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「ピクチャー・ブライド・ドッグ」

Posted by 高見鈴虫 on 23.2014 犬の事情   0 comments   0 trackback

日本ではね、WEBで子犬を買ったら宅配便で配達されてくるらしいぜ、
と言ったところ、ドッグランの人々が絶句していた。

まるで・・ピクチャー・ブライドね。



この開けてびっくりを、ロマンチックという言い方もあるのだろうが、
ぬいぐるみやダッチワイフじゃあるまいし、
個性や性格のあるものを、宅配便で配達する、なんて、
そういうのってありなのな、と俺も首を傾げてしまう。

ガイドブックを見れば、この品種の犬はこんな犬でこんな性格で、
なんてそれらしいことが書いてあるが、
日本人にもいろいろいて、アメリカ人にもいろいろいるように、
そういうのってやはり個人の性格的なものであって、
そんな大鉈のステレオタイプ、つまりは、マニュアルどおりにはいかないことの方が多い、と思っているのだがどうだろう。

例えば、オーストラリアン・キャトル・ドッグをWEBでオーダーしたとしても、
たまたま届いたのがまるっきり違うタイプ、
涙目で元気の無い、虚弱体質なんてのがやって来てしまったらちょっと困ってしまうだろうし、
つまりそこには、運命の出会い、というものが存在していない訳か。

なんかそれって、ちょっとおかしいと思う、

と言っていたら、

いいのよ、とエレンがひとこと。

いいのよ、どんな犬だって。それはそれ、これはこれ。

つまり、その犬がそういう犬だったらそういう犬としてその犬の個性を尊重するべき。どんな犬にしよう、とか、どんな犬になって欲しい、なんて、飼い主の趣味を犬に押し付けるべきではないのよ。

そして飼い主の個性と、犬の個性、それをふたりで妥協しあいながらバランスのよいところに落ち着く、そんなものなのよ。

つまりね、どんな犬を飼ったとしても可愛いの。それだけは間違いないわ。

これまでまさに何十頭という犬を飼って来たエレンだからこそ言える言葉。
まさにずーんと来る。

ただね、とブッチの頭を撫でながら一言。

あんたとブッチを見ているとね、確かにちょっと嫉妬を感じるわね。

あんた達ほどそっくりの、息がぴったしと合いまくってるカップルはこれまでにも見たこと無いわ。性格から顔つきからそっくり。あんたたちは気づかないだろうけど、本当にあんたたちはそっくり。まるで生き写しの双子みたい。

そうかな?。。とあらためて見るこの駄犬。

確かに、俺の駄目なところばかり似てしまったような気もするのだが、といってるそばから、なんだよ、なに見てるんだよ。余計な御託はいいんだよ、ほら、早くボール投げろよ、と砂だらけのボールを押し付けてくる。

実はね、私にも昔、そういう犬がいたのよ。もう何からなにまで完璧っていうぐらいに。そうもう私の理想の男の子そのもの。この子が人間だったらってなんど思ったか知れない。本当の意味でのソウルメイト。
でもね、やっぱり・・・死んじゃうのよね、犬って。
でね、あの子を失ってからね、もう犬にそういうものを求めるのはやめたの。
どんな子であっても、彼らには彼らの意思や個性や性格があるんだから、それはそれとして尊重してあげなくっちゃと思ったの。
だから、まあ、なんの運命か私とこうして付き合うことになった以上、生きている間は、その短い一生の間だけは、精一杯幸せに過ごさせてあげる、とはいつも思っているけどね。

と言う訳で、なになに、何は話しているの?とやってきたチェシー。
ねえ、なんか頂戴、とまたおねだり。
ほらね、こいつはこいつで、良いところもあるし、アホなところもあるけどさ、ほら、やっぱり可愛いじゃない?

確かにね、前のフレックルとは随分違うタイプだよね。

そう、フレックルにはフレックルの、そしてチェシーにはチェシーの個性がある訳だし、その違いを楽しむってのもあるわよね。

と言ってるそばからやってきたブッチ。

おい、お前らなにやってるんだよ。遊ばないのかよ、ほら、ボール投げろよ、とこいつはもう徹底的にボールばかりである。

と言う訳で、人間もいろいろなれば、犬もいろいろ。

この世に行きとし生けるものはすべて一期一会。

この大切な時間を、心の底から慈しむべきなのだ、

と志を新たにする春の夜


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プロフィール

Author:高見鈴虫
日本を出でること幾年月。
世界放浪の果てにいまは紐育在住。
人種の坩堝で鬩ぎ合う
紐育流民たちの日常を徒然なく綴る
戯言満載のキレギレ散文集

*お断り 
このブログ記事はフィクションであり実在の人物・団体とは一切関係ありません藁

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