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某大使館の幽霊話、と、それよりもずっとずっと怖い話

Posted by 高見鈴虫 on 05.2014 大人の語る怖い話   0 comments   0 trackback
先日、仲間内との夕食の際、世も更けた頃になって、
ひょんなことからおんな達がお化けの話なんてのを始めた。

まあよくあるタイプの、友達の友達の友達の、やら、
みんなで肝試しに出かけたら、やら、
れーかんの強い子がいてさ、やら、
深夜の学校に忘れ物を取りに言ったら、なんて奴、ばかり。

俺はそんな話にも加わらず、皿に残った料理を摘んでは温くなったワインをちびちびと飲んでいたのだが、
そんな俺に、思った通り、ねえ、と声がかかった。

ねえ、あなたスモーキー・マウンテンで幽霊の女の人を乗せたんでしょ?
あのハンドルがきかなくなって死にかけたって話、もう一度聞かせてよ。

いやあれは、と俺も苦笑いである。

まあこの目で見た訳じゃないしさ。ただちょっと寝ぼけていただけだろう。

だったら、あの飛騨高山のホテルの開かずの間の話は?

あれだって、見たって言ってんのは大旦那で、俺はただその部屋に間違えて入っちゃった、ってだけでさ。

でもなんかいたんでしょ?その気配がしたって。

だからずっと使われずに締め切ったままの部屋だから、妙な匂いがしたってだけでさ。

だったらあの、音楽スタジオでドラム叩いていると女の声が聞こえてくるっていうのは?

あれもまあ、ただの耳鳴りだろう。見た訳じゃないしさ。

でもほら、過激派にリンチ殺人されたショートヘアの女の子って。

まあそれもはっきりと写真とか見たわけじゃないしさ。まあそういう話があったよ、と。

なんだ、今日はなんか乗ってこないのね。

だって、と改めて俺。そんなものはっきり言って、この世にいる訳ないじゃないか。

本当にそう思っているの?

ああ思ってるよ。少なくとも目に見える、なんてものじゃないよ。空想。ただの想像の産物だよ。

じゃあ幽霊は信じない?

ああ、信じない。

だったら、ほら、あの予知夢、とか、幽体離脱とか、ドッペルゲンガーとか。

どうせなにかのでっち上げだろ?馬鹿馬鹿しい。それよりもっと別の話をしないか?

と言うのだが、どういう訳かその夜に限って女たちが諦めない。

ねえ、実はまだまだいろんなこと見てるんでしょ?なんか思い出して話してよ、と食い下がってくる。

あ、そう言えば、さっきのIPHONEの話。

なに、IPHONEで心霊写真が撮れた、とか?

まさか。ほら、IPHONEの電磁波は大丈夫かって話。

なによ、また技術系の話?そんなのいくら聞いてもわたしたち判らないもの。見てのとおりガラ系も極まれりなんだから。

そう、わたし、IPHONEじゃないけど、携帯で話してると頭痛くなるのよ。

それはほら、いまだにそんな古い携帯使ってるからよ。

だって、わたしf独り者だし、IPHONEとか買ってもどうせ使い方判らないもの。

で、なに、そのIPHONEがどうしたの?

いや、IPHONEじゃなくて、電磁波。

まあいいわよ、そのデンジハ、ってのがどうした訳?

ああ、実はさ。昔、訳あって、こんなこと言っても良いのかな。まあ何年も前の話だから時効だろう。
実は、仕事でワシントンDCの某国の大使館に行ったときのことなんだけどさ。





実はもう10年以上も前になるけど、ワシントンの某国大使館に仕事で行ったんだよ。

仕事ってまたIT関係の?

そう、IT関係のドカタ仕事。サーバー上げてネットワークつないでとか、そんなの。

まあ仕事の話は聞いても判らないから早くその先行ってよ。

ああ、で、その大使館で連休の間にその設置作業を徹夜でやる、なんてことになって。

はいはい。

で、そこに何日か泊り込んでたんだけどね。

さあ、盛り上がって来たわよ~。

で、そう、その大使館ってのがさ。着いてすぐに担当者から言われたんだけど、夜にひとりではトイレに行かないでくれ、って言うんだよ。

なにそれ?

