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「GIRL MODEL」 というドキュメンタリー映画を観た。

Posted by 高見鈴虫 on 30.2014 読書・映画ねた   0 comments   0 trackback
先日のファッション・ウィークで遭遇した美人妖怪。
あのなにもかもが細長い割り箸人間であるところのファッション・モデル、
あの美しさというか妖艶さ、まさにこの世のものとは思えず、
で、なんかちょっと興味が出て、
こんな映画を借りてみた。

その名もずばり、「GIRL MODEL」

ファッションモデル業界の内幕を暴いた、
2011の米国のドキュメンタリーである。




元モデル、で、今はモデルのスカウト・マンとやらの Ashley Sabin ってな人が、
新たなスーパーモデルの卵を探しては、遥々シベリアの奥地に辿り着く。

学校の体育館みたいなところに村中の女の子が水着で勢ぞろい。

そのコンテストで見事王座を勝ち得たのは、
ナディアという名の13歳の女の子。

まるで小枝のような体系をした、
円らというよりはまるで宇宙人のように巨大な瞳の、
見るからに愛らしい女の子である。

ナディアはさっそく8000ドル(80万円)の報酬を(口)約束され、
それまで食うや食わずだった貧乏一家はまさに大喜び。
そして少女は、晴れて夢の都・TOKYOへと旅立つことになる。。

そう、ここまではまさにドリームストーリー。

地の果てのようなシベリアの家畜小屋で育った貧乏な少女が、
あれよあれよと世界のファッション界を震撼させるスーパースターに昇り詰める、

なんて映画なのかな、と思っていたのだが・・・

そっか、これはドキュメンタリー、

つまりそう、現実はそれほど甘くない、
というか、
そんな想像さえも遥かにぶっちぎる、
まさにとんでもない世界が待ち受けていようとは。。。

ナディア、この見るからにいたいけな、
まるで小枝のような身体をした13歳の少女。

海外どころかシベリアの田舎町を一歩も出たことのなかった、
日本語どころか英語さえもまったく喋れないこの少女が、
いきなり放り込まれた日本、という異国。

がしかし、そこには通訳どころか誰も出迎えにさえ来ていない。





絶体絶命の末に、なんとドキュメンタリーを撮影中のスタッフの助けを借りて
へいへいのていで連絡先に辿り着くのだが、
なんとそこは高級ホテル、どころか、
ワンルームマンションに二段ベッドの押し詰められた、
つまりは、そう、タコ部屋。。。。

スーパースターを夢見ていた13歳の少女は、
この異国の地でいきなりあまりにも過酷過ぎる現実に叩き込まれることになる。

という訳で、日本側のエージェントであるなんたら、という会社。
まさか、と思ったら、なんと実在する会社 /W

このいかにもいかにもいかにもな会社の、
そのいかにもいかにもその筋の方々、
そんな日本側エージェントに連れられては、
13歳の田舎娘はまさに見ず知らずの異国の地の、
いったいなにを喋っているかさっぱり判らない人々の中を
一日中連れまわされてはドサ周り営業。

そしてタコ部屋に放り込まれてはなんの説明もないまま放置プレー、という日々。

つまりこれただたんに家畜扱いな訳である。

で、この13歳のナディア。

日本に着いてからなにも食べていない。
だってお金を持っていないのだから。

タコ部屋の同室の、やはりロシアから連れてこられた女の子が実はちょっとした金持ちの娘で、
親からもしもの時のためにと預かってきた虎の子のクレジットカード、
これでなんとか食いつなぐことになるのだが、
いよいよこれはなにかおかしい、と思っていたところに、契約書が手渡される。

その契約書の中に1CMでも太った時には契約違反。即刻本国に強制送還、とある。

いち早く詐欺の匂いをかぎつけた同室の娘は、
親のクレジットカードでカマンベールチーズをバカ食いしてわざと太り、
そして見事に本国送還。

が、そんな彼女の手元にはなんと、タコ部屋の部屋代他必要経費として2000ドルの請求書が押し付けらて、

と、ここまで来たら誰でも判る。

これは詐欺。

つまり池袋の駅前で下手な日雇い仕事の手配師に引っかかったが最後、
いきなり黒部渓谷のダム工事現場に連れて行かれて、
なんていう、あれのロシア少女版である。

そしてそこには、まさに売春目的の人身売買の匂いがむんむんなのである。

という訳で、滞在許可の期限の切れる二ヶ月後、
ろくな仕事の取れなかったナディアはそのまま本国送還となるのだが、
そんな彼女の手元にもしっかりと日本での必要経費の請求書。

あれ、約束の8000ドルは?

