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国際企業誘拐事件のその真相

Posted by 高見鈴虫 on 24.2014 旅の言葉   0 comments   0 trackback
おいおい、椅子椅子と日本の厨房とのツイッターのやり取り、
まじ、大笑い。

文法滅茶苦茶、おいおい、これ書いてるやつら、ちゃんと中学出てるのかよ、
って次元の奴らがいきなり国際社会の桧舞台に転がり出た、と。

あるいは、もしかして、グーグル翻訳、直訳からの切り貼りそのもの?
おいおい、日本の2CH厨房もついに国際規模の大活躍かよ・・
日本の恥もいいところだが・・いやあ、まじ笑わせてもらった。

で、それに引き換え椅子椅子の方々。

こんな知恵足らずの厨房からおもちゃにされててる、なんて、
いまさらながらおいおい、と。

という訳で、不謹慎とは重々承知しながらも、
人質事件、と聞くたびに、ちょっと思い出す妙な小噺。

もういい加減に時効だと思うのだが・・・

*****

かつて某中米の小国でうろううろしていた頃、
通いつめていたトップレバーの前の露天バー、
客待ちの運ちゃんやらしけたプータやらと、
安いセルベッサを奢り奢られしながら、
毎夜毎夜、おんな待ちの暇を潰していた時、

なあ、ハポネス、実は南米某国でこんな話があってさ、
ってな話を聞かされた。

*****

どこにでもありそうな南米の片田舎の街に出張所のある日本企業の社員の一人が、
ある日忽然と姿を消した。

で、すぐに会社側に身代金の要求が届いた。

だが、警察、および日本大使館には絶対に連絡はするな、人質の命はないぞ、とのこと。

で、むむむ、と思ったのが、その金額。
外交問題に発展しかねない国際間の営利誘拐事件、という筈が、
その要求額がなんとなくわりと・・・しょぼい・・

つまりは、云ひゃくまんえん、とか、まあそんなものであったらしい。

犯人はその当時、新聞を賑わしていた麻薬マフィアの名前をちらつかせているのだが、
どうもなにかちょっとおかしい、と。

がしかし、何事にも本部の指示を仰いでから、で一辺倒の日本の方々。
なす術もなくおろおろするばかり。

だってその会社にいる日本人社員たち。
スペイン語も一言もしゃべれないどころか、英語さえも侭ならず。
駐屯するコロンビアをまるでピラニアの生簀に放りこまれたかのように、
いっさいの現地化を拒否してはまるでそれこそ囚われた人質、
ガードマンに囲まれた窓に鉄檻付きの高級コンドと会社の間を、
防弾処置された運転手付きリムジンで行き帰りするだけ。
毎日を戦々恐々として暮らしているばかりの超ガラ系駐在員。

つまりは誰一人、地元の乗りがまったく判っていない、と。

のだが、そんな中、突然降って沸いたそんな事件。
地元の情勢にまったくとんちんかんなまま、
しかし指示を仰いで連絡をするも日本の本社、
地元の事情どころか、日本以外の世界における常識もなんにも判っていない。
つまりは世界一の田舎者、絵にかいたようなガラ系人。

で、とりあえずはオーゴトにするな、それ一辺倒。口を開けば徹底的にそれしか言ってこない。

とりあえずは隠せ。金を渡してでも、渡さないでも、なによりもまずは事件をオーゴトにするな、と。

つまり、そう、人質の命よりも、ふんだくられる身代金よりも、
まずは会社の体裁、それが一番大切、と。

都合の良いことに、誘拐された日本人社員は独身の単身赴任。

妻や子供を気遣う必要もなし、という訳で、その扱いは現地支店長に一任されてしまったらしい。

で、まさかそんな事件の処理を、秘書やら現地社員やらに押し付ける訳にも行かず、
と孤立無援になった支店長、
つたないスペイン語で犯人側に連絡を入れるが、しかし、そのスペイン語がまったく滅茶苦茶で、
なにを言っているのかさっぱり判らない。

で、犯人側、その交渉役にこともあろうに人質本人を担ぎ出して、
で、日本語でその交渉に当たらせた、というまったく訳の判らない話。

で、人質の社員から、身代金受け渡しの段取りを伝えるが、
そこに独りで来るように、といった途端、支店長からはそんなの無理だ、と。
つまり、徹底的に現地化を拒否してきた支店長は、
まさかそんなところに行ったこともなく、
ましてや独りで外出する、なんてもってのほか。

という訳で、なんと支店長が唯一知っている、街で唯一の日本食屋、
そこに届けてくれればあとで適当に取りに行くから、なんていうなんともゆるーい展開。

とまあ、関係者だけは大騒ぎであったらしいのだが、
どういう訳か、周りには絶対に漏らすな、と言われた筈のその事件、
実はすべてが町中に筒抜け。
現地社員どころか、警察どころか、町中の人間が、
その動向を笑いをかみ殺して見物をしている、という具合。

だってね、とそれも実は町の人間なら誰でも知っていること。

あのハポネスのシニョール、独り身の淋しさに耐え切れず、ついついふらりと街に出たところを、
待ってました、と群がった「女」たち。
であっという間にその中の一人とねんごろになってしまって、後の展開はまあ万国共通。

