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ワールドカップ・ニューヨーク ~ 移民たちのワールドカップ

Posted by 高見鈴虫 on 01.2014 日々之戯言(ヒビノタワゴト)   0 comments   0 trackback
そう言えば、小学校の時のことである、
珍しく家族揃ってテレビの前、
夏だか春だかの高校野球を観ていたのである。

対戦は我が神奈川対茨城
俺たち姉弟は、当然のことながら神奈川県校、
わいこー、だか、よたこー、だか、とーいん、だか、
あるいは、とーかいおおずもう、
なんてチームを応援していた筈なのだが、
ふと、神奈川大ピンチ、から、ついに憎き茨城が先制点を上げ、
俺たち姉弟がぎょええええ、と涙まじりの絶叫を上げた、その時、
いきなり鳴り響いた拍手!

なんだって!!

つまりおやじである。
そう、オヤジは茨城出身だったのである。
そう、だって俺たちの田舎は茨城だったのだから。

つまりそうか、そういうことか、と今更ながら当然の事実に改めて納得。

つまりこの人、うちの親は、いまだに茨城の人、であったのだな。



幸か不幸か、俺は神奈川の人であった。
何度かの転校はあったが、
俺は生まれも育ちもちゃきちゃきの神奈川っ子。
そんな俺が神奈川県人であることはまったく疑う余地もない。

自由の校風と、そして、米軍基地。

東京に対する対抗心、そして妙な劣等感と、
しかし、負けてなるか、俺たちにはヨコハマもショーナンもそして箱根の山もある、
とのなんか妙なプライドから、
渋谷に行くときにも青山に行くときにも、ビーサン一丁、のスタイルだけは変えない、
そんなハードノーズな神奈川県民。

だってよ、といつも心の中にあったのは、
日本なんてところの人々がいくらがんばったって、
この国がアメリカの植民地であることに変わりはない。

そう、神奈川こそはかのマッカーサーの降り立った厚木飛行場があり、
そして座間キャンプ、相模原キャンプ、そしてヨコハマ横須賀。
日本半分アメリカ半分、
そんな微妙な土地の微妙な空気を思い切り吸って育った訳で、

つまりは霞ヶ浦特攻隊のあった茨城で生まれ育った父親との、
埋めても埋まることのないギャップであった訳なのだな。

という訳で、そう、親と子供は違う。違うのだ。

そう、なんでそんなことを思い出しているのかと言えば、
このW杯におけるアメリカの試合である。

ご存知なように、アメリカでサッカーをやっているのは女子だけ、の筈である。

プロのリーグもあるが、あまり、というか全然盛り上がっていない。

今回の開催地はブラジルという時差のない土地であったことから
ESPNとABCが大々的に放送してくれたが、
それまでは、俺はUNIVESIONというスペイン語系の放送局で、
W杯を見ていたのだ。
このアメ公の田舎者、お前らにサッカーの凄さがわかるか、と舌打ちしながら。

がしかし、である。

今年のW杯、USAチームの健闘もさることながら、
その視聴率がものすごいらしい。

ここNYCでも、いまさらスポーツバーやらパブリック・ビューイングには出かける気もないが、
実は大層な盛り上がりようであるらしい。

いったいこのアメフト大国のアメリカでなにが起こっているか。

ついに君達も、サッカーの凄さに気づいた、という訳なんだね。

がしかし、このW杯で流れるアメリカ国家に、なんとなく、???と違和感。

そして、ブラジルの会場に響くUSAの声、なんとなく、間違えてないか?と。

そしてそう、既にアメリカ在住が人生の半分以上となった今となっても、
何ゆえか、そんなアメリカチームを応援する熱意がなかったりもする訳で・・・

メッシのアルゼンチンをはじめ、
メキシコ、コスタリカ、チリ、と、ラテンアメリカ勢のことはまさに声がかれるどころか、
胃痙攣を起こしそうなぐらいに応援しているに、である。

つまりそれは、俺がいまだにこの国においては移民である、という事実。
そして同じ移民として、ラテンアメリカ勢を応援してしまう、とうところに、
なんとなく妙なミックスエモーションを感じてしまう訳なのだが・・・

という訳で、そう、神奈川においてたったひとり茨城代表を応援していた親父のことをふと思い出したわけだ。

まあしかし、とりあえず、アメリカ、がんばれ。


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プロフィール

Author:高見鈴虫
日本を出でること幾年月。
世界放浪の果てにいまは紐育在住。
人種の坩堝で鬩ぎ合う
紐育流民たちの日常を徒然なく綴る
戯言満載のキレギレ散文集

*お断り 
このブログ記事はフィクションであり実在の人物・団体とは一切関係ありません藁

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