つまり、それを含めてあるものないもの一切合財の必要経費を差っぴかれた末に、
残ったものはまさに目を見張るような大赤字、という筋書き。

そんな金、払えるわけもなく・・・・

という訳で、ナディアの元にまた新たな契約書が手渡される。

つまり、ヌード撮影を受諾する契約書。
先の日本行きの借金を返すために、その契約書と共に再び日本、
そして台湾、中国へと巡業の旅に出ざるを得ないナディア。

まあその行く末は、と言えば、ご想像にお任せします、
というか、まあそんなこと誰でも判るだろう、といったところ。

という訳で、みなさん、ファッション業界って本当に熾烈なんですね、
ではさようなら、では済まない。済むはずもない。。

で改めてこのドキュメンタリー映画の製作スタッフ、
よりによってその共同監督がスカウトマンであるアシュレーその人、とある。

そして女賎の人買い、じゃなかった、モデル・エージェント、
そして日本側のそれ、も合わせて、素顔も本名も丸見え、
ってことは、これ、表向きには合法なんであろうか、とまさに目が点々である。

という訳で、スカウト・マンのアシュレー、これまでの成果物の少女たちのアルバムを捲りながら、

この娘もこの娘もこの娘も消えちゃったわ。
さあねえ、どこでなにをしていることやら。
多分、そう、売春じゃない?それ以外にないもの。
そう、売春だってそれほど悪いものじゃないわよ。

だそうなのである。

つまりそう、無一文の13歳の少女をタコ部屋に放置プレーというのは、
つまりはそう、それが前提としてある訳なのだろう。

ブラック企業もここまでくるととんでもない物があるわけだが、
まあAKBやらの日本のアイドル業界を上げるまでもなく、
げーのーかい、やら、ふぁっしょんかんけーやらのキラキラした世界の内幕ってのは、
得てしてこんなものなのだろうか。

で、つくづくこの映画に出てくる人たち、
そろいもそろって完全にずれている、
が、それもそのはず、この映画に垣間見える業界の裏方さんたち、
みんなもう判で押したように見事なぐらいにその筋の方々、
そして、そう、このスカウトのアシュレーという女。
まさにその顔・・・吸血鬼・・・
つまり、これ、
まじで虎の尻尾、どころか、虎の穴の中、そのものじゃねえか、とも思えるわけで。

とそんな状況の中から、第二のシンディーがケイトがナオミが、生まれることもあるのだろうか。

という訳で、そう、彼の日に見かけたあの本場もののスーパーモデル。

そんな星の数ほどの不幸な少女たち、
スーパースターを夢見た筈が、あれよあれよとどこぞの売春宿に叩き売られ、
麻薬漬けにされた挙句に転売に転売を重ねられていまはマカオかバンコクか、
なんてかたがたの頭上に燦然と輝く正真正銘のスーパースター。

あの妖怪じみた美しさも、つまりはそういうつもり積もった怨念の集大成、ということなのかもな。

いやはや、恐れ行った。


ということで、こんな面白い映画が、
あり?日本ではやっていないんだね。

いかにも日本人好きなテーマである筈なのが、影も形もないってのはいったいどういったこと?

そういえば昔、どこぞの肋本気のうんたらで、
ロシア人モデルが鈴なりの超高級秘密クラブに、
どこぞのえらーい大技師の方々がちょくちょくと、
なんて話を風の便りに聞いたことがあったのだが、
もしかして、このいかにもな会社のけつもちって・・・

なんて、おかしなことを考えてしまったのだが、
さすがにそれは、と苦笑い。いやあくわばらくわばら。

いやはや、やばい映画であった。。。


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プロフィール

Author:高見鈴虫
日本を出でること幾年月。
世界放浪の果てにいまは紐育在住。
人種の坩堝で鬩ぎ合う
紐育流民たちの日常を徒然なく綴る
戯言満載のキレギレ散文集

*お断り 
このブログ記事はフィクションであり実在の人物・団体とは一切関係ありません藁

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