だから、夜にひとりでトイレに行くな、と。それだけは約束してくれって。この部屋を出るときには必ず大使館側の人間に声をかけて、そして連れ立って行ってくれ、って。

げげ、なんだそれ。

で、いや、でも、夜通しの作業になるし、働くスタッフも多いし、いちいちそんなことやってられないって言ったんだけどさ。

いや、それでも、トイレに行くときには必ずって。

なにそれ、セキュリティ上の理由とか?もしかして機密書類とかあるのかな?

スパイ大作戦みたいじゃないの。

いや、それでよくよく話を聞いてみたらさ、お恥ずかしい話で、とかなんとか言いながら、幽霊が出るんですよ、とか言い出すんだよ。

ええ、大使館の人が?

そう、大使館の人。多分有名な大学を優秀な成績で卒業したであろう某国のトップ中のトップの高級官僚、みたいな人がさ。

なになにそれ。冗談かなんかなんじゃない?

いや、実は俺たちもそれを聞いて目が点々でさ。で、まっさかあ、とか笑いながら、
いや、ご心配なく、うちの面子でお化けが相手にしてくれるような奴はいないし、とか、
どうせなら一緒に記念撮影でもして帰りますよ、なんて言ってたんだけど、
実はその大使館のお役人さん、まったくのマジでさ。

携帯の番号を紙に書いて壁に貼り付けて、トイレに行くときには必ずここに電話をしてくれ、と。それだけは約束してくれ、と。

げげ、それ、本当になにかあるわよね。

ああ、そう、俺たちもそう思ってさ。で、役人って奴はどこの国に言っても本当に良くわからねえとか文句言いながらね。

で、出たの?幽霊。

いや、で、仕事しながらよくよく話を聞いてみたら、どうも本当に色々あったらしいんだよね、その大使館。

実はその大使館、旧館と新館に分かれていて、で、旧館のほうはもう戦前からずっとあるような、大使館ってよりはお屋敷って言うか、
もうもろに幽霊屋敷、みたいなところだったんだけど、そこはもう誰も使っていなくて、ただ保管してあるだけ、らしい。
で、理由を聞いてみたらそれがまさに幽霊。

幽霊?

そう、その旧館、あまりにも幽霊の被害が多くて、で、わざわざ敷地内に新しい建物を建ててそこに移転したって言うんだよね。

まあ、その旧館の幽霊ってのもの話は長いんだけど、まあ何かの国家機密漏洩の事件があって、
ひとりの職員がその罪の濡れ衣をきせられたらしい。
で、その罪を着せられた職員が・・・

死刑?

と言うか、まあ表向きは自殺、としてあるらしいんだけど。
で、その漏洩事件ってのがまたややっこしくて、それも表ざたにできないタイプの物であったらしくてさ、
その職員の自殺も、なにもかもが闇の中に葬られたって話なんだけど、したらそれから・・ね。

出た?

いや、職員の中とか、その家族とかが次々と狂い死に始めて、事故にあったりとか、

げええ、怖い・・

まあ、それ以前からいろいろと幽霊の話はあって、そもそもその国がその敷地を譲り受けたのも、
そんな幽霊話から前の住人というか某国から安く譲り受けたって話らしくて、だから幽霊話は承知の上、であったらしいんだけど。

なになにそれ。

まあ、よくあるタイプの奴。首のない騎士が己の頭を抱えて廊下を走り回るとか、
夜になると気の狂った料理人がまな板の上で人の身体を刻んでる、とか。

それも怖いわね。

まあそんなこんなで、さすがに身に覚えのある職員が本国送還、とか、あるいは辞めていったらしいんだけど、
さすがにもう耐え切れなくなって、で、新館を作って引っ越しました、と。
で、俺たちが仕事していたのは勿論その新館の方だったんだけどさ。

で、その新館にも?

そう、旧館はそのまま建物ごと開かずの間になって、で、晴れて新館に引っ越したのはいいんだけど、したらまた新館の方でも怪現象が頻発。

例えば?

まあそう、そのトイレなんだけどさ。手洗いの鏡を覗いたら後ろに自殺した職員が立っていた、とか、あるいはそう、倒れちゃうらしいんだ。

倒れる?

そう、夜にひとりでトイレに行った人が帰ってこない。で見に行ったらトイレの中で倒れていて。
頭打って病院に担ぎ込んで、なんてことがそれこそ頻発しているらしい。

それってやっぱり、その怨念というか?その関係なの?

