Loading…

錦織 VS ワウリンカ まさに感無量の対決

Posted by 高見鈴虫 on 03.2014 テニスねた   0 comments   0 trackback
俺はワウリンカが好きである。

このピットブル、というよりは、間の抜けたボクサーのような、
あるいは、ハイエナ、あるいは、熊、という感じで、
いずれにしろ、完璧なまでの犬系の顔である。

そしてこの汚い顔。にきびだらけの無精ひげ。
まさにキコリのあんちゃん、という感じの風貌である。

このワウリンカ、スイス人である。
つまり、あのフェデラの後輩、
そして、ダブルスのパートナーでもある。

見かけも性格も正反対、といった風情のこの二人、
このフェデラとこのワウリンカ、が実はとても仲が良い。
USOPENの際にはよく一緒に練習している姿が見られた。

という訳でそんな関係から俺は昔からワウリンカを良く見ていた。
つまり、フェデラの練習台としてのワウリンカである。

その当時、すでに不動のチャンピオンとして君臨していたフェデラに対し、
ワウリンカはまだ少年の面影を残した風貌で、
フェデラの繰り出す癖球に目を白黒させては、足を絡ませ、怒りの雄たけびを上げていた。

そんなワウリンカを、ニヤニヤと笑いながらまるでからかうように右へ左へ前へ後ろへ、
と振り回すフェデラ。
弾かれたボールがいったいどっちに飛ぶのか判らないフェデラのこのマジックボールに、
始終舌打ちを繰り返しながら、ねえお兄ちゃん、たまにはまともな弾打ってよ~、
と癇癪を起こしていた。

フェデラはそんなワウリンカが可愛くてしかたがないと言った感じで、
不貞腐れるワウリンカの頭をタオルでゴシゴシ擦っては鼻をつまんだりしていたものだ。

そんな訳で、この意地の悪いお兄ちゃんに鍛え上げられたワウリンカ。
いつの間にか、骨太のフェデラ、と言ったプレイスタイルでめきめきと頭角を現してきた。
がしかし、フェデラと比べて、というよりは、
どことなくフェデラの悪いところばかりを真似してしまったようで、

相変わらず馬鹿うちが多い。ここぞという時にはいつも力んでしまう。
バックハンドは安定性に欠け、そしてフェデラに比べて徹底的にプレイに花が無く、
決め球がないためいつもだらだらとフルセットになる。

このままがんばっても、まあ良くてMr.QTR FINALが良いところ、
かのトミー・ハースや、トミー・ラブレド、あるいはデビッド・フェレルなどと同じように、
まさに、アームスロトング、あるいは、グランドのスーパースター。
頑張って頑張って、いつもとてもよい試合をするのだが、
いざようやく勝ち上がって試合会場がアーサー・アッシュのスタジアムに移ると、
ここぞと言うところでトップ・プレイヤーに競り負けて、そしてトロフィーを手にすることはない。

そんな役回りを、本人も自覚していたようにも思う。
まあ、こんなものだろう、チャンピオンにはなれなかったが、
取りあえず喰いっぱぐれは無さそうだし、テニスが続けられるならまあいいか、
それに、俺がまさかフェデラ兄ちゃんに勝てるわけはないしな、と言ったところ。

とそんな甘えん坊の熊さんであったワウリンカに、事もあろうに2014のオーストラリア・オープンで、
グランド・スラムのチャンピオンの座が転がり込んできてしまった。

という訳でこのワウリンカである。
いまでは押しも押されもせぬグランド・スラマーである。

そんなワウリンカが、今年のUSOPENにおいて、こともあろうに我が錦織圭とぶち当たる。

錦織にとってはワウリンカはまさに百戦錬磨のベテラン選手である。

そんなワウリンカをこれまでずっと応援してきた関係で、
いつもワウリンカの側に立ってしか試合を見たことがなかった。

そしていま初めて、相手選手としてのワウリンカを見ることになった。

手ごわい相手である。
あの癖球大魔王のフェデラに鍛え上げられたまさに全身筋肉の熊男。
多彩な球種。パワープレイもネットプレイもお手のもの。
そして試合の抑えどころを知り尽くしていて、相手選手の心理を読むのも上手い。

そう、ワウリンカもこれまでそうやって、先輩選手たちから足元を見透かされた状態で戦って来たのだ。

あのやんちゃ小僧がついに中堅選手か。

そして若き新星・錦織にとって、その壁はあまりにも頑強にも思える。

良い試合になるだろう。
凄まじいラリーの続く、超絶な消耗戦になることだろう。
そして、精神的に折れた方が破れるのだ。

これからの錦織にとって、このワウリンカを倒すことこそが新しいステップへの登竜門となるのだ。

この対決、まさに感無量である。

正直、錦織が勝てるとは思っていない。ただ、なんらかの手ごたえを掴んで欲しい、と思っている。

錦織にとって、そんなワウリンカはまさに最高の先輩となってくれる筈なのだ。


  • password
  • 管理者にだけ表示を許可する

trackbackURL:http://shumatsuwotohnisugit.blog.fc2.com/tb.php/2257-7e578525

プロフィール

Author:高見鈴虫
日本を出でること幾年月。
世界放浪の果てにいまは紐育在住。
人種の坩堝で鬩ぎ合う
紐育流民たちの日常を徒然なく綴る
戯言満載のキレギレ散文集

*お断り 
このブログ記事はフィクションであり実在の人物・団体とは一切関係ありません藁

©終末を疾うに過ぎて...
無断丸々転載・そのまま転写はご勘弁ちょんまげ

月別アーカイブ

検索フォーム