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深夜の裏通りで、いきなり、おいこら

Posted by 高見鈴虫 on 14.2012 旅の言葉
深夜のパナマ・シティ、
トップレスバーからの帰り道、
千鳥足て歩いていたところ、後ろからいきなり、おいこら、と声をかけられた。

っちぇ、ついてねえなあ、と舌打ししながら、
無視してそのまま通り抜けようとすると
おい、まてよ、と追いかけてきたので仕方なく逃げた。
が、逃げてもしつこく追いかけてくる。
そうなるとこっちも意地でなんとなく追いつかれないように速度を上げる。
と向こうもやけになっておい、おい、と怒鳴りながら追いかけてくる。
が、そのうちいい加減に面倒臭くなって、
もうどうにでもなれ、
と立ち止まってタバコをとりだしところ、
ようやく追いついてきたおいこら野郎、肩でゼーゼー息をしながら、
呼んでるのになんで返事をしないんだよ、
といまにも死にそうな声で怒りながら、
その場にへなへなと座りこんでしまった。

あんなあ、バカかてめえは。
夜道でおいこらと呼ばれて立ち止まる馬鹿がいるか。
夜道でおいこらなんていうのは強盗かギャングか警察だけだろ。
で、夜道でおいコラと声をかけられて、
なんだよコラ、とやってくる奴がいたとしたら、
そいつはよほどの馬鹿かさもなくばギャングか警察だけだろ、よく考えろ、

といったところ、

じゃああんたは馬鹿でも警察でもギャングでもねえんだな、

と言うので

当たり前だ、馬鹿、警察やギャングが夜道を走って逃げるか、

と言ったら

実は強盗でもギャングでも警察でもなかったその男、
実はただたばこの火を探していただけ、だったのだそうだ。

せっかく長いシケモク拾ったのに火がなかったんで、ついついさ。
ただのバカで幸いだったが思い切り損した気分。
いやあ、パナマだなあと、苦笑い。

結局大通りの角まで一緒に歩いて帰った。

プロフィール

Author:高見鈴虫
日本を出でること幾年月。
世界放浪の果てにいまは紐育在住。
人種の坩堝で鬩ぎ合う
紐育流民たちの日常を徒然なく綴る
戯言満載のキレギレ散文集

*お断り 
このブログ記事はフィクションであり実在の人物・団体とは一切関係ありません藁

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