いや、だから、それは誰にも証明できないっていうか。想像するのは勝手だけどね。事実としては、ひとりでトイレに行くと倒れる、と。

そのうち、トイレの前の廊下を通っただけで倒れた、とか。死んだお婆さんが目の前に出てきた、とか。
あるいは、リンカーンが、とか、ヒットラーが、とか、フランケンシュタインが、とか、エクソシストが、とか、
そんなありもしないものを見た見た、って人が続出して。

とにかくまあそんな極端な例は抜きにしても、なんかそのトイレの近くの部屋で働いていた人が、次々に体調の不良を訴えて、ってのが続出したらしい。

あれまあ。。

でまあ、俺の話したその担当者の人ってのも、そんな迷信を真に受けるタイプには全然見えなかったんだけど、
この大使館内における規則になりますので、規則は規則として必ず守って欲しい、と、その一点張り。

で、二人で行ったら大丈夫なんだ。

まあ二人で行っても倒れるときは倒れるらしいんだけど、その時はもうひとりが助けられるから、と。少なくとも頭打ったまま放置、ってのにはならないから、と。

二人で同時に倒れちゃったら?

そう、そういうこともあったらしい。なので、トイレに入るときには必ずドアを開けたまま、なんてことにもなりかけた、と。

あらまあ。

でまあ、大使館としてはそれを表沙汰にしたくない、というか、まあそんなことが公になったら国家の威信に関わる、と。

まあそれはそうだ。

なので、トイレにはひとりで行かないでくれ、という訳で承知したわけよ。

あれまあ。

で、まあ三日ぐらい徹夜の末に、みなさんお疲れ様、と無事終わったんだけどさ。

で、なにも起こらなかった?

ああ、起こらなかった、というか、まああるにはあったけど。

なになに、それ。

だから、まあ、何人かのスタッフが、具合が悪い、とか言い出して。目が痛い、とか、頭が痛い、とかね。

それ呪いよ、絶対にその自殺した人の怨念。

まあ、理由はいざ知らず、だけど。でもまあでもぜんぜん大丈夫な人もいるわけでさ。

ほら、霊感って人によって違うからさ。

まあ霊感かどうか、とか知らないというか、知ったことじゃない訳で。
俺としては仕事、つまりは、スケジュール通りに決められた予算内で完成した製品を引き渡すこと。
なんで、まあ取りあえず具合が悪いって奴には休みをやって、
その分、大丈夫というか鈍い奴らが肩代わりして、とかね。
まあそれはそれで色々大変だったんだけどさ。

はいはい。

で、帰りがけ、みんなで車で帰ってきたんだけど、したら、その大使館を離れてちょっとしたら、
それまで、頭が痛いって悶え苦しんでいた奴らが、まるで嘘みたいにけろっと治っちゃった、と。

あれまあ。それ本当になにかあるんじゃないの?

まあねえ。でもほら、俺とはもう、それどころじゃないいろんな修羅場踏んできている訳でさ。

スモーキー・マウンテンとか、飛騨高山の開かずの間とかねえ。

いやいや、実はまだ話してないけど、もっともっと凄いものを目にしてきている訳で。

げええ、なんなのそれ。まだ隠してたの?

まあだから、そう、そんな訳で、
もしこの世に神とか仏とかあったら、もうとっくの昔に罰が当たって祟り殺されているような奴らが、
いまでもぴんぴんしているところを実際に見ているわけでさ。
なんで、そんな話にも早々と信じられない、というか。
この世には神も仏もいないことを前提としたほうがやり易いかな、とも思ってるわけで。

で、で、その大使館の話はその後どうなったの?それだけ?

いや、実はね、正直、まあ立場上、他人にはいえなかったけど、実は俺も頭が痛くてさ。

げええ、あなたが?

そう、この俺が。もうあそこについてからずっと頭が痛くてね。
なんで、その幽霊の話を聞いた時には、正直、ああやっぱりな、とは思った。

つまり、ここにはなにかあると。

そう、確実にここにはなにかある、とは思っていた。というか、まあ誰にも言わなかったけどね。
で、実はそのときに一緒に仕事していた技術部のチーフ・エンジニア。
その人も幽霊どころか、MIT出てるガチガチの理系の塊りみたいな人なんだけどさ、
でその人に後になってから、そう言えばあの大使館、って言ったら、
実はやっぱりその人も、その大使館で仕事している間、
まじでずっと気分が悪かったらしくて。
頭が痛いのはまあよくあることなんだけど、
仕事中、集中してコード書いている時とかに、なんかふーっと夢を見ちゃうんだって。

夢?