やれ子供ができた、どうしてくれる、結婚してくれ、
いや、君を日本には連れて行けない、ならどうする、どうする、どうする、
とばかりに、女の家族から兄弟から、親戚一同、一族郎党から迫られて青色吐息。

おやまあ、あのハポネス、うまく引っかかっちゃったみたいで、なんて展開を、
かの日系会社の日本人社員を除く、その町全ての人間が手に取るように知っていたのである。

で、苦肉の策で企てたのが、なんちゃって自分誘拐事件。

まあこのぐらいの金なら出せないこともないだろう、という金額。
国際問題に発展することもなく、支店長の一存で用意できる筈、ぐらいの金額で、
どうだ、人質殺すぞ、と当の人質本人が電話をして、なんていうなんともチンケな展開。

で、実は町中の人々の見守る中、その身代金の受け渡しも無事に成功。

で、誘拐された筈の社員、手切れ金代わりに女に金を渡して、
で、すたこらさっさと日本に飛んで帰るか、と思いきや、

なんと、その日本人社員。

いや、日本には帰らない、と言う。

俺はこの金でこの子とこの国で暮らす。
だって・・こんな可愛いボニータ、まさか日本ではGETできる訳ないもん、
とばかりに、実は一番とち狂っていたのはこの人質の日本人社員自身。

つまりそう、誰もが想像しなかったことだが、なんとその日本人、そのコロンビア人のパンパン娘に、
本当の本気でほの字になってしまったようだ、と。

やはりコロンビア娘の魔性は万国の男に共通。
その魅力の前には金も名誉も国籍も要らず、と。

ああ判った判った、そこからは良くあるソープオペラ、
その後ふたりは、南米のどこかで人知れず寿司屋でもやって末永く幸せに暮らしましたとさ・・・

ってな話かと思えば・・そう、南米の現実はそれほど甘くはない。

つまりは、その日系人がけつをまくったが途端、人々の焦点になったのはその出所の妖しい金。
つまり、絶対に足の着かない大金・・・

警察からチンピラから本ちゃんのマフィアから、目の色を変えて、
俺にも一枚噛ませろや、なんて連中がそれこそピラニアみたいに群がって来て・・・・

で?で、その人どうなったの?もしかして細切れのミンチ肉?

まさか、日本に帰ったさ。

そのコロンビアの女と?

おいおい、と誰もが苦笑い。

つまりその女、18歳、といえどもすでに立派な2人の子持ちで、
実は物心ついた頃からの年季の入った筋金入りのプータ。

で、金を掴んだとたんに、ぐらしあ~、あとはもう用無し、と本ちゃんの男、つまりはヒモのところに逃げてしまって、
で、事情をなんにも知らずに後を追おうとしたその男、
その様があまりにも哀れになったそのヒモ自身が、
という訳でハポネス、実はそういう訳なんで、まあおとなしく日本に帰りなさい、と説得した、という次第。

で、身代金引渡しからしばらくの後。
ひょっこりと帰ってきたその人質日本人。

支店長さんは、まあ人質は消えてしまったが、犯人側からはそれ以来、なにも言ってこないってのはとてもよいこと、
とそれだけで安心しまくっていたところに、大驚愕。

いやあ、大変な目に会いました、と臭い芝居もするも、
当の支店長は、いやあ良かった良かった、
オーゴトにならずに本当に良かった、本当はこのまま消えてくれるのが一番良かったんだけどね、
と、とりあえず外面だけは大喜び。

そんな様子を、笑いを堪えきれずに顔を真っ赤にして悶え苦しむ現地社員たち。
つまり、知らぬは日本人ばかり。

で、まあそんな訳なんで、とその日本人社員。
口止め料ということか、任期も早めに早々と日本帰国が決まって、という顛末であったらしい。

$$$$

その話、大笑いして聞きながら、でも、実はまったく洒落にならず。

だってぇ・・その時点でしっかりとまったくそっくりのこと、
つまりは、エクアドル出身の踊り子に熱を上げていた俺。
かくなる上は、誘拐事件でもなんでもでっち上げて、
身請けしたあのことふたりで恋の逃避行、なんて甘い夢を見ていたのだ。

つまりそう、その運ちゃんやら娼婦の方々。
実に、本当の本当に優しい奴ら。つまり、そうやってそれとなく、俺の火遊びに水をかけてくれた訳だ。

いやでも、あの子に限ってそんなことになる筈はないよ、といきり立つ俺。だってね、あの子と来たら・・

という俺に、一同まさに、ぎゃははははははあ、と腹を抱えて大笑い。

そう、つまり、女とは本来そういうもの。

そして、ラテン世界とはつまりはそういうところなのであった。

****

という訳で、彼の地で誘拐事件、と聴くたびに、俺の脳裏にはすぐにそのお話が浮かんできてしまうのである。

つまり誘拐ビジネスはぼろいちょろい、そして・・・そう、そういうしょぼい展開もありうる、という意味で、
時として、とてもとても意味深々、穿った見方をしてしまう訳だ。


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プロフィール

Author:高見鈴虫
日本を出でること幾年月。
世界放浪の果てにいまは紐育在住。
人種の坩堝で鬩ぎ合う
紐育流民たちの日常を徒然なく綴る
戯言満載のキレギレ散文集

*お断り 
このブログ記事はフィクションであり実在の人物・団体とは一切関係ありません藁

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