加えてまさに果てることのないブートレッグコレクションを、
これでもかとばかりに繰り返し繰り返し聴き続けている。

そして、いつものことながら、ストーンズとともに思い出させられる過ぎ去りし日々の数々。

思えば俺は徹底的にストーンズであった。

あるいは俺の信じる美学のすべてはストーンズに起因していた。

俺の友人と言える友人はすべてがストーンズフリークであった。

ストーンズを知らない人間となど友人になるどころか口を利くことさえ馬鹿馬鹿しかったからで、つまりは俺の周りの連中もそんな輩ばかりであった。

そして今、一人になった途端に蘇るストーンズな日々である。

普段は生活の中に封印されている様々な出来事がここに一挙に蘇り始める。

そして自然と、思い出したくもないことまでも思い出してしまうことになるのである。

嘘、裏切り、暴力。滑ったギグ。傷つけた友人たち。酷いことしてしまった女たち。そして死んでいった奴ら。


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そしていま、この4月の金曜日の夜、男やもめの部屋。

鳴り響くストーンズに踊らされて次から次へとそんな過去の亡霊たちが満ち溢れて行くようだ。

果たして俺たちってなんだったのか。なんであんなに酷いことになってしまったのか。

この歳になってはっきり言えるのは、ストーンズと関わりあいになって、あるいは、ストーンズに憧れて、思いいれて、そうやってストーンズに人生を狂わされた奴らの、ひとりとしてろくなことになったやつを見たことがないという事実。

あるものは道を誤り、あるものはすべてを失い、そしてあるものは命さえも失った。

つまりはそれがアウトローの宿命であり、ストーンズ魂を貫いた証でもある訳なのだが、その権化であるところのキース・リチャーズがいまだにちゃっかりと生き続けている、というあざとさがまたストーンズらしいと言えばストーンズらしい。

キースの野郎、俺のダチをすっかりダメにしやがって。まさに、まんまと騙された、という気分なのである。


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なぜ俺たちはこんな野郎に騙されてしまったのか。

キース・リチャーズが、ローリング・ストーンズがいったいなんだったと言うのだ。

という訳で、いま再び見直す JUMPING JACK FLASH である。


Jumping Jack Flash




このキース・リチャーズ。裸足のキース・リチャーズ。

このビデオにおけるキース・リチャーズに、いったいどれだけの人々が人生を狂わされてしまったことだろう。

くそったれが、とは思いながら、しかしながら、である。

改めて、このキース・リチャーズは格好良いのである。問答無用に格好良い。格好良すぎる。

まさにチンピラの鏡。アウトローはこうやって生きろ、のその見事なお手本、そのものなのである。

思わず今からでも改めて再度道を踏み外してやろうか、という気にさえもなってくるのである。

そう、俺達はこれに騙されたのだ。このキース・リチャーズに憧れて、このキース・リチャーズみたいになりたくて、キース・リチャーズみたいになるために、キース・リチャーズみたいなことを一切合切真似をしよう、と思ってしまったのである。

まったく馬鹿なことをしたものだ、とは思いながらも、改めて観るこのキース・リチャーズ。

まさに史上最強のチンピラ。これほど格好良い男は、やはり世界中どこに行っても見つけ出すことはできないだろう、と改めて思う。

ローリング・ストーンズ。まさに罪作りな人々である。

がしかし、と改めて思う。

俺達が生きてこれたのも、ストーンズが居てくれたからに他ならないのだ。

このキース・リチャーズがあったからこそ、俺達は生き伸びれたのだ。

くそったれ、ここまで来たら俺は意地でも棺桶までメインストリートのならず者であり続けるぞ、な訳である。

キース・リチャーズに狂わされた人生、たとえどんな酷いことになろうとも悔いはない。

死んでいった奴らもきっとそう思っている筈、と信じたい。


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プロフィール

Author:高見鈴虫
日本を出でること幾年月。
世界放浪の果てにいまは紐育在住。
人種の坩堝で鬩ぎ合う
紐育流民たちの日常を徒然なく綴る
戯言満載のキレギレ散文集

*お断り 
このブログ記事はフィクションであり実在の人物・団体とは一切関係ありません藁

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