そう、なんか白日夢というか、で、ふと目を上げてみたらいきなり目の前に居る筈もないあの人が、
なんてことが実は連発してたらしい。

げえええ。まじなのそれ。

まあ仕事もきつかったし、ずっと寝てなかったしで、過労だろうなとか思っていたらしいけど、
やっぱりいまから考えても、あそこ、なんか変だった、とは言っていた。

あれまあ。やっぱりそういう話って本当にあるのね。。

で、実はこの話には後日談があってさ。

ほらほら、そう来ると思ってたわよ。

そう、一年ぐらいしてからかな、いきなりその大使館から電話が来て。

はいはい。

で、ちょっと頼みたいことがあって、とかなんとか。
で、話聞いてみたら、その用件っていうのが、実は去年に設置した機材の場所を代えて欲しい、と。
なんかその後に機材が増えて今のサーバのある場所を移動したいらしくて、その移動作業の力仕事はこちらでやるから、
その現場監督というか、まあ無事に立ち上がったかどうかの確認だけをして欲しい、というか、まあそんな感じのやっつけ仕事。
そのぐらいのことならこっちからリモートでやりますよ、とか言ったんだけど、
いや、なにかあったら大変なんでどうしてもこっちに来て欲しい、と。

なにかあるわよね、それ。

まあ、でも、ほら、こっちとしては金が貰えればまあなんでもやる訳で、
それに案件そのものも大したことじゃなかったし、
で、次の仕事も回してやるからその打ち合わせも込みで、なんて話で。

誘われて行っちゃった訳ね。

そう、まあそういうこと。で、まあそんなことに他の奴を巻き込むのもなんだし、で俺一人で出かけたわけよ。

あれまあ。

したらね。

出た?

いや、出なかった。というか、それより尚悪、というか。

ええ、どうしたの?

実はそのときに行ってみたら、前に相手をしてくれたあの一人でトイレに行くなって言ってた人は担当から外れていて、
また別の人が担当者として出てきてさ。
で、その新任者ってのがもうなんというか、官僚、というよりはどちらかと言えば軍人さん、みたいな雰囲気の人で。
幽霊なんか出てきたら鉄砲で撃ち殺しちゃうような人。

あれまあ。

でその軍人さんから、移設する場所はここだ、と聞いたのが、なんとトイレの脇のその小部屋。

ええ、人が倒れちゃうって言う?

まあそう、その部屋の人がどんどん具合悪くなって、という部屋で。
まあ空き部屋にしておくのもなんだし、機械なら幽霊を見てもだいじょうぶだろう、と。

あれまあ。

で、そうその開かずの間に機材を引っ越すことになってさ。
で、聞いたんだよ、その軍人さんに。冗談めかしてさ。
あれ、でもこの部屋、開かずの間じゃなかったんですかって。
したら、案の定、けっと鼻で笑ってさ。そんな話、誰に聞いたんだ、と。
少なくとも俺が担当になったらそんな馬鹿な話は口に出さないでくれ、とかなんとか。

で、まあ引越し部隊がよいしょよいしょと仕事やってるのを待つ間、
俺はその開かずの間でひとりで待っていたんだよ。
まあ言って見れば普通の小部屋というか、机並べて人が4-5人入ったらそれで一杯ってぐらいの部屋で、
白い壁に囲まれた窓のない部屋、というより、広めの倉庫と言った感じ。

既に空調のシステムから電源とか配線とか既に準備は万端の状態で、
まあその取り付け作業をやった奴らが無事だったんなら俺も大丈夫だろう、とか思ってさ。

で、待ち時間に床に座ってLAPTOP出して、メールみたりとか、
ぶっちゃけ、その部屋に隠れて、別の案件の仕事を始めてたわけなんだけどさ。
したらね。

出た?

いや、だから出ない、っていうか、幽霊なんかいないって。
その代わり、俺、いつのまにか気を失ってたんだよ。

気を失ってた?

そう、なんかやっぱり頭が痛いな、とか思ってて。
そうそう言えば、その部屋にいたとき、通りかかった人から、
ドアを開けておいたほうがいいですよ、とかなんとか言われたんだ。
どうもその部屋で頭が痛くなったらドアを開けろ、という暗黙の了解があったみたい。

でもほら、客先でその業務と関係ないことやってる後ろめたさとかあって、
で、やっぱりこっそりドアを閉めてたんだよね。したらね、げえ、頭が痛い、とは思ってたんだけど、
まあそのうち治るだろう、とか放っておいていたら・・・

気を失ってた?

