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失業ハイパー

Posted by 高見鈴虫 on 29.2014 とかいぐらし   0 comments   0 trackback
どうでもいいことなのだが、
いざ離職を前にしてまるで罰当たりなぐらいにごぎげんなのである。

なにはともあれルーティーンから開放される、というのはいいことだ。

レイオフを通達されてからというもの、心に風が吹き込むようなそんな思い切りの爽快感に包まれている。

これまでなんどかそんな爽快感を感じて来たりもしたものだが、
いやあなんどやってもこれは気持ちの良いものだ。

そう言えば大学を出て新卒で入った会社は3ヶ月で辞めたんだよな。

どうせ辞めるなら、と社長の腹に蹴りをぶち込んだ後、その頭の上から痰唾を吐きかけ、
騒然とする社員を尻目に会社で一番行けていたEカップのバイリンギャルに顎をしゃくってそのままホテルに直行。

朝までこれでもかとヒーヒー言わせた後に転がり出た10時過ぎの新宿副都心。

黄色い太陽に顔をしかめながら、スーツのジャケットを肩に引っ掛けて、
しわくちゃになったワイシャツの胸をこれでもかと広げては、
肩で風切るってのはまさにこれのことだな、と見上げた超高層ビル街区。

ああ、もうカタギはコリゴリだ、と咥えたタバコを噛みながら、

またインドにでも行ってくるかな、と思ったとたんに思わず、ゲラゲラと笑い出してしまったのだ。

その後のすったもんだ人生はまさにそこから始まった訳なのだがな・・

そしてあれから云十年、

改めて見上げるニューヨーク。副都心どころかまさにホンマものの摩天楼の渓谷。

春の風に心のタガが緩んだのか、思わず、んだこの野郎、と
気に入らない上司の後ろ頭に回し蹴りでもくれてやりたいぐらいなほどに、
まさに罰当たりなパワーがみなぎって来てしまっている。

あーあ、やめたやめた、冗談はこれまでだぜ、カタギはもううんざりだ、と忘れていたセリフをもう一度繰り返して、

またバンドマンに戻るか、などとまた性懲りもないことを思ったりもして、思わず声にだして笑ってしまった。

ちゅうわけで、まあ振り出しに戻ったというか、まあ元の鞘に収まったってことなのか。

6ディジットの一流会社のリーマンが聞いて呆れるぜ。

所詮俺はチンピラ・バンドマン。
どんな服を着ていようがなにをしようがいくら稼ごうが、それ以上でも以下でもねえってさ。

さあ明日はなにをしよう、と、辞めたはずのタバコを咥えたら、もう後ろは振り返らねえ。

という訳で、よおやくまたチンピラ風情にもどってこれたことが、実はそれが一番嬉しかったりもするわけだ。

ちょっとばかしは退職金も出たことだし、しばらくブラブラしながら資格勉強でもして、
次にカタギに戻る時にはせめて愛想笑いをしなくてもいい立場にありたいものだな、と心の底から思っている。



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プロフィール

Author:高見鈴虫
日本を出でること幾年月。
世界放浪の果てにいまは紐育在住。
人種の坩堝で鬩ぎ合う
紐育流民たちの日常を徒然なく綴る
戯言満載のキレギレ散文集

*お断り 
このブログ記事はフィクションであり実在の人物・団体とは一切関係ありません藁

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