そう、はって気がついたら、床にあぐらをかいたまま、膝の上においたLAPTOPに両手を乗せたまま。
ただ、汚い話、そのキーボードの上に涎がダラダラ。涎の湖みたいになっていて・・

で、頭が痛い。割れるように、ってよりも、頭全体が熱くなっているようで。やばいなこれ、とまじに思って。

で、這いつくばるみたいにドア開けてその部屋から出たら、いきなり目の前にその軍人さんみたいな担当者がいてさ。

どうしました?って涼しい顔して言うんだよね、そういう俺を見て。

で、隠れて別の仕事してたら気を失ってました、とも言えないんで、
いやあ、ちょっと頭が痛くて、と言ったら、気のせいでしょう、と。

したらその軍人さんの後ろから、その人の部下みたいな人からちょっとこっちに、と呼ばれて、
で、やっぱりあの部屋、なんか変でしょ?と。
前の作業をしたい人たちもばたばた倒れたらしくて、
で、エクソシストにでも来てもらったほうがいいんじゃないか、なんてね。

でもほら、俺はやっぱりそういう話は信じないんでさ。で、ならなぜここは大丈夫なのか、と。
あるいはなぜドアを開けていたら大丈夫なのか、とかね。

で、そう言えば、と思いついたのが、まさに携帯。

そう、俺も昔の携帯でずっと話していると、なんか携帯を耳に当てている側の頭が熱くなってくることがあって、
つまりその携帯当てた耳が熱くなる感じが、あの部屋だと頭全体が熱くなる感じ。

なんで、そう、これ、もしかして電磁波じゃないのか、と。

だったらアルミフォイルで遮断できる筈だぞ、とか思ってさ。
で、頭痛が治まったぐらいに工事用のヘルメットを借りて、
で、その内側にこっそりとキッチンのアルミフォイルを貼り付けた。
したら・・・、案の定、ぜんぜん問題なし。

ってことは、まさにあの開かずの間、こそがその電磁波の巣窟。
締め切った状態で電磁波の中にいるってのはまさに電子レンジの中に入れられているようなもので、
そんな状態なら、頭痛、あるいは、そう、幽霊というよりも、頭の中が誤動作起こして妙な夢を見る、
なんてことも十分に考えられるよな、と。

で、その軍人さんに、ちょっとひっかけをやってね。

もしかして、この部屋の近くに強烈な電磁波を発生させるものはないか、と。
で、もしも頭が熱くなるような電磁波が発生しているようであれば、
設置する機材そのものにも重大な障害が出る恐れがある、とかなんとか。

したらね、その軍人さんが、だったらどうやったら防げるんだ、というから、
いや、だからそれはもしかして電磁波が出ているかどうか、であって、みたいなさ。

で、思わず、パラボラアンテナとか、電波塔、なんてものが・・・

って言ったとたんにその軍人さんの顔つきが変わって・・・

つまり、インターネットのセキュリティ、というか、
ぶっちゃけ、アメリカ側に知られたくない内容の通信をする時に、
インターネットを通してだとやはり都合が悪い、と。
で、秘密裏にビル内にパラボラアンテナを設置して。
で、夜な夜なそれを稼動させていた、としたら、この幽霊話の全てに決着がつく、と。

としたところ、いきなりその軍人さんがカラカラと笑い出して、で、そこまで言うなら話が早い、と。

つまり図星?

いや、それはわからない。それが本当だとしてそれがバレた時には立派な外交問題に発展する訳だからさ。

ああ、そういうことなんだ。

で、その軍人さんからそう言えば、ちょっと見てもらいたいものがあるから、と呼ばれて、
で、まあ俺の出番まではまだまだ時間がありそうなんで、ああいいよ、と返事をしたら、ついて来い、と。
で、その開かずのトイレの隣りにあった鉄の扉。それを開けたらなかは階段。
で、その階段を地下に下っていって、いくつものドアを次から次へと開けては閉めて、とやっているうちに、
辿り着いたところ。
なんとそこには。。

秘密基地?

いや、まあ、そんなものというか、シェルター。
たぶん核戦争になったときのためのシェルターがあってね。ほらこれが食料で、これが燃料で、とか。
そんなものが用意してある。

で、武器は?とか聞いたらまた笑い出して。このアメリカ合衆国の中枢においていったい誰と戦争するんだよ、と。

ただ、そう、こんなもの作ってるぐらいなんだから、
インターネットとが遮断されたときの為の通信システムぐらいは当然用意している筈だろう、と。

はああ、そういうことかあ。

でもね、改めて思ったのは、例えばそんな某国。
つまりは自身から核戦争を引き起こせる手段を持っているその当の当事者が、
なんと核戦争が起こることを前提としている、というその事実なんだよね。

核戦争、起こしてもいいかな、俺たちにはシェルターがあるし、なんて想ってたらまじ本当に怖い、というか。

で、そのあと、またそのシェルターを出てから、長い長い廊下をずうううっと歩いていったらさ。
なんとその廊下が、旧館の地下室に繋がっていた。

あれ、幽霊屋敷じゃなかったの?

そのはずがさ。見ればシュレッターばかりが並んだ部屋とかね。
そんで、いかにもついさっきまで誰かが使っていた、と思われる
最新のコンピューターとサーバの部屋とか、プロジェクタのある部屋とか。

はははあ、もう本ちゃんのスパイ大作戦。

まあそんな訳で、幽霊伝説?まさか、と。
大使館のお化け屋敷の地下に秘密司令室なんてさ。
安い映画そのものがまさに現実としてあったりする訳でね。笑えないなあ、と。

あるいは、国家の威信をかけて働いている人、そんな幽霊どころか、
そんな化け物が恐れをなして逃げ出すぐらいに、それこそ本ちゃんでおっかない世界に生きている人ばかり。

まあ、そうだろうけど・・

ちゅうわけで、そう、話を戻すけど、幽霊ね。

はいはい、そうそう、幽霊の話だった。

こんな話聞いちゃうと、もう幽霊なんて怖くもなんともないでしょ?

まあ、そうねえ。そんなものよりも怖い人が沢山いる、ということで。

そうそう。そんな人たちに比べたら幽霊なんて可愛いものでさ。

確かにそうねえ、その通り。

で、そうそう、幽霊なんだけどさ、あれたぶん、電磁波だよ。

電磁波?

なんらかの事情で、そう、ちょうどあの、俺たちが電磁波を浴びて頭がぼーっとしていたような、
そんな状況になってしまう場所っていうのがたぶんあるんだよ。

で、その電磁波によって頭がぼーっとしている時に、誤動作した脳みその中に色々な幻覚を見てしまう、というか、
ぶっちゃけ、脳みその中で勝手にそういう像を作り出しちゃうんだろうね。つまり脳内の妄想が暴走した結果。

つまり、想像の産物と。

そう、多分そんなものなんだろう、と思ってる。

怖い怖いと思えば思うほどにその想像が膨らんで、という奴。

そう、見たくない見たくない、と思いながら、なにを見たくないのか、例えばこんなもの、
なんてのを想像したとたんに、その想像したものが、見えたような気になってしまう、と。

つまりはすべて、脳内の思念によって作られた幻想、と、俺はそう思っている。

ただ、その思念がどうやって作られるのか、あるいは、その思念の暴走を招くきっかけとなるものはなんなのか、
というとまた別の話なんだけどね。

つまり、なにかがその思念を呼び起こす、ということ?

そう。なにかが脳内にその思念を呼び起こす、それがなんなのか、というと・・いやはやなんだけどさ。

なら、結局いるんじゃない、幽霊。

目に見えるものか見えないものか、とか。それが実際になにか、例えば、勝手にドアを開けたり閉めたりとか、
あるいは、車のハンドルをロックさせたり、とか、実際にその場に立って話しかけてきたり、首を絞めて来たり、
なんてことをするかどうかというと眉唾ものなんだけどさ。

ただ、そういう悪い想像を呼び起こすなにかが存在するというのは確かなわけ?

確かがどうかというとまた定かじゃないよ。思念は目には見えないからね。

ただ、五感、つまりは、視覚、聴覚、嗅覚、っして、味覚から触覚まで、人間には色々な知覚能力がある訳で、
普段は、特に視覚、あるいは、聴覚、しか使っていないような気がしていても、
嗅覚やら、触覚やらは、はっきりとは目に見えなくてもそれは確実に存在する訳でしょ?
そういったものも含めて人間は状況を感じ取っている訳なんだから、
例えば妙な予感、ってのものが、つまりはその匂い、あるいは、空気の密度とか、あるいはそう電磁波、なんてものを、
敏感に感じ取っている、というのは十分に有り得る。有り得るけど、それは視覚、あるいは、聴覚だけに頼った形態には表せない。

なんだ、ならやっぱりいるんじゃない。

気とかなんとか言うとまたおかしな世界に入っちゃうけど、
確かに、ああ、ここにはなにか悪い空気が残っているな、と感じることはよくあるよね。

やっぱりそういうのあるの?

あったからと言ってなにをする訳でもないけど、ああ、あったんだな、と。ただそれだけだけどね。

ただ、

そう、ただ、そう感じたことによって、一体何があったんだろう、例えば、なんて思念が暴走を始める訳で、
そんな思念の暴走を、馬鹿馬鹿しい、と思うか思わないかは人の自由、というか。

つまりその思念の暴走を誘うもの。

そう、本人は気づかないだけで、どこかにそのヒントが隠れていたりする。
なんか妙な匂いがしていたり、電磁波が乱れていたり、とか、
あるいは、自覚はしないだけで、どこかがなにかの悪戯で妙に変なものになんとなく見えちゃっていたり、とか。

自殺者のよくでる場所に実際に立ってみたら、なんとそこにぼんやりと人の顔が浮かんで見えた、と。
で、建物やら、木の枝やらが、なんとなく、目と鼻と口、つまりは人の顔、を創造させるぐあいになっていて、
その原因となる木の枝を切ったとたんに自殺が減った、なんてこともあるし。

つまりは思い違い。

そう。思い違い。ただの妄想。思念。それだけ。

世界は光りでできている訳だからさ。そして光りは常時変化をし続けているわけだから。世界は常時変化を続ける訳でね。

なんか哲学っぽいわよね。

ただその思念をなにが引き起こすか、は誰にも説明できない、と。
そう、つまりはそう、偶然と言うか、まあ神様の悪戯、というか、ね。

ただ、俺は常識を素直に信じる気にならない、というか、
例えば人類の歴史からすると、実につい最近まで、世界はまっ平らだと信じられていたんだよ。
で、端っこに来たとき、海の水はそのままこの世の果ての滝壷の底に向けて流れ落ちてしまう、って考えられてた。

それがついに、地球は丸い、という説が出て、世界そのまままっすぐにまっすぐに進めば同じ場所に戻ってくる、
ってのをついにマゼランが証明したんだよ。
つまり、これからこの先、まさに宇宙の常識がすべて覆るような新発見がいつ成されないとも限らない訳でさ。

なんか夢のある話じゃないの。

まあそれがあるかないかは別として、つまり今の科学、というか、常識なんて、実はすごくちょろいものであったりもするのかな、とも思ってる。
で、これまで、それこそ超常現象ではないけど、
常識的にはどうにも判断のつかない経験ってのは色々した覚えがあってさ。
で、そんな場に居合わせてしまった時には、
それが常識的にどうか、とか、
あるいは、この目で見ているこの状態が、果たして常識や科学に合致するかどうか、
なんてのも大した問題じゃないし、それを常識の範疇の中で証明する、
なんてことも別にそれほど躍起になる気もない。

ただ、ああ、そうか、そういうこともあるんだな、と。
それだけでいいじゃないか、と思うと、不思議と気が落ち着いてくる、と。

つまり見てしまったものはしょうがない、と。

そう、ああ、見ちゃった、あるいは、そこに居るな、と。
だったらそう、そういうものもいるんだろうな、と思うしかない、と。
だったらそれはそれでいいじゃないか、と思ってるよ。

なんだ、なら結局いるんじゃないの。

だからそれは誰にも判らないし、判ったからといって大した問題じゃない、って言ってるだけ。

だから、そう、こんな話はくだりません、と言ってるだけなのでした。






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プロフィール

Author:高見鈴虫
日本を出でること幾歳月
世界放浪の果てにいまは紐育在住
人種の坩堝で鬩ぎ合う
紐育流民たちの日常を徒然なく綴る
戯言満載のキレギレ散文集

*お断り 
このブログ記事はフィクションであり実在の人物・団体とは一切関係ありません藁

©終末を疾うに過ぎて...
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